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コンクールはプロへの道
作家が文学賞を目指すように、演奏家はコンクールを目標とする。一流といわれるコンクールは、ピアノならショパン国際
ピアノコンクール、小澤征爾が優勝した指揮のブザンソン国際コンクール、ピアノ、弦楽器や声楽など多部門にわたる
ロシアのチャイコフスキー国際コンクール、管楽器部門に強いミュンヘン国際音楽コンクールなどがあげられる。音楽
コンクールは新人、もしくは無名の、これから演奏家になろうという人が受けるものだ。
クラシック音楽の演奏家として食べていくのは容易ではない。演奏家になろうという人はたいてい3歳や4歳から楽器を
始め、音大を卒業するまででも20年修業を積む。しかし、そこまでしてもプロにはなれない。弦楽器奏者や管楽器奏者は
オーケストラに入団する道がある。では、ピアニストや他の楽器のソリストとして活動していくにはどうしたらいいか。まず
コンクールを受けるのだ。演奏家が作る経歴欄を見てみるとよい。「日本音楽コンクール第2位、ジュネーヴ国際コンクール
ファイナリスト、ロン=ティボー国際コンクール第3位」などとコンクールが3つ4つも書かれている例が散見される。
コンクール歴が聴衆の判断材料となっている。
演奏家にしても無名のコンクールに1つ入賞した程度では、名前は売れず、次の仕事の依頼は来ない。なにしろ国際ピアノ
コンクールは、20年前の3倍、現在330もある。「比例して優れたピアニストの卵が増えているわけではない」という声も
あるが、受けるコンクールに困ることはない。
別格なのが、10月に開催されるショパン国際ピアノコンクール。5年に1度しか行われず、ポリーニ、アルゲリッチ、内田光子
ら世界の超一流ピアニストを輩出してきた。しかし、コンクールしか世に出る方法はないのかというと、そうではない。ロシアの
ピアニスト、キーシンのように神童がそのまま開花、コンクールを受ける必要がないという天才もいる。一方で、芥川賞作家
すべてが残らないように、コンクール1位でも消えていく才能も多い。それが現実である。
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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