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>>18
【筆おろしとエクスタシーのはざまで】
加尾は、三条実美の兄・公睦に嫁いだ山内容堂の妹・恒姫の世話係という名目で京に送りこまれた。
しかしその実態は京の情勢を探る隠密だった。その京を訪れた龍馬、別れて四年の月日が流れていた。
加尾「今夜はどこに泊まるがですろう、決めちょらんなら、私が宿を探しちゃるきに」
加尾が案内したのは人目につかない木立に囲まれた小さな家だった。部屋の障子を開けて龍馬を招き
入れた。行燈に火を点けた加尾の顔が小さな炎に照らされ、艶かしさに龍馬はつい見とれた。
龍馬「きれいになったのぉ、土佐におった頃とはまるで別人ぜよ。すっかり京女になっちゅう」
加尾「・・・そんなことないちや、なんちゃあ変わっちょらん。私は、あの頃のまま生娘ぞね」
確かめてくれとでもいうのか、加尾が龍馬の目の前に来た。離れていた四年の月日は龍馬と加尾を
大人の男と女にし、この瞬間、二人を隔てるものなど何もなかった。
けれどやがて二人は別離の定めを受け入れるしかなかった。
加尾「京に来たがは、私にお別れを言うためやったがや。H(えいち)や。龍馬さんとここで、
夫婦のような時を過ごせただけで、まっこと何度も天にも昇るような喜びじゃった。・・・ Hや」
龍馬「すまん、加尾!けんどの、おまんはひとつ間違うちゅうぞ。わしは別れを言うために
京に来たがじゃないぞ。本当におまんとやりとうて、やりとうて来たがぜよ」
福田靖「僕がやろうと考えたのは、ひとりの青年が土佐を飛び出し、幕末の動乱の中に飛び込んで、
最終的に“あの龍馬”になっていく成長物語をじっくり描いていきたい。最初から凄い
龍馬は描くつもりはありません!」
加尾「福田さんのウソツキ・・・・・・龍馬さんは最初から凄かった。Hや」
福田「おまんが感じやすいだけやき」