10/08/10 04:52:29 YBoH53gM0
■夏の仕事(ランクC)
「だから、ありえないってカンジなの。【絶対何もしないから!】なんて言いながら、なんで男の人って
絶対に約束やぶるのかわかんないし、女の子だってかなりお馬鹿さんなの……わけわかんない」
星井さんが、ちょっと仕事で煮詰まっているからと、後輩Pから相談を持ち掛けられた。
なんでも【夏休みの注意事項映像】を制作するにあたって彼女が抜擢されたと言うが、まぁ何と言うかはまり役だ。
知らない人、もしくは付き合いの浅い男子のテキトーな言葉に騙されてついていったら、酷い目に遭うぞという
内容だが……ちょっと失礼な言い方をすると、星井さん(現在ランクD)は、美人でナイスバディで、あまり
ものを考えない現代っ子というイメージが大変定着しており、確かに今回の映像素材としてはピッタリだろう。
ただ、世間が思うほど彼女だって抜けちゃいない。
交通事故に遭いそうになったのを後輩の担当Pに助けられてから、少しづつではあるが意識が変わっていってる。
昔だったらさっさと終わらせるために、テキトーに演じて終わりにしてたんだろうが、さっきの台詞で言う
【ちょっとした疑問】が引っかかって、上手く演じられないので困っているというわけだ。
まぁ、役を演じる上で対象の気持ちになるというのは悪い事じゃないし、多分、丁度いい事例を思い出したので
一日かけて双方の気持ちを感じ取れたら、きっと上手く行くだろう。
………そんなわけで、うちの千早には悪いと思うが、星井さんの成功とランクアップは絶対に千早にプラスになる。
だから、明日のオフには天海さんの協力も得て、彼女の家でガールズトークを経験してもらった。
前もって天海さんとその担当Pに事情を説明して、そういう流れを作り出してもらうんだが……
さすがに俺たちプロデューサー陣は現場に入れないので、心配しつつもオフィスで無事を祈る事にしたのだが、
翌日、天海さんから聞いた話では、だいたいこんな流れになったらしい。
■haruka view
みなさんこんにちは!夏でも元気いっぱい天海春香です!!
今日は美希と千早ちゃんと、うちでガールズトークが出来ると言う事でテンション上がりっぱなし!
といっても最初は特になにもすることなく、クーラーの効いた部屋でお菓子を食べながらベッドでゴロゴロ
という、至福の時間を過ごしていたら、やっぱりというか千早ちゃんがもぞもぞしはじめました。
千早ちゃんって……やっぱり常にレッスンとか歌のことを考えて無いと落ち着かないんですねぇ……
「ねえ、春香……一軒家とはいえ、大きい声を出したらさすがに迷惑よね?」
「うーん、お隣のおばさんとかが後で話の種にするけど、別にいいんじゃない?それとも、この状態イヤ?」
「そ、そういうわけではないんだけど……人のおうちでお菓子を食べながら寝転がるなんてできないし」
「別にいいのに……うちら以外誰も見てないよ?」
「そうなの!春香のおうちのじゅうたん、結構気持ちいいよ。眠くなるし……あふぅ」
「わたしが見ています!休憩程度ならいいけど、2時間もゴロゴロしてるのはちょっと……」
「あ!じゃあ千早ちゃん、水着に着替えてよ!今すぐここで!!」
「脈絡が無さすぎて意味が分からないわよ春香」
「それ、グッドアイデアなの!!ミキも千早さんの水着姿見たい!!」
「わけの分からない方向に話しを持っていかないで!だいいち春香の家なのに、わたしのサイズのなんて……」
「あるよ。千早ちゃんが遊びに来た時もいずれあろうかと持ってます!!」
「勝手に気を回してもらって悪いけど、プールも行かないのに着る気は無いわよ」
「えー、見たいよー千早ちゃんの水着姿!マイクロビキニでいいから見たい!!」
「さりげなくとんでもない注文をしないで!?」
「ミキも見たいのー!ね、千早さんお願いお願いお願い!!」
「大丈夫、見るだけだから!わたし何にもしないよ!絶対に絶ーっ対に、なんにもしないから!!!」
「み、ミキも!!絶対に何もしないの!見るだけでいいから着て欲しいのー!!」
うーん、我ながら上手い誘導の仕方です!後は少しづつ適度なところまでエスカレートさせてから、美希に
【ほら、わたしと千早ちゃん両方の気持ちわかるでしょ?】的なことを言えばコンプリートなのです!!
さあ、ここから先は終盤戦。上手い事選択肢を詰めてパーフェクトコミュニケーションを目指します!!
「あ、じゃあわたしと美希も着るから千早ちゃんも着て!それなら平等!!」
「うん、オッケーなの!美希も着るよ!!だから千早さんも!!」
「う、うぅ……じゃあ、着るだけなら…………」