10/12/05 03:56:10 23RHAiBn0
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「本っっっ……当に申し訳ありません!!うちのアイドルにもきつく言って聞かせますので、どうか……」
「いえいえ、あの子には丁度いい薬になりましたよ。いたずらには相応の罰があると身に染みたでしょう。
しかし、あの髪の長い子は優しいですね……音は大きくても、紙の新聞紙で、しかも怪我をしないように一番痛く無い部分で
叩いていましたし……きっとあの子はお姉ちゃんなんでしょうね。叱り慣れてるというか、叩き慣れてると言うか……」
「え、えーと、まぁ……そんなもんです。でも、マジですみませんでした」
多分、叩き慣れてるほうの半分は、ここ半年で身に付いた技だと思うが、今は言わぬが花だ。
多少のアクシデントはあったものの、プレゼントを配って、子供たちと歌って、遊んで、感謝され……
終わってみれば楽しい仕事だった。……来れなかった萩原さん担当のPにはちょっと後ろめたいが。
あの悪ガキに感謝するいわれは無いが、まぁトラウマにならん事は祈っておこう。
そして、今度営業に行く予定の先輩方に【次からはスコート着用で】の通達くらいは出しておくか。
■夜・事務所
「千早、やりすぎ……っていうか、抜きから振り下ろすまで0.3秒って何だよ?早撃ちなら新記録だぞ!?」
「すみません……つい、春香だと思って反射的に」
「お疲れ様でございます……しかし、お話を聞いたところ貴方がたは特殊な絆を持っているのですね。
叩いてコミュニケーションを取るなど、わたくしには未知の領域ですが……正直、ちょっとだけ羨ましいとも思えます」
「し、四条さん!?いきなり何を……」
あー、そういや男の世界では【殴って分かり合う】みたいな感覚もアリだが、天海さんと千早は女の子同士なのに、
不思議と叩き合ってもドロドロした事にならないし、翌日に喧嘩の怒りを持ち越さないなぁ。
「……如月千早。ちょっと……わたくしの事も叩いてみませんか?」
「いやいやいや!四条さん!?いくらわたしでも、歳上の何もしない人をおいそれと叩けるものでは……」
そうだよな。第一、貴音の場合は周りにじいやさんとか隠れてそうで怖いし。
でも千早、同学年とはいえ天海さんもその論法で行くと歳上の人になるんだけど?
「はぁ……残念です。天海春香の、あの叩かれても嬉しそうにしてる感覚が味わえると思いましたのに……」
「わたしとしては、あまり分かって欲しく無いわ……頭痛の種が増えそうだし」
「では、今日のところは諦めましょうか……そうだ、あなた様は如何ですか?昔、如月千早をいじめて
大層愉しんだという記録を、事務員の小鳥嬢から聞いた記憶がございますが、その要領でひとつわたくしを……」
パァン!!!
「著しく誤解を招く表現をしないで下さいっ!!」
「はふぅ……た、確かにこれは不思議な世界でございます……痛いのに、クラクラするのが気持ちいいような……」
■翌日
響 「なぁ、貴音……なんで貴音の携帯待ち受け画像って、たんこぶこさえてピースサインしてる写真なんだ?」
貴音「新たな感覚に目覚めた記念の一枚なのですよ♪コミュニケーションの方法とは、実に人それぞれの深い世界です」
響 「うー……なんか、首突っ込むと危険な香りがするぞ。それ」
※某軽音楽部4コマのりつみおが繰り広げるやりとりが、ちょっとはるちはっぽいと思ったので妄想してみたでござる。
これで美希と貴音が加われば、立ち位置的にはいけるんだが、あずにゃんにあたるキャラが出なかったでござる……