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◆現実を知らない民主党の労働者派遣法改正案
2010年10月13日
政府は現在開かれている臨時国会で、製造業における派遣の原則禁止などを掲げた労働者派遣法改正案の
成立を目指している。民主党政府は、それが労働者を守ることになると主張しているわけだ。
私はかねがね、現在の民主党の社会民主主義的な考え方は目に余ると考えていた。今回の労働者派遣法
改正案にもそのスタンスが如実に表れている。確かに正社員に比べて派遣社員の身分が不安定であることは
事実だ。しかし派遣という雇用形態にはデメリットばかりがあるわけではない。メリットだって少なからずある。
メリットの代表的なものは、雇用の流動性が確保できることだ。例えば企業においては、一年を通じて必要な
社員数が一定とは限らない。忙しい季節は労働者を多くほしいが、仕事が少ない季節もある。繁忙期に合わせて
社員を雇っていたら、閑散期には人材が余ってしまう。 実際、労働者の数と仕事の量が常にマッチしている会社
の方が少ないだろう。だからこそ企業は必要に応じて派遣社員やアルバイトを雇って、忙しい時期を乗り切っているのだ。
正社員として雇用するのに一番“普通の”仕事量にマッチしたものにしなくては企業は収益が出ない。経営者は
雇用レベルをいかに柔軟に調整し、しかも低コストでやっていくのかを常に考えなくてはならない。 この柔軟性が
アジア諸国に比べて人件費の極端に高い日本で製造業がかろうじて残ってきた理由である。日本では地方によって、
企業規模によって、業種によって、雇用形態によって大きく賃金が異なる。この三重、四重の“選択肢”がなければ
大半の製造業は倒産するか、海外に出ていかなくてはならない。
雇用不安が増しているこのタイミングで、民主党はなぜ企業を追い込むようなことをするのだろうか?
それは、民主党が現場を知らない古典的労働観、企業=悪という社会主義の教科書で染まった人たちで動かされて
いるからにほかならない。