【MHP3】チラシの裏スレ ★6at HANDYGOVER
【MHP3】チラシの裏スレ ★6 - 暇つぶし2ch981:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 07:45:51.92 JguUFnFo
「いやあ、助かったよ。リリー。あのリオレウス、僕が卵泥棒をしているものだと勘違いしたらしくて、しつこく追いかけてきて大変だったんだよ。本当はそのそばで鉱石を採掘しようとしていただけなのに」
 エリア1。
 孤島と呼ばれる小さな島の入り口であり、地形上の問題で大型竜は入ってこれない孤島でも数少ない安全なエリアのひとつだ。そこに入った途端に、師匠の開口一番がこれ。


982:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 07:48:30.55 JguUFnFo
なにへの弁解だ、この馬鹿師匠。優しい言葉もすべてスルーして、シニカルな笑みで彼に詰め寄る。
「ところで師匠、頼んでおいた鉄鉱石やマカライト鉱石の収集はどうなりましたか?」
 ぎくりと師匠の肩が震える。その態度は、言葉より饒舌に「まだ取ってません」と語っている。
「……ねえ、やっぱり取りに行かなきゃ駄目?」
 ああ、そんな顔をしないで下さい。地味に庇護欲をそそられますから。メンクイの私は、それだけでご飯が三杯はいけるほど嬉しいんですから!


983:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 07:51:35.40 JguUFnFo
「駄目です」
 ばっさりと一言。
「どうしても?」
「どうしても」
「あのリオレウスが怖い」
「我侭言わないで下さい」
「ううー」
 露骨に肩を落とす師匠、背中からは哀愁すらただよい、見た目の美しさも相まって何だか私のほうがきゅんと罪悪感とか母性本能とか庇護欲とかいろいろ……。
 うあああああ! なんだよこの逝け面! きちんと躾けられた私は絶対に偉いよねっ!


984:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 07:52:27.65 JguUFnFo
「師匠、ほかのエリアでも採れるそうですので一緒に行きましょう」
 思わず、というわけではないが。ついついそんなことを言ってしまう私は甘いのかもしれない。
 それでも師匠は、喜色満面に爽やかな笑みまで浮かべてくれた。


985:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 07:53:36.23 JguUFnFo
「本当かい!?」
「ええ」
 師匠は嬉しさのあまりに飛び跳ねそうだ。もしこの場に誰かいたら、きっと彼が正真正銘の私のハンターの師匠だとは微塵にも思わないだろう。
 しかし、私と師匠は紛れもない師弟関係であり。さらに言えば、師匠は技術も知識もその他すべてにおいて私より秀でており、人柄はもはや一級品。ハンターとしても、人としても、彼ほど信頼できるパートナーはいない。
 そう思える相手であった。


986:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 07:57:14.96 JguUFnFo
一方その頃彼は・・・

既にこのクエストでは二回「力尽きて」いた。
 ハンターが瀕死の状態に直面すると、アイルー達ギルドの救護班に「お世話になる」。
 そこで治療を受けた後、再びベースキャンプに送り返されるのだ。
 一回目はリオレウスの吐く巨大な炎のブレスで大火傷、そして二回目はリオレウスが獲物を掴む際に活用される鋭い爪に仕込まれた猛毒によるもの―俺は文字通りその「獲物」となってしまったわけだ。

  

  しかし、ここでクエストリタイアなどする気はない。
 既に持ち込み分の通常弾は使い切り、カラの実とハリの実から弾丸を調達している。
 かなりのダメージを与えているはずだ。
 カラの実……名前の通りこれは中身が「空」で円筒状の形をしている。
 弾丸の外形にはもってこいの素材であり、ある程度過酷な環境でも繁殖するので、狩猟先でお世話になるガンナーも多いんだとか。
 そしてハリの実、これも名前から察する通り鋭いハリのような物が生えていて、このハリをカラの実に差し込むだけで一発の弾丸が出来る

987:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 07:59:12.54 JguUFnFo
  そうしてできた通常弾レベル2は今、俺の相棒とも言えるこの『タンクメイジ』の銃口から放たれ、火竜リオレウスの鱗や甲殻に突き刺さる。
 リオレウスは憎むべき獲物を認識し、咆哮を上げる。
 距離をとっていたのでその衝撃に硬直することはなかった。 
 それだけではない、空の王者の咆哮は確かに最初の邂逅から弱くなっている気がした。

 「へん! さっきまでの余裕は、どこへ行ったのかな?」
 次々と引き金を引くと、弾丸は容赦なく王者の鎧とも言える鱗を、甲殻を、翼を散らしていく。
 リオレウスがこちらに真っすぐ体を向けてくる。 突進か、ブレスが来るはずだ。
 このコースでボウガンを構えていれば危ない……ヘビィボウガンはその重量から構えたまま走ることはできない。
 ブレスが放たれたと同時に、俺は勢いよく地面を蹴ってコース外にローリングして回避した。
 ボウガンを構えている時は歩くよりも転がった方が突発的には早いということを学んだからだ。
 回避行動から立ち上がると今度は銃口をリオレウスの足に向けた。
 リオレウスの弱点はズバリ頭と足だ。 多分…… 
 これはクエスト中に学んだ。 弾丸の先端についたハリの実が目測できるほどに深く刺さっている。
 しかし頭を狙う場合、リオレウスに対して正面付近で構えなければならないので危険だ。
 (現に一回目に力尽きたのはそれが原因だ!) 
 「正面は危険だ……相手が身動きできる限りは!」
 リオレウスが再び俺の姿を追うようにこちらに迫ってくる。
 唾を飲み込む。 俺は―回避行動をとらずにその場で通常弾レベル2をリロードした。



988:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 08:01:40.36 JguUFnFo
  鋭い牙がハンターに突き刺さる―

 ―寸前、リオレウスは突如崩れた地面に脚をとられて、身動きが取れなくなった。
 このエリアに来た時、最初に用意していた『落とし穴』だ。
 突然の事態に勇猛な空の王者もパニック状態のようだ。 翼を広げてもがいているが、脱出できそうな様子はない。
 そして、いよいよ無防備となった正面、リオレウスの弱点部位。
 「悪く思うなよ!」
 俺は一心不乱に弾丸をリオレウスの頭に撃ちこむ。
 このチャンスを逃すまいと、重たいタンクメイジの銃身を抱きかかえるように構え、ただひたすらに引き金を引いた。


989:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 08:03:40.06 JguUFnFo
 全ての弾丸を撃ち切った後、リオレウスは落とし穴にはまったままその首を地面に静かに下ろした。
 突然辺りが静かになる。 ボウガンを背中にしまうと、恐る恐るリオレウスに近づいてみた。 
 空の王者ここに敗れる。 
 血みどろになった王者の遺骸を、俺はしばらくの間茫然と眺めていた。
 「……勝った……!!」
 光を失ったリオレウスの瞳、スコープ越しに見たあの輝きはもうない。 

990:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 08:06:41.24 JguUFnFo
 ついにこの決戦は終わった。
 『リオレウス討伐指令』……二回力尽きたので報酬金は寂しいものだが。
 (今回消費した弾丸とアイテムを勘定に入れたら大赤字だろう!)
 晴れて俺は一人前のハンターとなった。  ようやく認めてもらえるのだ。 
 心の底から湧きあがる躍動に耐え切れなくなった俺は、素材を剥ぎ取るのも忘れてしばらくの間吠えた。
 「うおおおおおおおおお……アイタタ!」
 極度の緊張から解放されたのか、全身の筋肉が指で弾かれたかのように痙攣し始めた。
 「ようやくだ……いやいや、これからからだよな……ハハハ!」
ベースキャンプに戻るのも鬱陶しく、俺は背中の相棒をも脇に投げ出し、充足感につつまれたまま草原で深い眠りについた。
 これで終わりじゃない。 さらに新しい狩猟の世界が待っている。
 でも今は……この王者を屈伏させた喜びに包まれていたいと思う。

991:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 08:10:30.78 JguUFnFo

 おっと自己紹介がまだだった。俺の名前はクラウス=ブレイズ、19歳。ユクモ村の専属ハンターで今日でちょうど満一年だ。
 得意武器はヘビィボウガン。 始めて手に取った時から俺はこの武器の虜になった。
 原因はこのスコープだ。 スコープで敵を見ると、そのモンスターの繊細な体の部位を隅々まで見ることができる。
 リオレウスの鱗もあの眼も覗いた。 モンスターの持つ眼は人間にはない鋭さと深さを兼ね備えているし、それが俺には堪らない。
 相手が手に取れるかのように見え、距離があるはずなのに間近にいるような感覚。
 それは危機感か躍動感か、俺の身体を高ぶらせていくのだ。
 村の先輩ハンター達は俺のこと「変人扱い」しているけど、好きなものは好きなんだ。

992:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 08:16:32.88 JguUFnFo
 「おい、邪魔するぞ」
 帰ってきて早々俺の部屋に入ってきたのは師匠だ。 
 この人、いつも村の奥でボーっとしているくせに、実はボウガンの達人だったらしい。
 「だった」というのは現在はハンターを引退しているからだ。
 「村長からの伝言だ。 一週間後に出発するから、支度を整えとけだとよ」
 「一週間もくれるんですか?」
 確かに翌日他のクエストに行くとか言われても困るが、さすがに長すぎじゃないか?

993:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 08:18:12.39 JguUFnFo
「不安なら、鈍らないように腕でも磨いとくんだな。 新しい依頼もきてるぞ」
 「ああ……なるほど」
 村長さんに隠し事はできないな……ひと眠りしたら、新しい依頼の物色をするとしよう。
 忘れるところだった。 それから武具屋に行って、リオレウスの装備を作ってもらおう。
 あの後、結局手に入れた報酬は……鱗が四枚と甲殻三枚、それから翼膜と爪が二つずつ……

994:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 08:21:37.19 JguUFnFo
  「一式作るには足りないね」
 工房の爺さんは声を揃えて言った。 今この素材からつくれるのは胴と腰だけらしい。
 さらにもう一つ問題があるのは……

 「尻尾……ですか?」
 「ああ、そいつを丸ごと『レウスガード』というガンナー用の装備にするんだが」
 そう言って爺さんは俺にレウスガードの必要素材のメモを渡した。 
 「でも俺ガンナーですよ?」
 「それなら今度は剣で行くんだな、大剣買うかい?」
 大剣なんて使ったことが無かった。 

995:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 08:23:26.23 JguUFnFo
「それならホラ、剣士のお友達を連れていって尻尾を切断してもらえばいいじゃないか?」
 「それが一番ですかねーやっぱ」 俺はゼニーの亡者に毒弾の如き視線を撃ちこみながらそう呟く。
 「まあ、とりあえず腕装備は保留にして他の素材を集めてきます。 街へ行く前にもう少し装備を整えたいし」 
 「おう、それならリオレイアから取れる素材で新しいボウガンも作れるからな」  
 新しいボウガン! 俄然やる気がでてきましたよー!
 村長に一旦別れを告げると、今度は村長の所へ向かった。

996:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 08:28:41.01 JguUFnFo
 「村長さん、今依頼は来てますか?」
 「場所が変わるが、火山での火竜の討伐の依頼が来ておる」
 村長さんは俺に受注書を見せてくれた。 
 ……報酬金は前回と同じか、リオレウスの動きは前回かなり調べたし、今回はそれほど苦戦しないかもしれない。 
 「その下の細かい文字なんじゃが……ヌシに読めるか?」
 受注書の下にはなにやら細かい文字で依頼主の「声」が書かれている。
 しかし、さらにその下。
 「……留学中のハンターが同行? 武器は……すらっしゅあっくす?」

997:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 08:30:04.12 JguUFnFo
すらっしゅあっくす……スラッシュアックス? アックス「斧」…剣士か!
 「えーっと、留学ハンターってなんですか?」
 「聞いたことがありますわ。自分の村の専属ハンターを1名遠い地方に送って、腕を磨かせようということです」
 「遠征みたいなものですかね? それから『スラッシュアックス』って?」
 「その目で見たほうが早いですわ……おほほ」
 ……とにかくリオレウスの討伐依頼があるのなら受注するしかない!
 身支度を整えると、俺はすぐに火山へ出発した。
 いざ火山へ、それからその留学ハンターとやらに尻尾を切断してもらおう……なんてね。
 
  ベースキャンプにて待っていたのは、見たことのない防具に、見たことのない武器を背負った女性だった。

998:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 08:38:21.34 GHA6YJsk
長文もいいが次スレ頼むぞ

999:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 08:42:12.47 GHA6YJsk
次スレ立てといてね

1000:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 08:43:59.45 8+q3AVNL
終了

1001:1001
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もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。


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