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マスコミが「貧乏人はムギを食えと言うことか」と大反発し、それがいつの間にか「池田勇人が貧乏人はムギを食えと言った」と言うことになってしまった。
池田勇人は「所得倍増計画」で有名。わかりやすいビジョンを掲げることを知っている名宰相だった。
でも池田勇人といえば、何と言っても彼が大蔵大臣時代に発した「貧乏人は麦を食え」という名(迷)言を思い出す人が多いだろう。
国会で大問題となった発言だが、あれほど悪意でもってねじ曲げられた正論コメントはめずらしい。
当時は物価の上昇が問題となっていた。消費者物価の上昇があるのでインフレであるから
引き締め政策を採るべきだとする議員に対して、経済に強い池田は「卸売物価が上がっていないのでインフレではない、
消費者物価が上昇するのはサービス価格の上昇によるもので経済が豊かになるにつれて当然起こる正常なもの、
コメの値段が上がって困るというがムギの値段は上がっていない」と理路整然と回答した。
これを野党とかマスコミが「貧乏人はムギを食えと言うことか」と大反発し、
それがいつの間にか「池田勇人が貧乏人はムギを食えと言った」と言うことになってしまったもの。今も昔も、扇動的マスコミはいやらしい。
よって、池田勇人が言ったという名(迷)言は、事実とは違うのであるが、仮にそう言ったとしても、今となって考えるとこれは「迷言」ではなく「名言」だと思う。
白米は栄養が偏っており、食べ過ぎると健康によくないからである。
戦前多くの陸軍兵士が白米の食べ過ぎで脚気になって死んでしまったことを見れば明らか。ムギの方がよほど良い。
ところが、今は池田勇人の時代とは違って、ムギとか雑穀や玄米の方が白米より高いのである!なんたること!今や金持ちでないとムギは食えない。
国民の健康志向を見越して、ここぞとばかり儲けようとする輩が多すぎるためである。
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