10/12/05 03:54:47 23RHAiBn0
■孤児院訪問(ランクB)
「こんにちは!サンタのお姉さんが来ましたよー!」
「い、いい子にしてた子供にはプレゼントをあげますぅ……は、はわ……まだ空けちゃダメだよぉ」
今年も暮れに入り、今日はサンタガールとして孤児院へ仕事に来た。
孤児院、なんて聞くと暗いイメージがあるが……どっこい現実はそうでもない。親はなくとも子は育つというが、
きっちり環境に適応して、騒がしくたくましくやってるっぽい。
院長先生が人格者なためか、元気ではあっても、必要以上に生い立ちを暗めに引きずってる様子は見えない。
……が、元気すぎるのも正直、今日はどうかと思ったんだ。
「ふ……ふええぇ……」
「どうしたんですか萩原さん?わたしのプロデューサーが何か……」
「プロデューサーさんに、パンツ見られた……うぅ……」
「……何ですって?」
「ち、違う。俺は悪くない!!不可抗力というか、たまたま前にいたというか、原因はあの悪ガキ……」
俺が指差すが早いか、幼稚園くらいの小さな男の子が千早の後ろに回りこむと、両手でサンタ服の
スカートをめいっぱい捲って逃げた。……いや、逃げようとした。
そこから先は約数秒間の出来事なんだが、とりあえず逐一起きた事、思ったことを順番に並べておく。
まず、ガキのスカートめくりという遊びは、きゃあきゃあと恥じらう女の子のリアクションを楽しむ事に
主目的が設定されており、決してパンツそのものを見ることに主眼は置かれていない。
同業者諸君の子供の頃、幼稚園とかでやった頃の記憶を思い出してみると、多分そんなんだろ?
でも、悲しいかな中学生以降の第二次性長期を迎えてしまうと、パンツというものが洒落で済まなくなるんだよ。
かつて……いや、今も俺の先輩である水瀬伊織担当Pが『なんで男って揃いもそろって、あんなモノ好きなわけ?』
なーんて質問を担当アイドルにされて以来、永遠のテーマとして考え続けている事柄だからな。
芸術的な美しさ、動物的な本能、そして永遠の憧れ……その全てが、目の前にある水色の物体に宿っているわけだ。
機能的に一切不必要であるに関わらずその中央に存在する可愛らしいリボンとか、男には一生着ないであろう
レース模様とか、サテンのサラサラしたさわり心地(予想)とか、たったコンマ数秒の可視化領域にそこまでの情報を
内包し、恥ずかしさと美しさと欲望と……そんなさまざまな感情を呼び起こす物体を、俺は他に知らない!!
そんな事を、悪ガキがスカートを捲り上げた瞬間に俺は考えていた。
「き……きゃああぁぁ!!」
悲鳴と共に千早がスカートの裾を押さえてうずくまる……と思ったらそうじゃなかった。
サンタ服の腰部分から、謎の長ものを居合のように抜き放ち、悪ガキの脳天に振り下ろす。
その所業、まさに電光石火の如し。
紙状の物体らしく、パァンという、軽いが空気のぶつかる大きな音が孤児院中に響き渡った。
「………びゃあああぁぁぁあぁん!!サンタのおねーちゃんが、ぶったー!!!」
「あ……ご、ごめんなさいすみません!!つい、いつもの癖で……」
千早が抜き放ったソレを良く見てみると【たろすけ捕手、ナムコスターズ残留!FA行使せず?】という見出し。
そうだよ。いつも天海さんに放つ、ナムスポだ……っていうか携帯するなよ千早?
そんなに天海さん、ところかまわず何かするような子じゃないだろ?いくらなんでも!?
……いやまぁ、小鳥さんとか双海姉妹とか星井さんとか、いきなり触ってきそうな人は他にもいるけどさ。