10/11/22 00:10:09 BHhv7IQE
「幸運な侵略者」
地球に巨大なUFOが飛来した!全世界がパニックに陥た。全人類がUFOに乗っているのは黙示録の悪魔
なのか、光輝なる訪問者なのか?湧き上がる希望や恐怖を胸に抱き固唾を呑んで様子見をしていた …そ
してUFOの扉がゆっくりと開く…奥に人影が写る、全世界がTV中継する中、一人の宇宙人が歩いてくる…
着ている服(?)こそエキゾチックで奇抜なイカニモな宇宙人だが、外見は普通の人間だった。
しばらくして、宇宙人と人類との貿易も活発に行われる様になっていた。宇宙人の製品はなぜか特段発
達している訳ではない、だが不思議な安らぎ感を呼び寄せるらしい。宇宙人はなぜか皆おっちょこちょ
いでドジっぽかった。数年後、そしてとうとうその日は訪れた。
宇宙人『私達は母星に帰らねばなりません《中略》今まで本当にありがとう!さいなら!』
はじめは不審がっていた連中もこのスピーチを聞き終わる頃には皆、涙を流して感動しその別れを惜しん
でいる。彼らの残したモノは計り知れない恩恵を人類に与えてくれたのだろう。製品の使用者達は口々に
こう言っている 『何か暖かくて優しく偉大で器の大きな存在に魂が吸い寄せられるような安らぎを覚える』
と…そして宇宙人達は決まって雀の涙程の僅かな報酬しか受け取ろうとしなかった。それでは悪いので何
かさせてくれと言うと『ではこの日の幸運を全ての人類の皆様から感謝を込めていただきます』等と言う
ばかりで何も受け取ろうとしなかった、何と無欲な人々だろうと人類は感心するばかりだった。そんな良
き隣人と別れねばならないのだ悲しいに決まっている。全世界が喝采を浴びせながらUFOを見送った。