11/01/10 23:32:03 vaHFkdPN0
「なぁ、ダル。ここはもう少しなんとかならんか。」
「それは無理ぽ。パーツのスペック的にもこれが限界だお。オカリンパーツ代ケチるし。」
「んなっ。そこをなんとかするのがスーパーハカーであるおまえの腕の見せ所だろう。」
「これ以上は本当に無理ぽ。てかハカー言うな、ハッカーって言え。」
開発室の中から二人の声が聞こえてくる。大方、またくだらないガジェット(笑)でも作っているのだろう。
今日はまゆりはバイトでラボにいるのは三人だけである。
私はソファーで洋書を呼んでいたのだが、集中力がなくなってきてしまった。
一人で手持ちぶさたになりテレビでもつけてみるがただでさえつまらないテレビである。
日曜日のお昼など面白い番組がやっているはずもなくすぐに消す。
わたしにもかまってくれたっていいじゃない。ぼそっと口にでてしまった。
そして二人に聞こえていないかと急いであたりを見渡す。
よかった。聞こえてないみたいだ。二人はまだ開発室で話をしている。
こんなことは口が裂けても言えないが岡部と一緒にいたくてたまらない。
私だって女の子だ。いつもは強気でいるかもしれないが好きな人には思いっきり甘えてみたい。
俗に言うイチャイチャを一日中したい。
って私何考えてるんだろうか。
これじゃHENTAIじゃないか。
顔が熱くなってきて恥ずかしい気持ちでいっぱいになり洋書に顔を押し付ける。
そのまま目をつむるとさっき考えたことが頭に浮かんできてしまった。
岡部と二人だけで特になにもしなくても隣に座って話しをして、
時折手でも握ったり抱きしめて欲しいなぁなんて考えてしまう。顔がにやけてしまうのがわかる。
本当にこれじゃHENTAIだ。でもこれも全部岡部のせいだ。
私は岡部にメロメロなんだな。
「なっ。なんだってー。」
突然大声にびっくりして顔をあげると冷蔵庫の前に橋田がいた。もしかして声に出ちゃってたのか。私。
全身の血の気が引いていくのがわかる。
「ちょ。オカリン、牧瀬氏が今すごい事を。」
橋田に呼ばれて岡部がでできてしまった。
「助手がどうしたと言うのだ。」
「なんでも牧瀬氏はオカリンに―。」
「うあわぁぁ。」
橋田の言葉を無理やり遮り橋田を思いっきり睨む。これはなんとしても岡部に聞かれるわけにいかない。
しかし声に出すとは私も迂闊だった。どうやってここを切り抜けるか。
でもこのまま岡部にしられてもいいかななんて思っている自分がいることに腹が立つ。
「なんでもないのよ。なんでも。橋田もいきなり大声出さないでよ。」
橋田を睨みつつ岡部に言う。
「なんでもないのか。ならいいが。」
よかったなんとか切り抜けられたか。橋田はまだなんとか言いたそうな顔をしてるが。
そんなことを思っていると岡部が私を見てなにか言おうとした。
「しかし助手よ。俺も紅莉栖にメロメロだ。」