11/02/15 20:04:44 0
『ごめんなさいナルミ、私やっぱり…』
薄れる意識の中、アリサは思った。同時にショウの中で何かが音を立てて割れた。
そして流れ込んでくる冥王の記憶。
「ベルセフォネー!!」
ナルミがアリサに駆け寄る。
うろたえたアポロンもアリサに近づこうとするが、ナルミが制して睨みつけた。
「もう、息をしていない…」
錯乱したアポロンは泣き叫んで力を暴走させた。その威力からアリサとナルミを庇いながら、
ショウはアポロンに「もう終わりにするんだ」と声をかけた。
「お前を庇ってベルセフォネーが…許せない、八つ裂きにしてやる!」
ショウとアポロンの力がぶつかり合う。そして、斃れたのはアポロンだった。
「ベルセフォネー、すぐ治療を…」
アリサに手を伸ばしたデメテルにも、ナルミは「近寄るな!」と怒鳴りつけた。
ナルミはアリサの身体を抱きしめたまま、「誰も近寄るな、もう誰にも触れさせない」と涙を流す。
だが、ショウはすぐにデメテルに治療を受けさせるようナルミに言った。
「ショウ、お前、記憶が…」「待たせたな、ポセイドン」
アポロンの神殿では、ゼウスが目をあけて体を起こした。
「待っていたわ、ずっと…」
ヘラは起き上がったゼウスに口付けたが、すぐに違和感に気付いた。「違う、ゼウスじゃない」
ヘラをはねとばして起き上がった男は、「この私がゼウスの身体を使わねばならぬとは」と吐き捨てる。
「我は神々の祖、この地球の持ち主だ。さて、この身体でどれだけの力を出せるのか…」
笑いながら男は神力を暴走させる。神殿が崩壊するだろうと察したプロメテウスは
ヘラ達を連れてその場を逃げ出し、アテナ達と戦うアルテミス達に退散を呼びかける。
神殿の異変に気付いたヘスティアは、プロメテウス達への追跡を諦め、アテナを促し神殿に向かった。
そして、祭壇から現れた男を目にする。