11/08/04 01:39:37.45 Vm2WbjGk
こちらも避難所的なスレから転載させていただきました。転載元はこちら↓
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月明かりが煌々と照らす明かりの下、犬は歩いていた。大きな犬だ。首には黒く光を失った数珠がまかれている。
それ以外に何の特徴もない。その犬が周囲の匂いをかぎまわり、主の姿を探し求めている。あたり一面瓦礫の山だ。
周囲は焼け焦げた匂いが充満していた。大規模な爆発により周囲のコンクリート・アスファルトは所々剥がれ、
飛び散り、焼け焦げて異臭を放っている。時折、熱された石が犬の足の裏をジュウと焼く。
しかし、犬はそんなことに全く頓着しないで一心不乱に探し続ける。すでに身体のあちこちはススに塗れている。
どこからか緊急車両のサイレンの音が近づいてくる。
不意に、犬の鼻がピクリと動き、焼け爛れた瓦礫の山に駆け寄るとその下に駆け寄り掘り起こそうとする。
ガリガリと爪を立て、大きな瓦礫がいくつも転がりだす。
その先にあったのは・・・・主がつけていたはずのススだらけの般若面とその下に広がる真っ赤なシミ・・・・
犬は天に向け高く長く吠えた───