10/08/31 14:25:14 NuihZOsL0
橘 （夏休み最終日だというのに、こうして何をすることもなく机に向かってもう一時間……かぁ。）
橘 （これは、夏休み開始早々に絢辻さんに特別補習してもらって課題を済ませておいてよかったな……）
橘 （何時もの調子じゃぁ、とても終わらなかったな……）
橘 （それにしても、この夏は楽しかったなぁ。）
橘 （絢辻さんと夏祭りに行ったり、海に行ったり……）
橘 （あんな可愛い子が僕の彼女だなんて、まるで夢みたいだ……）
橘 （でも……）
橘 （絢辻さん……かぁ。この呼び方に慣れていたけど、改めて考えてみると、やっぱり名前で呼びたいよなぁ……か、彼氏、としては……）
橘 （詞……かぁ。彼女からも純一、なんて呼ばれたり……）
橘 （こ……これは……うれしいけど、かなり照れるぞ……）
橘 （絢辻さんは、どう思うだろうなぁ……）
橘 （やっぱり、嬉しいのかな？顔真っ赤にして照れたりしてくれたりするんだろうか……）
橘 （い…いや…それはうれしいけど、その後が怖いなぁ、経験的に…）
橘 （って！これじゃぁ、今までの思考の繰り返しじゃないか……）
橘 （よ…よし、今度逢ったら思い切って名前で呼んでみよう！）
橘 （そうと決まれば……よし、練習だ）
橘 「コホン……つ……つか……詞……」
橘 （ううっ、なんだかすごくくすぐったいぞ……）
橘 （それに、自分で言うだけですごく照れる……）（ドンドン）
美也「にぃに、うるさーい！」
橘 「えぇっ！？美也いつの間にっ！」
～一方その頃～
絢辻（I am thinkig of making a plan for this vacation, so that…あ、あれ、どこまで読んだんだったかしら?）
絢辻（はぁ、今日はだめねぇ、全然頭に入ってこないわ……）
絢辻（幸い、昨日まで余計にやっていた分があるから、今日一日くらいはどうってこと無いけど……）
絢辻（まったく……このあたしが、これしきのことで心を乱されるなんて……）
絢辻（で……でも、あの人になら、あたしの心くらい、好きにされても……）
絢辻（って！何考えてるのあたし！これじゃぁまるで恋する乙女じゃない！）
絢辻（そ、そんなはずないわよ、この休みだって、始まりそうそう特別補習をして、宿題を済ませてあげたし!）
絢辻（いつだったか、休みの後半にたまって大変だ、なんて言ってたからね。まったく、小学生かって話よ。）
絢辻（あたしが管理してあげなきゃ、あの人なんて……）
絢辻（……橘君……）
絢辻（……今、何してるのかなぁ……わたしがあなたのことを考えるみたいに、あなたもわたしのこと、考えてくれてるのかな……）
絢辻（はぁ……）
絢辻（この夏は、本当にたのしかったなぁ。）
絢辻（こんなに楽しかった休みって、はじめてかもしれない。）
絢辻（それにしても……）
絢辻（あたしは、あの人にとっていつまで『絢辻さん』なのかしらねぇ。）
絢辻（いい加減あたしの気持ちに気づきなさいよっ！ったく、鈍感なんだから……）
絢辻（この夏だっていろいろと仕掛けてみたのに、全然のってこないし……）
絢辻（もしかして、気づいて警戒してる……訳はないわよねぇ……）
絢辻（ここは、あたしから行動しないとだめなのかしら）
絢辻（あの人を、名前で……）
絢辻（そ……その、じゅ……純一、って……）
絢辻（うあぁ……///か、考えただけで……もう、ほんとに……もうっ）（バンバン）
絢辻（うう……きょうはもう寝られそうもないわねぇ。あしたは新学期初日だって言うのに……）
絢辻（こうなったら、明日はもっといじめてやるんだからっ
そんな夏休み最終日の夜