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86年の福井女子中学生殺人、再審決定 名古屋高裁支部
2011年11月30日11時44分
福井市で1986年に中学3年の高橋智子さん(当時15)が殺害された事件で、
名古屋高裁金沢支部の伊藤新一郎裁判長は30日、懲役7年の実刑判決が
確定して服役した前川彰司さん(46)=同市=の再審開始を決定した。
検察側は名古屋高裁への異議申し立てを検討するとみられる。
前川さんは86年3月19日夜、福井市営住宅2階の一室で、この部屋に住む智子さんを
五十数カ所刺すなどして殺したとして起訴された。90年9月の福井地裁判決は前川さんの
関与を示唆した複数の証言が捜査・公判を通じて変遷しているとして無罪(求刑懲役13年)
としたが、95年2月の高裁金沢支部判決は「ささいな変遷」と判断。シンナー吸引による
心神耗弱状態での犯行と認めて懲役7年を言い渡し、確定した。
決定は、過去の公判で手書きの図面で出され、検察側が再審請求審で新たに出した
遺体の解剖写真の分析結果について検討。「五十数カ所の傷のうち2カ所は被害者宅の
包丁2本とは別の刃物でつけられた可能性がある」とした弁護団提出の法医学者の意見書
に基づき、「2本の包丁だけで形成できると判断した確定判決の判断には合理的な疑問が
ある」と判断した。
さらに、2004年の再審請求後に検察側が開示した捜査段階の目撃者らの供述調書
29通を踏まえ、「事件の夜に血の付いた服を着た前川さんを見た」「前川さんが逃走に
使った乗用車に血痕がついていた」とした知人の元暴力団組員の供述や前川さんを
かくまったアパートの住民らの目撃証言について検討した。
決定は、前川さんが逃走に使ったとされた乗用車に被害者の血痕が付着していなかった
とする新たな鑑定結果に反しているとし、元組員の供述は「信用性が脆弱」と指摘。
アパート住民らの証言もあいまいな点や食い違う部分があり信用性に疑問があるとし、
「前川さんが犯人であることを示す証拠はなく、犯人と認めるには合理的な疑いが生じて
いる」と結論づけた。
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