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日本の読解力回復8位、科学5位数学9位 国際学力調査
2010年12月8日3時4分
経済協力開発機構(OECD)は7日、各国の15歳を対象に2009年に
実施した国際的な学習到達度調査「PISA(ピザ)」の結果を公表した。
4回目の今回は過去最高の65カ国・地域が参加。「読解力」では、日本
は前回06年の15位から、最も順位が高かった00年と同じ8位に回復
した。「科学的リテラシー(応用力)」は5位(前回6位)、「数学的リテラシー」
は9位(同10位)。低落が続いていた日本の順位が初めて上昇に転じた。
00年に始まったPISAは3年ごとに実施され、毎回3分野のうち1分野を
重点的に調べる。今回は一巡して読解力が重点項目となった。
文部科学省は03年調査での順位急落(PISAショック)を受け、ここ数年、
「読解力向上プログラム」の策定(05年)、PISAと類似問題を出す「全国
学力調査」の開始(07年)などの政策を打ち出してきた。高木義明文科相
は同日談話を発表し、一連の政策と学校での取り組みが読解力の順位
上昇に効果を上げたとの認識を示した。
PISAの「読解力」は、様々な文章や資料などから情報を読み取ったり、
自分の考えを論理立てて記述したりする力を測る問題が出る。
日本は06年の前回調査まで、上位層の割合が減る一方で下位層が増える
傾向にあった。だが、今回は上位層が13.4%と前回(9.4%)より厚くなる
とともに下位層も4.7%と前回(6.7%)より減り、成績の「下方シフト」が止まった。
調査では読書体験などを聞くアンケートも実施。「楽しみで読書をする」生徒
の割合は00年から10ポイント増えて56%だったが、それでも00年からの
調査参加国の中ではかなり下位の水準だった。
一方、科学、数学は順位こそ上がったが、統計的には前回と差はなく、横ばい
との位置づけだ。文科省は「順位の落ち込みが激しかった読解力の対策が
先に進んだため」と分析。09年度から先行実施されている小中学校の新学習
指導要領で理科と算数・数学の学ぶ内容や授業時間が増えており、その効果
が測れるのは次回以降としている。(続く)
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