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尖閣諸島(中国語名は釣魚島)は、古くからその存在について日本にも中国にも知られていまし
たが、いずれの国の住民も定住したことのない無人島でした。1895年1月に日本領に編入され、
今日にいたっています。
1884年に日本人の古賀辰四郎が、尖閣諸島をはじめて探検し、翌85年に日本政府に対して同
島の貸与願いを申請していました。日本政府は、沖縄県などを通じてたびたび現地調査をおこなっ
たうえで1895年1月14日の閣議決定によって日本領に編入しました。歴史的には、この措置が尖
閣諸島にたいする最初の領有行為であり、それ以来、日本の実効支配がつづいています。
所有者のいない無主(むしゅ)の地にたいしては国際法上、最初に占有した「先占(せんせん)」に
もとづく取得および実効支配が認められています。日本の領有にたいし、1970年代にいたる75年
間、外国から異議がとなえられたことは一度もありません。日本の領有は、「主権の継続的で平和
的な発現」という「先占」の要件に十分に合致しており、国際法上も正当なものです。
中国、台湾が尖閣諸島の領有権を主張しはじめたのは1970年代に入ってからです。1969年に
公刊された国連アジア極東経済委員会(ECAFE)の報告書で、尖閣諸島周辺の海底に石油・
天然ガスが大量に存在する可能性が指摘されたことが背景にあります。台湾が70年に入って尖
閣諸島の領有権を主張しはじめ、中国政府も71年12月30日の外交部声明で領有権を主張する
にいたりました。
たしかに、尖閣諸島は明代・清代などの中国の文献に記述が見られますが、それは、当時、中国
から琉球に向かう航路の目標としてこれらの島が知られていたことを示しているだけであり、中国
側の文献にも中国の住民が歴史的に尖閣諸島に居住したことを示す記録はありません。中国が領
海法に尖閣諸島を中国領と書き込んだのは92年のことでした。それまでは、中国で発行された地
図でも、尖閣諸島は中国側が「領海」とする区域の外に記載されていました。
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