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「てぃっしゅ、ある?」
ひらがなが重要である。
ティッシュ、でもTissueでもない。
「ああ。アルヨ」
詰まった鼻のせいで、中国語みたいな発音になった。すごく恥ずかしい。
誤魔化すように、Gパンのポケットから温もった新品のポケットティッシュを彼女に突き出す。
ありがとうの意味をモゴモゴ言いながら、彼女は鼻をかんでいた。
「ハイ。どーぞ」
両手でちょこんと突き出されるポケットティッシュ。
俺が貸したんだけどな、と思いながら『どーぞ』と渡されたティッシュを受け取る。
ぎこちないお辞儀をして、彼女はそそくさと講義室を出て行った。
受け取ったポケットティッシュを見て、思案する。
彼女は何処の国の子だろうか。金髪で綺麗なサラサラの髪だった。
「……てぃっしゅ」
先ほどの女の子の口調を小声で真似てみた。
友人がニヤニヤしながらこちらを見ているのに気付いたので、恥ずかしさを誤魔化すように鼻をかんだ。
おわり。