10/09/09 19:06:35 +d7tSeNA0
円高は、円資産、円所得の外貨に対する増加をもたらし、
為替上の国内市場の拡大、海外市場の縮小をもたらす。
日本人労働者の賃金が上昇するので、国内産業の
価格競争力が下がり、日本人の保有資産が増加するので、
世界における日本の市場規模は拡大する。
円高に否定的な人たちは、日本人労働者の賃金上昇による
国内産業の価格競争力低下とそれに伴う失業率の増加、
産業の空洞化、日本製品の世界シェア低下を恐れている。
俺は円高が世界における相対的な日本人の賃金上昇と
資産増加、国内消費者の消費拡大をもたらしてくれるので、
円高には賛成している。そもそも、日本は現在圧倒的な
経常黒字超過であり、財の一方的流出、貨幣の一方的流入が
続いている。日本の労働力によって生産された財を輸出し、
外国の中央銀行で発行された信用貨幣を輸入する現在の
貿易は、日本人に対して、消費を上回る労働を強いるものである。
小泉政権下での『実感なき経済成長』の原因は、円安による
外需拡大政策が、国内で仕事の増加・消費の停滞をまねいた
ことにある。
貿易は財と財との交換であるべきであり、財と貨幣の交換で
意味があるのは、国内に貨幣鋳造力がなく、輸入貨幣が国内で
流通する場合に限られる(例:鎌倉時代、室町時代など。日本は
中国から銭貨を輸入し、国内で流通させていた)。現在のように
貨幣が中央銀行から不換紙幣として発行され、国内でもその
不換紙幣が流通していない状況(日本国内ではドルやユーロ、元は
ほとんど流通していない)では、財と貨幣の交換は一方的な富の
流出を招くだけである。
これが為替に関する俺の観念です。