フローラファンスレat FF
フローラファンスレ - 暇つぶし2ch150:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/01 12:27:26.10 Hl9RB+8F0
尾田がそんな気違いフロオタみたいなこと言うわけないだろwwww

151:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/01 13:58:20.12 L3t80Bh1O
>>150
こんな所で草はやしてないで自分のスレに帰れよ…(苦笑い)

152:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/01 16:13:08.65 USHSd6+xO
>>141は別にビアンカ叩いてないと思うけど


153:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/01 17:57:39.43 +P59gguiP
別にどの嫁派でもいいが>>147みたいな文に感動し共感するとか言ってる奴の脳内が心配
元の尾田の文は結構頷ける所が多かったけど改編ネタなんてたかがゲームの嫁選びの問題で
自分の選択と反対に言った人を蔑んでそのキャラを好きな人自体を否定しているだけの文だろ
尾田をそんな基地外嫁厨丸出しの低俗な人間扱いするな

154:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/03 09:31:56.05 z4PRqZvMO
だから~、もしもホントにこれが尾田っちの言葉だったとしても別に問題ない内容じゃない?
誰も叩いてないし傷つけてないぉ
フローラを選んだ方が話に広がりが出るとか、
辛い生活に耐えて耐えて、やっと出会えたフローラに真実の愛が生まれるとか、
すっごくいい話じゃないか!
尾田っちが言ったんじゃなくて改変だったのはホント残念だけど


155:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/03 18:07:35.58 VxjQSCXD0
>>141の改変ネタにはビアンカ選んでる人は妥協しすぎ、
上にいきたいって気持ちが無いとか書いてあって、
誰も叩いてないとは言えないだろう

156:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/03 18:45:51.81 WOnz++NlP
5の嫁選びば好みのキャラを選べばいいだけど誰選んでも話変わらないんだから
フローラ選んだら話しが広がるも糞もないと思うが
辛い生活に耐えて耐えて、やっと出会えたという存在が
人によってはフローラだったりビアンカだったりデボラだったりするというのがドラクエ5
中には性能しか興味ない人も結構いるけどな

フローラ以外のキャラに真実の愛を感じてプレイしてた人もいるのにそこを無視して
>美人の幼なじみに会ったから喜ぶってね、愛じゃないんじゃないかと思うんですよ。
>最近のプレイヤーはおかしい、下手糞や妥協ばっかりじゃないですか?
>パケ絵のビアンカを気にするプレイヤーにはプライドが無い、基本的に下手糞、レベルを下げた所で偉そうにしてて恥ずかしくないのかな?
とか全体的にフローラ選んだ奴以外馬鹿にするようなこういう押し付けを尾田はしない
>オタクっぽい人がフローラを好きだって言ってもうれしく感じないです(笑)
とか自分と同じものを好きな人でもオタクだったら馬鹿にするとか、尾田はこんな性格悪くない

まず担当が変わるごとに
>新しい担当さんに最初に必ず言う事は「僕にフローラを選ばせろ」ですからね。
と1番最初に言うようなアホな作家がどこにいるんだよ

5の嫁は誰を選んでもいいが、>>154みたいな馬鹿に尾田やワンピのファンを名乗って欲しくない

157:踊り娘の服
11/05/03 23:13:27.94 zLym5MziO
最初に…個人的にⅤの嫁キャラのスレは微妙な状況なので他嫁を若干でもsageる内容のレスやコメ紹介はするべきではないと思う

 冬が間近に迫ったとある晩秋の日、グランバニアの王家は久しぶりの余暇をもらい、その余暇をフローラの故郷であるサラボナで過ごすことになった。
 瞬間移動呪文(ルーラ)でそのサラボナに到着したネクストとフローラ、そしてトゥルーとセイルの子供たちは、
自分たちが王家であることを周囲に悟られないよう、冒険した頃の普段着の衣装で一路ルドマン家の方に向かった。
フローラ、そしてネクストや子供たちの愛犬であるリリアンに挨拶をし、玄関にたどり着くとルドマン本人が自らどかどかと大きな足音を立てて出迎えた。
ルドマン本人には事前にそちらへ遊びに行くと手紙で報告していたが、出迎える際のあまりのはしゃぎ様にフローラは言うに及ばず、
ネクストも子供たちも困惑した顔を隠せなかった。
「おお!ネクスト、フローラ、そしてわしのかわいい孫たちよ、待っておったぞ!せっかくの休日であるから、さあ、ゆっくりしていきなされ!」
と相変わらずの陽気で、かつ強引な調子でルドマンがそう告げて一足先に部屋に戻ると、ネクスト達は戸惑いながらも、
「・・・それでは、失礼致します。」
とゆっくりと深くお辞儀をしながら、ルドマンの家に上がった。
「もう、お父様ったら、相変わらず強引で・・・、少しは遠慮気味に接してくださらないと本当に困りますわ!」
 フローラは眉を陰らせながら呆れた口調でそう述べた。それもそのはず、昔ネクストとフローラが結婚式を上げる際、ネクストに多くの人と物をひとまとめにして
ルーラでカジノ船に移動させ、その結果ネクストが寝込んで、フローラにシルクのヴェールを被せられなかったことに、今なお彼女自身は相当気にしていた。
その父親の強引さに、さすがのフローラも怒りをあらわにするのは無理もないことであった。
「まあ、いいじゃないか、フローラ。義父上は相変われず元気そうであるから。」
 そんなフローラの気を使う姿をよそに、ネクストは笑顔で彼女にそう告げた。
「でも、あなた・・・」
 尚も気を使うフローラ、しかしネクストはそんな彼女の不安そうな仕草を見て、とっさに肩を寄せながら耳元で言葉を続けた。
「さあ、義父上の部屋へ行こう。トゥルーやセイルも、おばあちゃんも会いたがっているから。」


158:踊り娘の服
11/05/03 23:15:55.86 zLym5MziO
「そうですわね・・・。」
 さすがにフローラも、ネクストのスキンシップの行為の入った言葉には弱いようで、彼女は頬を赤らめ、彼に縋りつくようにそのまま一路ルドマンの待っている部屋に
歩き出した。
そんなのろけた光景をよそに、トゥルーとセイルは、
「わ~い、おばあちゃんからまたお小遣いがもらえる~!」
「もう、お兄ちゃんたら!はしたないことを言わないの!」
などと、相変わらずのボケと突っ込みの入った、仲のいい会話をしながら、軽い足取りで部屋の方に向かった。
「こんにちは~」
 ネクストとその家族が一斉に挨拶して部屋に入ると、そこにはルドマン夫妻の他に、なんとあのアンディとスーザンの夫婦がお待ちかねをしていた。
ルドマンは、この日のために、事前に別荘に住んでいた二人を招待するという豪華盛大なパーティを企画していたのである。
目の前のソファーに囲まれたテーブルには、既に豪華なご馳走とお酒・ソフトドリンク等が並べられていた。
「・・・アンディ、お久しぶりね!それにスーザンさんも御一緒で。でも、どうしてこちらに?」
 フローラは幼馴染でもあるアンディを見て、驚きながらも親しみを込めてそう尋ねた。
「やあ、フローラ。相変わらず元気そうで安心したよ。いや、何せ、ルドマンさんがネクストさんとその家族がこちらに遊びに来るということで、
わざわざ僕たち夫婦を招待してくれたんだ。正直言って僕も驚いているんだけどさ。」
「そういうことなの、フローラさん。でも、私も正直言ってびっくりしちゃったわ!」
「まあ、お父様って、本当にどこまでも強引で・・・、申し訳ありません。」
 アンディはフローラの元気な姿を見て安心したように、軽口で彼女にそう返事を返し、彼の肩にピタッと顔を寄せていたスーザンも続けざまに言葉を返した。
一方フローラは申し訳なさそうに頭を下げたものの、二人の幸せそうな姿を見て安心したように笑顔で迎えた。
 「義父上、これはいったい・・・」
 ネクストは右手で紫の帽子を掻きむしり、怪訝そうな表情をしながらルドマンに問いかけた。そのルドマンはどっしりとソファーに腰掛けながら、
「わっはっは、まあよいではないか。今日はせっかくのネクストのたまの休日、この日くらい盛大にパーティを開こうではないか?」
と笑顔で接し、隣のソファーに座っていたルドマンの妻であるマリエッタ婦人もまた、


159:踊り娘の服
11/05/03 23:17:43.94 zLym5MziO
「・・・突然のことで本当に申し訳ないと思いますが、今日だけは皆様方ゆっくりと食事をしながら語り合いましょう?」
と続けざまに笑顔で述べた。そしてネクストとフローラの前に立っていたトゥルーとセイルの姿を見て、
「そうそう、トゥルーちゃんもセイルちゃんも前に来たときよりも立派に大きくなったわ。この日の為のプレゼントを用意しておいたから、ちょっと待っててね。」
と言って一旦隣の部屋に入り、すぐ出てくると、マリエッタは2個ワンセットの大きさの異なる熨斗に包まれた箱を、それぞれトゥルーとセイルに差し上げた。
トゥルーとセイルはその場で熨斗を破り、そのまま両方の箱を空けると、中には手編みのマフラーと手袋がそれぞれの箱に入っており、
マフラー・手袋ともに模様は二人の性別に合わせて、トゥルーが青色、セイルが桃色にコーディネートされていた。
「・・・もう冬が近づいていますから、トゥルーちゃんもセイルちゃんには是非風邪をひかないようにと、夜なべをしてまでも編んだのですよ。
だから、大事に使ってちょうだいね。」
 自分たちのおばあちゃんでもある、マリエッタのその言葉にトゥルーとセイルは、
「わ~い!おばあちゃん、大好き~!」
「おばあちゃん、ありがとう!これ、大事に使いますから、おばあちゃんも長生きして下さい!」
と感謝いっぱいの気持ちを前面に押し出して、気持ちよくその品を受け取った。
「まあ、こんなものまで頂いて・・・、お母様には本当に申し訳ありませんわ。」
 フローラは感無量になりながら母親のマリエッタに深く頭を下げた。
「こらっ。トゥルー、セイル、せっかく義母上が一生懸命編んでくれたものだから、大切に使えよ!」
「はい!お父さん。」
 ネクストは当然のように子供たちに一言注意し、子供たちもまた元気に返事をした。王家の子供といえども、年齢的にはやんちゃ盛りである故に、親として頭を抱えたくなるのは無理もないことであった。
「・・・メンバーも揃ったことだし、そろそろ乾杯をしようではないか。それでは、ネクストにその音頭をとってもらおう。」
 ルドマンの相変わらずの調子の一言に、ネクストは戸惑い気味ながら部屋の真ん中に出て、少し緊張気味に乾杯の音頭をとった。
「それでは・・・、家族の幸せを願って、乾杯!」
「かんぱ~い!」


160:踊り娘の服
11/05/03 23:22:57.68 zLym5MziO
と盛大に乾杯をし、そのままパーティの幕が上がった。トゥルーはテーブルの上の食べ物をくまなく口にし、セイルもまた、相変わらず自分の苦手な食べ物を可能な限り
避けながら、ゆっくりと食事を進めていった。
ネクストとフローラはルドマンとマリエッタ、そしてアンディやスーザンとともに、互いにお酒を交わしながらフローラと
結婚した頃の話題とか、あるいは巨大モンスターのブオーン退治の話題を、笑い声たからかに盛り上がっていたが、酔いがまわっていたスーザンがネクストの隣にやってきて、
「ネクストさんって、やっぱり凄い人なのねぇ・・・。ねぇ、今夜一晩私とお付き合いしてもいいかしら?」
とネクストの肩に手を回しながら耳元でそう囁いた。スーザンのこの日の衣装は以前別荘で身に着けていたような「踊り娘の服」ではなく、
上は白いTシャツとその上に薄茶色のベスト、下にはそれと同色のミニスカートを身に着けていたが、Tシャツとスカートの間からおヘソがちらちらしていた故に、
お酒の入っていたネクストは、 
「おいおい・・・、冗談はよしてくれよ・・・」
と苦笑を浮かべながらも、彼女の風貌と誘惑に、我を忘れて寄り付いた。それを見たフローラは、
「スーザンさん、きつい冗談はよしてください!あなたも・・・、そんなに彼女の腰ばかり見ないで、もっと私の方を見てください!」
と二人の中に割り込んで、檄高しながらネクストに抱きついた。フローラもまた、かなりお酒が入っていたようで、その酔い方にネクストも驚愕していた。
「おいおい、大丈夫か?フローラ・・・」
 ネクストは心配そうにフローラを見つめながら尋ねた。
「私は大丈夫ですわ!それよりもあなた・・・、浮気は許しませんからね!」
と言葉をつまらせ気味に返事をしたフローラは、そのままネクストの胸元に寄り添ったまま意識を失った。その表情は少し赤く、足元もおぼつかない状態であり、
フローラがお酒にあまり強くないことを知っていたネクストは、咄嗟に彼女を抱きかかえ、
それを見て同様に心配の表情を浮かべたトゥルーとセイルとともに2階の寝室へ上がっていった。
それを見ていたアンディは厳しい表情でスーザンに叱咤した。
「おい!冗談でもそういうマネだけはやめろ!その場の雰囲気をぶち壊しにしてからに、今度そんなマネをしたら許さないからな!」
「アンディ・・・、ごめんなさい。」


161:踊り娘の服
11/05/03 23:24:49.68 zLym5MziO
 アンディの毅然たる態度に、さすがのスーザンも反省し、申し訳なさそうな表情でアンディに謝った。
 2階の寝室に入り、泥酔してそのまま寝入ったフローラを横にさせ、額に冷たいタオルを乗せると、ネクストは彼女の具合を確認しながら傍で見守っていた。
一緒に上がってきたトゥルーとセイルが心配そうにフローラを見ながら、
「お母さん、結構お酒の匂いがするけど、大丈夫?」
「もう、お父さんったら!お母さんを怒らせるようなことをしたら許さないからね!」
と、今にもネクストに噛み付きそうな顔つきでそれぞれ口にした。ネクストは、
「フローラ、すまない・・・」
と愕然とした表情でただ一言口にして、しばらくは子供たちとともに横になるフローラに付きっ切りで見守っていた。
そこへ後から上がってきたルドマンとマリエッタの両ご夫妻が入室し、マリエッタが、
「ネクストさん、下でアンディがお話があるということですので、代わりに私たちがフローラの様子を見守ってあげます。だから行ってあげてください。」
と丁重に告げたので、これは只事ではないと感じたネクストは、
「すみません・・・、もしフローラの身に何かありましたら、すぐに僕を呼んでください。」
と彼女に告げた。トゥルーとセイルには、
「ちょっと席をはずすけど、おとなしく待ってくれよ。大丈夫、何かあったとしてもおじいちゃんとおばあちゃんが傍についているから。」
と一言伝えておき、そそくさに下に降りていった。そんな慌てぶりな父親を見てトゥルーは、
「お父さん、本当に大丈夫かなあ・・・」
と心配そうに口にすると、セイルは尚もムッとした表情で、
「もしその間にお母さんの身に何かあっても、それはお父さんの責任だから!」
と言葉を返した。
 先程まで盛大にパーティを行っていた下の1階の部屋には、既にスーザンの姿はなく、アンディひとり残っていた。部屋はまだ片付いておらず、殺風景な雰囲気の中、
アンディとネクストが無表情で対面していた。すかさずアンディは、
「ネクストさん、ここでは話をしにくいから、外で話をしよう・・・。」
と一升瓶の酒を片手に切り出してきたので、ネクストもまた、
「・・・望むところだ!」
と切り返し、二人はすかさずに外に出てサラボナの街の中央の噴水のある公園へ向かった。


162:踊り娘の服
11/05/03 23:29:53.81 zLym5MziO
既にかなりの時間が経過していたこともあり、夜は更けて、辺りもかなり寒くなっていたが、それでも二人はそんなことはお構いなしに、既に止まっていた噴水のそばのベンチで向かい酒を堪能した。
 突然、アンディが申し訳ないと言わんばかりに、辛そうな表情でこう切り出してきた。
「ネクストさん、今日は本当に済まなかった。我妻スーザンが調子に乗りすぎてフローラを怒らせてしまったことに、僕自身も反省している・・・。」
 アンディは先程の件で、せっかくのパーティを台無しにしたことを本当に反省していた。ネクストもその件は別に気にしてないといったように笑顔で応対した。
しかし、アンディは突然手のひらを返したように表情を硬くして、更にこう続けた。
「・・・だけどな、ネクストさんははっきり言って優しすぎる。特に女性に対して!こんなことでフローラを幸せにできるのかどうか、正直不安だ!・・
もし今日みたいにフローラを怒らせたり、泣かせるようなマネを今後も続けたら、僕は絶対許さないからな!スーザンと結婚している現在でも、
フローラは、僕にとってはたったひとりの大事な幼馴染だからな!」
 アンディの説得力のあるからみつきに、ネクストは厳しい表情のまま、しばらくの間黙り込んでいた。そんなネクストの態度に業を煮やしたアンディは、
ネクストの服を掴んで更に食ってかかった。アンディもまた、かなりお酒が入っていたようであった。
「ネクスト~!さっきから黙ってないで何か言えよ!コラァ~!」
 かなり殺気だった表情でアンディは問い詰めた。ネクストはアンディの服を掴んでいた手を持ち、それを突き放してから冷静でかつ毅然とした態度でこう言葉を返した。
「アンディ、確かにお前の気持ちはよく理解できる。しかし、感情だけでは女性を愛することは出来ないのだ!」
 ネクストは両腕を組んで、さらにこう続けた。
「・・・今更ながらこんなことを持ち出すのもどうであるが、昔、この街の南の火山にある、炎のリングを探しに行く際、
お前は一人で出かけては結果的に大火傷を負ってフローラを初め、周囲の方々に心配をかけたこと。
正直言って今でも怒っているのだ!あの時のお前はフローラを見ず知らずの男性に取られてたまるか!というような感情だけでそういう行動に出たのであろうが、
そんなことで女性が振り向いてくれるといったら大間違いだ!

163:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/03 23:32:54.48 zLym5MziO
・・・フローラはあの時のことを今でも悔やんでいる。何故アンディに
「そんな無茶なことはやめて!」とあの時どうして言えなかったのだろうって。

 ネクストの冷静で、それでなおかつ重みのある言葉に、さすがにアンディも少し感情が収まったようであった。
『フローラが・・・、そんなことを?』
 アンディはフローラが今でもその件で後悔していることに、先程までとは正反対の態度で急に落ち込んだ。
アンディはこれまで自分が行ってきたことを「確信犯」的に考えてきたが、それがかえってフローラを傷つけていたことに、後悔の念にさらされていた。
「僕は・・・、あの時フローラのためにと思って頑張ったのに・・・」
 下にうつむくアンディの目から無数の涙が零れ落ちた。そんなアンディが少し気の毒になったのか、ネクストは、
「アンディ、お前には既にスーザンという、フローラとはまた違う魅力ある女性がいるではないか?それなら
スーザンにそういう心配をさせないよう頑張れ!でないと、スーザンにも愛想つかされるぞ!」
と彼の肩を軽く叩きながら励ました。その言葉にアンディは涙を拭いて、
「・・・ネクストさん、これだけは言っておきますが、今でも僕はフローラのこと愛しています。ただそれ以上にスーザンを愛しています!
だから余計な心配はしなくても大丈夫です。」
と少し憮然とした表情で言葉を返した。ネクストはアンディのその言葉に安心したのか、あるいは向かい酒で酔いが進行してきたのか、突然笑顔でこんな話題を切り出してきた。
「ところで・・・、スーザンは家ではいつも「踊り娘の服」をきているのか?」
 思わぬネクストの質問に、アンディは戸惑いながらも、
 「え、ええ・・・、外出する以外はそうなんですが、何故そのようなことを聞くんですか?」
と聞き返した、彼はいったい何を考えているのか理解できないと思いながら。そしたらネクストはすかさずうつむき加減でこう話し始めた。
「いや、一度でいいから、王室の中だけでもその格好で接してみたいと思っていたから。・・・フローラには何度かお願いしてみたが、さすがに彼女は「お断りです。」
の一点張りで・・・、だからどう聞けばフローラがそれに応じれるのか、そのノウハウが聞きたくて・・・。」
ネクストの思わぬ言葉に、アンディは内心「はぁ~っ?」と思いながら、こう返答をした。


164:踊り娘の服
11/05/03 23:34:25.46 zLym5MziO
「そら、押しですよ。押し!ネクストさんって、ひょっとして、いつもフローラの尻に敷かれているんですか?」
 アンディは先程とはまたうって変わって、笑顔を浮かべながら言葉を返した。対照的にネクストが先程までの毅然とした態度とは違って、顔を赤らめてながら、
「まあ・・・、そういうことになるな・・・。」
とうつむき加減に恥ずかしそうに返事をすると、アンディは、
「ははは!何だ、しっかりしてくださいよ!あんた、これでも国王なんでしょ!」
とネクストに指をさしながら思いっきり笑い飛ばし、ネクストも、
「ははは!そうだな、もっとビシとせなダメだな!」
と紫の帽子をかきながら相槌をうって、再び二人して向かい酒を進めていった。その時である。
「あなた~!」
 後ろを振り返ると、酔いの覚めていたフローラが笑顔に、しかし二日酔いの症状が出ていたのか、頭を右手で軽く抑えながら顔を引きつらせて後ろに立っていた。
そしてトゥルーやセイルも隣でフローラと同様、仁王立ちで立っていた。
「お父さん、お母さんがお父さんのことを心配して、無理してまでも外の二人の様子を見にきたのに・・・、ほんっとうに最低!」
 セイルもまた引きつった表情で言葉を発し、辺りは喧騒な雰囲気に包まれていた。いち早くただならぬ雰囲気を感じたアンディは、
「すみません、ネクストさん。僕はこの辺で失礼致します・・・。」
と軽く礼を交わすと、すかさずその場から逃げるようにして別荘のほうへ帰っていった。ネクストは「ちょっと・・・」と声を発しかけようとした瞬間、
咄嗟にフローラに腕を捕まれて、
「ねぇ、あなた・・・。先程の「踊り娘の服」の件、どういうことか家に戻って説明してくれます?」
と引きつった笑顔のままネクストにそう言葉を発すると、無理矢理彼の体をその細い腕で引っぱりながら、子供たちとともにルドマンの家へ戻っていった。
当然ながら、ネクストはその戻った家の、先程までフローラが横になっていた部屋で、彼女からかなり長時間に渡って厳しい説教をされたのは言うまでもなかった。
 別荘に戻ったアンディは、先に戻って「踊り娘の服」に着替えていたスーザンに笑顔で出迎えられながら、複雑そうな表情のまま部屋の中に入っていった。
「アンディ、今日は本当にごめんなさい・・・。その分、今日は思いっきり愛しちゃうから!」


165:踊り娘の服
11/05/03 23:35:30.87 zLym5MziO
 スーザンの健気な姿に、アンディは複雑な思いを抱えながらも彼女には笑顔で応対し、そのまま寝室へと向かった。
『ああ・・・、もし僕が仮にフローラと結婚していたら、僕もああいう思いをするのか・・・?よかった、スーザンと結婚して・・・。』
(Fin.)



166:通りすがりの白戦士
11/05/04 08:32:38.59 FILsdsNhO
SSお疲れさんです。
僕はアン×フロ好きですが楽しめました。
男同士の会話もなかなか良いですね。
デボラ姉様も絡めた話も期待してます。

167:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/05 04:57:56.79 TxmeBKnsO
通りすがりの白戦士さんのssも期待してまーーす

168:通りすがりの白戦士
11/05/05 08:10:55.04 jMoZ38w6O
有難うございます。
基本的にアン×フロになりますが、宜しいですか?

169:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/05 11:21:33.66 VdoI43CD0
>>143>>149>>154
典型的基地外風呂糞厨

170:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/05 18:36:10.35 TxmeBKnsO
フローラに愛が感じられる作品であれば
大歓迎です

171:通りすがりの白戦士
11/05/05 23:04:14.00 jMoZ38w6O
(修正版)
~揺れる青髪1~

雨は土砂降りになっており、時折雷が遠くから聞こえる。
まるで、アンディの心境を表しているようだ。
彼は眠れないでいた。しかし、火傷のせいではない。傷も痛みもフローラの献身的な看護で治っていた。
「リュカさんがフローラを選んだら…。今更どうなるわけでもないのに僕は何を悩んでるんだ!」
何度寝返りを打ち、起きて水を飲んだか分からない。
「お父さんの望みの為に愛した女性を諦めようとするなんて…。
悔しいが、僕にそんな勇気は無い。リュカさんは器が大きすぎる。
火山で彼に助け
られて分かったはずだ!」
アンディは悩む度に自分に言い聞かせた。
しかし、花嫁選びの時間が近づき、雨が酷くなると、彼の心はかき乱され、呼吸も荒くなる。
「どんな形でもフローラが幸せなら良いじゃないか!!」
いっそ、リュカが悪人ならどんなに楽になれたろう?彼の悪い部分を探しもした。
しかし、無駄どころか、余計にみじめに感じた。
肩を震わせ、アンディは泣いた。
無力な自分、嫉妬にかられた醜い自分に、そしてフローラとの思い出に…。
「サラボナの空も泣いてくれているのかい…?」
ふと、窓を見ると、稲光で人影が走って来るのが見えた。
「ん…?」
そしてそれは、家の中へ入っていった。
「…リュカさんかな?」
起き上がる度に窓から外の様子を眺めていたアンディは、リュカが眠れないで外出したのを見た。
「ルドマン邸、ビアンカさんがいる別荘、僕の家という事は、いよいよか。」
アンディは覚悟を決めた。
「きっと僕に謝りに来たんだね。律儀なリュカさんらしいや。
いいさ、ショックは早い方がいい。」
もう、彼は吹っ切れていた。
そして、徳上のワインとグラスを用意した。
「彼も苦しいんだ。こんな事しか出来ないが、今度は僕が助けてあげよう。」
やがて、足音がゆっくりと部屋に近付いていった。
「おつまみは…お互いの好きな女性の話だけで十分だ」
足音はドアの前で止まり、重苦しい雰囲気が流れた。
「リュカさんだろ?僕も眠れないんだ。朝まで飲み明かそう。」
だが、ドアが開かれるとアンディはグラスを落とした。
「…アンディ…。」びしょ濡れのフローラが、哀しげな瞳でじっと見つめて立っていた。
「フローラ、どうして…!?とにかく、身体を拭いて…」


172:通りすがりの白戦士
11/05/05 23:30:18.66 jMoZ38w6O
~揺れる青髪2~

アンディは急いで灯りを点け、タオルで顔を拭いた。
「懐かしいな…。君が修道院に入る前は、こうやって顔を拭いた事もあったね。僕はこれが最後だけど…、なあにリュカさんなら僕より上手に拭くさ!」

アンディは目の前にフローラがいても、決して動揺しなかった。
いや、その笑顔は清々しささえ感じられる。
「………っ」
フローラはうなだれ、滴が次々と床に音を立てた。
「あ、ごめん。髪も乾かさなきゃね。顔だけ拭いても意味ないよね。」
アンディは自分のミスに苦笑した。その表情さえも清々しい。
だが、フローラはその彼の表情に反して、哀しげに、時折怒りを混ぜながら肩を震わせる。
「本当にごめん。だから、リュカさんに負けるんだね。だからこそ、君はリュカさんと幸せになってくれ。」
今のアンディには最高の誠意ある言葉のつもりだった。
しかし、それに対する返礼は乾いた音が響く平手打ちだった。
「いい!触らないで!!」
フローラはアンディの手を払いのけ、ピンクのリボンを解いた。
滴が次々飛び、灯りに反射されて輝く。
それと同時に後ろで束ねていた前髪が額を覆い、それまでの凛とした雰囲気が変わった。
「フローラ…」
前髪を下ろしたり、ずぶ濡れのフローラをアンディは何度も見た。
しかし…、今のフローラは妖艶にさえ感じられる。

「あなたはまだ、そんな事を言ってるの!?」
アンディは突然の事で不思議そうな表情だ。
「お父様はリュカさんとの結婚が幸せだとは言った。
確かにリュカさんはあなたより強いし、世界を救う旅もしてるから立派よ。
でもね!」
フローラはアンディの赤くなった頬を優しくなでた。
「リュカさんは世界を救えても、私は幸せになれないのよ!
どんなに強くても、魔王を倒せても、
私の中にあるアンディとの思い出は消せないのよ!」
フローラの顔は、髪から流れる滴と涙で濡れていた。
「有難う…。君はまだ昔の思いを美化しているだけだ。
彼は愛する女性を諦めてまで、世界を救おうとしてる。
僕より立派だ。その人の妻になれるなんて、誇らしいじゃないか。」
さすがにアンディも動揺し、平静を保とうと自分にも言い聞かせようとした。
だが、フローラは髪を振り乱し、アンディに抱きつく。

173:通りすがりの白戦士
11/05/06 00:02:27.20 5AAjKQeXO
~揺れる青髪3~

「違う!愛する女性を犠牲にして得る平和なんて本当の平和ではないわ!
大勢の人が幸せになる為に小さな幸せを壊していいはずがない!」
アンディはフローラを抱きしめたくなってきた。
理性と愛の間で腕が葛藤する。
「もういいのよ。どんな時でも私を愛したアンディに戻って!」
アンディの我慢は限界に達しそうだ。
しかし、強く振りほどいた。
「今思えば、君はリュカさんと共に勇者を探し、
世界を救う為に生まれてきたのかもしれない。
その優しさは聖女そのものだ。
今思えば君が修道女になったのも、勇者を助ける為の修行だと考えれば納得がゆく。」
アンディは自分にも納得させるようにゆっくりつぶやいた。
「私が…、聖女?」
「その美しさは神の意志によって形造られて現れたものだ。
神に選ばれてない僕には、決して触れる事さえ許されない。」
アンディの肩は大きく震え、頬に涙が流れた。
「偶然よ、そんなの。美しさならデボラ姉様の方が」
アンディは振り返った。腫れ上がった瞳にフローラは驚く。
「俗世間が決める体型の美しさじゃない。
もちろん、見た目の良さもだが、聖なる雰囲気も感じた。
多少の魔法を勉強した僕でさえ分かったんだ。
君はすでに気づいてたはずだ。」
フローラは少し考え、気を取り直した。

174:通りすがりの白戦士
11/05/06 00:26:57.26 5AAjKQeXO
~揺れる青髪5~

「…確かに最近、他の人達と何か違うとは思っていたわ。
聖なる力を感じたりもした。
少しだけど時々、デボラ姉様にも感じるの。」
「やはりデボラさんもか…。
君も聖なる力を感じたなら本物だ。」
アンディはフローラのリボンを拾い、彼女に手渡した。
「全ては神の意志だ。逆らったら罰を受けるだろう。
だから、君は幸せになって欲しい。」
「全ては神様の意志…。
私は聖女…、世界を救わなければならない…。」
フローラは小さく何度もつぶやきながら、髪を整えていった。
それはまるで、1人の女性から聖女への変化を現すようだった。
「僕はどんな罰も受ける覚悟はある。でも、フローラを巻き込みたくはない。
君が少しでも僕を愛していた事で十分だ。
僕はその思い出だけで生きて行ける。」
フローラは髪を結び終えた。
「私は聖女。自分の運命に従います。」アンディはフローラの幸せを祈った。
「あなたに神の祝福があらん事を…。」
それは恋人に対してではなく、世界を救う聖女に対してだ。
「有難うアンディ。でも、リュカさんとの結婚の前にしなければならない事があるの。」
「何だい?」
「ほんの少しとは言え、私達は神様の意志に背いて愛し合ってしまった。
私達は穢れを清め、神様に懺悔しなければなりません。」
もうすっかり、フローラは聖女の顔だ。
「分かった。どうやってやればいい?」
「私についてきて。」
フローラとアンディはサラボナで一番大きい教会へ向かった。

175:通りすがりの白戦士
11/05/06 00:41:29.65 5AAjKQeXO
~揺れる青髪6~

フローラは修道院を出た後はここで聖歌等の儀式に参加しており、
夜でも自由に出入り出来た。
教会に入ると、フローラは修道女と修道士の服を用意してもらった。
「どうして僕まで、着替えるの?」
「ごめんなさい。
教会の人には私があなたに新しい修道士としての洗礼の儀式を行うって言っておいたのよ。
私は修道女だけど、修道院長の代行をした事もあったからね。
その方がわかりやすいわ。」
「そうか…。本当の事は神様にしか言えないよね。」
2人は着替え終わると、礼拝室に入っていった。
月明かりがステンドグラスを通し、女神像が神々しく輝いていた。
「さあ、始めましょう。」
フローラは聖水の入った容器とグラスを用意した。

「何ですって!?教会に!」
ルドマン夫人のシャルロットは慌てて寝間着から着替えた。
フローラが突然、止める間も無く家を飛び出してから、行方が分からなかったのだ。
こんな夜更けに若い男を連れて訪れた教会のシスターが不審に思って通報したのだ。
「あの子が男と教会でデート?他に行く所は無かったのかねえ?
ま、箱入り娘と純情な文学青年にしては上出来かな。
教会なら、変な気は起きないでしょ。」
デボラは冷静に判断していた。
「確かにそうだが、大事な花嫁候補だぞ!大事な日の前に男と出歩くなんて…。
お前達、早く馬車に乗り込め!力づくでも連れて帰るぞ!」
ルドマンも急いで部屋に入ってきた。

礼拝室は2人だけだった。
フローラが儀式の間は誰も入れないようにと当直の人に頼んでおいたからだ。
「主よ、どうか私達の罪を清めて下さいませ。
私達はこれより、正しき道を歩みます。」
床にひざまずき、フローラは祈った。
修道女の服も似合ってるな…。と、アンディは見とれてしまった。
「ほら、アンディも。」
促されるままに、アンディも同様に祈った。
「これは女神様の聖なる血。今から、私達は女神様と一体になります。
そして女神様の大いなる愛で私達の罪を清めてくれるでしょう。」
フローラは祭壇に供えてあったワインを取った。
アンディは修道士の服を着ていなかったら、
その神々しい雰囲気に圧倒されていただろう。
「さあ、あなたも。」
フローラはワインを口に含み、残りのグラスをアンディに差し向けた。
「うん。」
アンディは手を差し伸べた。
しかし、グラスは渡らなかった。
「(フローラ…!)」
一瞬の隙をつき、アンディの唇は奪われた。

176:通りすがりの白戦士
11/05/06 01:23:28.37 5AAjKQeXO
~揺れる青髪7~

フローラの口内の残りのワインがアンディの中に入る。
アンディは思わず飲み込んだ。
「これで私達は女神様と一体になったわ。」
驚くアンディをよそにフローラはゆっくりとグラスを祭壇に戻した。
何年振りのキスだろうか?
アンディは思い出していた。
「昔はよく、こっそりキスしてたね。」
「嬉しかった…。悪い男の子達にいじめられて泣いていた時には最高のプレゼントだった。」
「僕だって。いじめっ子をやっつけた時に受けた傷を治すのに、
フローラのキスは良い薬だった。」
フローラに笑顔が戻る。
「でも、やっつけられるのが多かったけど」
再び、フローラの表情が憂いを帯びる。アンディの髪を優しく撫でた。
「いいの。アンディは優しいままでいて。」
「ああ、僕は変わらないよ。それより、今の事は2人だけの秘密だ。
最後に良い思い出を有難う。これで」
「身体が渇くのよ…。」
フローラはよろめき、アンディに受け止められた。
酔いが全身に廻り、唇にワインの残りが着いてるのに気付かない。
「うん。すぐに水を持ってくるから。」
アンディは拭き取ろうとしたが、腕を掴まれた。
「ダメ。」
「もうワインはダメだよ。お酒弱いの分かったでしょ?
氷水を作ってあげ」
フローラはアンディの腕を振り払った。
「そんなの嫌!あなたの愛でなきゃ潤わないのよ!!」
「フローラ、神の意志に従うんじゃなかったのか!?」
アンディは慌てて唇を押さえて動揺している。
フローラは帽子とベールを床に投げ落とした。
ウィンプル(顔を包む頭巾)の紐に手をかけると、アンディは慌てて止めた。
「従ってるわ。リュカさんに会うのも神の意志なら、
修道院に入る前にアンディを好きになったのも神の意志だわ。」
フローラは構わずウィンプルを外し、束ねていた髪を解いた。
美しい青髪が風に舞うように降りた。
顔と前髪しか見えなかったギャップと相まってアンディはその光景に見とれていた。
「何故なんだ…?分からないよ。」
「リュカさんとの出会いは女神様が私達に与えた試練なのよ。
だから、乗り越えなくてはならない。」
アンディは呆然とした。
「私も罰を恐れない!私にとっては、好きな人と一緒になれない方が罰なのよ!」
「フローラ…!」
アンディはフローラを抱き締めた。
ワインを少し含んだだけなのに、身体は火照っていた。


177:通りすがりの白戦士
11/05/06 01:40:33.09 5AAjKQeXO
~揺れる青髪8~

「主よ、今から私達は自分の信じた道を歩みます。それが悪というなら、いかなる罰も受け入れます。」
フローラは、アンディの上着をゆっくりと脱がした…。
「抱いて、アンディ…。」

「なんて広くて立派な教会なんだ!フローラ!フローラ!!」
教会に着いたルドマンは一心不乱に走った。
「あなた、こっちです。」
シャルロットは礼拝室の扉へ手招きした。
ルドマンが扉へ来ると、先に鍵を受け取っていたデボラがそっと開けた。
「お、恐れていた事が…!!」
ルドマンは膝を床に着き、
「フローラ、あなたって娘はそんなにアンディさんと一緒になりたかったのね…!」
シャルロットは半ば感動して立ち尽くした。
「アンディ…!好きよ!」
「フローラ、もう離さない!」
女神像の下で2人は愛し合っていた。
辺りには修道女と修道士の服が散乱している。
それらの上で、2人は互いの全てを求め合っていた。
全身への優しいキス、激しい愛撫。
ルドマンの怒りは頂点に達した。
「許さん!ワシは認めんぞ!こんな馬鹿げた事を!あんな頼り無い男に娘を奪われて」
ルドマンは扉を大きく開けて中へ入ろうとした。
だが、デボラの腕が光り、ギラの魔法が発動されようとしていた。
「2人の邪魔をするのはパパでも許さないよ。黙って最後まで見てな!」
デボラは体を張って制止していた。
「デボラ…。」
ルドマンは娘の怒りに圧倒され床に座り込んだ。
シャルロットがそっと包み込む。
「…あなた。私もまだ心臓が高鳴ってますわ。夢でも見てるみたいよ。
でもね、今まで私達の為に優しくしてくれて、
我慢してきた娘が命懸けで愛し合ってるのよ。
今度は私達が応援してあげるのが親の役目じゃないかしら。」
2人の愛は佳境に入り、激しく入り乱れる。アンディの吐息とフローラの絶叫が部屋の中に響き渡っていった。


178:通りすがりの白戦士
11/05/06 01:56:37.32 5AAjKQeXO
~揺れる青髪9~

「おしまいだ…!リュカ君に何て詫びればいいんだ~!」
ルドマンは子供のように泣き出した。
アンディが仰向けになり、フローラはゆっくりと彼の上に乗った。
フローラは次第に身体を反らせていく。
窓から差す月明かりに照らされたフローラは、
女神像に引けを取らない美しさを魅せていた。
「綺麗ね…。自慢出来る体型ではないのに、ここまで見せてくれるわ。」
「本当に。親馬鹿だけど、女神様より綺麗だわ。
ううん、あの子が女神よ。
背中から翼が生えてるのが見えそうよ。」
「ねえママ、あの娘ったら、あんな顔するんだ。
あんな嬉しそうな顔、初めて見たわ。」
デボラとシャルロットはすっかり見入ってた。
「そうね。あんな顔は私にも見せた事は無かったわ。
ほら、あなたも御覧なさい。」
ルドマンは渋々見上げた。
2人の愛は頂点に達し、今は余韻を楽しんでいた。
やがて聖水で喉を潤すと、
互いの修道服のローブで身をくるみ、身体を寄せ合った。
2人共、一糸纏わぬ姿なので、急に身体が冷えたのだろう。
「…今頃子供みたいに笑いおって…。」
ルドマンはもう怒る気力は失せ、哀愁さえ感じられた。
「パパがフローラを愛してるのは知ってるよ。
でも、あの娘はパパを嫌ったわけじゃないからね。」
「知っていたのか…。ワシがフローラの事を…。」
「あたしとフローラが拾われたのも知ってたよ。
パパは最初は親としての愛情だったけど、段々男としての愛に変わっていった。」
「もう、いいのよ。私も知っていたわ。」
シャルロットはデボラを制止しようとしたが、振り払われた。
「男としての愛に気づいてたか知らないけど、フローラは言ってたよ。
私が結婚したら、お父様はお母様とデボラ姉様を私以上に愛しくれるわ。
お父様の愛は家族みんなのものなのよ。
お父様はいつかきっと、お気付きになられるはずだわ…ってね。」
ルドマンの瞳は涙で濡れた。
「フローラ…すまない。やっぱり、お前は優しい子だ。」
フローラとアンディは着替え始めた。
「ねえアンディ、駆け落ちは最後の手段にしましょう。
私、お父様は話せばきっと分かって下さると思うの。」
「知っている。小さい頃、家に招待されて親切にしてもらったのを覚えてるよ。」
「また…明日ね。」
「うん、また明日。」
2人はそっとキスを交わした。

「ほら、2人に見つからないうちにさっさと帰るよ。」
デボラはルドマン夫妻の背中を押した。

179:通りすがりの白戦士
11/05/06 02:08:46.93 5AAjKQeXO
~揺れる青髪10(エンディング)~

―10年後―
ルドマン夫妻所有の船上でデボラの結婚式が行われていた。
相手はグランバニアの兵士ピピン。リュカがサラボナを訪れた時の従者で、デボラが興味を持ったらしい。
「全く、勢いで結婚するとはフローラもデボラもしょうのない娘だ。」
「そうですわね。
私達が愛し合っているのを思い出して励まれたお父様の娘達ですものね。」
「いや、それはだな…」
「フローラ、あまりお父様を責めないでね。
あの時、あなたが心配で探してたら偶然見ちゃったのよ。」シャルロットは少し照れながら、フローラの肩に触れた。
「でもまさか、50代で子供が出来るとは思いませんでしたよ。
おいで、クララ。」
クララと呼ばれた少女は、はにかみながら両親の間から出てきた。
「なあに、アンディ兄様?」
「結婚式が終わったらアイナとレスターと一緒に、
デボラ姉様とピピン兄様に花束を渡してくれるかい?」
「うん!」
「いい子ね。アイナとレスターも気を付けて持って行くのよ。」
「分かりましたわ。お母様。」
「僕はピピンおじ様に渡したいな。」
子供達はフローラから花束を受け取ると、元気いっぱいに走って行った。
結局、リュカはビアンカを選んだ。
フローラは駆け落ちも考えていたが杞憂に終わった。リュカの結論はこうだ。
「たった1人の純粋な思いに報えないのに、多くの人を救う事なんか出来ない。
僕達が幸せになる事で誰かが幸せになるなら、
勇者や天空の装備を見つけるより早く平和にする方法だと信じる。
根拠?ビアンカとフローラさんとアンディさんの顔を見れば分かるさ。」
リュカもフローラと同じ考えだったのだ。
フローラも今では2児の母だが、ますますアンディと愛し合っている。
「ねえアンディ、結婚式が終わったら、
リュカさん達の仲間に加わってもいいかしら?」
「僕もそれを考えてたよ。ヘンリー様やマリア様も加わってるみたいだし、
魔王を倒す戦力は多い方がいいね。」
「ありがとう、嬉しいわアンディ。」
フローラはアンディに抱きついた。
「まさか、あたし達を置いてかないよね?」
「旅は賑やかなのが楽しいですよ。」
いつの間にか、デボラとピピンが話を聞いていた。
「姉様達…!そうね。みんなで行きましょう。」
フローラ達の旅は始まる。


180:通りすがりの白戦士
11/05/06 02:14:34.02 5AAjKQeXO
>>170
とりあえず、揺れる青髪の修正版です。
内容はほぼ同じですが、少し短くなった分、テンポよく進むと思います。
エンディングも1つだけです。

181:通りすがりの白戦士
11/05/06 04:32:56.96 5AAjKQeXO
4が抜けてますが、単なる表記ミスです。気にせず3→5の順で読んで下さい。
修正版と明記しましたが、初心者ゆえまだまだ誤字等で見辛い部分もありますが、ご容赦下さい。

182:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/06 17:27:23.56 EtDdvaGWO
通りすがりの白戦士さんお疲れ様
新作も期待してまーーすッ!

183:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/08 10:53:35.65 2FQ5gqwl0
フローラは女神
ビアンカゴリラはすっこんでろ!

184:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/08 12:28:46.72 0i76UA2WO
皆さん!他嫁を叩く荒らしはスルーですよ

185:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/08 18:56:16.41 O7RQxoOp0
SFC版フローラは、シンプルなだけにいっそう清楚な感じがする
主人公と二人並ぶと、どちらも青と白で見た目的にもよく似合う

186:通りすがりの白戦士
11/05/10 14:52:57.14 7LbSE/o5O
主×フロを書いてみます

~懺悔1~

「あの扉を開くと、ミルドラースとの戦いになる。もう、後戻りは出来ない。」
リュカとフローラは馬車の先頭を歩いていた。
「覚悟は出来ていますわ。あなたと結婚した時から…。」
フローラはリュカの腕に触れた。幾多の戦いを経て、往年のパパス以上に逞しさを現している。
フローラの腕も、お嬢様の細腕がしなやかになっていた。
「覚悟か…。父さんの願い、世界を救う為に僕は君と結婚した。
でも、今は本当に君を愛している。」
リュカは後のメンバーに聞こえない距離を保つのを確認した。
サンチョとプックルが馬車の後方を、ピピンとブラウンが側面を警戒している。
「分かっています。私も、あなたの立派な使命をお手伝いしたい一心で、ここまで来ました。
私もあなたを愛しておりますわ。
だから、この先何があっても、あなたに付いて行きます。」
「君には本当に感謝している。普通のお嬢様なら、逃げ出してもおかしくはない危険な旅にも付いてきてくれた。
しかも、王妃となった今でもだ。」
フローラは馬車内で休んでいる子供達を見て、微笑んだ。
「家族ですから、みんな、あなたが好きだからですわ。」
リュカは空を見上げた。漆黒で何も無いが、気持ちを切り替えたかった。
「僕は…、君の様に強くなれてない。強がっているだけだ。」
「そんな事…」
「フローラ、僕は君を愛している。でも、
今でも僕の中のビアンカが消えない。いや、消せないんだ!」


187:通りすがりの白戦士
11/05/10 15:46:25.07 7LbSE/o5O
~懺悔2~

「あなた…。」
フローラには初めてだった。本気でリュカは彼女に弱い部分を見せたのだ。
「山奥の村へ訪れた時を覚えているかい?」
「ええ…。でも、あの時のあなたは、そんな素振りは見せませんでした。」
「あの時、ピピンがビアンカにアプローチしようかと僕に言った。
僕は応援すべきなのに、彼を叱ってしまった。」
リュカは震え出した。
「勤務中に女性を誘うんじゃない。でしたわね。当然の反応でしたわ。」
「違う!僕は卑怯だ!任務にかこつけただけだ。
本当はビアンカに他の男を近づけたくなかっただけなんだ!
ビアンカは僕が忘れられずに独身でいる。だが、僕はもう君を愛して結婚までしている。
分かっている。分かっているのに、馬鹿な事をした。」
リュカはフローラに向き直った。
「僕は僕を好きになってくれた女性を傷つけてまで、君と結婚し、世界を救おうとした。
だが、ますます誰かを傷つけている。
ビアンカも、ピピンも、そして愛する妻も裏切っている。
僕は最低な男だ。」
フローラは眉一つ動かさず、黙って聞いていた。
しばらく沈黙が続く。
「…分かっていました。あなたと結婚する前から、あなたがビアンカさんを忘れられない事を。」
「フローラ…。」
「実は私も…、あなたと冒険し始めた頃には何度も迷ったんです。
アンディを思い出したりもしました。
彼がスーザンさんと結婚したと聞いた時も、安心以上にちょっと嫉妬したりもしましたのよ。」
フローラはどんな時でも弱音を吐かなかったので、リュカには意外だった。
「そうか…。知らなかった。君は芯の強い女性だと思っていたが、意外だ。」
「あなた…、私達は確かに、お互いの恋人や、色々な人達も傷つけたりもしました。
でも、だから信念を持って進んで行かなければならないと思います。」
「信念…?」
「誰かが私達を悪と罵るなら、それを受け入れましょう。
世界を救う為に誰かを傷つけた報いを受ける覚悟はあります。
そして,世界に見せましょう。
私達のような結婚があってはならないと。平和な世界で誰もが好きな人と結ばれるようにと。」
フローラは覚悟を決めていた。フローラも優しい性格故に、誰かを傷つけた以上に自分を罰するつもりであった。

188:通りすがりの白戦士
11/05/10 16:39:04.57 7LbSE/o5O
~懺悔3~

「そうか。僕達の旅は贖罪でもあるんだな。
大魔王を倒し、僕のような目的で結婚して誰かを傷つける世界を作らない為に。」
「後はあなた次第です。もし、その重荷に耐えられないならば、
子供達が独立した後に私を離縁なさり、ビアンカさんと幸せになられて下さい。」
「フローラ、君は…」
「私はあなたと一緒になれて幸せでした。
今度は私がビアンカさん達の痛みを受け入れましょう。」
フローラの瞳に涙が溢れる。
「君、1人でか…?」
「元々、私と出会わなければ、誰も傷つく事は無かったんですもの。だから今度」
言い終わる前にリュカはフローラを抱き締めた。
「結婚を決めたのは僕だ。僕も同じだ!
僕の罪を受け入れるなら、君の罪も僕が受け入れる!」
フローラの涙は止まらなくなった。
「…辛い道程になりますのよ…。
あなたを愛しているから幸せになって欲しいのに、何故ですの?」
「僕の幸せは君の側にしかない。
辛い道程なのは分かっている。
でも、同じ苦しみを分かち合える君だから、一緒に歩いて行けるんだ!」
リュカもいつの間にか泣いていた。
「あなた…、本当は怖かった。1人で背負わなければいけないのに、
あなたと一緒にいたいと思ってしまう…。」
「いいんだよ。フローラ。人はそんなに強い生き物じゃない。
僕はずっとフローラの側にいるよ。」
リュカはフローラに優しく口づけをした。
「ありがとう。あなた。」
フローラも口づけを返した。
「あ~っ!お父さんとお母さん、チューしてるー!!」
馬車の中から、息子のリカルドが出てきた。
「だから、先に進んでたのね。
な~にが、「みんなを危険に合わせたくないからお父さん達が先に行く。」よ。
2人でイチャイチャしたかっただけじゃないのよ。」
娘のブリジットは不満そうだ。
「ははは。バレてしまったか!」
「ごめんなさいね。この戦いが終わったら、みんなで遊びに行きましょう。」
リュカとフローラは慌てて涙を拭く。
子供達の笑顔をよそに、2人は再び歩き始めた。
「行こう。フローラ。」
「どこまでも、ついて行きますわ。」
もう、2人には何の迷いも無かった。


189:通りすがりの白戦士
11/05/11 00:07:31.64 cncw3m4yO
~懺悔4~

大魔王は倒され、世界は平和になった。
母マーサを救い出せなかったものの、リュカとフローラの長年の目的は果たされたのである。
しかし、リュカとフローラのお互いの心の中にある昔の恋人への愛は消える事はないだろう。
それでも、2人は別れるつもりは無かった。
リュカはアンディを愛するフローラの心ごと、全て受け入れたのである。
そして、フローラもビアンカを愛するリュカの心ごと、全て受け入れた。
世界が平和になった今、新聞や雑誌記者が夫妻の結婚や過去の恋人について報道し始めた。
―金目当てに昔の恋人を振り、貴族の娘と結婚―
―王妃は既にリュカ王の素性を知っていた。だから、結婚を約束した恋人を捨てた―
等々、王室バッシングは絶えない。
もちろん、世界を救う為に結婚した事を信じ、支持する国民もいる。
「陛下!また、このような記事が!」
新聞を手にしたサンチョが息巻いて夫妻の部屋に入ってきた。
リュカはフローラと共に記事を見た。
「…リュカ王は今でも昔の恋人を愛している…か。」
「山奥の村へ行った時の私達の行動が、噂になっていたのでしょう。」
「早速、発売禁止命令を」
リュカは手を振った。
「良い。そのまま書き続けさせてやれ。」
「ですが、王家の名誉に…。」
「あなたとビアンカさんが少し親しげに話したのが、そう見えたのでしょうね。」
「そ、そうですよ。陛下とビアンカちゃんは幼なじみなんだし、それくら」
リュカはフッと微笑んだ。
「だが、事実だ。僕は今でもビアンカを愛している。」
「ぼ、坊ちゃん!?あ、いや、リュカ王!?お妃様の前で何という事を!?」
サンチョは慌てて、昔のクセでリュカを呼んでしまった。
声も裏返っている。
「宜しいのですわよ、サンチョさん。私もまだアンディを愛してますもの。」
「ええっ!?お妃様まで!?」
サンチョはどうしていいか分からなかった。
「そろそろだな。」
「そうですわね。」
リュカとフローラは慌てるサンチョを横目にある決意を固めた。


190:通りすがりの白戦士
11/05/11 01:01:21.73 cncw3m4yO
~懺悔5~

マスコミや多くの国民の要望もあり、リュカとフローラは記者会見を開いた。
記者会見自体は珍しくない。
しかし、この様な事で開くのは王室が始まって以来、初めての事である。
大勢の記者が矢継ぎ早にリュカとフローラに質問を浴びせた。
「今後、離婚はされるんですか?」
「ビアンカさんとの関係を続けられるおつもりですか?」
「お子様達は知っておられるのですか?」
等々、マスコミは容赦なかった。
「静粛に!!」
リュカは毅然とした態度で一括すると、マスコミは静まり返った。
「皆さんが、お書きになられた様に私はビアンカさんを今でも愛しています。
そして、妃もそれを知っております。」
一斉にどよめきが起きる。リュカはそのまま続けた。
「ですが、神に誓って彼女とはやましい関係は一切ありません。
私が一番愛しているのは妃であるフローラです。
ですから、私は妃とは離婚しません。」
「フローラ様はそれをお認めになられるのですか!?」
女性記者の悲鳴に似た質問が飛ぶ。
「はい。私も同じです。
アンディさんを愛してますが、陛下と一生を添い遂げたいと思います。
私達は同じ思いで苦しんでいるからこそ、より深く愛し合えるのかも知れません。」
「別れた方が楽になるのでは?」
「いいえ。私達は一緒にならなければなりません。
魔王を倒す為に、お互いの恋人を犠牲にした私達は世界に示し続けるのです。
私達の酷さや醜い部分を知った皆さんが、本当に好きな相手と愛せるようにと。
もう、私達のような辛い思いをする事が無いようにと。」
リュカの演説で会場は再び静まり返った。
「皆さん、私達の昔の恋人への取材や記事は止めて下さい。
その代わり、私達については批判的な記事を書かれても構いません。
それと私達がお互いの昔の恋人への後悔を忘れずに一緒になる事。
それらが、周りを傷つけた私達に与えられた罰なのですから。」
フローラも毅然とした態度で述べた。

お互いに苦しみながらも愛し合う。
この奇妙とも言える関係だが、国民は好意的に受け止めた。
夫妻を応援する者、賛美する者等、様々であった。

191:通りすがりの白戦士
11/05/11 02:00:07.05 cncw3m4yO
~懺悔6(エンディング)~

「良かった。お父さんもお母さんも離婚するなんて言わなくて…。」
リカルドは涙声になっていた。
「また離れ離れなんて嫌よ。ずっとずっと私達の側にいて下さい!」
ブリジットも泣きながら、フローラにしがみついた。
「ああ、すまない。お父さんとお母さんはこれからもずっと一緒だよ。」
リュカは子供達の頭を撫でた。
「ねえ、あなた。今度の結婚記念日は修道院に行っても宜しいかしら?」
フローラも子供達の頭を撫でた。
「修道院?どうして?」
フローラは少し照れながらリュカを見た。
「今度の事で改めて私達は夫婦になれたと思うのよ。
ですから…、また結婚式を挙げたいと思いましたの。」
「結婚式か…。確かに、国民にはいい宣伝にはなるな。
それなら、同じサラボナの船か城内の礼拝堂で」
フローラは首を振った。
「ううん。そんなつもりではないのですわ。
国を挙げて税金で盛大に挙げるのではなくて、家族だけで慎ましく挙げたいのよ。」
「そうか…。分かった。行こう、修道院へ。」


結婚記念日は2人の再出発を祝福するかの様に快晴だった。
記者会見の記事が発行された後、ビアンカはピピンと交際し、リュカは親身になって後押しした。
もう、迷いは見られない。
アンディとスーザン夫妻にも子供が恵まれ、こちらもフローラが育児に関する協力を惜しまなかった。
更に、それらを見届け安心したかの様に、フローラの姉のデボラも交際していた男性と婚約した。

修道院に着いた夫妻は、幸せになりつつある者達を思い出していた。
「少しは肩の荷が降りたかな。」
リュカの花婿衣装は水色のフロックコートに白スカーフである。
「ええ。でも、まだまだこれからですわ。」
フローラの花嫁衣装は肩と首まで覆うピンクのドレスに、ウィンプルと透けないベールで頭を包む修道女に近い様な感じである。
どちらの衣装も以前の結婚式のと同じ物であった。
「さあ、行こう。」
「はい、あなた。」子供達に連れられて、夫妻は祭壇へと進んだ。


192:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/11 05:42:36.97 YlPyKP2xO
乙です

193:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/13 22:49:29.36 cHNpudp4O
通りすがりの白戦士gj

194:帰ってきた井戸魔神I
11/05/14 02:10:37.71 /8ysly3s0
フローラに「ほえろ」「かみつけ」「ひきさけ」「ぶつかれ」使って欲しい。

195:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/14 16:31:02.82 g0lrK5OBO
お人形さんみたいに可愛いフローラが大好き

196:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/14 23:49:51.80 v5v4IALkO
ビアンカって芋くせえよな

197:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/15 01:29:47.09 Gu1Ma0v4O
>>196
ビア叩きの荒らし発生
皆さんスルーでいきましょう!!!

198:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/15 02:01:59.41 ItW10ai5O
フローラのお尻になりたい。

199:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/15 02:46:12.26 JD/252Wk0
>>199
尻をなでたいとかじゃなく尻になりたいのかw

200:帰ってきた井戸魔神I
11/05/15 03:58:03.93 PJuVM2/60
フローラをいじめてみたい。

201:通りすがりの白戦士
11/05/15 14:53:46.94 tr8s6l0aO
SSを読んで下さった方々、有難うございます。
ちなみに、ビアンカの様子もビアンカ本スレに書いてあります。
宜しければ、そちらも読んでみて下さい。

202:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/15 20:27:04.41 4YXoA6QZ0
>>197
荒らしつーかそのまんまフロオタだな

198名前が無い@ただの名無しのようだ2011/05/15(日) 02:01:59.41 ID:ItW10ai5O
フローラのお尻になりたい。

597名前が無い@ただの名無しのようだ2011/05/15(日) 01:22:37.34 ID:ItW10ai5O
どうも芋くせえと思ったら、やっぱりビアンカだよ


203:「チロルの、とある独り言」
11/05/15 22:20:34.15 Gu1Ma0v4O
「チロルの、とある独り言」
 俺は、キラーパンサーのチロル。御主人様であるネクストの用心棒である。
名づけの親は、その昔ネクストと一緒に「おばけ退治」をした、ビアンカという娘。
 しかし、ネクストは山奥の村にてそのビアンカと再会したとき、彼女をそのまま花嫁に迎えるものと確信していた。
 論より証拠、俺の耳元には今でも「おばけ退治」が終わった際、彼女が別れ間際に付けてくれたリボンがそのまま残っている。
 
 しかし、ネクストはその時どう思っていたのかは今もって理解できないが、雰囲気もタイプも全く異にする、フローラという娘を自分の嫁に迎えた。
 正直ショックであり、俺はビアンカと結婚しなかったネクストを恨んだりもした。
 しかし、ネクストは俺のそういう気持ちを察したのか、後日俺に一言こう言葉を発した。
 「・・・チロル、すまない!」
 土下座をして、涙しながらその言葉を放たれると、流石に俺もネクストが気の毒だと思い、結局は大魔王を倒すまでずっと付いて来た。まぁ、これも運命なのかもしれないな。
 そんなわけで現在の俺は次のような感じで一日を過ごしている。
 我々モンスター一族の朝は早い。
 特にモンスター爺さんに預けられた多くの仲間たちは、いつも一定の時間で起床・3度の食事・調教そして就床というパターンで一日を送っているのであるが、
 こちらはと言えば、やはり彼らと同じような一日を過ごしているには変わりがない。ただ、面倒をみるのはネクストやその家族といった、いわゆる「王家」であり、この辺りが少し事情が違うところである。
 朝、起きる時はたいていネクストが起こしている。もちろん、その前の晩とかの都合などそういった日ばかりでもないが、起こされたと思ったら即食事、それも短時間で済まさなければいけない。
 これには俺がいくら大食漢といってもたまったものではない。
 その食事が済んだら、ネクストが選んだ強豪な仲間モンスターと相手に激しい稽古をする。彼に言わせれば
「いつでも体調維持、そしていつでも戦闘体制につけるための修業だ!」
ということであるが、やはりこれが毎日続くと体が持たない。
 ましてヘルバトラーや、キラーマシンなどのようなタイプが相手だとこちらも命がけになる。本当にもう少しこちらの立場にもなってほしいものだ。
 

204:「チロルの、とある独り言」
11/05/15 22:23:15.40 Gu1Ma0v4O
 そして朝の激しい稽古が終わると、あまり休憩する暇もないまま今度は王家の使用人(メイド)達の買い物に警護と称して付き合わされる。
 まあ、今の世の中、確かに平和にはなったが、人間が中心に廻っている世界はまだまだ物騒なところもあるから仕方がない。
 それでも彼女等が買った荷物、特に食料関係が多くなるとその食料を俺の背中に乗せてくる。
 もちろん一回だけではなくこれまでにも何度もそんな思いをしているから、先に述べた稽古と同様、こちらもうんざりである。
ただ、たまにお礼と称して、
 「はい、これ食べて!」
 とにこやかに食事を出されると俺も嬉しくなる。そういう意味ではこの仕事も悪くはないと感じている。
 買い物が終わり王宮に戻れば二度目の食事。たいていは朝、そして夜と同様、使用人達が料理を用意している。その食事を済ませばたいていはようやく昼寝にありつけるが、
 たまに、国王でもあるネクストの国事の護衛に駆り出されることもある。国事であるから仕方ないが、本当に俺は何かとよく彼にこき使われている感が拭えない。ヘルバトラーを筆頭に、
 他にも頼れる仲間モンスターがいるから、少しはそちらを使えよ!と言いたくなることもある。でも、見方を変えれば、それだけ俺は結構人様から信頼されているのかもしれない。
 
 そして日も西に傾けば、今度は子供達との散歩に駆り出される。トゥルーとセイルと名づけられたこの二人の子供は、父親、即ちネクストに比べたらまだましな方である。
 ただこの二人も所詮はまだ子供、先日なんかは元気にはしゃぎ過ぎて途中道に迷ったり、あるいはこの間も散歩の途中で二人とも寝てしまったりするなど、
 こちらが機転をきかさなければいけないほど辛い思いをしている。何せ、二人の匂いや足跡を頼りに二人背中に乗せて城まで連れて帰ったわけであるから、本当に大変である。
 そういえばこの時ばかりのネクストの表情は、今思い返しても笑いたくなるような呆れ果てた表情をしていたなぁ・・・。
 そうそう、そのネクストが嫁に迎えたフローラという女性であるが、実は俺も結構好きなタイプの女性である。確かに、ビアンカが彼の妻になって欲しかった気持ちも否定はしないが、
 彼女もまた、実際接してみると多少天然な一面もあるが、見た目以上に芯の強い素晴らしい女性で、戦闘の際は俺も彼女に結構助けられた。


205:「チロルの、とある独り言」
11/05/15 22:25:33.86 Gu1Ma0v4O
 こう言うと調子のいい奴だと思われるかもしれないが、やはりネクストの女性を見る目もまんざらではないとも思える。
 そして何よりもフローラがいい女性(ひと)と思うのは、ネクストが自分の子供に接するのと同様、とにかく厳しいのに対し、彼女は子供達にも優しいが、それ以上に俺を初めとする、
 どのようなタイプのモンスターにも優しく接してくれるところである。ここでこんなことを言うのも恥ずかしい限りであるが、たまに彼女の風呂場で俺の体を洗ってくれることもあるから、
 この時ばかりは本当にありがたい。彼女自身も風呂の途中である故に、ここでは大声では言えないものの、それはもう絶品の一言に尽きるくらいに美しい。
 ああ、俺がもし人間だったら・・・、以下自粛しよう。
 先程述べた散歩が終わると、ようやく三度目のゆっくりとした食事が出来て、そしてそのまま就床につくが、俺はフローラが特別の用事がない限りたいてい彼女の部屋、即ち王妃室にて就床についている。
 そういう日は当然ながら彼女と二人きりになれるわけではあるが、所詮は人間とモンスター、それ以上の深い関わりあいになれないのが悔しい。
 特に、明らかに彼女が王室で寝る日があると余計その虚しさが身によぎる。ああ、俺も人間になりたいよ~~・・・。
 「ウオ~~~~ン・・・・・・」
(Fin.)




206:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/16 14:29:49.53 /Y/CoETtO
>>205
投下乙かれ…

モンスター視線は面白かったよ
でもキラーパンサーの名前はゲレゲレが良いw


207:通りすがりの白戦士
11/05/16 16:23:45.33 a9rurqR6O
お疲れさん。
前とは違う意味で、ちょっとニヤリとさせられますね。
強いて挙げれば、フローラとの会話が欲しかったかな。じゃれあったりとか…。次回も期待してます。

208:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/16 17:43:51.30 pGgZl0dQO
>>198

そこはむしろパンツになるべき

209:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/19 02:09:34.61 0URqmiMqO
わたしはフローラ、陰毛も青です

210:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/19 08:34:59.07 v1xkcCQA0
血も青くてしかも美味です。あーおいち

211:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/19 20:16:01.32 0URqmiMqO
ガガーリン「フローラは青かった」

212: 忍法帖【Lv=1,xxxP】
11/05/19 20:36:08.41 7inGVps+O
フローラ選ぶよ俺は

213:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/20 10:03:42.83 +QyFfO2U0
おしとやかな女の子が好きな自分はSFCの時から
フローラ一筋だったなぁ
同級生に「花嫁フローラにしたよ!」って言ったら
「フローラにしたら先に進まれへんでw」っていう
ガセネタを返されたのも今ではいい思い出


214:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/20 19:21:39.18 1DwGIy5kO
最初フローラなんて!って思ってたけど鳥山絵のフローラ見て一目惚れしたのもいい思い出

215:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/20 23:15:28.34 3RRH4dH9O
子供フローラとのイベントもっと増やしてくれればよかったのに

216:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/20 23:42:32.82 D6WUGRAi0
幼少期に結婚の約束とかな

217:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/21 00:55:44.41 Q4tumrUD0
せめて船に上がる段差パパスじゃなくって主人公が
子供ながら頑張って引き上げてあげたとかほしかったなあ

218:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/21 01:56:19.92 cUhX1HJlO
幼いフローラは夜の廃墟の城とかに行けなそうだから、主人公がフローラのために花を摘みに行くとかな

219:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/21 02:31:24.56 m+CpDhIl0
名前もフローラだしな
たしかに そういうお嬢様的立場が似合う

220:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/21 03:31:31.92 4vIQw01U0
船の方がルドマンよりも先に港について、パパスと一緒に港に
降りるとそこにルドマンが来る。で、ルドマンと一緒に港に
着いたはずのフローラがいない。外に出てみると悲鳴が。
魔物に襲われてるところを主人公が助ける、とかどうだろう。
港にフローラがいないのは外で花摘みしてたとか。

221:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/21 16:08:40.77 /P4S6o8T0
>>217
PS2の時のVジャン攻略本のプロローグ漫画は
主人公がフローラを段差に引き上げていたような覚えが。

222:井戸魔神タロウO
11/05/22 00:20:29.45 /ZMjVhai0
カールの女王も「フローラ」

223:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/22 00:38:36.69 1PwA0cQx0
>>222
「ロトの紋章」?

224:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/22 01:29:04.50 WAXFT6x20
>>223
ダイの大冒険かと

225:井戸魔神タロウO
11/05/22 02:12:51.32 /ZMjVhai0
チェーンクロスを装備
アバンの嫁

226:「兄想い」
11/05/22 08:40:08.24 MhBLZWIHO
この話、私設定の妹(セイル)の、兄(トゥルー)への想いと、そのライバル(?)のビアンカへの対抗心をストレートにポエムで綴った話であります。

 私、お兄ちゃんが好き!
 世界中の誰よりもお兄ちゃんのことが大好き!
 結婚相手は絶対にお兄ちゃんと決めてるもん!
 これまでもお兄ちゃんのために、私、お父さんやお母さんと一緒に行動して、
 どんなにつらい思いをしても、世界平和のために一生懸命戦ってきたの。
 そしてお兄ちゃんのために、私の嫌いな食べ物を少しでも好きになれるように、
 そして私の苦手なものを少しでも無くせるように、懸命に頑張っているの。
 お兄ちゃんのために!
 それなのに、お兄ちゃんはそんな私になかなか気づいてくれない・・・。
 たまに家族一緒にビアンカさんのおうちへ行くと、お兄ちゃんはいつも笑顔で、
 お父さんも困惑するくらい、 ビアンカさんとよくお話をするの。
 ビアンカさんもまた、そんなお兄ちゃんに応えるかのように、
 笑顔でお兄ちゃんとよくお話をするの。
 まるで恋人みたいに・・・
 いいもん!私、今以上に頑張って、綺麗になって、ビアンカさんよりもずっとずっと
 美人になって、ビアンカさんにデレデレしているお兄ちゃんを・・・、
 絶対、振り向かせてやるんだから!!
(Fin.)


227:「虫歯」
11/05/22 09:31:31.52 MhBLZWIHO
 それは、朝も早いグランバニア城の王室の中で起こった出来事であった。
「痛い、痛いよ~~!!お母さん!!」
「どうしたの?トゥルー!」
 フローラがトゥルーと出くわして、朝の挨拶をしようとした途端に、そのトゥルーがいかにも悲痛な叫びをあげていたので、彼女は心配になり、彼の元に近寄ってその顔を見た瞬間、両手で口を塞ぐしぐさをし
ながら、青ざめた表情で驚愕した。
「まあ・・・、こんなに頬が腫れて。」
 トゥルーの左側の頬が、誰が見てもわかるほど赤く腫れあがっていた。フローラが、口の中を見せるよう訊ねてきたので、トゥルーは痛そうにしながらも口の中を開けると、左下の奥の歯の1本が、
見事に虫歯に侵されていた。
「お母さん、どうにかならないの?この痛み!」
 トゥルーの今にも泣き出しそうな、悲痛な言葉に困惑しながらも、厳しい表情でフローラは、
「・・・トゥルー、とにかくここは、王宮内にある専門のお医者さんに診てもらいましょう?」
と言葉を返しながら、そのままトゥルーの手を引っ張り、
「え~~っ、そんな~~・・・」
と驚いては駄々をこねる彼の叫びをよそにして、一路王宮内の侍医の処へ向かった。

「うむ、この虫歯は乳歯の虫歯じゃな。いずれ入れ替わる歯ではあるが、乳歯といえども、虫歯は放置しておくと、体に悪影響を及ぼす。だからこの際、その歯を抜くことにしよう。」
 侍医の言葉に、トゥルーに付き添っていたフローラはもとより、彼の虫歯の話を聞き、心配になって駆けつけてきたネクストとセイルも、ほっと胸をなでおろした。
しかしながらトゥルーは周囲の安堵した雰囲気とは裏腹に、歯の痛みを我慢しつつ、いかにも不機嫌そうな表情で愚痴をこぼした。
「僕、やだよう。歯を抜くなんて・・・」
尚も駄々こねる態度に霹靂したのか、ネクストは、
「トゥルー、いい加減にしろ!自分の体だろう。体の悪い個所を早めに治すのは、健康に生きていく上で当然のことだ!」
と眉を歪めて叱咤し、セイルもまた呆れた顔で、
「お兄ちゃん。私、前から言おうと思ったけれど、いつも寝しなにお菓子を食べてばかりいたでしょ?自業自得だわ。」
と、両手を左右の脇腹に付けては皮肉を交えた調子で、同様に叱咤した。家族から相次いで発する厳しい言葉に、ますます嫌気が差したのか、
「ねぇ、どうして・・・、どうして僕ばかり、こんなに怒られなければいけないんだよう~~!!」


228:「虫歯」
11/05/22 09:33:56.66 MhBLZWIHO
と、トゥルーが左の歯の痛みを抑えながら、なおも涙目で訴えるように叫んだ、次の瞬間、
ピシッ・・・!!
 フローラは左手で、トゥルーの腫れてない右の頬を軽く叩いた。そして何も言わずに、程なく自分の胸にトゥルーの顔を抱き寄せた。
「お母さん・・・。」
 一瞬、何が起こったか理解出来なかったトゥルーではあったが、フローラの「愛の鞭」
といえるその行為に、それまでの駄々こねていた態度から、所謂「メダパニ」の状態から解放されたように、トゥルーは次第に冷静さを取り戻していった。
「トゥルー・・・、あなたは、このグランバニアの国の王子であるとともに、セイルと一緒に、私がお腹を痛めて生んだ、かげがえのない大切な子供なのよ。・・・この程度の虫歯くらいで泣き叫ぶなんて、
お母さん、本当に情けないですわ。もっとしっかりなさい!」
と、眉を顰め、瞳に涙を溜めながらも強い口調でトゥルーに叱咤した。そんな二人の光景を見て、ネクストとセイルも当初は呆気に取られたが、すぐさまその輪の中に入り、
家族一同トゥルーを励ました。その期待に答えるかのように、
「僕、ちゃんと虫歯を治すよ!」
とトゥルーは気を取り直して、虫歯の治療を承諾した。その王子らしい元気な返事に、フローラも安心したようで、笑顔で、
「そうよ、それでこそ王子であり、私の息子だわ。頑張って!」
と言葉を返した。同様にネクストやセイルもまた、笑顔で、
「頑張れよ、トゥルー!」
「頑張って、お兄ちゃん!」
と立て続けに激励した。

 その、トゥルーの虫歯の治療は、思ったよりもあっさりと事は運んだ。当初、侍医の麻酔の注射を打たれ、
「あ~~~・・・」
と一瞬ながらもトゥルーは悲鳴を上げたものの、その麻酔が効いてきたこともあり、トゥルーは程無く平静を取り戻した。あとは侍医の指示のままに口を目いっぱい開けて、
左側の歯に生じていた虫歯を抜いてもらった。その抜いてもらった虫歯は、いずれ永久歯に入れ替わる乳歯であったものの、かなり穴が目立つくらいに進行していた。
「よし、終わったぞ。よく頑張ったな!」
と侍医が言うと、トゥルーはようやく安堵の感に浸ったように、大きく息を吸い込んだ。しかしながら、続けざまに、
「・・・しばらくすれば、今度は大人の歯が生えてくるが、それよりもこれからは歯はちゃんと磨くように!特に寝る前は必ずだ。わかった?」


229:「虫歯」
11/05/22 09:35:39.70 MhBLZWIHO
と険しい表情で侍医が言うと、トゥルーはやや嫌そうな表情をしながらも、
「僕、これからはちゃんと歯を磨くようにする!」
と元気な口調で言葉を返した。フローラとネクストは、トゥルーのその言葉に安堵したものの、一瞬ながらも彼の、その不審な表情を見逃さなかったセイルは、
「本当~~? そう言って、夜、また寝しなにお菓子をつまみ食いをしようとしたら、その時はただじゃおかないからね!」
とにこやかながらも、釘を刺すようにけん制した。その皮肉交じりの言葉に、元来負けず嫌いのトゥルーもまた、
「何だよ!せっかく歯を抜いて、元気になったのに、そういう言い方ってないだろ!」
と切り返して、二人いつものようにじゃれ合うような感じで口喧嘩を始めた。その光景を見て侍医が、
「・・・国王の子供って、いつもあの調子なのですか?」
と聞いてきたので、ネクストはいかにも恥ずかしそうな表情で、
「あ、うん、その何というか、その・・・、元気なのが取柄で、いつもああいう調子なんだ。」
と、汗混じりに背中に手を回しながら口をすべらせた。一方、フローラはそんな賑やかな周囲をよそに、
「いつものトゥルーに戻って、よかったですわ・・・」
と思いながら、セイルとやり合う元気な姿のトゥルーを、笑顔で黙々と見守っていた。
(Fin.)



230:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/22 12:24:35.64 WOylSiisO
フローラってどうしてあんなに気持ち悪いの?

231:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/22 12:31:49.96 ND7cDavq0
フローラ可愛いよフローラ

232:井戸魔神タロウO
11/05/22 13:27:57.17 /ZMjVhai0
『世紀末リーダー伝たけし』の主人公、
夢の中だと「おなら」が「フローラ」ルな香りがするって言ってたよな?

233:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/22 15:06:30.04 Jo/u7VucO
フローラは乳首ピアスがよく似合う

234:井戸魔神タロウO
11/05/22 15:17:23.37 /ZMjVhai0
フローラは実は「ドS」だろうな・・・。

235:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/22 15:18:44.39 Jo/u7VucO
そうだったな…

いただきのセリフはすごかったもんな…

236:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/22 17:54:43.05 /IxVqcnu0
>>235
そんなセリフあったっけ?
ちょっとセリフ集見てくる

237:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/22 20:55:30.07 bVPZVORf0
ただ性格が悪いだけ

238:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/22 21:26:59.68 MhBLZWIHO
>>230->>237まで全部私の自演でしたw
失礼しました♪皆さんスルーしてくださいね…

239:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/22 21:31:16.90 Jo/u7VucO
フローラのフローラがフローラでフローラなの

240:井戸魔神タロウO
11/05/22 21:33:03.30 /ZMjVhai0
アイシールド21の「フローラ」ルシュート、マジで取りやすそうだったよな?

241:通りすがりの白戦士
11/05/22 22:16:59.54 goozE8GpO
SS乙!
フローラルビンタは効きましたのう。
フローラも結婚すると母ちゃんの強さが現れるのか。しみじみ…

242:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/22 22:26:13.74 xBckd7Al0
>>214
鳥山はフローラなんか描いてねーぞ
描いてんのは中鶴だ、ヘンリーとかと同様にな
鳥山絵なんて贅沢なもん脇役のフロ糞にはねーよ

243:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/22 22:43:13.18 MhBLZWIHO
白戦士さんも新作期待しています
>>242も別IDによる私の自演です
失礼しました
皆さん怒っちゃ嫌♪スルーしてね


244:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/22 22:58:56.89 Jo/u7VucO
フローラのフローラが見たい

245:井戸魔神タロウO
11/05/22 23:10:16.58 /ZMjVhai0
>>242
脇役に「イオナズン」「水の羽衣」「神秘の鎧」つかんだろ(笑)

246:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/22 23:12:31.17 aczjSUpjO
あいにくですが、フローラさんと財産は私がいただきますよ

247:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/22 23:22:47.91 bVPZVORf0
>>245
メインはアイテムでフローラはサブ
正直いらない

248:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/22 23:46:22.38 MhBLZWIHO
ID:/ZMjVhai0とID:bVPZVORf0も私の自演だよーーッ!!
携帯3つとPC2台有れば複数IDで
一人で1000まで自演可能なんだ♪
さあ‥どこまでスルー出来るかなぁあ‥
うふふふふ


249:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/22 23:54:00.69 Jo/u7VucO
>>248

つまり、あなたの言うことをを要約すると「俺、最近チンチンにぶつぶつができてきたんだけど、どうしたらいいでしょうパパスさん」って意味だな

250:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/22 23:56:34.87 kCZYQObW0
>>247
いい加減にしとけ
腹癒せもほどほどにな


251:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/23 00:29:21.99 mSgEX6erO
あいにくですが、フローラさんと天空の盾と、固定資産は私がいただきますよ。

252:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/23 00:54:32.04 3AQDZ3ms0
フローラの陰毛がV字にカットされてたらどうする?

253:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/23 01:12:14.65 hD3IDSJT0
主人公ネクストのSSってどこかで見たことがあるな

254:井戸番長K
11/05/23 06:04:59.85 ZWDzYn2L0
>>253
「ネクスト」といえば「ヒューイ」だろ(ア○ムズ)

255:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/23 11:56:38.37 XR/c1G5W0
フローラが野糞してひり出した糞が真っ白なドレスにべっちょり
くっせえくっせえwww腐った死体も顔をしかめる有様

256:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/23 19:21:31.32 KkiE3HkIO
皆さん荒らしはスルーですよ!

257:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/24 07:28:36.06 bzYPKqnaO
フローラのお尻を200時間くらい撫でていたい

258:井戸番長K
11/05/24 18:57:10.76 eNJoqGY60
‐''三ヾ´彡シ,=`丶、
     /'".:=≡ミ_≧_尨彡三:ヽ、
    //.:;:彡:f'"´‐------ ``'r=:l
    /〃彡_彡′,.=、 ̄ ̄ ,.=、 |ミ:〉
   'y=、、:f´===tr==、.___,. ==、._ゞ{
   {´yヘl'′   |   /⌒l′  |`Y}
   ゙、ゝ)       `''''ツ_  _;`ー‐'゙:::::l{   < あきらめたら
.    ヽ.__     ,ィnmmm、   .:::|!     そこで試合終了ですよ・・・・
  ,.ィ'´ト.´     ´`"`"`゙″ .::::;'
イ´::ノ|::::l \         "'   :::/
::::::::::::|:::::l   ヽ、      ..::  .:::/.、
:::::: ::: |:::::ヽ    ヽ、.......::::/..:::/!\\
::::::::::: |::::::::ヽ    ``''‐--ァt''′ |!:::ヽ:::\



>>212フローラと結婚するためには「断固たる意思」が不可欠なんだ!




259:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/24 20:44:59.42 FyjEJul0O
>>258
初プレイの時から速攻であっさりフローラと結婚しましたが何か?

260:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/25 07:42:50.12 x2SJkYqZO
白戦士さん申し訳ない。
自分と同一人物にされてるようですね。
自分はフロ派で向こうのスレはフロ派をアンチ認定する人が居るし、関係の無いスレをいたずらに揉めさせるのも
理不尽に叩かれるのも嫌なので向こうには書き込みしません。
萌えが細分化している現代、ss職人は叩かれることは一種の宿命。
めげずに出筆活動頑張ってください。



261:通りすがりの白戦士
11/05/26 02:15:08.67 TxM4iEM2O
有難う。正にその通りだね。後に続く人達の為にも頑張るよ。
ネクストさん(便宜上そう呼ばせて頂きます)も良い作品を書き続けられるように祈るよ。

262:夕べの祈り
11/05/27 20:21:29.61 TtyUfRDWO
ああ。
アンディ。本当にごめんなさい。
私のために、大怪我を負わせてしまって・・・・・・。
ひどい、痛々しい、やけどの跡・・・。
きっと、一生、あなたの体に残ってしまうわ。
でもね。
私は、あなたのそのひどい傷跡を見ても、思わず目を覆いたくなるようなやけどの跡を見ても、 ちっとも怖いなんて思わないの。
だって、その傷は、私のために命を賭けて、負ってしまった怪我だもの。
その傷は、あなたの勇気の証。
私のことを想ってくれた、素敵な証拠だと思うのよ。
あなたが、私のことを好きだと言ってくれた時。
私のために、炎の洞窟へ行くのだと、言ってくれた時。
私、本当は、とても嬉しかったの。
だけど、私のために、危険なことをするのは、どうしてもやめて欲しくて。
あなたを失ってしまうかも知れないということが、本当に怖くて。
必死で、あなたを止めようとした。
でも、あなたは行ってしまった。
いってくるよと、眩しい、一点の曇りのない笑顔を残して・・・・・・。
こんなことになるのなら。
あの時、どんなことをしてでも、あなたを行かせなければよかった。
ああ、だけど。
それなのに。
私は、あなたが命を賭けてまで、私を求めてくれたことが、どうしても、どうしようもなく、 嬉しく思ってしまうの。
なんて、ひどい女。
恐ろしい女。
なんて、浅はかな女。
私は、こんな自分が、どうしようもなく、嫌になる。
でも、アンディ。
あなたは、こんな私を、好きだと言ってくれるのね・・・・・・。
あなたは、昔から、私のたった一人の友達だった。
子供の頃から、あなたは本当に、見ててもどかしくなるくらいに、気が弱くて、不器用で。
だけど、とっても心優しい、まっすぐな心を持った人だった。
子供の頃、私は家の外にあまり出してもらえなくて、街の子供たちとは全然なじめなかった。
だけど、勇気を出して、何度か外に、黙って一人で遊びに行った。
そんな時、やはり一人ぼっちだったあなたと私は、出会って、すぐに、友達になった。
あなたは、気さくで、とっても優しくて。
私は、あなたみたいな友達ができたことが、本当に嬉しかったの。
私は、その後、修道院に預けられてしまったけれど。
私は、あなたのこと、一度も忘れたことなんてなかったわ。
リリアンと出会った時も、本当は「アンディ」って名前をつけようとしたのよ。
でも、女の子だったから、二文字だけ、あなたの名前をもらった。


263:夕べの祈り
11/05/27 20:23:16.52 TtyUfRDWO
だから、リリアンとも、素敵なお友達になれた。
私はあなたのおかげだと思っているのよ。
アンディ・・・。
ごめんなさい。
あなたは、私のせいで、一生消えない傷を、負ってしまっているのに。
私は、あなたのそばには、いられないかもしれない・・・。
勇敢な、不思議なあの方は、明日、心を決められる。
見たこともないほど美しい、けれど強くまっすぐな心を持っている、幼なじみのビアンカさん を選ばれるのか。
それとも、こんな私を、もらって下さるのか・・・・・・。
だけど。
すべては、神様のお決めになること。
あの方の妻になることが、私の運命ならば、私は、受け入れるしかない。
それとも、幼なじみのあの方と結ばれることが、あの方の運命なのかもしれない。
私にはわからない。
すべては、明日にならなければ、わからないこと。
神様の、お決めになること。
だから、私は、天命を待ちます。
神様の御心に、従います。
アンディ・・・。
でもね。
もしも、私が、あなたのそばにいられなくなったとしても。
私は、一生、あなたのことを忘れない。
あなたの勇気を。
あなたが、命を賭けてまで、こんな私のことを想ってくれたこと・・・。
ああ。神様。
すべての人が、幸せでありますように・・・。
あなた様の御心に。
私はきっと、従います。
(終)


264:通りすがりの白戦士
11/05/27 23:04:42.25 IPevoShsO
SSGJ!
ネクストさん(便宜上の呼称)?
他の方かな?

小説の様に強い意志のフローラが好きだが、受け身のフローラもなかなか良いですなあ。

265:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/28 00:56:24.26 BlgV3x+c0
もしかしてつよしんさんかい?

266:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/28 03:01:24.17 9iLjVihWO
フローラ…ラブリー

267:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/28 05:40:29.58 QFlxrk/EO
フローラは一輪の白い薔薇…モノローグ風はも良いを~(≧∇≦)

268:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/29 19:12:01.28 +915zo+sO
フローラと言えば白薔薇‥白薔薇のうんちく

白いバラの花言葉は、「心からの尊敬」「無邪気」「純潔」「私はあなたにふさわしい」
また、蕾は「処女の心」、枯れたバラは「生涯を誓う」、小輪の白いバラ は「恋をするには若すぎる」と言われる。


269:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/29 22:00:17.97 VK3tb/CpO
白戦士さんいつも読んでます!ふつうならいやらしくなるところが全然不潔じゃなくて逆に神々しささえ感じられる、そんな聖女みたいなフローラが大好きです。
ネクストさんも好きです!トゥルーっていい名前ですね。あっちのスレの人のことなんか気にするな!ビアヲタなんて5の物語の本質も見抜けないひとばっかり。

フローラかわいいよ!
山奥の黄色い山猿や義理の姉なんかに負けないで!


270:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/29 22:03:53.28 VK3tb/CpO
>>263さんも素敵な小説ありがとう!
全てを神様に委ねるフローラの本当の願いと真実の愛はきっと神様に届きますよ~
アンディには悪いけどネw


271:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/30 01:09:41.10 LW+MT6tRO
>>269
向こうのスレの悪口はやめとけ!
また、スレが荒れるぞ!
お前が揉めた場合の責任を取れ無いだろうwこちらはこちらでフローラ萌えだけ語っていれば良い。向こうは向こうだ!


272:通りすがりの白戦士
11/05/30 01:21:13.75 li1wT84NO
>>271同感。
>>269悪いのはビアンカでなくて、同好の士を排除しようとする一部の悪意ある住民なのだよ。そこは理解して頂きたい。
でも、応援してくれて有り難う。


273:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/30 01:29:35.50 cK6dzHcw0
>>272
>同好の士を排除しようとする一部の悪意ある住民
……あー、あんたそう思ってたわけね
これでますますあんた嫌われるだろうな

274:通りすがりの白戦士
11/05/30 02:08:18.27 li1wT84NO
>>272
今まで厳しい可愛がりだと我慢して一生懸命信じてた自分が情けなくなった。

もう、パーフェクトもハーモニーもないんだよ。

ビアンカ本スレに帰って伝えといてね。きっと、良い報せになるよ。
今ではアンチ白戦士一色(ファンも消えたか追い出されたか)みたいだし、これで益々結び付きが強くなるね。

275:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/30 02:12:42.23 LW+MT6tRO
フローラ萌えの話題以外はNO-Thank you
特に嬢の書き込みは大迷惑

276:通りすがりの白戦士
11/05/30 02:24:27.84 li1wT84NO
>>275
愚痴ってすまない。 そうだね。
今はビアンカSSのリメイクでリハビリしてるけど、元気になったらフローラSSもまた投稿したいですね。
ところで嬢とは何者ですか?

277:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/30 05:47:04.96 LW+MT6tRO
>>276
嬢とはアンチ他の嫁キャラ(主にビア)を叩きまくり他の嫁スレで「フロヲタが…」という今の流れの元凶を創った人物。一説によると同人上がりの腐れ女子。

詳しいことは他スレで質問するか過去ログでもググッてくれ
後せっかく来たんだからssか小ネタ一本置いてってよ…

278:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/30 06:29:37.24 mRUtrQDS0
嬢はマジキチだし死んで欲しいが
他所のスレでフローラ信者がウザがられるのは嬢のせいというのとも少し違う

279:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/30 06:39:39.58 c06D3zLOO
まあ白戦士も嬢の自演と思っとけば間違いなさそうだな

280:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/30 06:47:17.67 LW+MT6tRO
>>278-279
こちらに八つ当たりをするのは止めてもらいたい…

281:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/30 07:11:51.88 fxqlgvwd0
ドラクエ5関連のスレでフローラ信者がウザがられてたのは
嬢が湧くよりずっと前からだ
嬢をスケープゴートにするのは止めてもらいたい…

だが嬢は嬢で死ね。

282:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/30 08:06:58.85 LW+MT6tRO
>>281
今現在のアンタも十分ウザイよ苦w
一部嫁スレが何時までも揉めて泥沼なのはあんたらの過剰なレッテル貼りやリベンジレスも一翼を担ってるのだし、自分達もウザがられてるのも認識して欲しいものだ
まあ、何年も議論されていることだし何を言っても水掛論なことは認識してるのだが…
とにかく不毛な水掛論は疲れるので今日はもうレスしないが、愚痴って気が済んだら、とっとと帰ってくれよ
その前にそっちの良識派が止めてくれたらありがたいが…



283:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/30 08:12:51.90 HeJ/zB3L0
このスレには良識派と呼べる住人がいないしな
ID:LW+MT6tROみたいな勘違い低脳サイコパスが比較的マシという体たらく

というわけでクズさらしあげ

284:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/30 08:25:52.44 HeJ/zB3L0
っていうかID:LW+MT6tROは自分を良識的な住人だと思ってそうなのが笑える

傍から見れば典型的ななすりつけ工作に必死な醜悪信者なのにw

285:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/30 13:16:16.19 VQqa8JaD0
後先考えず今日はもうレスしない宣言したID:LW+MT6tROさんが
悔しさをこらえられきれずにビアンカスレへバレバレの工作に向かった模様。

さあ次はどんな頭悪い行動で我々を笑かしてくれるのでしょうかw

286:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/30 13:46:33.16 0Nx7zl5T0
・改行しくじってる
・文末に無駄な空行
・収めるような文体に見えて余裕で煽ってる

そんなんだからバカにされるんじゃないのかID:LW+MT6tRO

287:通りすがりの白戦士
11/05/30 14:21:18.34 li1wT84NO
>>277
有難う。嬢というより偽善的ヒーローの感じがする。結局、嬢を叩いてる連中も間接的に手伝ってる気がするよ。

ネタはまだね…。すまんが、書きかけのSSで勘弁してね。

~父の選択1~

「ほら、あなた、いい加減しっかりして下さいな。」
「ああ…。」
妻のシャルロットとデボラに抱えられたルドマンは未だ足取り重く、何とか居間のソファに座った。

ルドマンは思い出していた。いや、ルドマンの意志とは関係なく、先程の出来事が彼の脳裏を駆け巡った。

溺愛した娘が自分が認めていない男と交わっていた。
その光景は美しくも神々しい…。
それ故に嫉妬もした。
フローラはルドマンが彼女を娘でなく1人の女性として愛しているのを知っていた。
それにも関わらず、彼女は非難しなかったのだ。
だから、今回の花嫁選びで娘を追い詰めた事は本当に済まない事をしたとは思った。


「いい加減もう諦めて、さっさとママを抱いてあげれば?
してないんだろ、何年も?」
「デボラ…!!」
ルドマンはデボラに掴みかかった。しかし、彼女は身じろぎもしない。
むしろ、憐れんだ目で父を見ている。
ルドマンはデボラの頬を叩こうとしたが、出来なかった。
「…そんな目でワシを見るな…。」
ルドマンは再びソファに腰掛けた。
「フン。」
「あなた…。デボラも言い過ぎよ。お父様に謝りなさい。」シャルロットは2人の間に入り、なだめる。
「はいはい。悪かったわよ。」
デボラは渋々謝った。しかし、心中の大半はそうではない。

「皆様!フローラ様が、お戻りになられました!」
メイドが居間に入り、知らせてきた。
「やっと帰ってきたのね。さ、いつも通りに迎えてあげましょう。」
シャルロットはメイドに飲み物と軽食を用意する様に頼んだ。
「ああ。あたし達は何も見てない。」
デボラは横目でルドマンを見た。
だが、ルドマンはしばらく沈黙した後、 メイドを呼んだ。
「アンディ君も呼んでくれたまえ。」

「今晩は。ルドマンさん。
急ぎのお話とお聞きしましたが、こんな夜更けに、どの様な事でしょうか…?」
居間にはフローラを含め、ルドマン一家が揃っている。
アンディは緊張を隠すのが精一杯だった。「」

288:「新しい命」
11/05/31 05:38:50.11 g1LVT6v8O
 白戦士さん乙彼様。続きを期待する。

 ※最初に

 当たり前だがフローラ派は個人によって考え方が違う。当然ビアンカ派も然りだ。 
 諸悪の根元は叩き荒らす“個人”とそれに反応する“個人”である。派ではないということだ。 
 それを忘れては成らないと思う。

 ここは名産品博物館、ネクストとフローラ、そしてトゥルーとセイルのグランバニア王家は、ネクストが館主としての視察の為、たまの休日を利用して家族そろってお忍びでこの博物館に訪れていた。
 この日は世間も休日という事もあり、館内には各地域から訪れる大勢の観光客でごった返しており、最上階にある今は亡きパパスの形見でもあったロケットを初め、
まだネクストとフローラが新婚の時に、オラクルベリーにて購入した際にフローラが大いに喜んでいたオラクル屋ののれんなど、展示物の至るところには人だかりが出来ていた。
「ねえ、あなた。今日は何だか蒸し暑いですわね。こんなにも人だかりが出来るなんて思いませんでしたわ。」
「そうだな。僕たち家族がこれらの展示物を集め始めたときには、全然思いもしなかった程繁盛してるな。館長として感無量だ・・・」
「お父さん、お母さん、僕腹が減ったよ!そろそろ食事しようよ!」
「お兄ちゃん、さっき食べたばかりでしょ!もう、食いしん坊なんだから。」
 ネクストを初め家族一同はこのような感じで会話しつつ、蒸し暑い人ごみの中、館内に異常の有無あるいは展示物の状態の確認をゆっくりと進めていった。
 幸いここを訪れる客はマナーが良いのか、展示品はどれも状態が良く、またごみ屑なども所定の場所に捨てるので、家族一同は安堵の間に浸っていた。
 中でもフローラは例ののれんを相当気にしていたようで、その状態を確認したときは、
「ああ、私ののれん・・・、本当に無事でいてくれてよかったですわ!嬉しい!」
 と目を潤せながら喜んでいた。
 その時である。
「ああ~・・・!!!」
 突如、奥の方から、若い女性の悲鳴にも近いうめき声がネクスト達の耳に入ってきた。館主、もしくはグランバニア王家としての責任感から、すかさずネクスト一行は
人ごみの中を掻き分けながら一路その声の方角へ向かうと、そこにはひとりの女性がその夫と思われる隣の男性にしがみつきながら、大きい腹を押さえて苦しそうにしゃがんでいた。
「うっ・・・、生まれる~・・・!!!」


289:「新しい命」
11/05/31 05:40:28.78 g1LVT6v8O
 と必死な顔つきで苦痛に耐えながらその女性が叫んでいたが、野次馬の如く集まっていた周囲の人たちは困惑したままただ呆然としていた。
 修道院での修行の際に助産婦としての経験を持ち、かつ自分もトゥルーやセイルを出産した時の苦しみを味わっているフローラは、そんな呆然とした周囲の雰囲気に耐えかねて、
突如その女性の元に来て、彼女の容態を確かめたのち、いかにも悲痛な表情で、
「これはいけませんわ!早く彼女を助けないと!!」
 とネクストにそう叫んだ。ネクストやトゥルー・セイルも突如起こった出来事に最初は困惑した表情を浮かべていたが、フローラのその叫びを聞いて、
「そ、そうだな、これは一大事だ!早く彼女を助けなければ!」
 と動揺しながらもフローラとともにその陣痛に苦しむ彼女の肩を抱えて、ゆっくりとその場から立ち上がった。
「皆さん、どうか道を空けてください!これは緊急事態なんです!どうか、ご協力をお願いします!!」
 とネクストが周囲に向かって険しい表情で叫ぶと、さすがに何事と集まっていた周囲の野次馬の面々も、ネクスト達の進む方向に道を空けて、ただ黙々と彼らの姿を静かに見守っていた。
 ネクストとフローラに抱えられた若い妊婦のすぐ後ろからトゥルーやセイル、そして、
「お願いです!どうかわが妻と、わが子供を助けて下さい!」
 と涙をすすりながら付き添うその夫が続き、受付のある方向へ一路向かった。足元には破水と思われる体液が、ぽとぽととしたたり落ちていた。
 受付カウンターの奥にある控え室にネクストとフローラは、今にも生まれそうで苦痛に耐えている妊婦とその夫を入れ、室内備え付けのベッドに彼女をゆっくりと寝かせた。
 当初激痛のあまり、彼女は顔が青ざめてかなり危険な状態に陥っていたが、横になったことで少しばかり容態は安定し、その表情もいくらか穏やかになっていた。
 フローラは少しほっとしながらも、なおも厳しい表情でネクストに、
「あなた、間もなく生まれる赤ちゃんのために、急いでお湯を用意してください!」
 と急かすように告げると、トゥルーやセイルにも、
「お母さん、今忙しいですから隅の机の上で先に昼ごはん、大人しく食べていなさい。」

 と和やかに告げて、妊婦の助産に向き合った。その懸命な母親の背中を隅っこから見ていたトゥルーは、
「お母さん、いつになく落ち着かないけど、大丈夫かなあ・・・」


290:「新しい命」
11/05/31 05:42:54.01 g1LVT6v8O
 と、当初家族一同で食べる予定であった弁当をお茶を口に含みながら心配そうに見つめていた。一方、セイルは、
「大丈夫よ。お母さんは、ここという時はいつもあのような険しい表情で対処しているんですもの。」
 と対照的に余裕のある笑みを浮かべて、トゥルーにそう返答した。
 
 そうこうしているうちに、ネクストが洗面所からそこに備え付けのブリキのバケツに組んできた水を、彼女の容態を心配して受付の周りに集まっていた野次馬を掻き分けながら持ってきた。
 ネクストはそれを室内備え付けの暖炉の火にかけ、水が温まったのを確認してからフローラの傍に置いた。
「ありがとう、あなた。これでいつでも生まれたての赤ちゃんをお湯に浸すことができますわ。」
 とネクストに対してようやく安堵の表情を浮かべた瞬間、妊婦が、
「ああ~~っ・・・!!」
 と再び苦痛を訴えた。いよいよお産が始まるようである。フローラやネクストと共に傍についていた夫が、
「ああ、イザベラ・・・、しっかりしろ~!」
 と今にも泣き出しそうな表情で妻の名前を呼びながら手に取ろうとした。その時である、
「旦那様、後は全て責任を取りますので、ここは私にお任せください。」
 と一言告げると、すかさずフローラはイザベラの手を取って、
「イザベラ様、ゆっくりと深呼吸をしてください・・・。」
 と落ち着いた表情で彼女を誘導した。陣痛で汗だくになっていたイザベラも笑みを浮かべながら、
「はい・・・」



291:「新しい命」
11/05/31 05:45:33.96 g1LVT6v8O
 と小さく一言交わすと、ゆっくりと深呼吸を初め、それを幾度となく繰り返した。ドアの外では、
「わしらも、何もすることが出来ないとはいえ、無事赤子の出産を祈っているぞ!頑張れ~!!」
 と年配と思われる来客のひとりが絶叫すると、周りの方々も、
「頑張れ!頑張れ!」
 と一斉にシュプレヒコールを繰り返した。その、一丸となった声援を扉越しに聞いたフローラやネクスト、そして隅で食事を続けながら同様に聞いていた子供たちは、
勇気付けられた思いから笑みを浮かべつつ、イザベラの夫と共にひたすらと彼女の出産の瞬間を見届けた。そして・・・、
 ・・・オギャ~、オギャ~・・・
 と無事、イザベラの体内から赤ちゃんが生まれた。フローラは事前に用意していた鋏でへその緒を切ると、すかさず用意していたぬるま湯にその新しい命である、
イザベラの子供をゆっくりと浸し、しばらくしてからタオルを巻いた。
「よく頑張りましたわね。元気な女の子の赤ちゃんですよ・・・。」
 とフローラが微笑みながら彼女に告げると、イザベラも涙を浮かべながら、
「ありがとう・・・。これもここにいる皆様のおかげですわ・・・。」
 と言葉を交わし、その生まれて間もない自分の子供をゆっくりと抱きしめた。外では万歳三唱のコールも起こっていた。
「本当にありがとうございます!あなたたちは私の妻と子供の命の恩人です!心から感謝しています!あ、言い忘れてました。
 私、夫のマルコと申します。確か、フローラさんと申していましたね?どうかこの子供の名付け親になってあげてください!」
 と喜びと涙ひとしおでフローラにそう告げ、イザベラもまたベッドの上から、
「・・・私からも、どうかよろしくお願い申し上げます。」
 と赤子を抱きながら申すと、フローラもまた、
「わかりました。それでは・・・、私の名前を少し変えてみた、フルールという名前をお付けいたしましょう。よろしいでしょうか?」
 と、にこやかにマルコ・イザベラ夫妻に対してそう申すと、
「本当によろしいのですか?」
 と夫マルコが一言確認したが、当のフローラは笑顔のまま、
「はい。心から喜んで。」
 の一言をさりげなく告げた。
「ありがとうございます!よっしゃ、この子はフルールと、今日から名乗るぞ!」
 とマルコがそう叫ぶと、先程までの状態を脱して、少し元気を取り戻したイザベラもまた、


292:「新しい命」
11/05/31 05:47:43.12 g1LVT6v8O
「私の可愛い娘よ、今日からフルールと呼ぶわよ。フルール、元気にすくすくと育ってね。」
 と親馬鹿な調子で新生児の娘を上に挙げながら言った。一方、それを聞いたネクストとトゥルー・セイルは驚愕し、トゥルーは、
「え~っ?お母さんの名前をちょっと変えただけなの?まぎわらしいよ~!」
 と特に驚愕した様子でそう尋ねたが、当のフローラは、
「私と同じような名前がこの世にふたりいても、おかしくないと思いますのよ。」
 と平然に返すと、それまでの疲れがどっと出たのか、ネクストに、
「ねぇ、あなた。私、ちょっと疲れましたから、少しばかり休んでもよろしいかしら?」
 と今にも眠たそうな顔をして聞いてきたので、ネクストも、
「そうだな。たまの休日なのに、フローラにはこんなきつい思いをさせてしまい本当に申し訳なかった。僕の肩で休んでいいよ。」
 と言葉を返すと、
 「まあ、あなたったら。うふふ・・・。」
 と言って、そのままネクストの右肩にもたれてそのまま寝付いた。その様子を見たマルコは改まって、
「あなたの妻には、本当に心から感謝しております。失礼とは存じますが、あなた方のお名前もお聞きしてよろしいでしょうか?」
 と尋ねてきたので、ネクストはもとより、子供たちも寄り添って、
「私、フローラの妻で、ここの博物館の館長でもある、ネクストと申します。」
 とネクストが淡々と会釈をしながら名乗った。ネクストはここではグランバニア国王という肩書きを一切使ず、あくまで名産品博物館館長としての自分を貫いているのである。
「僕はトゥルーと言うんだよ。」
「私、セイルと申します。」
 と子供たちも続けざまに会釈しながら笑顔で名乗り申すと、マルコは、
「・・・本当に元気で、行儀の良い子供を持った立派な父親であり、光栄に思います。私もあなたのような立派な父親にならないといけないと思います。」
 と申し訳なさそうな口調でネクストに頭を下げた。ネクストは寄り添って寝ていたフローラの頭を右肩にもたげながら、
「大丈夫、心配しなくてもあなたはきっと、立派な父親になれますよ。」
 と笑顔で返し、父親になったばかりのマルコの背中を左手で軽く叩いて、母子の眠るベッドの方を見つめた。
 どれくらい時間が経ったのか、博物館は閉館の時間を迎え、出産の行方を心配そうにしていた方々も含めて見物客は順次博物館から引き上げていったが、ネクスト一家


293:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/31 18:28:34.99 XwZZvdqNO
SSいらないんだけど喜んでる人もいるのな‥意外や意外

294:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/31 19:39:33.48 +ogdrBTg0
おれもいらないと思っているが喜ぶ人もいるみたいだな

295:「新しい命」
11/05/31 20:37:46.59 g1LVT6v8O
 とマルコ・イザベラそして誕生したばかりのフルールの一家は、当然ながらそこから引き上げることも出来ず、閉館後も館内の受付控え室の中に残っていた。
 机の上で毛布を掛けて寝ていたフローラのを傍につきながら、
「今日はここで一泊するぞ。トゥルーとセイルには申し訳ないが、親子同士、今日いっぱい交代でこの家族の面倒を見よう!」
 とネクストが子供たちにそう告げると、子供たちも、
「しょうがないなあ・・・。」
 と言いたげの諦めた表情で、部屋に備え付けのタンスの引き出しから毛布を取り出して家族一同この部屋に一泊することになった。そして家族で交代で仮眠と、
受付のカウンターの売れ残っていた弁当と飲料を自腹を切ってまでも調達して食事をしながら、その家族の面倒を一晩中見ていた。
 そんな状況の中、セイルはフローラが名付けたフルールという名前の女の子に興味を抱き、その可愛い寝顔を遅くまで見入っていた。
 その様子を、机での眠りから目覚めて静かにセイルの元に来たフローラが、
「セイル、夜更かしは体を壊しますから、もうお休みなさい?後は私が面倒を見ますから。」
 と優しく告げると、セイルは、
「ねえお母さん、私が生まれたときは、私もこんな感じの赤ちゃんだったの?」
 と興味津々に尋ねてきた。そんなセイルに対してフローラはすかさず、
「そうよ。トゥルーもそうであったけど、こんなにも可愛い赤ちゃんだったのよ。」
 と答えると、セイルは、
「私、本当にお母さんの子供であってよかった・・・ありがとう。お母さん、大好き!」
 と本当に心底から嬉しそうな表情で思いのまま口にし、
「それではお休みなさい。お母さん!」
 とフローラの頬に口付けて、トゥルーの休んでいる布団の中に戻っては、そのトゥルーにしがみつくようにして寝付いた。フローラは笑顔で、
「お休みなさい。」
 とセイルに一言告げて、そのまま引き継ぐ形でイザベラとフルールの面倒を夜明けまで見ていた。
 ふたりが寝ているそのベッドを跨いで反対側の席には、ネクストと、父親となったマルコが、先程までのフローラと同様に疲れた様子そのままに、夜明けまでお互いうとうととしていた。
 翌朝、ネクストとマルコの両一家は、前日事前に手配していたマルコ一家を送る馬車の待ち合わせのため、霧がかかっている名産間博物館の玄関前に出ていた。


296:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/31 20:46:34.00 g1LVT6v8O
 出産後充分休養を取り、何とか歩けるまでに体力を快復したイザベラが、フルールと名づけたその子供を胸に抱きながら、
「昨日は本当にお世話になりました。フローラさんを初め、あなたたちのことは、決して一生忘れません!私たち、このフルールを、必ず元気で立派な女の子に育てます!」
 と涙目で深くお辞儀をしながらネクスト一家に、夫マルコと共に別れの挨拶を告げ、港行きの迎えの馬車に搭乗して、彼らの元を離れていった。
 フローラは遠ざかる馬車を見ながら、
「ねぇ、私ももう一人、子供が欲しくなりましたわ。今夜からまた、あなたの部屋で寝泊りしてもよろしいかしら?」
 と笑顔で大胆なことを聞いてきたので、ネクストは傍に子供たちがいるのを気に留めながらも、
「そうだな。僕も一生懸命、頑張るよ。」
 と照れつつも率直に言葉を返した。その言葉にすかさずフローラは、
「うれしゅうございますわ!(ぽっ)」
 と笑みを浮かべてネクストの右腕に抱きつき、そのまま離さずに寄り添ったが、その風景を終始見ていた子供たちは暫く呆然としたのち、とうとうセイルが、
「お父さん、お母さん、子供がいる前で朝から何の会話をしているのよ?もう、恥ずかしい!」
 と機嫌を損ねながら二人の間に割り込んだ。トゥルーもその大胆な光景にただただ顔を赤らめながら、無言ですかさずその輪の中に入り、一家はセイルが唱えた瞬間移動呪文(ルーラ)で、
一路グランバニア城へ帰って行った。
(Fin.)
 (^_^;)途中で連投規制に引っかかってしまった。

297:通りすがりの白戦士
11/05/31 23:31:37.56 CKxcqRlvO
GJ!
名付けの場面でネクストがトンヌラと言わなくて一安心。
夫婦別室で寝てるんだね…。
いいのか若いのに!?
ネクスト(便宜上の呼称)さんは大丈夫だと思うけど、嬢(?)の下僕だかファンネルみたいな人達の嫌がらせに負けないで頑張って書き続けて下さい。


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