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大リーグとは雲泥の差、問われるビジネスモデル
★球界マネー考2011.01.15
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今オフも日本球界の主力選手の契約交渉では、億単位の数字が躍る。現在の年俸水準について、スポーツ
経営に詳しい帝京大の大坪正則教授は、昨季の平均年俸が約３０１万ドル（約２億５０００万円）だった
米大リーグと比較した上で「スポーツ界の超エリートとしては安い」と断言する。早大スポーツ科学学術院の
原田宗彦教授も「これ以上下がると、野球界全体の地盤沈下になる」と言う。
大坪教授によると１球団あたりの平均収入は大リーグが２００億円で、日本は１００億円。年俸を除く
球団経費は日米とも約６０億円という。選手年俸に使える金額は大リーグの１４０億円に対し、日本は
４０億円しかない。
球団が持つ価値を収益に結び付けられていないことが問題だ、と大坪教授は分析する。日本では放送権や
スポンサー、グッズ販売は各球団が独自に行っている。だが、人気球団以外は苦戦を強いられているのが現状だ。
大坪教授は「巨人は２４８億円の売り上げで利益は２８億円。損益分岐点が２２０億円というのは高すぎる。
各球団が自由競争という名の下に自分勝手にやっているのが問題」と指摘する。大リーグのように、１２球団
一括で好条件を引き出す売り手市場を形成する必要性を訴える。
巨人戦の地上波の放送権料がセ・リーグを潤していたのは過去の話。巨人に頼れなかったパ・リーグ球団は
早くから地方へ展開し、地域に根差した経営に打開策を見いだそうとしている。
野球中継の主役はＢＳ、ＣＳに移り、昨年の日本シリーズでは３試合で地上波の全国中継がなかった。
従来のビジネスモデルが通用しなくなった今、斬新な試みに踏み出す時が到来している。