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【鬼子たんの】鬼子Lovers【二次創作です】 - 暇つぶし2ch117:創る名無しに見る名無し
11/08/10 19:40:29.65 89bSLVvg
短編小説
『心の鬼とは』~ある少年の話し~

 「学校に行くのが嫌だ」

 俺の心はそう叫んでいた。
朝、自分で布団をたたむ。そして目障りな奴等から離れ、無言で朝食を取る。
独りで着替えて、ボロボロになったランドセルを肩に担ぐ。
【ギギー・・】
玄関の古びたドアを開ける度にこの音がする。嫌な音だ。
そして、児童養護施設を出て、寂しく学校に向かう。
これが最近の俺の日常だ。

「健太君。給食袋わすれてるよ」

後ろから走ってきた施設のおばさんが、怖々その袋を俺に渡そうとしている。
俺は、施設のおばさんを睨みつけ、手をはたく様に給食袋を奪い取った。
気に入らない表情をしてやがる。施設のババア共は皆同じ顔を俺に向ける。
5年生になった俺は・・・・・独りぼっちになっていた。

3年ほど前、俺の両親は交通事故で死んだ。
唯一身寄りのある人間は、田舎に住むじっちゃんだけだ。
しかし、そのじっちゃんも俺の両親、息子夫婦を亡くしたショックで、
身体を悪くし入院生活をしている。
学校に着いた俺は、ランドセルを置いて直ぐにベランダに出る。
したい事が何も無いし、騒がしいクラスの奴等の顔も見たくないからだ。

「お、ボロボロになった服を着てる健太がいるぜ。あいつ臭いから皆近づくなよ」

同じクラスのお調子者が、俺にそう声を投げつけて来た。
俺は・・・・・
無意識にそいつを殴っていた。鼻から、口から血を流していたが、
それでも俺は殴り続けた。
担任の先生が飛んで来て、俺を止めようとしている。理由も聞かずに・・。
最近の先生は、生徒に手を上げない弱虫ばかりだ。
その代わり、俺を見下す目をいつもしている。
俺は先生の手を振り払い、その担任を殴りつけた。

 正気に戻った俺は、警察署にいた。
児童養護施設で働くおばさんが、俺を引き取りに来ている。
そのおばさんが俺に向かって何か言ってるが、何も聞こえない。
手で耳をふさいでる訳では無いが、何も聞こえないのだ。
そう、嫌な事があるといつも何も聞こえなくなる。

「健太君。お爺さんが危ないんだって。一緒に病院へ行きましょ」

そんな言葉が俺の心に突き刺さった。
俺は、おばさんからお金をもらい、独りで病院へ向かった。
3年ほど前までは良く行っていたが、最近は半年ほどじっちゃんの顔を見ていない。
電車を何度か乗り継ぎ、14時頃、じっちゃんが入院している田舎の病院に着いた。
じっちゃんが居る個室の前で、顔や手に付いた友達の血を拭った。
会うのは半年ぶり。何故か直ぐ部屋には入れない。入ってはいけない様な気さえした。


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