11/10/10 08:06:41.24 JguUFnFo
ついにこの決戦は終わった。
『リオレウス討伐指令』……二回力尽きたので報酬金は寂しいものだが。
(今回消費した弾丸とアイテムを勘定に入れたら大赤字だろう!)
晴れて俺は一人前のハンターとなった。 ようやく認めてもらえるのだ。
心の底から湧きあがる躍動に耐え切れなくなった俺は、素材を剥ぎ取るのも忘れてしばらくの間吠えた。
「うおおおおおおおおお……アイタタ!」
極度の緊張から解放されたのか、全身の筋肉が指で弾かれたかのように痙攣し始めた。
「ようやくだ……いやいや、これからからだよな……ハハハ!」
ベースキャンプに戻るのも鬱陶しく、俺は背中の相棒をも脇に投げ出し、充足感につつまれたまま草原で深い眠りについた。
これで終わりじゃない。 さらに新しい狩猟の世界が待っている。
でも今は……この王者を屈伏させた喜びに包まれていたいと思う。
991:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 08:10:30.78 JguUFnFo
おっと自己紹介がまだだった。俺の名前はクラウス=ブレイズ、19歳。ユクモ村の専属ハンターで今日でちょうど満一年だ。
得意武器はヘビィボウガン。 始めて手に取った時から俺はこの武器の虜になった。
原因はこのスコープだ。 スコープで敵を見ると、そのモンスターの繊細な体の部位を隅々まで見ることができる。
リオレウスの鱗もあの眼も覗いた。 モンスターの持つ眼は人間にはない鋭さと深さを兼ね備えているし、それが俺には堪らない。
相手が手に取れるかのように見え、距離があるはずなのに間近にいるような感覚。
それは危機感か躍動感か、俺の身体を高ぶらせていくのだ。
村の先輩ハンター達は俺のこと「変人扱い」しているけど、好きなものは好きなんだ。
992:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 08:16:32.88 JguUFnFo
「おい、邪魔するぞ」
帰ってきて早々俺の部屋に入ってきたのは師匠だ。
この人、いつも村の奥でボーっとしているくせに、実はボウガンの達人だったらしい。
「だった」というのは現在はハンターを引退しているからだ。
「村長からの伝言だ。 一週間後に出発するから、支度を整えとけだとよ」
「一週間もくれるんですか?」
確かに翌日他のクエストに行くとか言われても困るが、さすがに長すぎじゃないか?
993:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 08:18:12.39 JguUFnFo
「不安なら、鈍らないように腕でも磨いとくんだな。 新しい依頼もきてるぞ」
「ああ……なるほど」
村長さんに隠し事はできないな……ひと眠りしたら、新しい依頼の物色をするとしよう。
忘れるところだった。 それから武具屋に行って、リオレウスの装備を作ってもらおう。
あの後、結局手に入れた報酬は……鱗が四枚と甲殻三枚、それから翼膜と爪が二つずつ……
994:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 08:21:37.19 JguUFnFo
「一式作るには足りないね」
工房の爺さんは声を揃えて言った。 今この素材からつくれるのは胴と腰だけらしい。
さらにもう一つ問題があるのは……
「尻尾……ですか?」
「ああ、そいつを丸ごと『レウスガード』というガンナー用の装備にするんだが」
そう言って爺さんは俺にレウスガードの必要素材のメモを渡した。
「でも俺ガンナーですよ?」
「それなら今度は剣で行くんだな、大剣買うかい?」
大剣なんて使ったことが無かった。
995:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 08:23:26.23 JguUFnFo
「それならホラ、剣士のお友達を連れていって尻尾を切断してもらえばいいじゃないか?」
「それが一番ですかねーやっぱ」 俺はゼニーの亡者に毒弾の如き視線を撃ちこみながらそう呟く。
「まあ、とりあえず腕装備は保留にして他の素材を集めてきます。 街へ行く前にもう少し装備を整えたいし」
「おう、それならリオレイアから取れる素材で新しいボウガンも作れるからな」
新しいボウガン! 俄然やる気がでてきましたよー!
村長に一旦別れを告げると、今度は村長の所へ向かった。
996:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 08:28:41.01 JguUFnFo
「村長さん、今依頼は来てますか?」
「場所が変わるが、火山での火竜の討伐の依頼が来ておる」
村長さんは俺に受注書を見せてくれた。
……報酬金は前回と同じか、リオレウスの動きは前回かなり調べたし、今回はそれほど苦戦しないかもしれない。
「その下の細かい文字なんじゃが……ヌシに読めるか?」
受注書の下にはなにやら細かい文字で依頼主の「声」が書かれている。
しかし、さらにその下。
「……留学中のハンターが同行? 武器は……すらっしゅあっくす?」
997:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 08:30:04.12 JguUFnFo
すらっしゅあっくす……スラッシュアックス? アックス「斧」…剣士か!
「えーっと、留学ハンターってなんですか?」
「聞いたことがありますわ。自分の村の専属ハンターを1名遠い地方に送って、腕を磨かせようということです」
「遠征みたいなものですかね? それから『スラッシュアックス』って?」
「その目で見たほうが早いですわ……おほほ」
……とにかくリオレウスの討伐依頼があるのなら受注するしかない!
身支度を整えると、俺はすぐに火山へ出発した。
いざ火山へ、それからその留学ハンターとやらに尻尾を切断してもらおう……なんてね。
ベースキャンプにて待っていたのは、見たことのない防具に、見たことのない武器を背負った女性だった。
998:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 08:38:21.34 GHA6YJsk
長文もいいが次スレ頼むぞ
999:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 08:42:12.47 GHA6YJsk
次スレ立てといてね
1000:名無しさん@お腹いっぱい。
11/10/10 08:43:59.45 8+q3AVNL
終了
1001:1001
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