11/05/09 18:59:13.05 0
>>401の続きです
赤ちゃんタブンネが生まれた次の日、起きるとそこはまさに地獄絵図だった。
巨大竜巻が襲ったかのような部屋の荒れ様。そしてそこには三匹のタブンネだった肉片が散らばっていた。
強盗かと思ったが家の鍵は掛かっている。誰かが侵入した痕跡は無い。やったのは間違いなく戦闘用のポケモン達だ。タブンネは別格とは言えけづや、なつき度、個体値、努力値いずれも非の打ち所の無い筈。タマゴから育て上げて長年共に戦ってきた仲間達がどうしてこんな事を？
戦闘用ポケモンを呼び出して厳しく問い詰めた。すると彼らはこう言った。
貴方は卵から生まれた時から一生懸命愛情を込めて育ててくれ、苦楽を共にし、勝利の喜びを分かち合ってきた。だが最近はどうだと。
自分達が一生懸命戦い続けてるのに貴方は構ってくれず、戦いもしない新顔のタブンネばかり構っている。挙句の果てにこんな奴らの育児の手伝いをやらされる始末と。
こいつらの為に働くのはもうたくさんだと。タブンネさえ居なくれば自分たちは前の日常が取り戻せると。
思えばそうだった。一体何処で間違えたのか。タマゴから育て、長年共に過ごしてきた大切な仲間達が居ながら、偶然野生で見つけたタブンネ達に骨抜きにされ、溺愛していた。
恥ずかしい話だ。タブンネばかりに構っていた為に、他のポケモン達から信頼を失われていたと言う事だ。自分が情けない。
この過ちは簡単に許されることではないが、償わなくてはならない。私は許しを請う為に必死で頭を下げた。するとポケモン達は意外にもあっさり許してくれた。
この事件の後、私は仲間達との絆を確かめ合い、改めてポケモントレーナーとしての道を歩んでいる。この幸せはタブンネなどが持ってきたものでは無い。間違いなく私の仲間達が持ってきたものだ。ありがとう、かけがえのない仲間達。
タブンネ？今では別の意味で別格な私のポケモン達の愛用サンドバッグさ。
Fin