【鬼子たんの】鬼子Lovers【二次創作です】at MITEMITE
【鬼子たんの】鬼子Lovers【二次創作です】 - 暇つぶし2ch57:みずのて 1/3
11/08/04 01:13:33.72 Vm2WbjGk
避難所的なスレから転載させていただきました。転載元はこちら↓
URLリンク(jbbs.livedoor.jp)
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某月某日。あの日は暑かった。
 ボクはなんだってこんな川辺にある木の影でこんな手記をつけているんだろう。
原因はわんこの奴だ。何でも、その日ご主人様にヒマを出されたとかで
「こんな時のアイツらは無理についていこうとするとぜってー『わんこデリカシーがない』とか
  ヌカしやがんだよ。だからさ、ちょっと遊びに行こうと思ってよ。穴場があんだ。付き合え風太郎」

 それで巻き込まれるボクもいい迷惑だ。ボクが空を飛べるからって、便利な足みたいに使わないで欲しい。
・・・まあいい。ここは涼しい。川の上流の方では滝が大量の水を落として大きな滝壺ができてる。
「まいなすいおん」をたくさん出しているに違いない。

 周囲は山奥と呼ぶにはそれほど鬱蒼としていなくて、涼しい風が通り抜け蒸し暑さやヤブ蚊のような
不快なものもない。それなのに人の気配が全くない。確かに穴場だ。
川の流れが手前に来る頃には川の深さは程よい浅瀬になっていて、わんこがふんどし一丁で
魚を捕まえようと走り回ってる。

 よくもまあスタミナが持つものだ。ボクは一足先に木陰で一休みだ。
「おっしゃぁあ!夕飯、3匹目ぇ! お~い、もうギブアップか?バテるのはえ~ぞ~~!」
 君をぶら下げてここまで飛んできたんだ。休ませてくれ。
しかし・・・ホントに元気だ。あれだけ肉体派なのにボクが会得できなかった風遁の術をいくつか
モノにしただなんて、信じられない。ボクだってかなり勉強したはずなのに・・・

・・・胸の奥がチリッと疼く。・・・わかってる、ツマラナイ嫉妬心だ。ボクがわんこに優っている所なんて
せいぜい、この空を飛べる翼と頭でっかちなオツム位だ。あいつは素直に褒めてくれるけど、
ボクにいわせれば屈託の無いあいつの方がよっぽど凄い。ちょっと折れたり濡れたりすると役にたたなくなる
翼と物を一寸たりとも動かせない知識だけあってもそんなに自慢になるわけでもないや。

 ヒヤリ

 そんなとりとめのない事を考えていたら、不意に首筋をゾクリとしたものに撫でられた・・・気がした。
滝壺の冷気とも明らかに違う。ハッと気がつくと、わんこが滝壺に向かって走ってゆく所だった。

「おいっ!そっちは危ない!早く戻って!」
思わず、手にしたメモ帳を放り出し、あいつを呼び戻そうとする。
「ははっ、またいつもの心配性かよ?ダイジョウブ大丈夫!今、でっけぇ得物とってくっから!」
構わず、滝の方へ走ってゆくわんこ。もう水は腰の辺りまで来ている。

違う。違うんだ。この冷気は明らかに異常だ。あいつは気がつかないのか?
 それに滝壺というのは小さくても見かけよりずっと危険な場所であることもあるのに。
ボクがあわてて駆け出したのと悪い予感が当たったのはほぼ同時だった。


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