11/05/08 23:03:12.82 RHHqqsfF0
「あっちぃ…」
長々と占拠していた人の家のバスルームから漸く出てきたヤツは、
フローリングの床に水たまりの足跡をひたひたと残しながら
俺の視線の先のテレビを覗き込んだ。
「何見てんの?」
ん?とヤツに向けた目線を、俺は咄嗟にテレビに戻した。
ろくに拭かれていない細い身体に吸いついたパーカの下…
胸元から足元に続く白い肌が目に飛び込んできたからだ。
「DVD借りたやつ、明日返さなきゃだから」
「あ、ほら、この前の試合の後にさー、」
「そーいえばこの映画、」
若干動揺気味の俺が早口で応えると、
「ふぅん」と心からどうでも良さそうな生返事が返ってきた。
(てか、なんつー格好…目のやり場に困るだろ…)
ヤツはそんな心内を知ってか知らずか、冷蔵庫を漁ったり、歯を磨いてみたり。
あられもない格好のまま忙しなく動き回るのを視界の端に捉えながらでは、
正直、ストーリー云々どころではない。
(あー、なんかヤバイかも…)