11/03/28 18:41:41.19 Q
次の日。
「ミッミッ!」ペトッ
「おはようタブンネ(うるせえ、キモいツラ見せんな糞豚)」
「ミッ!?」
触角から受け取った鼓動は電気信号となって脳に送られる。これがタブンネが心を読める仕組みだ。
オーベムは脳の信号受信を心の声が全て罵倒に変わるように改造したのだ。
「(臭え触角なんか付けやがって、生きてて恥ずかしく無いのかよw)」
「ミヒィィッ!」
うつむきながらトボトボと歩くタブンネ。日課の散歩もつまらなさそうだ。
そのうちに昨日の二人組に会った。挨拶してきた二人にタブンネは条件反射のように触角を伸ばしてしまう。
「グギュグバァッ!(おい、キチガイポケモンが来たぜ…)」
「ぱるぱるぅ(ほんと、このヌルヌルした触角の汚さときたら…トレーナーも災難だよね)」
「ミィィ!!?ミッ…ミッ…ミヒャアアアアン!!」
タブンネはショックで泣きながら走っていってしまった。慌てて追いかける。
「グギュグバァッ?(俺達なんかしたかな?)」
「ぱるぱるぅ?(さあ…?)」
「(うわっ、腐ったナマモノのニオイ!あいつ友達居ないんじゃないの?)」
「(朝から嫌なもん見ちまった、おーい塩まいてくれー!)」
「(パツパツのチョッキみたいな模様しやがって、保健所呼ぶぞデブが)」
「(タブンネたんのおまんまんに拙者のメガホーンをぶちこみたいでござるwwww)」
「ミィィ!!ミギャアアアアーーーッ!!!」
ようやく追い付いたとき、タブンネはちぎれた触角を握り、血まみれになって家の前にいた。涙をボロボロこぼしながらタブンネは笑っていた。
最大の特徴である触角を無くし心の声をシャットアウトしたタブンネに一言、口をわざとらしく動かして大きな声で言ってやった。
「さっさとくたばれ、クソブタ」
「ミ…?ミミッ、ミヒヒヒヒ、ミヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!ブベッ」
タブンネはいきなり壊れたように笑いだし、地面に転げたと思うと二度と動かなくなってしまった。
終わり