10/12/08 00:10:46
「萌え」から多ジャンルへ 山本寛
もうアニメは駄目かもしれない。
来年1月開始のアニメ「フラクタル」の監督山本がHPでこんな異例の声明を出した。
放送中のアニメを見ても面白いものがない。自分とアニメ業界の価値観が絶望的にあって無い。
「俺必要とされて無いんだな」とやる気をなくしかけた。
実写映画の監督経験などが刺激となり、モチベーションを取り戻した山本が
憂慮するのは見る側が流行の作品を追うこと。
「作り手も見る側に合わせていってる。2chを意識して、展開を変えたり主体性がなくなっている」
製作の上で強くするのは同世代30代。ハルヒのときも同世代には響くと言う確信があった。
「創作活動は自分を頼りにするしかない。最大公約数的な所で作っても受けない」
初のオリジナル、フラクタルはストーリー原案に東浩紀を迎えた冒険活劇。好きなジャンルを
選んだ理由の1つに「萌えばかりではアニメ市場が小さくなる」との危機感があった。
アニメ製作会社の社長を務めるだけにアニメータが暮らしていけるかどうが気にかかる。
一生懸命やっても結婚できるか子供を作るかのレベルで悩んでいる。この状況を
変えるためにも多様なジャンルの作品でアニメ人気を広げたいという。
「1本1本が勝負。流されちゃおしまい」ときっぱり言い切るが内心揺れ動く事も。
そんな時「お前はこんな事をやりにこの業界に入ったのか」という先輩の教えが
脳裏によみがえり安易に妥協しない姿勢を保ち続ける。
「私の言葉で伝えなければならない事がある。アニメの未来に光が差す日を夢見て」
と結んだ声明。その思いを盛り込んだ新作でアニメに新たな地平を切り開けるか。