10/11/16 08:17:59 JlXg11Y6
>>21の本編
「秋ですね・・・」
箒で落ち葉を集めながら縁側へ目を向ける.そこには倭寇犬が日向ぼっこをしており、手前には日本猪と遊ぶ小日本の姿があった.
日本猪に跨った小日本は元気に駆け回っている.よく見ると日本猪の尻尾にヤイカガシがくっついており、目を回している
「こにぽん あんなにはしゃいで…」
いつもなら境内の掃除は小日本がやってくれているのだが、最近は悪霊退治で忙しく、神社のことは小日本に任せきりにしてしまった.
遊んでくれればよいものを「鬼子さまがお仕事をなされているのに、わたしだけが遊ぶわけにはまいりません」などと言って、三日ぶりに帰ってきたときには、神社はピカピカに磨かれていた
「寇犬様しあわせそう…」
倭寇犬は目を細めて小日本たちを眺めている.彼からすれば孫たちを見守っている気分なのだろう.ゆっくりと大きな白い尾がゆれている
そよ風が吹いては紅葉をひらひらと踊らせて、朝の木漏れ日はやさしく包むように彼らを照らす
――心から美しいと思った
このようなときは短歌の一つでも歌いたくなる
「紅葉舞う 日が差す子らは うららかに 「ちちのはなしを しようじゃないか」――・・・・・」
素晴らしい…朝だったのだ――この卑猥な鳥さえいなければっ!
「ヒワイドリ・・・あなたは乳の話以外にすることがないのですか?」
「ないな」
即答である
「あるでしょう!あの光景を見てなんとも思わないのですか?」
小日本たちを指さす.とても楽しそうにはしゃいでいる.倭寇犬も嬉しそうだ
「ふむ、こにぽんに乳はないしな.寇犬様が女性に化けてくれr――」
箒で殴ろうとしたが避けられた.素早さだけは一人前である
「こにぽんに手を出そうとしたら退治しますよ!」
純粋な子を卑猥な目つきで見るのは冗談でも止めてほしい・・・でも確かに女性化した倭寇犬の乳は完璧だった
「安心なされよ.我は鬼子さん一筋だ」
今度は箒で斬りつける.おのれ、すばしっこい奴め!
「しかし鬼子さん、着物に下着をつけるのはどうかと思うぞ」
・・・――ハッと気付く. ヒラヒラと靡く白い衣
ヒワイドリの手には、私の下着が握られていた. いつの間に――!?
「いくら人の子の贈り物とはいえ、鬼子さんの乳にこのようなものは不要だ」
手にした下着に頬を擦りつけたり、においを嗅いだりしている
あの変態めっ! 沸々と怒りが込み上げてきた.
「全く…鬼子さんの乳に装飾など、鬼子さんの乳の品を落とすものでしかないというのに」
清々しい朝だったのだ.連日の戦いが終わり、ようやく手に入れた幸福の一時だったのだ.
それを汚すなんて許せない.そろそろ堪忍袋の緒も限界だ
「そんなに飾りが欲しいのならば我を鬼子さんの乳にぃ――!?」
手を伸ばし薙刀を取り出す.妖力によって着物がはためき、集めた落ち葉が舞い上がる
「フフッ・・・あなたには少し徹底的なお仕置きが必要なようですね」
ヒワイドリにニッコリと絶望的な笑みを返す.今日はゆっくり平凡な一日を過ごそうと思っていたが仕方ない.
さて、どうしてくれようか.去勢するのもいいかもしれない
「ま、待て!待つのだ鬼子さん! 我はただ乳の話がしたかっただけd―デバァ!」
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<あとがき>
鬼子さんの下着は、前に頭巾で角を隠して人里へ降りたときに、助けた女の子に買ってもらったものです.ちなみに一枚しかないので、洗濯中は着けてません