11/01/04 21:38:18 m0DSCjrY0
>>98
内田きゅんスレでこれ書いてた人と同じ人かな
217 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2010/06/20(日) 23:55:48 ID:GM9052Uy0
僕はこの三年間で変わってしまったのだろうか?
眠る前のこの一時、夜の闇を背景に窓ガラスに映った自分に問いかけてみる。
いろいろな世界を経験してきた。苦しい壁を乗り越えたり、たくさんの人たちに支えられたり。
中には僕の記憶から消し去りたい世界もある。幼かった僕に否応なしに降りかかった大人の世界…。
割り切ろうとしても頭から離れない。僕は次第に吐き気を催すほど体調を崩すようになった。
スイスはそんな僕の心を洗い流してくれるほど美しい街だった。空気が澄みきっていて僕の内側に溜まった澱を透明に変えてくれそうだ。
ホテルに着くとそれぞれの部屋に張り紙があった。僕の部屋には「好成功」、温かいもてなしに心が癒された。
入ってみると、僕の部屋は岡崎さんの三倍の広さだった。ジェットバスも付いていた。
みんなの前でははしゃいで見せたが、重い感情が頭をよぎった。合宿のたびに僕を悩ませる状況。僕に拒絶する自由はなかった。
チームメイトの皆は気づいているのだろうか?この部屋を用意したスイスのスタッフの人たちも…。
あのことがみんなに知られてしまっているのなら、死にたくなる。恥ずかしい…。
誰も僕にそんな話題はしないし、僕の口から話す訳にはいかない。喜びと苦しさは背中合わせだ。
監督はあの甘く倒錯した時間と引き換えに、僕を常に使い続け、最高の舞台でサッカーをさせてくれた。
だがサッカーの喜びの陰で、僕の胸はいつも疼くようになった。だんだん心が壊れていくみたいに…。
練習の合間、昼寝の時間は川島さんと一緒に過ごすようになった。川島さんはいつも安心感に包んでくれた。
「どうかしたか?」僕の心を見透かすように、川島さんはやさしい目で僕の瞳を覗き込んだ。
相談したかった、助けて欲しかった、でも言えなかった。川島さんに知られたくない。そう思うと涙が出た。
「どうしたんだ? 練習きつかったか?」この人はまっすぐな人だ。話せない、あんなこと。
僕は甘えるように川島さんに抱きついた。彼もやさしく僕の細い体を抱き止めてくれた。