ポケットモンスターSS ~ヨモギの冒険~at POKE
ポケットモンスターSS ~ヨモギの冒険~ - 暇つぶし2ch2:名無しさん、君に決めた!
11/01/09 22:53:01 0
                   ,!  \
           ,!\          !    \   こういうスレマジでもういいから…
         i  \         l      \,,..__
          ,i′  ,\___,,--―l       \::゙'冖ーi、、
        i     :;\::::::::::..l              `'‐、、
       /__,..;:r---―-、,..__.     ,;'il:;}          .;:::`L__
   ,.:f''""゙゙゙´          、 ̄ヽ,//           ...::::::l;;;:;;::::
  _/       ......  、   \//、            ::::::::リ;;:::::::::....
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3:名無しさん、君に決めた!
11/01/09 22:53:02 0
和孝久しぶりに見たわ
kskバシャーモ出てから見てねぇや

4:ミジュマルたん
11/01/09 22:54:39 0
ミジュ

5:名無しさん、君に決めた!
11/01/09 22:54:50 0
やべぇ、ワクワクしすぎで俺のおちんぽ爆発しちゃいそう

6:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/09 22:57:22 0
 ―早朝。アガベタウンの市場。

 世界一のポケモントレーナーを目指すヨモギは、
 昼食をとるべく、市場のテントに並べられた商品を見ながら歩いていた。

 ワイワイ ガヤガヤ

ヨモギ「テントばっかり、人ばっかり。何かいい飯ないかなっと」

 ヨモギはテントの一つに目が留まった。

ヨモギ「おおっ!」


第1話 バトルだ!!


 そのテントの中には多く新鮮な木の実が搭載されていた。

ヨモギ「わあ、木の実がいっぱいだ!」

店員「いらっしゃいアル、いっぱいあるアル」

キャモメ「ミャーミャー」

ヨモギ「すげぇな、この実は?」

 ヨモギはかごに入れられた黄色い木の実を指差した。

店員「それは中国でとれたウブの実アル。1つ300円かかるアル」

7:名無しさん、君に決めた!
11/01/09 23:00:39 0
ヨモギは中国に連れて行かれた
臓器売買されるのだ

        THE END

8:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/09 23:01:42 scFw4u8D0
ヨモギ「300円だって!?」

 ヨモギは財布を見る、残金は57円であった。

ヨモギ「じゃあダメだよ。オレそんな金持ってないもん」

店員「それは残念アル、出直してくるアル」

 結局ヨモギは空腹のままテントを後にした。

ヨモギ「ったく、30円ぐらいで食える飯はないかな」

「キャー!!」

ヨモギ「悲鳴!?」

 声のほうを向くと、女の人が二人のデカイ男につめよられていた。

スネイキー「おいおい、あんまり騒ぐなよ」

ヨモギ「何が起こってんだ?」

通行人A「やべぇよ、スネイキーとチェリィだ」

通行人B「ちくしょう!また弱いものいじめをしにきたんだ!」

9:名無しさん、君に決めた!
11/01/09 23:04:08 0
冬厨はさっさと氏ね

10:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/09 23:05:49 scFw4u8D0
女性「やめてください!悲鳴を出しますよ!!」

スネイキー「悲鳴?ハン、バカが!」

 スネイキは体を一回転させ、ニヤリと笑った。

スネイキー「見ろ、オレたちがこうしてお前を恐喝しても誰一人こっちに寄ってこないだろ?」

スネイキー「この町にこのスネイキーとチェリィ兄貴に逆らう奴はいないのさ!」

女性「そんな・・・」プルプル

チェリィ「残念無念だ、お嬢さん」

チェリィ「早いところ、お前の小遣いを全て俺たちによこすんだな!」

ヨモギ「アイツらは誰なの?」

通行人A「バカ、ありゃここら一体を取り仕切るチンピラトレーナーだよ」

通行人B「チェリィとスネイキー!裏の世界じゃかなりの悪事を働いてるって噂だぜ!」

ヨモギ「へぇ・・・」

11:ミジュマルたん
11/01/09 23:06:48 0
>>9

12:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/09 23:11:47 scFw4u8D0
チェリィ「さあ!早くよこせ!!」

 チェリィが大きな腕で女性のバッグを揺さぶった。

女性「いやぁあああ!」

スネイキ「あひゃはっひゃ!」

ヨモギ「待てよ!」

スネイキー「!?」

 周りが静まり返った。

ヨモギ「弱いものイジメはみっともないぜ」

チェリィ「なんだこのガキ・・・?」

通行人C「あの子、あの二人に喧嘩を売るなんて!」

通行人D「命が危ない、誰かやめさせろ!」

13:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/09 23:17:18 scFw4u8D0
 焦る人ごみの中で黒縁メガネをした男、シシトーは笑みを浮かべていた。

シシトー「いや、ここは彼を見守ろう」

通行人D「どうしてだい?シシトー!」

 シシトーは黒縁メガネを調整しながら笑みを浮かべた

シシトー「見てればわかるさ」

通行人E「し、しかし・・」

スネイキー「ああん、何者だテメェ!」

ヨモギ「オレはヨモギ。通りすがりのポケモントレーナーだ!」

 それを聞いた二人は鼻息でヨモギを笑った。

チェリィ「どうやら、俺たちがどれほど恐い人たちかわかっていないようだな」

チェリィ「いいだろう、そういう無知なガキはポケモンバトルでこらしめるのが俺たちのやり方だ」カチャッ

ヨモギ「面白い、その勝負受けて立つぜ!」カチャッ

14:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/09 23:22:10 scFw4u8D0
 チェリィとヨモギはベルトにとりつけられたモンスターボールを取り外した。

チェリィ「一瞬で終わらせてやる!」

ヨモギ「どうだかな!」

チェリィ「ゆけ!!クイタラン!」ボンッ

クイタラン「ギャオー!」

シシトー「むお、チェリィはクイタランか・・・」

 シシトーはカタカタとノートパソコンをいじり始めた。

チェリィ「こいつは今まで多くのポケモンを焼き尽くしてきた」

チェリィ「お前のポケモンも焼き尽くしてやる!」ビシィッ

ヨモギ「クイタランか!オレは・・バトルだ!エンブオー!!」ボンッ

エンブオー「ブオッ!」

シシトー「あいつはエンブオーか・・こりゃ面白いことになった」カタカタ

15:タフネス甲羅 ◆Pata/7vIcXmC
11/01/09 23:23:23 lMS9a/Q80
ねぇ>>1
かなり古いコテだよね

16:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/09 23:27:19 scFw4u8D0
チェリィ「エンブオーか、炎タイプのポケモンだが・・・」

チェリィ「俺様のクイタランに相性など関係なし! 煉獄だ!!」

クイタラン「ブォオオオオッ!」

 ドボォオオオオオオン!!

 クイタランの口から大量の炎が噴出す。

 熱風が周りを包み、煙が視界を消した。

通行人たち「「うわああああ!!」」

スネイキー「あちち・・・さすがは兄貴のクイタラン。これはで丸焼きは確定だな」

チェリィ「どうだ!驚いたか!お前のポケモンなど相手にならんのだ!」

シシトー「(・・・いや)」

ヨモギ「へへ、てめぇの目は節穴かよ!」

チェリィ「なにぃ!?」

17:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/09 23:32:08 scFw4u8D0
ヨモギ「エンブオー!!」

 ドボォオオオム!!

 燃え盛る炎の中からエンブオーが飛び出した。

チェリィ「ばっ・・!」

ヨモギ「行くぜ、エンブオー!ニトロニャージ!!」

エンブオー「ブォオオオーッ!!」

 エンブオーは全身を燃え盛らせながら、クイタランにつっこんでいった。

クイタラン「ギャ、ギャ・・!」ゴオオオ

 ズドォオオム!

クイタラン「ギャオオオオー!!」

チェリィ「く、クイタラン!」

 クイタランはエンブオーの突進をモロにくらい、吹き飛ばされた。

18:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/09 23:37:05 scFw4u8D0
 ドガシャーン!

キャモメ「ミャー!」

店員「なっ、なにアル!?」

クイタラン「ギャ、オ・・・」ピクピク

店員「クイタラン・・?これはチェリィのアル?」

ヨモギ「よっしゃ!ナイス、エンブオー!」

エンブオー「ブオッ!」

チェリィ「俺様のクイタランが・・あ、ありえん」

シシトー「さすが、だな」

スネイキー「あ、兄貴・・・!」

ヨモギ「さあ、次はお前が相手か?」

スネイキー「ちっ、オレのアーボックが敵をうつ!」

シシトー「やめときな」

スネイキー「なんだとぅ!?」

19:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/09 23:41:48 scFw4u8D0
ヨモギ「(あいつは・・!)」

シシトー「お前じゃそのヨモギには勝てないよ」

スネイキー「へ、世迷いごとを・・」

チェリィ「……いや、そいつの言うとおりだ。スネーキー!ここはひくぞ!」

スネイキー「うう、くそっ、あとで覚えてな!」

 タッタッタ・・・

 二人組は逃げていった。

通行人A「す、すげぇ・・」

通行人B「あのガキあいつらを追っ払っちまった!」

 ワーワー ヒューヒュー

ヨモギ「へへ、あんな奴ら、オレたちの敵じゃないぜ」

20:名無しさん、君に決めた!
11/01/09 23:43:06 0
チェリィとかスネイキーとか名前が酷いなwwwwwwww

21:名無しさん、君に決めた!
11/01/09 23:45:40 0
>>1のSSを読んだ感想

・会話主体で地の文ほぼ無し
・擬音語を多用して描写をごまかしている

とかはいい、VIPや創作、ポケ板でよくあるタイプのSSスレならまぁ普通なこと

・句読点が位置がおかしい部分が多い
・自分の脳内で完結してる部分が多い(説明すべき場所を読者任せ)
・3点リーダを使わないしそれを踏まえても「・・・」などの長さが読みづらい
・地の文の取捨選択がお粗末(台詞頼りで最低限の地の文ならば逆に不要な文が多い)

少なくともここは直すか注意を心がけながら書いてくれ、読みづらい
特に2点目の自分の脳内では終わっていて描写していない部分が多い
ストーリーはまだ進んでないしどうなるか分からんから期待はしてるけど

22:名無しさん、君に決めた!
11/01/09 23:46:51 0
シシトー「まあ、そうだろうな」

ヨモギ「・・お前は!!」

通行人H「えっ、何?」

通行人I「知り合いなの?」

シシトー「オレのことを覚えていてくれたか」

ヨモギ「当たり前だ!シシトー・・てめぇをオレが忘れるかよ!」

 シシトーは不気味な笑いを浮かべた。


            ―第2話に続く

23:サンダアスウわたしは ◆6...6...6.
11/01/09 23:50:22 mX2cSowp0 BE:1609726447-DIA(153770)
ヨモギ「へへ、あんな奴ら、オレたちの敵じゃないぜ」

そこえぴんくでセクシイなサンダアスウが通りかかる

サンダスウ「うっふん♪ うっふん♪」

チェリィ「あああああああああああああっっ!!」

スネイオー「セクシイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!」

ヨモギ「サンダアスウさまわあいかわらずお美しい!!!」

バシャアアモオ「サンダアスウさま~」

ニイドオラアン♂「サンダアスウさま万歳!!」

こうして世界わサンダアスウさまのものになりましたとさ。。。


                ┼ヽ  -|r‐、. レ |
                 d⌒) ./| _ノ  __ノ

24:名無しさん、君に決めた!
11/01/10 00:01:59 0
投下終了!
みんな、支援ありがとう!!

>>2 お前、どっかで見たことあるぞ
>>3 加速バシャーモなんて邪道だろ邪道、時代はニトロチャージだからな!
>>4 顔のブツブツどうにかしてっちゃ
>>5 想像したらグロい
>>7 中国ならよくあること
>>9 ポケモン板は初めてか?まあ、力抜けよ
>>11 黙ってないでなんとか言えよ!!
>>15 俺はコテデビュー3年目の新参だぞ
>>20 お風呂に入ってるとき思いついた
>>21 読んでくれてありがとう!
   期待してくれることに感謝して少しは改善しよう。
   三点リーダや地の文の淡白ぶりは和孝を知らないものには読みにくいだろうからね。
>>23 ワロタ。サンダアスウ鬼才杉だろ。

25:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/10 00:14:14 gXnMukTj0
俺の過去作も良かったら見てくれよ!

URLリンク(mimizun.com)
ポケモン赤の小説

URLリンク(unkar.org)
無敵無双伝説バシャーモ

URLリンク(unkar.org)
無双無敵伝説バシャーモ

26:名無しさん、君に決めた!
11/01/10 17:15:29 0
       ____
     /____\
   /ィ赱、i_i_r赱ミ\
  / ̄ ̄ ̄ィ'。_。ヽ ̄ ̄\   ヨモギ
  |    / _lj_ }    |
  \    、{ ^' ='= '^'   /
     l ヽ. `""´ ノ l、

     /____\
   /ィ赱、i_i_r赱ミ\
  / ̄ ̄ ̄ィ'。_。ヽ ̄ ̄\   シシトー
  |    / _lj_ }    |
  \    、{ ^' ='= '^'   /
     l ヽ. `""´ ノ l、

     /____\
   /ィ赱、i_i_r赱ミ\
  / ̄ ̄ ̄ィ'。_。ヽ ̄ ̄\   チェリィ
  |    / _lj_ }    |
  \    、{ ^' ='= '^'   /
     l ヽ. `""´ ノ l、

     /____\
   /ィ赱、i_i_r赱ミ\
  / ̄ ̄ ̄ィ'。_。ヽ ̄ ̄\   
  |    / _lj_ }    |  スネイキー
  \    、{ ^' ='= '^'   /
     l ヽ. `""´ ノ l、

27:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/10 18:39:36 gXnMukTj0
オッケイ!
今から第二話を投下するぜ!!

>>26 イケメン多すぎだろww

28:第2話 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/10 18:41:55 gXnMukTj0
ヨモギ「お前がこの地方に来てるなんて知らなかったぜ」

シシトー「俺だってお前をここで見て驚いたよ」

シシトー「ここで立ち話ってのもなんだし、どこか場所を移さない?」

ヨモギ「だったら、腹が減っていたとこだしポケセンにでも行こうぜ」

シシトー「そうするか」


 第2話 まだだぜ!


~ポケモンセンター~

 ポケモンセンターに内蔵された食堂で二人は食事をとることにした。

 ヨモギは牛丼、シシトーはコーヒーを注文した。

 ヨモギはソファにもたれかかりながら、ため息をつく。

ヨモギ「それにしてもオレがならず者に絡まれても加勢してくれないなんてガッカリだぜ」

29:第2話 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/10 18:44:48 gXnMukTj0
シシトー「悪い悪い、お前の成長ぶりが見たくてな」

 シシトーは顔をほころばせた。

ヨモギ「で、オレの成長のほどはどうだ?」

 シシトーは腕の付け根に挟んだノートパソコンを起動した。

シシトー「そうだな……さっきの戦いぶりを見たところ」カタカタ

ヨモギ「見たところ?」

シシトー「エンブオーは進化したこともあって、パワーとスピードともに格段にアップしたな」

 ノーパソの画面にエンブオーの画像と共に緑、黄、赤の円グラフが映し出された。

ヨモギ「はは、照れるな。あんまり褒められちゃうとさ」

 シシトーが眉をしかめた。

シシトー「褒めてはないさ。むしろ貶してるぐらいだよ」

ヨモギ「えっ?」

シシトー「お前がこの半年ほどで得た成長は大したことがない。
     成長してるのはポケモンだけで、お前は成長してないみたいだ」

ヨモギ「な、なんだと……!」

 ヨモギが顔をひきつらせた。

30:第2話 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/10 18:48:33 gXnMukTj0
 ※

 一方そのころ、チェリィとスネイキーはアジトである廃工場に急いで戻ってきていた。

チェリィ「ハァ、ハァ」

手下A「どうしたんですか!? そんなに息切れして……」

スネイキー「チェリィ兄貴が通りすがりのガキにポケモンバトルで負けたんだ」

手下B「何っ!?」

 廃工場の中が騒然とし始めた。

チェリィ「俺様としたことが油断していたようだ」

チェリィ「だが、あのガキは本気で強い! 下手したら……」

「下手したら?」

チェリィ「!?」

 チェリィとスネイキーが不意に聞こえた声の方向を向く、そこ胴衣に身を包んだ筋肉質の少年が立っていた。

スネイキー「ヒ、ヒエ!」

31:名無しさん、君に決めた!
11/01/10 18:48:38 0
和孝誤爆すんなwwwwwwwwwwwwww

32:第2話 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/10 18:51:22 gXnMukTj0
ヒエ「そいつがオレより強いとでも言うつもりか?」

チェリィ「そ、それは……」

ヒエ「まあいい。そのガキはどこのどいつだ?」

スネイキー「ああ、半そで短パンで猫目の……」

 ヒエがスネイキーを睨みつける。

ヒエ「オレはそいつの名前を聞いているんだ」

チェリィ「あ、ああ。確かヨモギとか言ってたな」

ヒエ「ヨモギ……ヨモギか」カチャッ

 ヒエはベルトのモンスターボールをはずし、ニヤついた。

ヒエ「いいだろう、オレが手合わせしてやる」

33:第2話 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/10 18:54:52 gXnMukTj0
 ※

ヨモギ「オレが成長してないってどういうことだよ!」

シシトー「戦い方が単調なんだよ。攻撃に耐えながら反撃するってな」

シシトー「雑魚には通用するかもしれないが、上位のトレーナーには通用しないぞ」

ヨモギ「なんだよ、言いたいことばっか言ってさ」

 ヨモギが牛丼をむさぼりながら喚く。

ヨモギ「そういう自分の戦い方はどうなんだよ!」

シシトー「俺はバトル専門じゃなくてデータ専門だからな……」

 シシトーはやれやれと言うように頭を振った。

ヨモギ「結局は口ばっかだな、お前って奴は」

 シシトーはムッとしながらヨモギを睨んだ。

シシトー「言ってくれたな……」

シシトー「それなら勝負して見るか?」

ヨモギ「へっ、面白いじゃねーか!」

 ヨモギはベルトからボールを取り外し、シシトーに突きつけた。

34:第2話 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/10 18:59:05 gXnMukTj0
 二人はアガベタウンの空き地にやってきた。

シシトー「勝負は1対1でいいな?」

ヨモギ「ああ、一瞬で終わらせてやるぜ!」

 ドヤドヤガヤガヤママー

通行人A「何だ? ポケモンバトルか?」

通行人B「面白そうだ、見ていこうぜ」

ヨモギ「ニューラ! バトルだ!」ボンッ

シシトー「ネイティオ!」ボンッ

ニューラ「ニュッ!」

ネイティオ「トゥトゥ」

ヨモギ「選択ミスだったな、悪タイプのニューラはエスパーのネイティオに有利だぜ」

 ヨモギの挑発的な態度に動揺することなくシシトーは余裕の笑みを浮かべていた。

シシトー「それは勝負しなきゃわからんだろ?」

35:名無しさん、君に決めた!
11/01/10 19:01:27 0
シシトー「あまり強い言葉を使うなよ、弱く見えるぞ」

ヨモギ「へっ寝言は寝てからいうんだな」


36:第2話 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/10 19:04:35 gXnMukTj0
ヨモギ「だったら、行くぜ! きりさくだ!」

ニューラ「ニャーッ!」ビュオ

 ニューラがネイティオに飛び掛っていく。

シシトー「ネイティオ、リフレクターだ!」

 ネイティオが目を光らせると、紫に光る半円形のバリアーがネイティオの周りに現れた。

 ニューラが鋭い爪でネイティオを引っかくと、ガチィンと鉄が弾くような音がこだました。

ヨモギ「バリア技か! ニューラ、かわらわりだ!」

ニューラ「ニュラ!」

 ニューラは高く飛び上がり、バリアとネイティオに向けて力のこもった拳をたたきつけた。

シシトー「(その動きを待っていた!)」

 バリィイイイン!!

ヨモギ「よし、バリアが割れた!」

シシトー「今だ! 鋼の翼!」

37:名無しさん、君に決めた!
11/01/10 19:09:32 0
>>36 ニューラの使う技が切り裂く・・・
技等倍で相性良いとか言っちゃうのか
鋼の翼使えるネイティオの方が相性良いよね

ニューラは辻斬り覚えてから使えよと

38:第2話 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/10 19:10:14 gXnMukTj0
ヨモギ「鋼の翼だと!?」

ネイティオ「トゥートゥッ!」

 ズバッ!!

 ネイティオの翼がニューラを切り裂いた。

ニューラ「にゅ……らっ!」バタッ

 ニューラはよろめきながら倒れた。

ヨモギ「なっ……!」

シシトー「勝負ありだな」

通行人たち「「おーっ!」」パチパチ

シシトー「確かにニューラのパワーはすごいぜ、だが格闘技のかわらわりは飛行タイプも入っているネイティオに半減されてしまい、ほとんどダメージは通らない」

シシトー「こっちは氷タイプのニューラに抜群な鋼技で一撃ノックダウンは当然。つまり、肉を切らせて骨を断ったってことだ」

39:名無しさん、君に決めた!
11/01/10 19:12:30 0
>>37ニューラは辻斬りを覚えないから騙し討ちだろうって突っ込むのは無しですか

40:名無しさん、君に決めた!
11/01/10 19:14:37 0
            ユレイドルのあやしいひかり!   /
      _,,,......,,,, \                  ./:,, -─- 、._
  三 ゝ(⌒,_ゝ⌒) \  ブチ (⌒,_ゝ⌒)⊃糞が! !/::::         ヽ
    く 、_゙゙゙ノ゚ノ"゙゙)) \   (⊃   )       ./::::           ヽ 
 三 (.゙ン" .ノノ ノソ    \ /   ヽ    ./::::   ⌒    ⌒    |  
    (゙''―--‐''"l      \ ∧∧∧∧/::l:::        ゝ      |    
三   / /'"⌒\ ヾ,       <      >::l::::      ,__        /.
   .lノ    ̄-''"       <  のも .>::ヽ、_        __/
──────<  予こ .>──────
            ____ <  感う .>   素材厨はBANですわ・・・
          /      ||<      >   カタカタ・・     _____
J(#⌒,_ゝ⌒)し< アホォ!  /∨∨∨∨\            ||\   \
          \___/  ( × )   \  (⌒,_ゝ⌒)   || | ̄ ̄ 
     ショボーン     ./     ▲      \┌(  つ/ ̄||/  ̄ ̄ 
  (⌒,_ゝ⌒)      /               \ヽ |二二二」二二二二二
    (∩∩)── /  通信エラーによって     \]_)  | | 
  /| ̄ ̄| カタカタ/ インターネットから切断されました。 \  /  |
         /     エラーコード:94020       \[__」


41:第2話 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/10 19:14:44 gXnMukTj0
通行人C「さすがはシシトーだな」

通行人D「ポケモンだけでなく、トレーナーの弱点をつくとは」

ヨモギ「……」

 ヨモギは黙って倒れたニューラを凝視していた。

シシトー「残念だったな。これがお前にはできない戦略的戦いかたさ」

 シシトーが勝ち誇った笑みでヨモギを見る。
 しかし、ヨモギの顔はまだまだ敗北に染まっていなかった。

ヨモギ「まだだぜ!」

シシトー「なに?」

ヨモギ「ニューラはまだ力尽きちゃいない!」

 シシトーはニューラの様子を確認しなおす。
 ニューラはいつの間にか再び立ち上がっていた。

シシトー「馬鹿な……」

42:第2話 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/10 19:19:30 gXnMukTj0
ヨモギ「シャドークローだ!」

ニューラ「ニュラ!」ビュオオッ

シシトー「しまっ……」

 ズシャアアッ!!

 ニューラの黒く輝く爪がネイティオの体を引き裂いた。

ネイティオ「トゥトゥ……ッ!」ドシャッ

 ネイティオは目をうつろにさせ、その場に倒れた。

ヨモギ「よっしゃ! 最高だぜ!」

 ヨモギは満面の笑みでガッツポーズを決めた。

通行人たち「「おおーっ!」」

通行人B「すげぇな!」

通行人E「大逆転勝利だ!」

43:第2話 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/10 19:22:40 gXnMukTj0
シシトー「……そんなバカな」

ヨモギ「勝ったと思ってリフレクターを解いちまったみたいだな」

ヨモギ「最後まで勝負を捨てないってのがオレの戦いかただ!」

 シシトーはネイティオをボールに戻しながら、ため息をついた。

シシトー「参ったな、お前に作戦と弱点の重要さを教えてやろうと思ったのに」

ヨモギ「いや、オレだって危なかったぜ。作戦はやっぱ重要って分かったよ」

シシトー「きちんと理解してくれたならいいんだが……」

「ケッケッケッ……」

ヨモギ「?」

 集まった通行人の中からやけにいやらしい笑い声がした。

 一気に騒然としていた周りが静かになる。

スネイキー「よお、ボウズ」

ヨモギ「お前は……!」

シシトー「スネイキー!」

44:第2話 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/10 19:27:22 gXnMukTj0
スネイキー「ボウズ、さっきの仕返しにきたぜ!」

ヨモギ「お前なんかに誰が負けるかよ!」カチャッ

 ヨモギはベルトからモンスターボールを取り外した。

スネイキー「待て待て、お前と戦うのはこのオレじゃない」

ヨモギ「なにっ?」

スネイキー「オレと兄貴が雇ってるトレーナーにお前より数段上手の奴がいる」

スネイキー「お前の相手はそいつだ」

シシトー「雇われトレーナーか……!」

ヨモギ「オレは誰が相手だろうが相手になるぜ!」

スネイキー「それじゃあ来てもらおうか、アガベ山にな!」


                 ―第3話に続く


45:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/10 19:32:15 gXnMukTj0
今回も数々の支援ありがとう!
次回はついに強敵との戦いだぞ!楽しみにしててくれよな!

>>31 あのスレの魔力に引き込まれてしまったぜ
>>35 変身した愛染ってコナンの黒タイツみたいだ
>>37 投下するちょっと前にニューラは辻斬りを覚えないことをしって驚いたよ
   まあ、切り裂くも悪技みたいなもんだから大丈夫!
>>39 だまし討ちはあまり迫力がないから使わないかなぁ
>>40 もこう……貴様!!

46:ミジュマル
11/01/10 19:43:30 0
ミジュミジュミジュマ!

47:名無しさん、君に決めた!
11/01/10 20:31:06 0
ここもミジュマル腐に監視されているかもしれない
注意しとくといい

48:名無しさん、君に決めた!
11/01/10 20:49:25 0
ヨモギ×スネイキー

49:名無しさん、君に決めた!
11/01/10 21:02:28 0
おお進んでいる、投げてないやったね

50:名無しさん、君に決めた!
11/01/10 22:23:31 0
起承転で終わっていて結がない
登場人物名のオサレっぷり

鰤の臭いがプンプン

51:名無しさん、君に決めた!
11/01/11 19:15:05 0
貴様らぁー!

52:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/11 19:58:12 RUidc2T+0
第3話投下するよーん

>>46 うっせーぞ糞ラッコ!
>>47 読者が増えるなんて嬉しいね
>>48 興奮した
>>49 オレが投げつけるのは投下ではなく黒い鉄球なのだ!
>>50 ジャンプの看板漫画と同列に扱ってもらえるとはうれしいな
>>51 お前だろ、オレの車を傷つけたのは

53:第3話 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/11 20:02:44 RUidc2T+0
 スネイキーの後について、ヨモギとシシトーはアガベ山にやってきた。

シシトー「アガベ山……生きる環境としてはよろしくないな」

 シシトーが朽ちた木を払いながら言う。

スネイキー「そう、野生のポケモンはほとんど生息していないのさ」

ヨモギ「邪魔者が入らない環境ってことか。ワクワクするぜ!」

シシトー「ずいぶん、やる気みたいだな」

ヨモギ「オレより数段腕だなんて自称する奴をボコボコにしたくてさ」

スネイキー「(ふん、せいぜい喚くがいいさ……)」

 そして三人は森を抜け、開拓された広間に出た。

 夕日は沈みかけており、夜になろうという瞬間だった。

スネイキー「ついたぜ。ここが勝負の舞台だ」

 森の向こうから男が影がやってくるのが見えた。

 影はどんどん、ヨモギたちの元へ近づいてくる。

シシトー「(いったい、どんな奴なんだ……?)」

54:第3話 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/11 20:06:50 RUidc2T+0
 影が夕日に照らされる。
 そこに居たのは胴衣を着た筋肉質の少年だった。

 
 第3話 ちくしょう!


ヒエ「……」

ヨモギ「お前か? オレの相手をするってのは!」

ヒエ「俺はヒエ。お前がヨモギだな?」

ヨモギ「そうだ、ヨモギだ!」

ヒエ「俺とポケモンバトルをしろ」カチャッ

 ヒエは自分のモンスターボールをヨモギに突きつけた。

ヨモギ「へっ、勝負だったよろこんで受けてやる!」カチャッ

スネイキー「ヒエ! 本気でそのガキを叩きのめすんだぞ!」

 ギロッ!

スネイキー「うっ!」

55:第3話 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/11 20:10:52 RUidc2T+0
 ヒエは目でスネイキーを一喝した。

ヒエ「貴様らの事情など俺の知ったことじゃない」

ヒエ「俺は強い奴との戦いを望むだけだ!」

ヨモギ「勝負は先に手持ちが全て力尽きたほうの負けでいいな!?」

ヒエ「かまわん、来い!」

ヨモギ「行くぞ!」

ヨモギ「バトルだ! ニューラ!」ボンッ

ニューラ「ニュラ!」ジャキッ

ヒエ「轟くがいい! ローブシンッ!!」ビュオッ

ローブシン「……」ゴツゴツ

 二人は同時にボールを投げ、そしてそれぞれのポケモンが現れた。

シシトー「悪のニューラと格闘のローブシン……! 格闘が有利だな」

シシトー「ヨモギ、気をつけろ!」

ヨモギ「心配なら無用だぜ!」

56:第3話 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/11 20:14:11 RUidc2T+0
ヨモギ「切り裂くだ!」

ニューラ「ニュラ!」ビュオッ

 ニューラは素早くローブシンに飛び掛っていった。

 ズギャッ!

ヨモギ「(決まった!)」

ヒエ「……マッハパンチ!」

 ズドオンッ!

ニューラ「ギニャァ!」

ヨモギ「なっ!?」

 技の名を叫ぶヒエの声が聞こえたと思うと、一瞬にしてニューラはローブシンの突きを食らい、吹き飛ばされた。

 ニューラは倒れたまま起き上がる気配がない。

ヨモギ「どういうことだ……クリーンヒットしたはずなのに!」

57:第3話 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/11 20:17:46 RUidc2T+0
シシトー「(確かに技は決まった……)」

 シシトーは沈黙したまま両手のコンクリートを地面に打ち付けるローブシンを睨んだ。

シシトー「(だが、あのローブシンの防御力が高すぎるんだ!)」

ヒエ「どうした? 早く、次のポケモンを出せ」

ヨモギ「くっ、戻っていいぞ! ニューラ」

 ヨモギは倒れたニューラをボールに戻した。

ヨモギ「頼むぜ、エモンガ!」ボンッ

エモンガ「モンガ!」

スネイキー「けっ、弱っちそうなポケモンだぜ」

シシトー「いや、エモンガなら……!」

ヨモギ「エモンガ、影分身だ!」

エモンガ「モモン!」ビュオオオオ

 エモンガの体から分身が5,6体ほど飛び出し、ローブシンを囲んだ。

58:第3話 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/11 20:21:35 RUidc2T+0
ヒエ「ふむ……」

ヨモギ「(接近戦がダメなら、遠距離での攻撃だ!)」

ヨモギ「エレキボール!」

 ローブシンに向けてエモンガたちが口から電気の球を放出した。
 電気の球は全て命中し、ローブシンから呻き声が漏れた。

シシトー「よし、いいぞ!」

ヨモギ「もう一度、エレキボールだ!」

ヒエ「小賢しい! ローブシン、岩なだれ!」

 ローブシンは片手の石柱を力強く地面に振り落とした。

 ズゴォオオオン!!

 地面ごと石柱が砕け、岩の散弾がローブシンを囲む全てのエモンガに命中した。

エモンガ「も、もんが……」バタッ

 分身は全て消え、エモンガは倒れた。

ヨモギ「エモンガ!」

59:名無しさん、君に決めた!
11/01/11 20:24:31 0
ふぅ・・・

60:第3話 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/11 20:25:24 RUidc2T+0
ヒエ「これで二体目も倒れたぞ、次のポケモンを出せ」

 ヨモギが歯を食いしばりながら、ボールにエモンガを戻した。

ヨモギ「(……こいつ、滅茶苦茶強い。この実力は本物だ)」

ヨモギ「だが、オレはあきらめない! 手持ちがまだ残されてる限りはな!」

 ヨモギが三つ目のモンスターボールを手にした。

ヨモギ「こいつが最後の一匹……!」

ヨモギ「バトルだ! エンブオー!!」ビュオッ

エンブオー「ブオオッ!」

ヨモギ「ニトロチャージで突っ込んで行けぇ!」

エンブオー「ブオオオーーッ!」

 エンブオーが雄叫びをあげると、全身から多量の炎が噴出した。
 その炎を身にまといエンブオーはローブシンに向かって突進していく。

61:第3話 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/11 20:28:33 RUidc2T+0
ヨモギ「いっけぇー! オレのエンブオォーッ!」

ヒエ「アームハンマー!!」

 斧を振り落とすようにローブシンは突っ込んできたエンブオーに石柱を振り落とした。

 ズゴォオオオム!!

 砂煙が巻き起こり、その場の視界がさまたげられた。

シシトー「くっ、勝負は!?」

 砂煙が晴れ、地面にめり込み倒れるエンブオーの姿が浮かんだ。

シシトー「あっ……!」

ヒエ「勝負あったな」

 ヒエが腕を組み、目を閉じた。

ヨモギ「エンブオー! 諸刃の頭突きだ!」

ヒエ「何っ!?」

62:名無しさん、君に決めた!
11/01/11 20:30:09 0
コンドルが地面にめりコンドルってか

63:第3話 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/11 20:32:19 RUidc2T+0
エンブオー「ブォオオォ……ッ!」

 ドゴン!

 エンブオーが突如立ち上がり、無防備のローブシンに向かって頭突きをかます。

ローブシン「……」

 しかし、ローブシンは微動だにしなかった。

エンブオー「ぶおっ……」ドサ

 エンブオーは膝をつき、そのまま倒れた。

ヨモギ「ちくしょう!」

 ヨモギは拳を地面に叩きつけた。

スネイキー「さすがはヒエだ!」

 スネイキーは飛び跳ねて喜ぶ。

ヒエ「……俺が期待しすぎたか」

 ヒエはヨモギを見下ろしながらローブシンをボールに戻した。

64:名無しさん、君に決めた!
11/01/11 20:34:30 0
バシャーモが飛び膝蹴りして地面にめりこむ
あ、あれ軍鶏か
そういや竜馬伝で最後軍鶏出たな

65:第3話 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/11 20:35:18 RUidc2T+0
ヒエ「時間の無駄だったようだな。帰るぞ、スネーキー」

 ヒエとスネイキーはヨモギたちに背を向けて、森の奥に去っていった。

ヨモギ「……」

シシトー「ヨモギ……」

ヨモギ「……クッフッフ」

 うなだれていたかと思うとヨモギは突然笑い始めた。

シシトー「えっ……?」

ヨモギ「うれしいぜ、あんな強い奴にめぐり会えるなんてな」

シシトー「……前向きだな、お前は」

ヨモギ「(ヒエ、お前はオレが倒す!!)」

66:第3話 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/11 20:39:06 RUidc2T+0
 ※

 チェリィ一味のアジトにスネイキーとヒエは帰還してきた。

チェリィ「そうか、あのガキをボコボコにしてくれたんだな!」

 チェリィは愉快そうに大声で笑い始めた。

スネイキー「あの悔しそうなアイツの顔を兄貴にも見せてやりたかったですぜ」

 騒ぐ二人をよそにヒエは腕を組み考えにふけていた。

ヒエ「(……殆ど攻撃を受けてないはずのローブシンはかなりのダメージを受けていた)」

ヒエ「(エレキボールのときはそのような素振りが無かったことを考えると……最後の諸刃の頭突きか)」

ヒエ「(いくら油断していたとはいえ、あのエンブオーのどこにそんなパワーが?)」

スネイキー「お前、さっきから黙りこくって兄貴に失礼だぞ」

ヒエ「……」

 ヒエは返答せず、アジトを出て行った。

67:第3話 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/11 20:42:53 RUidc2T+0
スネイキー「けっ、無愛想な奴だな」

チェリィ「あいつは元からそういう奴だ。気にしていたらやっていけんよ」

ヒエは夜の港に出た。潮風にあたりながら月を仰ぐ。

ヒエ「(ヨモギ……か)」

 ヒエはフッと笑みを浮かべた。

ヒエ「(面白い! その力の秘密を暴いてやる!)」


                 ―第4話に続く

68:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/11 20:47:21 RUidc2T+0
今回も沢山の支援をありがとう!
ヨモギは果たしてリベンジを果たせるのか!?
次回を楽しみに待っていてくれ!!

>>59 ここは上品なスレだ。そのような行為は遠慮したまえ。
>>62 ギャグセンスありすぎだろwww
>>64 男は黙って馬鹿力。kskバシャーモはあまりにも邪道。
   31歳で死んだ竜馬を41歳の人が演じるなんてさすが福山さん。

69:名無しさん、君に決めた!
11/01/11 21:26:05 0
なぜ豚を主役にチョイスしたし

70:名無しさん、君に決めた!
11/01/11 21:56:18 0
>>1
リレー小説なら可だげど、一個人の小説を披露するためだけに、
スレを立たせるのはどうかと思う。
ポケ板には、二次創作について考えるスレもあるわけだし、
君がポケ板で有名なSS作家でないなら、他のサイトでやるべきだと思う。
…立ててしまったものは仕方がないから、最後まで投げださずに終わらせてほしいな。
辛口だったけど、とりあえずは応援しておくから…。

71:名無しさん、君に決めた!
11/01/11 22:18:38 0
これだけは言える、殺伐としたバシャーモとハガネールの戦いとはエンペルト編は秀逸だった。
物語自体オナニーでもいいけどトレーナーだしちゃうと
そのトレーナーキャラオナニーになってしまいがちだと思うんだよ・・
そういう意味で失敗だな。

72:名無しさん、君に決めた!
11/01/11 22:25:08 0
ヒエってエンペルトを焼きなおしただけだろ?

73:名無しさん、君に決めた!
11/01/12 17:22:17 0
前のやつはダークライあたりから面白くなくなった

74:名無しさん、君に決めた!
11/01/12 18:12:15 0
ただで面白い小説を読めると思うな
青空文庫でも読んでろ

75:名無しさん、君に決めた!
11/01/12 20:06:21 0
>「キャー!!」

>ヨモギ「悲鳴!?」


>女性「やめてください!悲鳴を出しますよ!!」

>スネイキー「悲鳴?ハン、バカが!」


すでに悲鳴をあげてる件について

76:名無しさん、君に決めた!
11/01/12 20:14:33 0
不覚にもワロタ

77:名無しさん、君に決めた!
11/01/13 08:43:40 0
どうせヒエを裏で糸ひいてる黒幕とか登場するんだろ?

78:和孝 ◆gvqmohjxBw
11/01/13 19:42:39 0
第四話投下します。

79:第四話 ◆gvqmohjxBw
11/01/13 19:47:07 0
ヒエ「ヨモギ、俺のヨモギ。」

ヨモギ「ヒエ…。」

優しいキスを繰り返しながら、ヒエが俺を生まれたままの姿にした。熱い唇が僕の耳朶を噛むと、俺の名前を囁く。

ヨモギ「あんっ、ヒエ…」

逞しい背中に手を回すと、僕は溜まらなくなって声を上げた。オノが舌で丹念に僕の肌を愛撫する。ヒエの歯が俺の乳首を軽く擦ると、俺は身体を仰け反らせた。

ヨモギ「やっ、駄目。も…欲しっ、んっ」
ヒエ「ヨモギ、ちょっとがまんする。もっとゆっくり。」
ヨモギ「あっ、あん…はっ」

いつもは乱暴なくらい、俺を貫いて動き続けるヒエは、今日は優しく俺を焦らすように丁寧に愛撫を続けた。それなのに俺のアソコには触ってもくれない。自分で手を伸ばそうとすると、

ヒエ「だめ、ゆっくり。」

何度も同じことを言われて止められた。

足を開かされてお尻を突き上げると、ヒエの指が俺の中心を押し開いて入ってきた。さっきからヒエが欲しくて我慢できなかった俺は、ヒエの指を求めて腰をくねらせた。

ヨモギ「ああん、ヒエ。もっと…」
ヒエ「ヨモギ、すごい。俺も…むり。がまん、むり。」
ヨモギ「いい、我慢しないで。早くっ!」

ヒエが自分の衣装を剥ぎ取ると、濡れた先端を俺の中に突き入れた。

ヨモギ「ああ!はあっ…ヒエ…」
ヒエ「ヨモギ、ヨモギ。」

80:名無しさん、君に決めた!
11/01/13 22:10:53 0
多分終わったなwこのスレ

81:名無しさん、君に決めた!
11/01/13 22:24:41 0
まだだまだ終わらんよ

82:名無しさん、君に決めた!
11/01/14 19:15:55 0
チッ・・・つかえないやつ」
オレはそういって孵化したてのヒコザルをズイタウンの人通りの少ないところで捨てた。
「あなたそれで本当にいいの?」
いつもは人通りが極端にすくないところに金髪の女が現れた。
なんと言おうがオレはオレのやり方でやる・・・・・・そう言い返そうと思っていたが
よく見るとこの人はオレの尊敬するシンオウリーグマスターチャンピオンのシロナさんだった。
「そのヒコザルは・・多分サトシくんが拾ってくれたヒコザルのこどもね」
サトシとはオレのいくところに現れポケモンバトルについて「気合」だの「熱血」だのと精神論ばかりを
呪文のように唱えるぬるいやつだ。
「そうじゃありません。このヒコザルはナナカマド博士にもらった」
名乗るは遅いがオレの名前はシンジ、トバリシティ出身のトレーナーだ。
今まで、様々な地方やリーグを渡り歩いて来た。
オレは自分がそれほど強いトレーナーだとは思わないが、他のトレーナーより勝つための努力は惜しんでないつもりだ。
「新しくもらって・・孵化させているの?」
「なかなか強い個体がでないものでね。シロナさんの強いガブリアスのように」
シロナさんが非難するような目で尋ねるので、こちらは皮肉で言い返してやった。
オレは知っている。シロナさんも育てやのじいさんに数え切れないフカマルをもらい、
孵化しては捨て、孵化しては捨ている姿を。
チャンピオンや四天王だけにそのような特権があるとは言わせない

83:名無しさん、君に決めた!
11/01/14 22:06:53 0
シンジかよ・・・w

84:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/16 19:47:56 //r0HhF90
第4話投下しにきたぞ!

>>69 エンブオーは最近巷で人気なんだぞ
>>70 応援と注意とアドバイスありがとう!大丈夫だ、期待しててくれ!
>>71 オレのSSは内容で勝負だ!ハガネール戦はエンペルト戦の次に気に入ってる
>>72 性格が全然違う エンペルト→COOL ヒエ→冷静沈着
>>73 やはりエンペルトを倒して終わっとくべきだったかな!
>>74 青・・・空・・文庫?
>>75 彼女にとっちゃあんなの悲鳴のうちに入らないんだ
>>76 笑いは鎮痛作用がうんたらかんたら
>>77 一応、悪役の登場はもう決まってる。鶴仙人系で行くつもり
>>78-79 文章力高いなおい・・・なぜその才能をそんなことに使う
>>80-81 筆力というのはやめられない止まらない
>>82 チャンピオンは自力で6Vを出すほどの実力を持っているってことだな
>>83 アイツの眉毛やけに太くないか?

85:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/16 19:53:19 //r0HhF90
 ヨモギが目をさましたとき、まだ窓から差し込む光は弱かった。
興奮して眠れないとはよく言われることだが、今朝ばかりは興奮のあまり目が覚めたようだ。
 頭の中でぼやけて浮かんでいた情景が冴えて、くっきりと浮かび始める。

 森、夕日、飛び散る岩、そして胴衣を着た少年……。

 全ての映像が頭の中ではっきりと重なったとき、ヨモギはこうしちゃいられないと毛布から抜け出た。
 バッグを開け、衣服を取り出した。半ズボンを履き、上着を身につけ、腰にモンスターボールベルトをつける。

 しかし、そのベルトにはいつものようにモンスターボールはついていないので違和感があった。
 昨日の戦いでポケモンたちが傷ついたために、ポケモンたちはここのポケモンセンターで回復してもらうことにしたのだ。

 ポケモンたちのことを気にかけながらも、支度をし終え、ヨモギは借家を出た。

 食堂を目指し階段を走って駆け下りて行く。

 どうも腹が減っていると頭がぼやけてしまって行動を移す気になれない。
 まずは飯をとることが重要だとすぐにヨモギは考えた。



 第4話 望むところだ!



 食堂のドアを開けると、きれいに並べられた白いテーブルに光が反射してまぶしかった。
 さすがにこの時間帯に食堂にいる人は少ないだろうと思いながら辺りを見回したが、その期待はすぐに裏切られることとなった。

 そのカタカタとキーボードを素早く叩く音には聞き覚えがある。

 音の発生源に向かい、ゆっくりと顔を向ける。そこで既にシシトーがノートパソコンをいじっている姿が見えた。

86:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/16 19:57:50 //r0HhF90
 シシトーはクシャクシャな髪をもみながら、おはようと云う。

ヨモギ「もう起きてたのか。今朝は結構早起きのつもりだったのにさ」

シシトー「俺はいつもこの時間さ」

 コーヒーを仰ぎ、シシトーは気取った笑みを浮かべた。

シシトー「……それにしても」 

 と、シシトーは肩をすくめながら、

シシトー「昨日思いっきり負けたわりには立ち直りが早いな」

ヨモギ「あたり前だろ? あんな強い奴に会えたのに落ち込んでるなんておかしいぜ」

シシトー「じゃあ、話は早い」

 シシトーは一気にコーヒーを飲み干した。

シシトー「どうせリベンジするつもりなんだろ」

ヨモギ「ああ、当然さ」

 ヨモギの脳裏に腕組みして、自らの前を歩いて去っていくヒエの後姿が浮かんだ。

ヨモギ「いつまでも負けっぱなしじゃいられないからな」

87:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/16 20:01:21 //r0HhF90
 拳を握り締め、気合を入れるヨモギを見て、シシトーはうんと頷いた。

シシトー「じゃ、まずはコレを見てくれ」

 シシトーは先ほどまで自分がいじっていたノートパソコンの画面をヨモギへ向けた。

 画面には夕日を背景にローブシンの姿が映し出されていた。どうやら、昨日の戦いを映したものようだ。

ヨモギ「バトルビデオじゃんか。お前、こっそり撮ってやがったな」

 ヨモギがテーブルに身を乗り出して、画面を覗き込む。

 画面では丁度、エンブオーが炎を身にまといながらローブシンに突っ込む姿がスロー再生で映し出されていた。

 エンブオーは躊躇せずにローブシンの元へ一直線に突っ込んでいき、ローブシンはその攻撃が自らのもとに届く前に、手にした石柱を振り上げてエンブオーに振り落としている。
 石柱の攻撃を食らったエンブオーは突進の勢いを殺され、そのまま地面に沈んでいった。

シシトー「これを見てどう思う?」

 シシトーの問いに対してヨモギはうなり声を漏らし、そして「うん」と頷いた。

ヨモギ「やっぱ、すごいよな。あのローブシンのパワーは」

 シシトーはやれやれと言うように首を振り、動画をまた巻き戻し始めた。

シシトー「たしかにそこも着眼点かも知れないが……」

 シシトーがキーボードを叩くとまた動画が始まった。

88:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/16 20:05:50 //r0HhF90
 エンブオーは真っ直ぐにローブシンにぶつかっていき、叩き潰される……そこで再びシシトーは動画を止めた。

シシトー「わからないか?」

ヨモギ「うん。全然わからない」

シシトー「攻撃の仕方だよ」

ヨモギ「攻撃の仕方?」

シシトー「この動画のエンブオーの動きに注目して見ればわかる。動きが単純すぎなんだ」

 今度は平常のスピードで動画が再生される。
 真っ直ぐ突っ込んでいくエンブオーにズドンと石柱が叩き落とされる。

 ヨモギが「おお」と感嘆の声を漏らした。

ヨモギ「確かにエンブオーの動きを見透かしていたように攻撃をしてるな、すごいぜ」

シシトー「つまり、奴はがむしゃらに突撃してくるエンブオーの動きを読んで返り討ちにしたんだ」

ヨモギ「ってことはジグザグに動きながらアタックすれば良かったのか?」

シシトー「そんな動きをしたら威力が半減するよ、あのローブシンはビクともしないだろうぜ」

ヨモギ「だったら。どうすりゃいいんだよ?」

シシトー「ローブシンの動きを鈍らせればいい。たとえば、エモンガの電磁波でな」

ヨモギ「その手があったか」

 ヨモギがまたしても感嘆の声を漏らす。

89:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/16 20:11:20 //r0HhF90
ヨモギ「でも、かわされたり、石柱でガードされたりしたらどうするんだ?」

シシトー「それをされないために策を練る必要があるだろうな」

シシトー「そこで、お前に会わせたい人がいるんだ。今からアガベ海岸にまで行かないか?」

ヨモギ「会わせたい人?」

 ヨモギがそう云うとシシトーがいたずらっぽく笑った。

 ※

 ヨモギはシシトーにつれられてポケモンセンターから一時間程度歩き、アガベ海岸に連てこられた。
 この辺りは人を襲う野生のヘイガニが発生することで知られており、そのためか人があまり近づかない。
 そのためか海は青く、しぶく波は白く、美しかった。
 海を目で楽しみながら二人は足を進めていく。

シシトー「よし、あれだ」

 シシトーが指を向けた先に大造りの家が見えた。
 潮風を浴びたためか木は朽ちた色をしており、いつ倒壊してもおかしくなさそうな感じを受ける。

ヨモギ「海の家か?」

シシトー「それがこれでも人が住んでいる家なんだよ」

90:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/16 20:15:26 //r0HhF90
シシトーはその家の前で足を止め、門扉をくぐり、呼び鈴を鳴した。
 「はい」と端然な高い声が返ってくる。どうやら若い女性らしい。

 ドアが開き、声の主が現れる。
 予想通り女性で、ヨモギより一回り年上のシシトーと同年代ぐらいと思われる見た目だ。
 海岸の気候に合わせてか少々薄い服を着ていた。

シシトー「おう、ローザ」

 シシトーが軽く手を上げるとローザは屈託ない笑みを浮かべ、

ローザ「今日はソテツに会いにきたの?」

シシトー「まあね」

ローザ「そこの彼は?」

シシトー「こいつはヨモギ。俺が目をかけてるトレーナーの一人だ」

ヨモギ「よろしく!」

ローザ「よろしく、ヨモギ」

 まるで幼児を相手にしているような態度にヨモギは少々苛立ちを覚えたが、背の低い自分を想像以上に年下に見ているのだろうと思い、不服の言葉を胸にしまった。

ローザ「立ち話もなんだし、中へ上がっていってよ」

 ローザが手招きすると、シシトーは「ああ」と答えた。

91:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/16 20:20:55 //r0HhF90
ヨモギ「で、オレに会わせたい奴ってのは?」

 軋む廊下を歩きながら、ヨモギがシシトーにささやいた。

シシトー「物知りな人さ。だからヨモギとは多分気が合うと思うぜ」

ヨモギ「でも、オレはお前と……」

 そこまで云うとヨモギは言葉をとめた。

ヨモギ(そうえいば、けっこう気があってるような気もするな)

 しばらく歩き、二人は和室に通された。

 中は畳が敷かれ、その上にまた紫の座布団が敷かれている。
 ソテツはその座布団に腰をかけて生態学の本を読んでいた。
 引き戸が空けられ、シシトーたちの姿を見るやいないや、「おお」と声を上げて座布団から立ち上がる。

ソテツ「久しぶりだな。シシトーくん」

シシトー「お久しぶりです、先生」

 ソテツは髪が全て白かったが、彫りの深い顔と楽天的な顔立ちをしており、若々しく見えた。
 和服を調え、さわやかな笑みを浮かべながらシシトーの元へ駆け寄った。

92:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/16 20:25:56 //r0HhF90
ソテツ「しかし、まあ、どうしてこんな突然やってきたんだね?」

 三人は茶の間に座らされ、シシトーがこれまでのいきさつを話すことになった。

 旧知の仲であるヨモギとの再会、チェリィたちに雇われた少年ヒエ、敗北を喫しリベンジに燃えるヨモギ。

 シシトーはノートパソコンを起動し、ヨモギとヒエとの戦いを映した動画を再生した。

 画面の中でローブシンはヨモギのポケモンを次々となぎ倒していく。

 エンブオーが諸刃の頭突きをして力尽きるところで動画が終了し、ソテツはニヤけた。

ソテツ「こいつはこっぴどくやられたもんだな」

 その仕草にヨモギは顔をしかめながらシシトーにささやいた。

ヨモギ「シシトー、このじいさんは何なんだ?」

シシトー「ソテツさんは元ポケモンスクールの講師さ。バトルに関しての知識は俺以上だよ」

 ソテツはローザから渡された茶を飲みながら、うんうんと頷いた。

シシトー「どうですか?」

93:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/16 20:28:54 //r0HhF90
ソテツ「このヒエって奴はできるな。ヨモギ君が勝つにはそうとう厳しい訓練が必要じゃ」

ヨモギ「意味を返せば、厳しい訓練を続ければ勝てるってことだな?」

 その返答が意外だったのかソテツは少し言葉を詰まらせ、茶を少し飲んだ。

ソテツ「しかし、生半可な気持ちじゃついていけんだろう」

ヨモギ「オレの気持ちは生半可じゃないんだ」

 ソテツは眉をしかめた。

ソテツ「ふむ……それではここに泊りがけで稽古することになるがかまわんのか?」

ヨモギ「ああ、もちろん」

ソテツ「そうか……」

 ソテツは腕を組み、少しの間唸ったかと思えば、突然くつくつと笑い始めた。
 事情を知らない者がその様子を見ていたら思わず気でもふれてるのかと勘くぐるに違いないだろう。

ソテツ「よろしい、君は今日からここで修行していきなさい」

ヨモギ「えっ……いいのか?」

ソテツ「うむ。お前にヒエが勝てるようになるべく稽古を付けようじゃないか」

 その言葉を聞くや否や、ヨモギは飛び跳ねた。

ヨモギ「よっしゃあ!」

94:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/16 20:33:53 //r0HhF90
 ―そしてヨモギがソテツの家を訪ねた日から修行が始まった。
 朝は五時に起床し、早朝の運動。
 トレーナーの体を鍛える必要はないように思えるが、ソテツは忍耐力をつけるためにやらせているらしい。
 あるときは砂浜をポケモンたちと共に走り続け、ある時は強制ギプスをつけたまま坂登りに挑んだ。
 それでもヨモギは飽きることなく練習に明け暮れる。
 そんな日々が続いて一週間経過したある日のことだった。

 ※

 シシトーは修行の様子を見に、毎日のように行きつけのポケモンセンターから海岸に足を運んでいた。
 いつも修行の場にされているソテツの家の近くにある砂浜に足を運ぶと、やはりヨモギたちの姿が見えた。

シシトー「ヨモギの様子はどうですか?」

ソテツ「ああ、今ローザと手合わせをしてるところだ」

 ソテツはパイプ椅子に腰掛け、互いのポケモンを出しながら戦うヨモギとローザの姿を観察していた。

ヨモギ「エモンガ、電磁波だ!」

 エモンガは鳴き声を上げながら高くジャンプする。
 体を電気につつみ、そこから発した電気の輪をローザのソルロックに向かって放った。

ローザ「ソルロック!」

 ソルロックはその球形の体を宙に浮かせ、放たれた電気の輪を回避する。

95:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/16 20:37:26 //r0HhF90
ヨモギ「まだまだ!」

 エモンガは少し時間を置きつつ、電気の輪を連続してソルロックに向かって放つ。
 しかし、ソルロックは自由に宙を飛びまわりながら電磁波を全発かわしていった。

ヨモギ「くそ……!」

ローザ「ストーンエッジ!」

 ソルロックの周りに尖った石が次々と浮かび始めたかと思うと、石の弾がエモンガに向かって次々と放たれていき、エモンガは鳴き声をあげながらその場に倒れた。

ヨモギ「あっ!」

ローザ「電磁波はもっと冷静に当てないと」

 エモンガに駆け寄るヨモギを見据えながら、ローザは得意げに笑みを浮かべる。

ヨモギ「うーん、ただ連射しても当たらないな」

シシトー「それに次の電磁波を出すまでに大きな隙ができる。一番やっちゃいけないパターンだ」

ローザ「理想は一撃で当てることかな。電磁波から一気に攻撃に転換できるし」

ヨモギ「うーん、一発で当てるか……」

 ヨモギは腕を組みながら唸り声をあげ始める。
 やがてそこでシシトーが何やら助言をする。

 そのような光景を見ながらソテツは薄く笑った。

96:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/16 20:39:30 //r0HhF90
 ※

 午前0時頃―。

ソテツ「ふぁあ……」

 ソテツは欠伸をしながら靴を履いていた。
 昼間の稽古中に砂浜に落としてしまったらしき、耳栓を探すためだ。

ソテツ(あれが無いと落ち着いて寝れん……)

 ソテツが外に出ると、冷たい夜風がその頭にふりそそぐ。
 体を鍛えているとはいえ寒いものは寒い。目と頭は一気に冴えてきてしまった。

 そして冴えた頭で考え直す。
 夜の砂浜でどこにあるかも分からない耳栓を探すなんて無謀極まりないのではないか。
 そして同時に代えの耳栓が自室に控えてあったことを思い出した。

 自分で自分を馬鹿馬鹿しく思いながらソテツが玄関に戻ろうとすると、

 バチン、バチン

 聞きなれた音、電気が弾ける音が耳に入った。

ソテツ(なんだ一体? この辺りに電気タイプのポケモンなど住んでいないはずだが)

 そう思いながら、音の聞こえた方向へ歩き出す。

97:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/16 21:01:01 //r0HhF90
「ヘイヘーイ!」

 電気の音と共にポケモンの鳴き声が聞こえてくる。
 この特徴的な鳴き声は恐らくヘイガニだろう。この辺りにはヘイガニの群れが頻繁に出没するのだ。

「エモンガ、電磁波だ!」

 別のポケモンの鳴き声。
 ではなく、それはあきらかの人の声だった。それも聞きなれたような。―

ソテツ(ヨモギか!)

 そのまましばらく足を進めると、ヘイガニの群れにかこまれた、ヨモギとエモンガの姿が見えた。

ヨモギ「電磁波だ!」

 エモンガは電磁波をときどき外しつつも、着実にヘイガニたちに当てていた。
 朝とは比べ物にならない冷静さである。

ソテツ(夜風か……)

 先ほどの自分の頭を冷たい夜風は覚ませてくれた。
 ヨモギはそれでわざわざこんな夜中にも特訓をしているのではないか。そう思える。

シザリガー「ザリー!」

 ヨモギの前にヘイガニの進化形態であるシザリガーが進み出た。
 以前からヘイガニの群れをとり仕切っている長だ。

ヨモギ「てめぇがボスか? いいぜ、相手になってやる」

98:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/16 21:03:39 //r0HhF90
シザリガー「ザリザリ!」

 シザリガーは奇怪な鳴き声をあげながら両腕のハサミを振り回しはじめる。

ヨモギ「エレキボール!」

 エモンガの体から電気の球が放出され、シザリガーに向かっていった。
 シザリガーは高く飛び上がりこれを避ける。

ヨモギ「いまだ、電磁波!」

 エモンガから素早く放たれる電磁波。
 それはシザリガーが地上に着地した同時にシザリガーを直撃した。

 シザリガーは声を漏らしながらその場に倒れ、ヘイガニの群れはいっせいに逃げだした。

ヨモギ「よっしゃあ!」

 ヨモギがガッツポーズをする。
 その姿を見届けると、ソテツはその場を後にした。

99:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/16 21:09:44 //r0HhF90
 ※

 太陽が照りつける正午の砂浜。
 昨日に続いてヨモギは電磁波の練習をしていた。

ローザ「思念の頭突き!」

ヨモギ「影分身だ!」

 ソルロックが猛スピードで突撃してくると、エモンガは自らの分身を作り出す。
分身のうちの一つをソルロックはすり抜けた。

ローザ「そこからストーンエッジ!」

 ソルロックの周りに尖った石が次々と浮かび始めるのを見ながらヨモギはほくそ笑む。

ヨモギ「エモンガ、飛びつけ!」

 分身を消し、エモンガはソルロックの体に飛びついた。

ヨモギ「電磁波!」

 至近距離からの電磁波をくらい、宙を浮かんでいたソルロックはその場に落ちた。

 ヨモギが右手の親指を突き出し、エモンガに向かって「オーケイ」と声を投げかける。

100:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/16 21:13:31 //r0HhF90
ソテツ(影分身でストーンエッジを誘導したか……)

 ソテツは喜々としてヨモギの姿を見た。

ソテツ(もしかすると、奴はワシが想像した以上のものを持っているかもしれんな)

ローザ「昨日の練習よりずっとうまくなってるじゃない。何かコツでもつかんだの?」

ヨモギ「特訓の成果って奴さ」

 ヨモギは太陽に向かって、うっすらと笑った。


                  ―第5話に続く

101:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/16 21:16:26 //r0HhF90
みんなの支援、心に伝わったぜ!

次回は謎の敵がヨモギの前に現れるぞ!
楽しみに待っていてくれ!

102:名無しさん、君に決めた!
11/01/16 23:03:36 0
文章力が明らかに上がっているな。
いかに物語をスレ住民受けするかが課題だと思う。

陰ながら応援しとくわ。

103:名無しさん、君に決めた!
11/01/17 08:14:46 0
ヒエって名前BWの主人公に使っていい?
あとキャラではスネイキーが好きだわ


104:名無しさん、君に決めた!
11/01/17 15:52:27 0
文章劣化してもいいから
もうちょっと早い間隔で話進めてほしい

105:名無しさん、君に決めた!
11/01/17 20:33:41 0
文章は人をひきつける力があるから劣化はいけないとおもふ

106:名無しさん、君に決めた!
11/01/17 22:27:14 0
夏目漱石が死んだ時傍の机には執筆中だった著書「明暗」の原稿が在った
彼は死ぬまで小説を書き続けていた
継続が大切なのは文豪がその身をもって当時及び後世に示している

107:名無しさん、君に決めた!
11/01/25 21:38:52 0
そして誰もいなくなるか?

108:名無しさん、君に決めた!
11/01/26 08:49:11 0
和孝は犠牲になったのだ

109:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/26 20:05:57 ncIEsJ4t0
ハロー、今日は5話の投下にきたよ

>>102 応援ありがとう!文章は何となく多めにしてみただけだけど
>>103 使ってもいいよ!スネーキは俺もお気に入りさ
>>104 検討しとく!!行き当たりばったりですまない!
>>105 いいこと言う!洗脳の道具だよね!
>>106 漱石さんストレスによる吐血だっけ?笑える突っ込みとか盛りだくさんで日本の古典文学では現代人でも面白く読める部類だよね
>>107 犯人はガロアだと思ってた
>>108 兄さん、まずは5話だ……

110:第5話 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/26 20:08:57 ncIEsJ4t0
 修行を始めてから三週間ほど経とうとした頃。
 今まで飽きることなく修行に専念していたヨモギだが、

ヨモギ(オレはどこまでヒエと戦えるんだ……?)

 そんな考えが頭をよぎった。三週間で自分はどれほど成長したのかという疑問。自分の成長振りを確かめてみたいという意欲がヨモギの心から溢れでてきたのだ。

 布団の中で転がって頭を捻らすが、その思いを消し去ることはできない。ヨモギは電灯をつけ、古びた机の上に無造作に置かれているボールペンの一つを無造作に手に取った。



 第5話 何者だ!



 そろそろ昼になろうという頃、ポケモンセンターを出たシシトウはいつものようにノートパソコンを抱えながら、ソテツの道場へと出向いた。

 道場の前まで足を運ぶと、庭で衣服を竿にかける少女の姿が目に入る。
ようと声をかけると、ローザはあいさつを返し、洗濯かごを片手に門を開いた。

111:第5話 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/26 20:11:39 ncIEsJ4t0
シシトウ「ヨモギの様子を見にきたよ」

ローザ「やっぱり? でも今日はちょっと無理かな」

 今日は無理とは妙な返答ではないか。
 シシトウは今まで何度もこの道場を訪ねたが、ヨモギの様子を見せてもらえないとは初めての経験だ。

シシトウ「風邪でも引いたの?」

 ローザは違うと首を横に振った。

シシトウ「それじゃあ、秘密の地下室にでも?」

ローザ「うちの道場に地下室なんてないと思うけど」

シシトウ「じゃあ……」

ローザ「今朝、部屋を見たらいなくなってたの」

シシトウ「えっ!」

 思わぬ返答にシシトウは大声を上げた。

112:第5話 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/26 20:14:29 ncIEsJ4t0
シシトウ「家出か?」

ローザ「靴が無くなってたから、多分ね」

 ローザはそっけなく答える。

シシトウ「修行を投げ出す奴には見えないんだがな」

ローザ「まあ、そのうち帰ってくると思うよ」

シシトウ「そのうち。ってねえ……」


 ※


ヨモギ「こいつがどこにいるか知らない?」

 ヨモギが市場の店員に向かって切り取ったノートのページを見せる。そこには強い筆圧でヒエの似顔絵が角ばった感じで描かれていた。
 店員は口ひげを弄りながら似顔絵をじっと見つめたが、やがて「そんな奴は知らない」と訛りのかかった口調で答えた。

 それを聞くとヨモギは肩を落とし、ため息をつく。
 同時に似顔絵の紙がするりと手から離れていくのを感じた。

ヨモギ「あっ!」

 声を上げたころには店員の横にいたキャモメが似顔絵を長いクチバシで咥え、食べ始めていた。
 店員がキャモメを叩いて似顔絵を吐き出させたが、絵は唾液で濡れてところどころがかけてしまっていた。ヨモギはそれを手にしてうめき声をあげる。

店員「いや、すまんアル」

 店員は商品の棚から黄色いウブの実を手に取り、ヨモギに手渡した。

113:第5話 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/26 20:18:37 ncIEsJ4t0
 ヨモギは実をかじりながら昼の市場を歩いた。
 三週間前とほとんど変わらない景色。様々な年齢、様々な職業の人がそれぞれの目的で市場に足を運んでいるのだ。
 そんな中で一人の人物を探し出そうと思ったら大変である。

ヨモギ(ヒエの野郎はどこにいるんだ?)

 半ばあきらめたい気持ちも心に抱きながら、周りを見渡した。
 似顔絵なくして人探しは困難極まりない、このままでは無断で道場を出てきた意味を失ってしまう。
 ヨモギが軽い鬱を覚えていると後ろから「待て」と野太い声が聞こえた。
 振り返ると二人の男が立っていた。片方は大柄でスキンヘッド。もう片方は小柄で爬虫類的顔立ちをしながら舐めるようにヨモギを睨んでいた。
 どちらも三週間前の市場で目にした顔だ。確か名前は……

ヨモギ「チェリと……スネーキだっけ?」

スネーキ「ふふん。覚えてくれたなら都合がいい」

 両者は妙に誇った顔でうなずきながら、腰についたモンスターボールを取り外す。

チェリ「この前の借りを返させてもらうぜ」

ヨモギ「バトルか?」

 望むところだ。と口から出掛かったときにヨモギの一つあることを思い出した。
 ヒエはこの二人に雇われていたのだ。

ヨモギ「お前らだったらヒエがどこにいるか知ってるよな?」

チェリ「ああ、無論だ」

114:第5話 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/26 20:24:53 ncIEsJ4t0
ヨモギ「よし、じゃあ教えてもらうか」

 チェリはいいだろうと頷いた。

チェリ「俺様たちに勝てたらの話だがな!」

 チェリは快活に叫びながら、豪快にモンスターボールを投げた。



 ―数分後。倒れた自分のポケモンをボールに戻し、うなだれる二人の姿がそこにあった。

チェリ「馬鹿な……この三週間、地獄の特訓を重ねたというのに!」

 チェリはうちのめされるように地面に拳を叩けつける。
 ヨモギもこの三週間を無駄にしてきたわけではない、自分の勝利に疑いはなかった。

ヨモギ「ヒエは今、どこにいるんだ?」

 言葉を失う二人を見据えて、ヒエの居場所を問いた。

115:第5話 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/26 20:28:00 ncIEsJ4t0
 ※

ヒエ「アームハンマー!」

 技を指令する声が聞こえた瞬間、木がへし折れる音が森にこだました。
 朽ちた木がドスンと落ち、地面が揺れる。

 ヨモギは少し離れた木の裏から、その声の主を確認した。
 鋭い目つきに、少年離れした筋肉、それを持ったその人物はヒエに間違いない。

ヒエ「……何をしている?」

 ヒエがヨモギに感づいたのか、木に向かって言葉をかける。
 ヨモギは、ばれては仕方ないと木の裏からヒエの前に姿を見せた。

ヨモギ「オレを覚えてるか?」

 少しの間、沈黙する。

ヒエ「何者だ?」

ヨモギ「ぬっ」

 思わぬ返答にヨモギは失望する。
 ヨモギは腰のモンスターボールをとりはずし、ヒエに突きつけた。

ヨモギ「忘れたならポケモンバトルで思い出させてやるぜ!」

ヒエ「いいだろう」

 ヒエはそれに応じ、腰からモンスターボールを取り外す。

116:第5話 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/26 20:32:35 ncIEsJ4t0
ヨモギ「バトルだ! エモンガ!」

ヒエ「轟くがいい! ローブシンッ!」

 互いが掛け声と共にモンスターボールを投げ、それぞれにポケモンを繰り出した。

 ヨモギはエモンガを繰り出すやいなや、ローブシンに電磁波を放たせる。
 ローブシンは微動だにせず、そのまま電気の輪を体に浴びせられた。

ヨモギ「ボルトチェンジ!」

 エモンガは身に電気をまとい、バチバチと激しい音を鳴らしながらローブシンにつっこんでいく。

ヒエ「木にマッハパンチだ!」

 ローブシンが背後の木に素早く拳を打ちつけると雷鳴なような音とともに木片がエモンガに飛び掛った。

「かわせ」の言葉と共にエモンガは体の電気を解き、降り注ぐ木を避ける。
 それを待ち構えていたようにローブシンがエモンガの前に立ちふさがった。

ヒエ「アームハンマー!」

 ローブシンがエモンガに向かって重い拳を振り落とすと大きな音が轟き、砂埃が巻き上がった。

117:第5話 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/26 20:34:50 ncIEsJ4t0
ヨモギ「くそっ……」

 砂埃が晴れると地面に大きなくぼみが出来ており、その真ん中でエモンガは力尽きていた。
 ヨモギは言葉を失いながら、エモンガをボールに戻す。

ヨモギ「頼むぜ、ニューラ!」

 通常の戦法では恐らくローブシンの圧倒的パワーの餌食になる。
 ならばこちらも変わった手法で挑む他ないだろうとヨモギは考えた。

ヨモギ「ローブシンの周りの木を切り裂け!」

 ニューラが迅速にローブシンの頭を飛び越え、鋭い爪で周りの朽ちた木を切り裂いていく。
 同時に周辺の木がローブシンに向かって倒れ掛かってきた。

ヒエ「猿真似は通じん!」

 ローブシンは倒れてくる木を素手で捕らえ、それをニューラに向かって投槍のように飛ばした。

 急速な動きで飛んできた木が直撃し、ニューラはその場に倒れた。

ヨモギ「くっ……」

 圧倒的な実力差に絶望する。三体目のポケモンを出しても勝利はないことをヨモギは悟った。
 そして相手に戦意がもう無いことを悟ったのか、ヒエがローブシンをボールに戻す。

ヒエ「この前に比べればマシになったが……それだけだ」

 黙りこくったヨモギをよそにヒエは場を去っていった。

118:第5話 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/26 20:37:57 ncIEsJ4t0
 ※


スネーキ「くそっ!」

 スネーキが鉄パイプを道路に打ち付けるたびに、高い金属音が響き、黒い石が飛び散る。
 そして自分の姿を珍妙そうに見る男女のアベックに鉄パイプを投げつけた、アベックは一目散にその場から逃げ去っていく。

スネーキ「このまま引き下がるわけには行かねえ、もっと……」

「もっと強くならなければならない」

 背後の自分にハッと気づき、スネーキーは振り向く。
 視線が合うと、声の主は穏やかな笑みを浮かべた。
 フロックコートを着こなした手足の細い紳士で、茶がかかった髪をオールバックにしている。
 そして、余裕ある表情に、白い肌。スネーキには無縁な、位の高い人物に見えた。

スネーキ「なんだ、アンタ……」

 スネーキは遠慮がちに言う。紳士は蒼白な顔に不気味な微笑を覗かせ、

「勝利を望む人間が必要なのです」

 そう言った。



              ――第6話に続く


119:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/01/26 21:13:16 ncIEsJ4t0
 支援ありがとう!
 次回はヨモギの前に最強最悪の敵が登場するぞ!

 要チェックだ!!

120:名無しさん、君に決めた!
11/01/26 21:32:39 0
チェリィってネームはやっぱりマズかったの?

121:入れ忘れ ◆Mk7zjh6zL.
11/01/26 22:44:08 ncIEsJ4t0


ヨモギ「くそっ!」

 ヨモギは何度も拳を地面に打ち付ける。黒い土が飛び交った。

ヨモギ「修行したのに、どうしてなんだ!」

 自分の姿がさきほどのチェリーたちと重なった。チェリーたちも今の自分と同じ気持ちだったのだろう。
 修行をしても実力の差はまるで埋まっていない。その理由は……

 そう、ヒエも確かにこの場で修行をしている。それを忘れていた。

ヨモギ(オレが修行してる間にもヒエは強くなってる)

 ヨモギは拳を握りしめ、立ち上がった。

ヨモギ(ヒエに勝つにはヒエの修行を超えた修行をしなきゃダメってことか!)

 そう思うといてもたってもいられない。早く修行を再開すべく、ヨモギは道場に向かって走りだした。

122:名無しさん、君に決めた!
11/01/28 18:24:38 0
ジェフ「一体いつの間に!?というより、なぜ宇宙服も着ずに外に出て平気なんだ!?」

ケン「あれは超・要素仙術、風の章の技の一つ、「風花の障壁」をまとっているからさ。」

サトシ「なるほどな・・・。あれを使えば、少しの間空気がなくても行動できるぜ。」

123:名無しさん、君に決めた!
11/01/30 23:21:57 0
もっとエロ描写増やせ

124:名無しさん、君に決めた!
11/01/31 23:34:05 2fmUvo/ZO
ヒエがカッコイいくて濡れました>>

125:名無しさん、君に決めた!
11/02/01 09:17:14 0
えぇい!ポケモンはいい!エロをうつせ!

126:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/02/02 22:52:34 yMxBuMeI0
話を考えるのに6日、実際に書いたのは4時間程度な第6話を持ってきた

>>120 最初の予定より重要なキャラになりそうだから、読みやすい名前にシフトチェンジ
>>122 レジェンドバズーカには憧れる
>>123 この作品は上品なんだぞ
>>124 寡黙な武人のつもりだったけど、喋り捲りだった
>>125 男同士なら可能かもしれない

127:第6話 ◆Mk7zjh6zL.
11/02/02 22:57:08 yMxBuMeI0
「勝利を望む人間?」

 スネーキーは怪訝な顔で紳士を見返した。

「そう、あなたは素晴らしい才能を持っていらっしゃる」

 紳士はスネーキーに背を向けた。

「ついて来てください。私があなたに相応しい力を渡しましょう」

「……少しぐらいなら付き合ってやるよ」



 第6話 飛べ!



 紳士がスネーキーを連れてやってきたのは、カラオケ店だった。

 外装のライトは壊れかかって点滅しており、看板にはマイクを持ったポケモン(ピカチュウと思われる)が汚く描かれていた。これではほとんど客がこないだろう。

128:第6話 ◆Mk7zjh6zL.
11/02/02 22:59:34 yMxBuMeI0
「なんだ? 俺におごってくれるのか」

 スネーキーが茶化したように言うと、紳士は何か小さくつぶやき、店内に入っていった。紳士はまっすぐカウンターに向かっていき、「41番をお願いします」店員たちに告げる。

「かしこまりました」

 筋肉質な店員がカウンターから出て、店内の奥へと進んでいく。紳士たちもそれに続いた。

 個室に見える1や2の番号札は個室の番号をあらわているのだろう。しかし、41番とはこの店の大きさから考えていささかありえないはずだ。

 しばらく店内を歩きまわり、最後、ドアに突き当たった。そこには関係者以外立ち入り禁止と書かれた張り紙が張られている。

「なんだよ、関係者以外は入っちゃいけないんだぞ」

「ご心配なく。私は関係者ですから」

 紳士は微笑みながら胸ポケットから金色のカギを取り出し、鍵穴に差し込んだ。ガチャリと音がすると、扉から風がふき出す。

「なんだと!?」

 スネーキーは思わず声あげた。扉の先にあったのは下へと続く階段だったのだ。

「さあ、付いてきてください。恐れることはありませんよ」

 紳士はニヤリと笑いを浮かべた。

129:第6話 ◆Mk7zjh6zL.
11/02/02 23:02:28 yMxBuMeI0


 二人が暗い階段を下り始めてしばらくすると、下の部屋から少し光がさしこむのが見えてきた。

 スネーキーはこんな暗いところは御免だというように、階段を駆け抜けて下り、その先の扉を開く。

「……ここは!」

 その先に広がる景色を見て、スネーキーは声をあげた。

 地下に作られた、巨大な部屋。そこに置かれた様々な運動器具と、それに繋がれたモニターのついた不気味な機械。

 何かの実験施設にスポーツジムが入り込んだような異様な光景だった。

 そして中の人間はモノクルをつけ、機械のような動きでバーベルを持ち上げたり、ルームランナーを走ったりしている。

「なんなんだよ、こいつら」

「練習ですよ。ポケモンバトルのね」

「人間が経験値ためてどうすんだ!」

「ポケモンは我々が用意します……トレーナーに要求するのはそれを扱うための精神力のほうなんですよ」

 そう呟きながら、紳士が機械仕掛けの扉にカードキーを差し込む。自動ドアのようにドアは横に開いた。

130:第6話 ◆Mk7zjh6zL.
11/02/02 23:05:45 yMxBuMeI0
 その先は通路になっており、さらに向こう側に機械仕掛けの扉が見える。

 が、よく見ると、廊下の左側は飛行場の窓のように作られており、そこから下の様子が見渡せるようになっていた。

 そこにフルフェイスヘルメットのような装置を被った二人が互いのポケモンを出し、対峙する姿が見える。そして、その二人が出したポケモンの組み合わせを見てスネーキーは絶句した。

「ビッパとドサイドンだと!? 見ただけで勝負は決まってる」

 スネーキーの叫びなど知ったことかというように、下の階で戦いが始まった。

 ビッパはドサイドンに向かって走り出し、そのまま全力で頭突きをかました。

 ―岩が砕けるような快音が響く。

 ドサイドンはうめき声を上げると、豪快な音を立てて倒れた。ビッパは倒れたドサイドンの姿を無表情で見下す。

「どうなってるんだ……ドサイドンがビッパのたいあたりで一発なんて……」

「あのビッパは我らの組織が作り上げた、ダークポケモンです」

 呆然とするスネーキーを見ながら、横で紳士がつぶやく。

131:第6話 ◆Mk7zjh6zL.
11/02/02 23:08:18 yMxBuMeI0
「ダークポケモンだと!?」

 聞いたことある呼び名だ。そう、確か……

「ええ、かつてパイラ地方の犯罪組織が軍事用に改造したポケモンたちのことです」

「だが、すでにダークポケモンは全てリライブされたんじゃないのか?」

「そこで我々が新しく作り出したのです。当時の数倍強力なダークポケモンをね。
 君にはあのビッパの数倍強力なダークポケモンを贈呈しましょう」

「いいのか!?」

 紳士は頷いた。

「我々は君の才能を引き出したいのです。むろん無償ですよ。ただ、ダークポケモンは強力ゆえにトレーナーの肉体の強化も必要……しばらく我々の元で特訓を積んでください」

132:第6話 ◆Mk7zjh6zL.
11/02/02 23:11:14 yMxBuMeI0
 ※


 アガベの山。ヒエはいつものようにポケモンバトルの特訓に励んでいた。

「かわら割りだ!」

 ヒエのドリュウズが巨岩に自らの腕を打ちつけると、豪快な音と共に巨岩が崩れた。

 よしというようにヒエは頷き、数日前のヨモギとの再戦を思い起こす。

(奴はかなり力を付けていた。俺も特訓に手を抜くわけにはいかん)

 来るべきヨモギの再戦を心に描きながら、ヒエは目を閉じて精神を高揚させる。

 しかし、その状態は突如現れたわめき声によって遮られた。

「おい、ヒエ。お前こんなときに何をやってんだ!」

 上のほうから品のない大声をあげるスキンヘッドの男。ヒエはそれを鬱陶しそうな顔で見上げる。資金の寝床を提供させてもらっている身ではあるが、修行の邪魔は満更御免なのだ。

「スネーキーの奴が消えちまったんだぞ!」

 チェリーは血相を変えて話すが、大したことではないのは予想がつく。

 恐らく、ここ最近の悪事を咎められたといったところだろう。

133:第6話 ◆Mk7zjh6zL.
11/02/02 23:13:34 yMxBuMeI0
「消えた? どこかで補導された、の間違いだな」

「丸二日何の連絡もないんだぞ。こりゃ何かあったとしか思えん」

「なら生活に嫌気がさして、家出でもしたんだ。俺には何の関係もない」

 ヒエは興味無さげにチェリーに背を向けた。

「白状者が、お前には善意というものがないのか!」

 結局、チェリーはわけの分かからないことを怒鳴り散らした後、モンスターボールから出したオオスバメに乗ってどこかに飛び去っていった。

「まったく……」

 飛び去っていったチェリーとオオスバメを見届けながら、ヒエが呆れたようにつぶやく。

 しかし確かにチェリーの言うとおり、スネーキーのような小男に限って二日連絡がないというのも妙だ。自分とそこそこ関わっている人物が厄介ごとに首を突っ込まれても困る。

「ゆけっ、ヨルノズク」

 ヒエが投げたボールの中からヨルノズクが現れる。

「スネーキーの居場所をつきとめてみろ」

 ヨルノズクは頷くとそのまま空へ羽ばたいていった。

134:第6話 ◆Mk7zjh6zL.
11/02/02 23:14:20 yMxBuMeI0
 ヨルノズクは周囲50m以内なら透視して人物を見つけられる特性を持っている。海で流されたか、竜巻で世界の果てまで飛ばされたかではい限りはすぐに見つかるだろう。


 数十分後、ヨルノズクはヒエの元へ戻ってきた。スネーキーの所在がわかったかと聞くと、ヨルノズクは首を縦に振った。もう所在はつかめたらしい。

「よし、奴のいるところまで飛んでいくぞ」

 ヒエは身軽にヨルノズクの背に飛び乗る。ヨルノズクは大きな翼を羽ばたかせ、アガベシティの空へ飛び立っていった。


 ※


 飛行開始して15分程度経ち、ヨルノズクはある地点で空中に滞在した。下を見ると薄灰色の建物が見える。電気はついておらず、建物周辺には庭と駐車場が見えた。どうやら廃墟と化した病院のようだ。

「……よし、降下だ」

 ヨルノズクと共に廃院の庭に降りると、ヒエは周りの風景を見渡した。

 スネーキーは建物の中にいるのだろうか。しかし院内に人影は見当たらず、明らかに無人だった。

135:第6話 ◆Mk7zjh6zL.
11/02/02 23:16:53 yMxBuMeI0
(ひとまず、中を確認するか)

 ヒエがヨルノズクをボールに戻し、建物の中に入ろうと足を進めていくと、

「おい、止まれ」

 背後から不意に声が聞こえた。

 振り向くと、少年の姿が見えた。肩まで出た緑のスポーツウェアに貝殻をつないだ首飾りをかけており、ずいぶんと涼しげな印象を受ける。

「……何者だ?」

 ヒエが少年を睨みつけながら問う。

「オレはカイ。お前、こんなとこに何のようがあるんだ?」

「答える必要はないな」

 ヒエはカイを無視して、建物へ足を進めていった。

 それを見て、カイは腰のモンスターボールを外す。

「メブキジカ、チウ!」

 カイのモンスタボールから放たれたメブキジカが、とおせんぼうするようにヒエの前に立ちはだかった。

「さっさとここから消えないと、痛い目をみることになるぜ」

136:第6話 ◆Mk7zjh6zL.
11/02/02 23:19:08 yMxBuMeI0
 カイが声を落として語りかけると、ヒエは不適な笑みを浮かべる。

「そういうことなら話が早いな」

「な、何だと……」

「雑魚はポケモンバトルで黙らせるのが、最も手っ取り早い」

 ヒエも腰のベルトからボールを外し、

「揺るがすがいい! ドリュウズッ!」

 ボールからドリュウズを繰り出した。

「メブキジカ、ウッドホーン!」

「高速スピンだ!」

 巨大な角を掲げて突進してくるメブキジカに向かって、ドリュウズは体をコマのように回転させて守りの体制に入る。

 ドグォオオン

 鈍い音がこだまし、メブキジカの突進を食らったドリュウズが宙を舞った。カイはせせら笑う。

「オレのメブキジカにぶつかり合いで勝つなんて無謀もいいとこだ!」

137:第6話 ◆Mk7zjh6zL.
11/02/02 23:22:52 yMxBuMeI0
 ドリュウズは地面に着地し、よろめきながらも立ち上がった。

「もう一度、高速スピン!」

 ヒエの指令を受けたドリュウズは両腕を広げ、先ほどのように回転し始める。

「このお馬鹿め! 今度は全身を砕いてやるよ」

 メブキジカは回転するドリュウズめがけて、角を突き出しながら駆け出した。

「いまだ、飛べ!」

 メブキジカがドリュウズに激突しようという瞬間、回転するドリュウズの体が竹とんぼのように空に浮き上がった。メブキジカはそのまま壁に激突し、崩れた建物の瓦礫に押しつぶされる。

「な、な…………」

 カイは絶句しながら、崩れた瓦礫を見つめた。

「パワーにブレーキをかけ忘れたようだな」

「オレを本気にさせやがって……。行くぞメブキジカ!」

 突如瓦礫の山が弾け、メブキジカが中から姿を現す。ヒエが小さく不意をつかれたような声をあげた。

「とっておきの技でインドーを渡してやるよ」

 カイがヒエを鋭く見据えながら、その方向を指差す。するとメブキジカの全身が緑色の光に包まれた。

 ヒエはその姿を凝視する。

138:第6話 ◆Mk7zjh6zL.
11/02/02 23:25:40 yMxBuMeI0
「ソーラービーム!」

「ドリルライナー!」

 カイとヒエの掛け声が同時に響き渡ると、メブキジカの全身からソーラービームが放たれ、全身を回転させ始めたドリュウズに激突した。

 しかし、光線が命中してもなお、激流に逆らうようにドリュウズはメブキジカの方向へ向かっていった。

「切り裂け!」

 ソーラービームの威力が弱まると、ドリュウズは一気にメブキジカへ向かっていく。

 轟音と共にドリュウズと衝突し、メブキジカは地面に叩きつけられた。倒れたメブキジカは目を回し、再び立ち上がってこようとする気配がない。

「オレのメブキジカが……」

 カイは気絶したメブキジカを見ながら唖然とする。

 同時に疲労しきったドリュウズも地面に突っ伏した。

「上出来だ、ドリュウズ」

 ヒエは倒れたドリュウズをボールに戻した。

139:第6話 ◆Mk7zjh6zL.
11/02/03 00:02:38 OQjPP0/T0
「よくもオレのポケモンを……!」

 カイは腰から新たにモンスターボールを取り外す。

『やめなさい、カイ』

 突如、ビブラートがかかった声が院内に響き渡った。何者かが自分の声を放送したようだ。

「と……トベラ様」

 カイが呟く。声の主はトベラというらしい。

『ようこそ、ヒエ君。スネーキー君を探しにここに気なすったのですね?』

 ヒエは何も答えなかった。スピーカーから不適な笑い声をもれる。

『心配は無用です。彼は自分の意思で君たちのグループを抜け、我々の組織に入りました』

「……組織?」

『そう、我らサイプレスにね』

 ―サイプレス。聞いたことのない組織名だ。

「サイプレスは各地から優秀なトレーナーを募り、無償で訓練を受けさせてるんだ」

 カイが口を挟む。

140:名無しさん、君に決めた!
11/02/03 00:04:06 O
意外と面白いだと

141:第6話 ◆Mk7zjh6zL.
11/02/03 00:05:42 yMxBuMeI0
『さっきの戦いぶりをみたところ、君も素晴らしい才能をお持ちのようだ。どうです? わが組織に入りませんか』

「残念ながら、俺は自分から進んで馴れ合うのは御免だ」

『……残念です』

 トベラの声は残念そうだったが、それが本心かどうかは読み取れなかった。

「奴が戻ってこないというなら、俺はコレ以上ここにいる必要はない。失礼させてもらう」

 ヒエはボールからヨルノズクを出し、その場を去ろうとする。すると、カイが待てと手を上げて静止した。

「まだオレはお前の名前を聞いてないぜ」

「……ヒエだ」

 そう吐き捨てると、ヒエはヨルノズクの背中に飛び乗り、廃院から飛び立った。


――


 サイプレス……。ドリュウズを倒してしまうとは底が知れない。

 奴らに対抗するためには自分も更なる修行を遂げなくてはならないのだろうか。

 ヒエは空中で思案した。


                      ―第7話へ続く

142:和孝 ◆Mk7zjh6zL.
11/02/03 00:09:16 yMxBuMeI0
たくさんの支援ありがとう!
次回はヨモギが絶体絶命の危機に陥るぞ、次回をお楽しみに!!

>>140 そう言ってもらえるとうれしいね!オレも熱いガッツで次々と続きを執筆するぞ!

143:名無しさん、君に決めた!
11/02/03 00:32:26 O
>>140
そういうと調子に乗るから崖から突き落とすぐらいでいいんだ

144:名無しさん、君に決めた!
11/02/03 18:15:07 0
トベラwwww

145:名無しさん、君に決めた!
11/02/03 19:18:25 0
URLリンク(byakuyako.gaga.ne.jp)

146:名無しさん、君に決めた!
11/02/03 19:40:26 0
いつになったら「すごく強い敵」とかいうのは出るんだ?

147:名無しさん、君に決めた!
11/02/03 20:08:04 0
すごく臭い敵

148:名無しさん、君に決めた!
11/02/04 17:42:50 0
シンヒカは至上

149:名無しさん、君に決めた!
11/02/05 16:40:40 0
>>145
ここまでいけば文句いう奴も少ないか














まぁ当然といえば当然だ…プロだからな

150:名無しさん、君に決めた!
11/02/06 00:47:09 0
ガリレオくん


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