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２つ目は駐車場の問題だ。那覇市教育委員会の市民スポーツ課・奥武山野球場
整備グループ主査の平良進氏によれば、球場周辺には公共の土地がなく、
市、県の駐車場が３３０台分ぐらいしか用意できない。「巨人キャンプの時は
できる限りモノレール（ゆいレール）を使って欲しい」（平良氏）と言うが、
その声が車社会の沖縄県民にどこまで届くか疑問だ。
●年間１億２０００万円の維持費
３つ目の問題は新設された施設の維持費だ。そもそも新球場や屋内練習場の
建設資金約７５億円のうち、約５０億円は国からの補助。沖縄は米軍基地を
受け入れているため、国が予算をつけてくれたのだ。しかし、造った後の維持費は
那覇市が負担しなければならない。球場や屋内練習場などの施設維持にかかる金額は、
年間１億２０００万円ぐらいとみられている。
そこで那覇市が考えたのが、球場の名称に企業名などをつけるネーミングライツ。
だが、この不景気だ。プロ野球の本拠地でもない球場の命名権に大金を投じる企業を
探すのは厳しいとみられている。
手っ取り早いのはコンサートなどイベントへの貸し出しだが、それはそれで
問題が生じるのだという。日本共産党那覇市議団団長の古堅茂治議員はこう言う。
「私たちも那覇市が社会教育施設として球場を持つことには反対はしません。ただし
維持管理費が払えないからといって、社会教育、青少年の健全な育成などを目的に造った
施設で、どんどん芸能人のコンサートをやって維持費を稼げばいいというのは問題です」
球場や屋内練習場はそもそも教育や青少年育成のため造られた。維持管理費のため
とはいえ、そこに芸能人を呼んでコンサートを開くのは本来の趣旨から外れるというのだ。
巨人の沖縄キャンプの準備は着々と整いつつあるものの、クリアしなければならない問題は
山積している―。