11/02/05 00:03:23 O
昔、在るところに多様な生物が共存している静かな湖があった。
その湖は空気や水が綺麗な事、多種多様な生態系を落ち着いて観察できる事から観光客に一定の人気があり、いつも誰かしら人がいた。
そんなある日、その湖がある村の村長が、この村にもっと観光客を増やそうとこの静かな湖に目を付けた。
村長はあろうことか、この湖に外来魚を放流し、スポーツフィッシングの一大エンターテイメントパークにしようと言い出したのだ。
一部の住民は生態系や環境が破壊されると村長に反論したが、村長はその意見を蔑ろにし、周囲の人間も自らの立場を恐れて同調しなかった。
結局、村長の独断で湖に外来魚が放たれ、元々いた在来種は外来魚によって為すすべもなく駆逐されていった。
その結果、湖は昔の面影すら残さず変貌してしまったが、皮肉にも新規の観光客のお陰で村の収入は前年に比べ大幅に増える事になった。