10/09/06 22:45:24 /yA0Vfz/
「「 自由な人たち 」」 011+01 2010.22.9.6--001
*** 知人たち ***
公園に入りベンチに座った。じっと見つめられている。
「なぜ、そんなに見るの」
じっと見つめていたいのに理由を聞くのかと思った。
「好きだから」
見るだけじゃなくて、何か面白い事を言えばいいのにと思った。
「何か言ってよ」
何か言えって、何も言いたく無かった。言った所でしょうがないと思った。
髪を触り、指に絡ませてみた。
「何よ、何も言う事ないの」
髪が指に絡み、その感触がたまらない。
「綺麗な髪だね、君は綺麗だよ」
手を払い、髪を触るのを辞めさせた。
「何か言ってよ。何か聞きたいのよ」
12:創る名無しに見る名無し
10/09/07 23:19:37 WGu0sFIN
「「 自由な人たち 」」 011+02 2010.22.9.7--002
*** 知人たち ***
公園で何を話せと言うのだろう。
「好きと言うだけじゃいけない訳」
好きな事は分った。好きなだけじゃやなのよ。
「好きになるなんて、簡単でしょう」
どうして、好きになって、好きという気持を言葉で伝える事は大変なことでしょう。
「好きに成る事を告白することは簡単じゃないよ。人を好きになり、それを相手に
伝え、そして、相手にも好きと言わせる。何処が、簡単なんだ」
だから、私の何処が好きになり、二人はこれからどうなるのよ。それを言いなさいよ。
「分った。私を好きなのね。私も、好きと言った。でも、それだけよ」
考えたんだ。大分悩んだ。告白するかどうか。止めようと思った。でも、なぜか、
諦めることが出来なかった。会うと嬉しくなり、合わないと不安に成った。前に、
言ったじゃないか。
「好きに成った理由なんて、分らない。全てが好きなのかもしれない」
具体的に聞きたい。抽象的は嫌い。はっきりして欲しい。
「これから、どうするの」
焦るなよ。時間は幾らでもあると思うけど。
13:創る名無しに見る名無し
10/09/09 00:19:51 tExAwOpZ
「「 自由な人たち 」」 011+03 2010.22.9.8--003
*** 知人たち ***
「好きで、一緒にいたくて、会っていると楽しい。それから」
私が求めているものは何だろう。欲しいものは何だろう。
「何が欲しい。一緒にいてどうするの」
だから、焦るなって言うの、欲しいものを聞いてどうする訳、好きと言っているのに
それ以上、答えようがないと思うけど。
「取り合えず、好きなんだ、何が欲しいって、言っていい分け」
何か言わなければ分らない。何でも言って欲しい。
「別に、貴方の欲望を聞いているわけじゃないのよ」
欲望、それが全てと思うけど、男と女がいて、欲望が無かったら、好きなんて
言えない。
「多分、欲望だけしかないと思うけど、好きと言ったわけだから」
誘ったのは貴方よ。声を掛けたのは貴方、感じが良くて、話を聞きたくなった。
だから、誘いに乗ったのに、欲望だけなんて、何だかおかしい。
「好きなことは分ったわ、趣味なんか在るの」
趣味なんか聞いてどうする。まともに答えられない。多分、悪趣味と思われる。
「趣味か、沢山あるよ。何でもしたいのが趣味かな、多趣味、趣味って欠点にも
なるよね。言っていい趣味と言わないほうがいい趣味」
14:創る名無しに見る名無し
10/09/10 15:36:40 e9Xxr9BW
「「 自由な人たち 」」 011+04 2010.22.9.9--004
*** 知人たち ***
公園のベンチに座り、詰まらない話ね。趣味もなさそう、これからどうする訳。
「私は無趣味です。無趣味ってどうですか」
趣味なんか、お互い違ってもいいじゃないか。趣味が在ったからって、その
趣味に付き合う必要も無いと思うけど。
「無趣味ですか。それは珍しいですね。今日の服装は趣味がいいと思うけど、
おしゃれが趣味だったりして」
好きな相手が趣味が在ろうが無かろうが関係ない。自分に取って大事な事は
その人といることで、満足できればいいし、より高い位置を望む意欲が増せば
それでいいと思っている。
貴方に取って私は何なの女というだけ、それならば女なんて幾らでもいるで
しょう。
「こんな感じが好きなの」
「そうです。でも、何でも似合うと思うけど、好きだから、何でも」
女なら何でもいいって言ってるよう。まあ、そんなものでしょうね。
「どうして、そんなに好きって言うの、それは分った」
好きと言えば、何でも済むと思っている。
「尻痛くないですか。このベンチ少し堅いですね」
公園のベンチなんてみんな堅い。貴方が誘ったのに。確かに、お尻が痛くなりだした。
15:創る名無しに見る名無し
10/09/11 23:57:06 ftXkV0Tl
「「 自由な人たち 」」 011+05 2010.22.9.11--005
*** 知人たち ***
「お尻、見て、痛そうと思った訳」
「いえ、そんな、そんな事は考えてない、ですよ」
何よ、考えているくせに、いつも何もしないで、訳の分らない話ばかり、
うんざりだわ。
「ここでいつまでも話しているつもりですか」
そんなつもりはないけど、今、考え中なんだ。食事か、映画、それとも、何処か、
二人になれる所。
「食事出来ます。出来れば、一緒にしたいですね」
当然でしょう。そのつもりで来ているのに、食事しないって言ったら、許さない。
でもまだ時間は早いけど。
「食事にはまだ時間早くない」
話し方が雑になりだした。多分、性格が雑なんだな。
「どうするかな、ここで話します」
尻が痛いでしょうと言っておきながら、ここで話すなんて結論はない。
「私のお尻、気にならない」
話すだけならばここでもいいと思うけど、尻が痛いのではしょうがないな。
「何処かに入りますか」
「ホテルですか」
16:創る名無しに見る名無し
10/09/13 23:35:01 hA1/I6JN
「「 自由な人たち 」」 011+06 2010.22.9.13--006
*** 知人たち ***
好きな人とホテルに入る。それも良いか。でも、それは余りにも短絡的であり、
無謀な感じもする。
「そんな事を言って、良いの。現状ではホテルは結び付かない」
本気ならば、別にいいけど、でも、本気じゃなければ、まだ、許すことは出来ない。
大事な体を自由にされてはたまらないわ。ホテルでお茶って言っておこう。
「ホテルで何するつもりと思っているの。ホテルでお茶はどう」
お茶かそれはそうだ。好きと言っただけで、ホテルに行こうじゃ恋も冷めるよ。
「ホテルって言ったので驚いたよ。お茶だね」
私も、つい言ってしまったけど、本気なら、ホテル行ってもいいと思った。本気って
何処で判断するのか分らない。今はホテルで二人で泊るなんて、在りえない。
二人は歩き出し、手を繋いだ。しかし、直に離した。何かを確かめたのか。多分、
何かを感じたかったのかも知れない。指先が触れ、その後から、軽く握り在って、
その感触を確認した。
17:創る名無しに見る名無し
10/09/15 00:06:18 iuP5Rojd
「「 自由な人たち 」」 011+07 2010.22.9.14--007
*** 知人たち ***
歩きながら思ったことは一緒にいたいという事だ。
「好きに成るって、どういうこと」
難しい質問、姿形で好きに成ったり、話し合っている間に好きに成ったり、色々
だろう。
「歩いているときに答えられない」
それもそうね。好きに成った理由なんて、そんなに簡単に答えられない。
「お茶でも飲みながら、聞こうかな」
簡単に答えられなくもないか。体が貴方を求める。こんな答えならいつでも言える。
「君も好きなんだろう」
お茶を飲みながらって言ったばかりなのに同じ事を聞くなんて、馬鹿な人。
「好きよ」
好きに、理由なんて必要か。必要だろうな。どれくらい好きかとか、その好きさを
どんな形で表すことができるとか。
18:創る名無しに見る名無し
10/09/15 14:38:14 iuP5Rojd
「「 自由な人たち 」」 011+08 2010.22.9.15--008
*** 知人たち ***
好きになって、相手も好きと言ったときから、何だか、考えることが増えてきて、
息苦しくなる。自分だけが好きなとき、片思いのときは夢が無限に広がり、全てが
ばら色、それが相手に告白し、相手もその気になり、好きと言ったときから、何となく
重く感じる。
「好きって、好きだけじゃないね」
思わず、口に出してしまった。好きなだけじゃなかったら、他に何かがあると
言う事に成る。
「何で、何があるの」
何言っているのよ。好きじゃないって事、そんなに付き合っていないのに、答えを
聞かなくっちゃ。
「何かおかしかった。好きだから、それは間違いない。でも、それだけじゃない。
どこかおかしいかな」
答えようとしない。まあいいか、好きだけで解決する問題なんて、世の中には
少ないし、好きじゃないことは非常に多い。
19:創る名無しに見る名無し
10/09/15 23:28:52 iuP5Rojd
「「 自由な人たち 」」 011+09 2010.22.9.15--009
*** 知人たち ***
「好きに成ったことで実現することが沢山あるでしょう。それに好きだから、
それを守る為に、好きじゃないことも乗り越えることが出来る」
性格は道徳的だね。世の中は道徳だけでは生きられないけど、道徳が無ければ
生きられない。好きな人が道徳的ってどういうことに成るわけ。
「好きに成ると想像することが多くなるね。何でも想像する」
例えば、君の体のこととか。想像すると止まらなくなるし、それを実行したくなる。
これって道徳的か。好きになって相手の体を想像しても、それを道徳が無いとは
言わないだろう。
「想像する事はいいことでしょう。現実は想像通りには行かないけど」
何を想像しているの。想像するのは勝手だけど、目の前にいることを忘れないで
欲しい。
「別に、違っていても、そんなに気にはしないよ。今は想像するほかないし」
二人の未来を想像しているの、それとも単に二人の交わりを想像しているの、
なんなのよ。
20:創る名無しに見る名無し
10/09/16 11:01:16 HzAmO2GA
「「 自由な人たち 」」 011+10 2010.22.9.16--010
*** 知人たち ***
コーヒーの香りがする店内に入り、多くの人たちの顔を見ながら、空いている
席を探し、二人は座った。
「こんなに込んでいるだ。驚き」
結局、何もないのかも知れない。やっぱり、少し冒険がしたいし、好きなときに
触れ合う感触は欲望を越えた愛欲の世界を味わう事ができるはずだ。
「コーヒー。それに何か食べます。ケーキでも」
薄笑いを浮かべながら、頷いた。何でもいいよ。たかがコーヒーなんだから。
ケーキは太るよ。太った体もいいけど。
「何もないのかな、何か少し、在ってもいいと思うけど」
何よ、それって、何か要求しているつもり、ホテルに誘ったのは私よ。それで
十分と思うけど。この先は任せる。
「ここは初めて、いいわね。ガラスに貴方が映ってる。少し、横向いて」
馬鹿ね。そんなにいい顔とは思わないのに、何となく興味を持ってしまった。
顔じゃないといいたいけど、顔も大事ね。でも、この辺で決めるかな。
「貴女も映ってる。貴女を見ている誰かの顔はあまりいい男とは言えないね」
21:創る名無しに見る名無し
10/09/16 23:16:35 HzAmO2GA
「「 自由な人たち 」」 011+11 2010.22.9.16--011
*** 知人たち ***
お互いガラスに映った姿に話し掛け、自分の心と顔との違いを確かめようと
しているようだ。
「貴方って、素敵よ」
何だよ、突然、ガラスの中の自分を見た。にやけてる。馬鹿、にやけている場合か。
「先に言わないでよ。美しい二人の貴女にこんな所で会えるなんて思ってもいな
かった」
貴方でいいかな。幸せにしてくれそうだから。でも、まだ、愛してるって言葉聞いて
いない。
「私、綺麗、そんな事を言われた事ない」
みんな言うのよ。美しいとか綺麗とか、でも本心じゃない。その場限り。目的を
達成する為に適当に言うだけ、みんなその場限りなのよ。
「これから、何回も会いたいと思っている。貴女はどうかな」
目の前の3Dとガラスに映った顔を交互に見ながら、確かめた。でも、分らない、
本気のようでもある。でも、まだ、よく分らない。この人を好きと思う自分を信じる
ほかないのかな、結局、人生なんて運と賭けのようなもの。
「それはかまわないけど、というより、それは当然でしょう。好きっていたでしょう」
嘘っぽい顔、本気なのに、何で、顔と心が合わないの。もう一度言わせて欲しい。
「声が大きいよ」
22:創る名無しに見る名無し
10/09/17 09:44:27 +WuL026C
別板に行って下さい