11/01/06 17:49:59 i4cg8hHE
窓際に置かれた銀の燭台が、朝日を浴びて輝いている
銀特有のその輝きは、鈍いながらも透明感あふれる、高貴な風情がある
金蔵はしばらくその輝きを見つめ酔いしれていたが…
「旦那さま。朝食の用意ができました」
源次の声で、現実に引き戻される
「入れ」
ドア越しに声をかけると、ドアが開き、焼きたてのパンの芳ばしい香りとともに源次が入ってくる
「源次。この燭台はどう思う?」
「これはこれは…海外から取り寄せた甲斐がありました。すばらしい輝きです」
「そうであろう、そうであろう」
誇らしげに燭台をかざす金蔵は、普段とは見違えるほどの無邪気な笑顔を浮かべている
「旦那さま…威厳をお忘れなく」
言いながら源次は窓を閉ざすカーテンを開け放つと、朝食を並べ始める
天井のない部屋の描写は、こんなもんでどうだろう?