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>650の続き
父が応援を頼みに行っていた頃、長男タブンネは300m下の谷底にいた。
長男が落ちた時、ボヨーンと青くて柔らかい物がクッションとなって助かったのだ。
しかし、その青い物体はトドゼルガの腹だった。「ブオオオオオオオオォォォ!!」
怒りのトドゼルガの雄叫びが谷底に響く。「ミイイイイイィィィ!?」長男の絶望的な
悲鳴が響く。(ゴメンなさいミィ。殺さないで、死にたくないミィ!)
(ココはワシの縄張りだ!入った物は許さんッ!)長男の必死の命乞いも誇り高きトドゼルガ
には無意味だった。(死ねェ!絶対零度じゃ!)トドゼルガの口から最強の冷気が発射される。
冷気が長男の体を足から凍らせていく。「ミヒィイイイイィイイィィ!?」自分に迫る死の恐怖
にかられ、長男は父に助けを求める悲鳴をあげる。しかし、父はまだ基地にいた。
(助けて!誰かァ!)冷気が長男の体を固めた。「ミィッ!ミィッ!」(パパッ!早く来て!!)
長男は耳を澄ますが、既に耳は凍って使い物にならなかった。トドゼルガは海に潜って行った。
「ミイミィミィッ!ミイイィイイィィ!!」動かなくなっていく体で助けを求める。
もう時間が来たようだ。「ミ・・・ィ・・・。」(パパ・・・助け・・・)
最期の弱々しい声と共に長男は死んだ。家族が救援に来た時、絶望に満ちた死に顔に皆泣いた。
続く