10/11/12 20:09:20 Z8N8Hvt3
これでやってみましょう。では私から。
―世界中のあらゆる技術・学問が集まる街「ザースフェイ」。
そんな大都会から山二つほど離れた場所に「セリカ」と言う名の小さな村があった。
その村で生まれた若者たちの大半は、年の頃18歳になると都会の優れた大学で学ぶ為にザースフェイへと移り住む。
ザースフェイに移住したセリカの若者たちは例外無く、生まれ故郷とのあまりにも大きな環境の違いを知る事になる。
そしてそこの住人たちと触れ合う中で自分たちが小村の生まれである事を恥じ、都会で家庭を持つなどして生涯自らの生まれ故郷に帰らなくなる者が殆どであった。
セリカは今や老人が人口の大半を占める村となってしまった。そんな村に一人の青年がやって来たのは、雪が溶けてまだ間もない時期の事だった。
青年の名はアダン。ザースフェイの音楽大学に通い、4年ぶりに自らの故郷へ帰って来たのだ。
彼が都会での暮らしを捨て、山二つを越えてまでセリカに帰って来たのにはある理由があった。