10/11/29 07:19:23
ま、「世界観・キャラ・映像」の決め方を説明しましたが、実を言うと監督の仕事ってここまでで半分以上
終わったと言っても過言じゃありません。少なくとも板垣的に。もちろんその後も作画・美術・色彩・撮影・編集
の絵の現場から、アフレコ・ダビングの音の現場、そしてV編という納品の儀式まで監督の仕事は続きますが、
すべては「世界観・キャラ・映像」をどれだけスタッフ皆にわかりやすく組み立てるか? で絵の現場も音の現場も
スムーズに流れるかどーかも決まるというのも事実です。
だから単純に言うと監督の仕事って、制作現場の流れを作る! それを作る才能がないならせめて止めない!!
話は飛びますが、数年前に各話演出で関わった某TVシリーズのホン読みの時。その作品の監督はとにかく流
れを止めるんです。……つまり周りの人たちから責められると
黙る……
んです。まるで「監督は俺、決定権も俺が握ってるハズだから、黙ってダダコネてればプロデューサーが
「まあ監督がおっしゃる事ですから(ハートマーク)」と救いの手を差し伸べてくれるハズ」とでも思ってるのか
のごとし、だったので俺が呆れて―
「こんなの時間のムダですよ。宿題として持ち帰りましょう!」
―と、会議の打ち切りを提案したところ、監督よりも偉い方が「あ、板垣さんの意見に賛成!」って感じの流れ
になって、その日は解散。その帰り道、監督君が俺に―
「勝手な事しないでほしいんですよ!」
と、大変不満気。それに対して、自分も反論したわけです。
「○○ちゃんの感情線がメチャクチャだから進まないんですよ!だってあの現場の誰も監督のカタを持っていないって事は、
やっぱ間違ってるんですよ、アナタの方がっっ!」
すると、その監督君はこーおっしゃいました。
「○○さん(監督君が師匠と慕ってる方)も言ってたけど、そこで折れちゃいけないんですよ“監督”は!」
―知るか。
俺はその監督君が大尊敬してる師匠が何を言ったのか知りませんが、「監督は折れちゃいけない!」とか「これが俺の
色だ! こーじゃなきゃ自分色の作品にならない!」とかを基準に作品を作ってる監督君のフィルムには絶対に関わらな
い事にしようとこの時誓いをたてました。
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