10/08/12 19:17:45 YWqzT6sT
>>203
以上、地の巻の概要を記してきたが、ここからわかることは、武蔵の兵法とは「勝つ」ことが最終目標なのである。
忠誠や孝行という内容の言葉はほとんど出てこない。
意外だと思うかもしれないが、武蔵が歩んできた人生を考えれば、そんなに不思議なものでもないと思われる。
(中略)
勝つことだけが侍の全てではないと思うが、武蔵の武士道は、侍の戦士としての心構えを的確に捉え、
現代でも通用する理を見出しているのではないだろうか。
これだけ勝つことにこだわると、勝つためなら卑怯なことでも何をしてもよい、と思うかもしれない。
しかし、それはちと早とちりではないだろうか。
勝つこと以外に強調されていることに「自分自身を守ること」「主君のために勝つこと」が記されていた。
つまり、どんなに忠誠心を抱き、世のため人のため、と励んでいたとしても、負けてしまっては意味が無い。
だからこそ、勝たねばならない、と言っているのではないだろうか。
命のやりとりを何度も交わしてきた武蔵らしい人生訓だと思う。
侍心得 五輪書
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