11/07/03 14:08:33.33 5Il3V0Lo
>>425
>囲碁も将棋もチェスも、テレビのない時代の方が
>テレビのある時代よりレベルが高いと小生は
>思うのです。
「レベル」をどのように定義するのかによって違ってくるとは思いますが、私は逆の意見ですね。
Aの時期: 公家や僧侶階級だけで普及していた時代。(佐為の時代)
Bの時期: 家元四家が実力で切磋琢磨していた時代。家元内の伝承も血筋よりも実力重視。(秀策の時代)
御城碁が晴れの舞台だが、パトロンに呼ばれて市中でも打つことがあった。庶民にも囲碁が広まった時代。
Cの時期: プロ制度が確立され、家ではなく実力者がタイトルを獲得する時代。(現代)
棋譜は新聞・テレビ・インターネットで公開されて、誰でも見ることが出来るようになった。
全国で囲碁教室が開かれ、院生→プロになる道筋が確立した。外国からも来るようになった。
当然ですが層の厚さは、Cの時期 > Bの時期 > Aの時期 であり、
層の厚さに比例して囲碁のレベルも上がったと考えます。
「レベル」を「トップ棋士1名同士の対局の勝敗で定める実力」と仮定すると、これは難しいことになります。
この場合は個人の資質に依存してしまうからです。
Aの時期から佐為(に相当する人)、Bの時期から秀策、Cの現在は誰を選ぶか意見はあると思いますが
井山氏なり張栩氏なりを選んで、さて誰が一番強いかは難しいと思います。
しかし、「トップ10名同士による総当たり対局の勝敗で定める実力」と仮定すると、
これは先程よりも簡単になると思いますね。 Cの時期 > Bの時期 > Aの時期 だと思います。
10名を20名に、20名を30名にすると、もっと差がはっきりすると思いますよ。もちろん全てifの世界ですが。
もう一度、私なりの結論を書きますと、層の厚さに比例して囲碁のレベルも上がったと考えます。
この話を考えるに当たって、参考になった本があります。
「フルハウス 生命の全容―四割打者の絶滅と進化の逆説」 (スティーヴン・ジェイ グールド著)です。
100年前と比較して、なぜ大リーグに四割打者が出なくなったのか。
道策や秀策のような碁聖と呼ばれるほどまで高見に上り詰めた人が、この著での「四割打者」だとすれば、
なぜ現代には四割打者が存在しないのか。興味を持たれたら読んでみてください。