10/11/15 19:12:32
347 名無しさん@ピンキー sage 2010/11/15(月) 14:15:37 ID:QIgrgFrY
「お先に失礼します!」
ドアが後ろ手に閉められる
「はあああああ・・・・・・・」
バンビはバイトの帰り道、空を仰いで大きくため息をついた
今日もバイト先でこってりと絞られたのだ
皆から「ババ様」と呼ばれる古参のその女性は50も間近だというのに独り身らしい
趣味は・・・なんだっけ?限定がどうとかコミケがどうとか大声で言ってたっけ・・・
それがどんなものなのかよく分からないがどうでもいい
しかし、あの人はなぜ私をあんなに目の敵にするのだろうかと
今日のいつも以上に執拗だったイジメを思い出して辟易する
「よし!こういうときは・・・」
気分転換にちょっと寄り道しようと踵を返した時、背後を歩いていた誰かにぶつかってしまった
「きゃっ!」
「おっと・・・おい、気をつけろよ。」
咄嗟に腕を掴んでくれたおかげで倒れなくてすんだ
「ご、ごめんなさ・・・」
その姿を見上げると―
「設楽先輩・・・?」
「ああ、お前か・・・」
どことなく頼りなげなその風体とは裏腹に、
掴まれた指先からは力強さを感じさせた
ピアニストだからだろうか
ちょっと意外・・・
そんなことをぼんやり考えていると
「おい、お前いつまで俺に支えられてるつもりなんだ?」
その言葉で我に返り真っ赤になる
「!!ああっ、す、すみませんっ!!」
「全く・・・。それはそうと、お前いつも一人でブツブツ呟きながら歩いているのか?」
「は?」
「・・・気持ち悪いぞ」
「あ・・・。」
自分でも気がつかなかった
あの脳内の呟きをずっと聞かれていたのだろうか
途端に恥ずかしさで耳まで真っ赤になってしまう
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