【スペシャルドラマ】坂の上の雲29【子規、逝く2】 at NHKDRAMA
【スペシャルドラマ】坂の上の雲29【子規、逝く2】 - 暇つぶし2ch295:日曜8時の名無しさん
10/12/18 17:18:09 SwI1QSC6
まことに小さな国が、開化期を迎えようとしている。

小さな、といえば、明治初年の日本ほど小さな国はなかったであろう。産業といえば農業しかなく、人材といえば三百年のあいだ読書階級であった旧士族しかなかった。

明治維新によって、日本人は初めて近代的な「国家」というものを持った。誰もが、「国民」になった。不慣れながら「国民」になった日本人たちは、日本史上
の最初の体験者として、その新鮮さに昂揚した。この痛々しいばかりの昂揚がわからなければ、この段階の歴史はわからない。

社会のどういう階層のどういう家の子でも、ある一定の資格を取るために必要な記憶力と根気さえあれば、博士にも官吏にも軍人にも教師にもなりえた。

この時代の明るさは、こういう楽天主義(オプティミズム)から来ている。

今から思えば実に滑稽なことに、米と絹の他に主要産業のないこの「国家」の連中が、ヨーロッパ先進国と同じ海軍を持とうとした。陸軍も同様である。
財政の成り立つはずが無い。
が、ともかくも近代国家を創りあげようというのは、もともと維新成立の大目的であったし、維新後の、新国民達の少年のような希望であった。

この物語は、その小さな国が、ヨーロッパにおける最も古い大国の一つ、ロシアと対決し、どのように振舞ったかという物語である。

主人公は、あるいはこの時代の小さな日本、ということになるかもしれない。ともかくも、我々は三人の人物の後を追わねばならない。

四国は伊予の松山に、三人の男がいた。

この古い城下町に生まれた秋山真之は、日露戦争がおこるにあたって、勝利は不可能に近いといわれたバルチック艦隊を滅ぼすにいたる作戦をたて、それを実施した。

その兄の秋山好古は、日本の騎兵を育成し、史上最強の騎兵といわれるコサック師団をやぶるという奇蹟を遂げた。

もう一人は、俳句、短歌といった日本の古い短詩型に新風を入れてその中興の祖となった、俳人、正岡子規である。

彼らは、明治という時代人の体質で、前をのみみつめながら歩く。
のぼってゆく坂の上の青い天に、もし一朶の白い雲が輝いているとすれば、
それのみをみつめて坂をのぼってゆくであろう。



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