11/04/11 17:05:11.29 idDyZhhyO
ホホホッ
102:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/04/13 00:24:13.10 7xYOc36OO
>>101
性別不明のゲマさん?
103:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/04/13 01:22:07.09 WwVTXRvCO
>>102
ゲマは女だと思う
104:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/04/13 21:34:16.31 wKPZFEbY0
男だよ!
105:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/04/14 06:40:45.40 L0nlek+3O
ゲマはニューハーフ♪
106:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/04/14 17:23:36.14 p/WZExVXO
>>104-105
ゲマは女だと思う
107:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/04/14 21:46:26.21 Ln02COOp0
オカマだよ
108:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/04/15 03:52:57.82 b4gMJ7V8O
>>107
ゲマは女だと思う。
109:「海の夜景」
11/04/15 20:04:41.59 aO8wWqzjO
My 設定:(主人公)ネクスト、(息子)トゥルー、(娘)セイルで名前を設定しています。
大魔王を討伐し、世界平和が戻ってしばらく月日の流れたとある日の夜、二人はビスタの港にて肩を寄せ合いながら海に浮かぶ月を眺めていた…。
「あなた…、いいんですか? 子供達を城に残してここに来るなんて…」
フローラが不安気にそう尋ねると、
「いいじゃないか、フローラ。今日は二人がここで初めて出会った日なんだ。あの時、君とのここでの出会いがなければ、今の僕達はなかったのだから…」
とネクスト、それもそのはず、彼はちょうどこの日がフローラと初めて出会った記念の日として、しっかりと憶えていたのである。
思えば、ネクストもフローラもここまでの道のりは決して平坦ではなかった。むしろもう一度この場所にたどりつけるなど、夢にも思わなかったに違いない。
幾多の挫折・試練・そして悲しみを乗り越えてようやく手に入れた世界平和。その日が来たら、また二人っきりでここに訪れようと彼は密かにフローラと約束をしていた。
そしてこの日が、初めて出会って20数年目の記念日。彼はフローラを王妃室から呼び出して、そのまま瞬間移動呪文(ルーラ)を使ってこの場所に来たのである。
「まぁ、あなたったら…、本当にお上手なんだから…」
フローラは顔を赤らめながらも、はにかむ感じでそう答えた。
「フローラ…」
「え…?」
「覚えているかい? あの日のこと…」
「あの日って…、まさか…」
「そう。フローラが足元を恐れるあまり、船に一人で乗れなくて、父さんに抱えられて乗せてもらったこと…」
「もう、あなたったら! そんなことまで覚えているの? 本当に意地悪ね!」
「…でも、あの時の、君のあどけなくも、そのかわいい仕草が、どうしても忘れられなくて…。
もしいつか君に再会する機会があれば、その時こそ告白するつもりでいたんだ。皮肉にも、それはサラボナでだったんだけど…。でも、君にそこで再会して、本当に綺麗になったと思った。
そしてあの運命の日に、それまでの想いを全て出すつもりで君を選んだんだ!本当なんだ!」
ネクストは高揚しながらも想いのままに、フローラにそう告白した。
「あなた…、何も興奮してまで言わなくても…。でも…、本当にうれしいですわ…。あなたの…、その一途な気持ち…。ありがとう…、あなた…、私にとっても本当にうれしい記念日です…」
110:「海の夜景」
11/04/15 20:07:16.46 aO8wWqzjO
フローラは更に顔を紅潮し、目に涙を溜めながら言った。そして、
「フローラ…」
「あなた…」
二人が顔を近づけ、そっと唇を重ねようとした、その瞬間!
「お父さん!お母さん! 僕たちを置いてけぼりにするなんてひどいや!」
トゥルーがそう言うと、
「私とお兄ちゃんでお父さんとお母さんの行きそうな場所を瞬間移動呪文(ルーラ)で探してたのよ!もう、ここに行くんだったら内緒にせずに一言伝えてほしかったわ!」
セイルが呆れた口調で続けて言った。
ネクストは驚愕しながらも土下座して、
「すまん、すまん!本当に申し訳ない・・・!」
と謝った。一方、フローラは
「…トゥルー、セイル。…本当にごめんなさいね。でも、今日はお父さんとの特別の約束をしていた日だったの。それだけはわかってあげて。…せっかくだから、ここで一緒に夜の海を眺めていきましょう?」
その言葉に、当初渋い顔をしていたトゥルーとセイルも、やがて気を取り直し、
「あっ!今流れ星が飛んで行ったよ!(トゥルー)」
「ねえねえ、足元に見たことのない魚が泳いでいるよ。(セイル)」
といった具合で、二人の膝に座り込んで海の夜景を楽しんだ。
「あなた、来年のこの日もここに来ましょう? 今度は家族みんなで…」
セイルを抱えたフローラーを抱えたネクストは、
「ああ…、そうするか…」
と穏やかに返答した。
が、もちろん心中は穏やかではなかった。
『もう…、新婚の頃の気分には戻れないのか…。実年齢だけはあの頃とあまり変わらないのに…。はぁ~…』
いつのまにか月は夜空の頂点に達し、その光とともに、穏やかな夜の海面に目いっぱい鮮やかに映し出されていた。
Fin.
111:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/04/17 09:44:15.63 tCuzbanIO
そう言えば青髪のヒロインって
ドラクエではフローラたんとターニアたんだけ?
112:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/04/17 18:18:33.42 DRUu4ByY0
私たち 極悪非道のDQ青髪セプテット
ネタはありませんけれど >>1さんお疲れ様ですわ!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ___
. sage __r;===、 __ _ + + 〃ソ ハ +
| || † || . /゙, ‐.r ミヽ ,.-v-, _ _ + ノ__. /ヽ、 _ /i !ニニ0ニ)
. + |rァツ勹サ) + l. ! /)`ヾ ! ./;:ヘ⌒,ヽ + /´ ____ヽ. .'´ ヽ 〈 ≧≦.ノ .ノノリ^ヮ゚ノ! +
ノl!(l|゚ -゚ノ! くゝl |^ヮ゚ノl|b.!/,ゾノ))ヾ〉. jィtfj゙l! l!lij ノタ~ヾリ、ハ ヾ.,イノ~))リ (ソリ('つ'')⊃
ノノと( †とiリ Zメ/リ=x=)リ' .i゙i∩^ヮ゚ノ!..(ソ{l_|.^ヮ^ノl! 从^ヮ^∩リ / ノ.’ヮ^ノ! んく/__!ゝ
. + ""` |┃||.} (((ヽ!__f_〈 + l_!ヾ)`と) ∩f:x:i∩ .(つH,iソ (,イつニ)⊃ + ヾし' sage
{テヾラ / j キi . ハ:,ハ:ハ . ソ{{__,}〉 + /__j~_ゝ ん、/_i_〉
+ んハ___i;ゝ L|_,|_|,|! + ~じン~ レヾ_)
113:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/04/19 08:38:32.67 7sA6SEpbO
風呂裏
114:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/04/23 01:17:54.26 xPhTKlANO
フローラさんの下着は黒だと興奮します
115:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/04/23 07:18:04.03 FXvpRVWtO
フロたんのスカート捲りをしたい♪
116:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/04/25 17:44:16.99 9NmUS6MMO
巨大リボン
117:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/04/25 20:40:41.19 pFFnscqOO
フロたんのリボンの色は何色?
118:通りすがりの白戦士
11/04/27 01:52:11.33 gD7LEJUpO
~揺れる青髪1~
雨は土砂降りになっており、時折雷が遠くから聞こえる。
まるで、彼の心境を表しているようだ。
彼―アンディは眠れないでいた。しかし、火傷のせいではない。傷も痛みもフローラの献身的な看護で治っていた。
「リュカさんがフローラを選んだら…。今更どうなるわけでもないのに僕は何を考えてるんだ!」
何度寝返りを打ち、起きて水を飲んだか分からない。
「お父さんの望みの為に愛した女性を諦めるかもしれないなんて…。悔しいが、僕にそんな勇気は無い。リュカさんは器が大きすぎる。」
アンディは悩む度に自分に言い聞かせた。しかし、花嫁選びの時間が近づき、雨が酷くなると、彼の心はかき乱され、呼吸も荒くなる。
「ダメだ!アンディ!リュカさんならきっと、僕よりフローラを大切にしてくれる!火山で彼に助けられて分かったはずだ!?どんな形でもフローラが幸せならいいじゃないか!」
いっそ、リュカが悪人ならどんなに楽になれたろう?彼の悪い部分を探しもした。しかし、無駄どころか、余計にみじめに感じた。
肩を震わせ、アンディは泣いた。無力な自分、嫉妬にかられた醜い自分に、そしてフローラとの思い出に…。
「サラボナの空も泣いてくれているのかい…?」
ふと、窓を見ると、雷も近付いてきた。
「ん…?」
稲光で人影が走って来るのが見えた。そしてそれは、家の中へ入っていった。
「…リュカさんかな?」
起き上がる度に窓から外の様子を眺めていたアンディは、リュカが眠れないで外出したのを見た。
「ルドマン邸、ビアンカさんがいる別荘、僕の家という事は、いよいよか。」
アンディは覚悟を決めた。
「きっと僕に謝りに来たんだね。律儀なリュカさんらしいや。いいさ、ショックは早い方がいい。」 もう、彼は吹っ切れていた。そして、徳上のワインとグラスを用意した。
「彼も苦しいんだ。こんな事しか出来ないが、今度は僕が助けてあげよう。」
やがて、足音がゆっくりと部屋に近付いていった。
「おつまみは…お互いの好きな女性の話だけで十分だ」
足音はドアの前で止まり、重苦しい雰囲気が流れた。
「リュカさんだろ?僕も眠れないんだ。朝まで飲み明かそう。」
だが、ドアが開かれて、アンディはグラスを落とした。
「…アンディ…。」びしょ濡れのフローラが、哀しげな瞳でじっと見つめて立っていた。
119:眠れない通りすがりの白戦士
11/04/27 03:04:30.91 gD7LEJUpO
マイ設定:主人公はリュカ
脳内BGM:椿屋四重奏「いばらのみち」または、皆さんの好みの恋愛系BGM
~揺れる青髪2~
「フローラ、どうして…!?とにかく、身体を拭いて…」
アンディは急いで灯りを点け、タオルで顔を拭いた。
「懐かしいな…。君が修道院に入る前は、こうやって顔を拭いた事もあったね。僕はこれが最後だけど…、なあに、リュカさんなら僕より上手に拭くさ!」
アンディは目の前にフローラがいても、決して動揺しなかった。いや、その笑顔は清々しささえ感じられる。
「………っ」
フローラはうなだれ、滴が次々と床に音を立てた。
「あ、ごめん。髪も乾かさなきゃね。顔だけ拭いても意味ないよね。」
アンディは自分のミスに苦笑した。その表情さえも清々しい。だが、フローラはその彼の表情に反して、哀しげに、時折怒りを混ぜながら肩を震わせる。
「本当にごめん。だから、リュカさんに負けるんだね。」
その瞬間、フローラは顔を上げ、アンディを睨んだ。その顔は、髪から流れる滴と涙で濡れていた。「あなたって人は…!」
アンディは何が起きたか分からない。が、冷静になろうとはした。
「いい!触らないで!!」
フローラはアンディの手を払いのけ、ピンクのリボンを解いた。滴が次々飛び、灯りに反射されて輝く。それと同時に後ろで束ねていた前髪が額を覆い、それまでの凛とした雰囲気が変わった。
「フローラ…」
前髪を下ろしたり、ずぶ濡れのフローラをアンディは何度も見た。しかし…、今のフローラは妖艶にさえ感じられる。
「…失礼だか、綺麗だ。だからこそ、君はリュカさんと幸せになってくれ。」
今のアンディには最高の誉め言葉だった。
が、それに対する返礼は乾いた音が響く平手打ちだった。
「あなたはまだ、そんな事を言ってるの!?」
アンディは突然の事で不思議そうな表情だ。
「お父様はリュカさんとの結婚が幸せだとは言った。確かにリュカさんはあなたより強いし、世界を救う旅もしてるから立派よ。でもね!」
フローラはアンディの赤くなった頬を優しく撫でた。
「リュカさんは世界を救えても、私は幸せになれないのよ!どんなに強くても、魔王を倒せても、私の中にあるアンディとの思い出は消せないのよ!」
再びフローラの瞳は涙で溢れ、顔は真っ赤に腫れ上がる。
120:まだ眠れない通りすがりの白戦士
11/04/27 03:50:53.17 gD7LEJUpO
予定より長くなってしまった…。ちなみにフローラアンチじゃないよ。フロ×アンのカップルが好きなだけ。
~揺れる青髪3~
「有難う…。君はまだ昔の思いを美化しているだけだ。彼は愛する女性を諦めてまで、世界を救おうとしてる。僕より立派だ。その人の妻になれるなんて、誇らしいじゃないか。」
さすがにアンディも動揺し、平静を保とうと自分にも言い聞かせようとした。だが、フローラは髪を振り乱し、アンディに抱きつく。
「違う!愛する女性を犠牲にして得る平和なんて本当の平和ではないわ!大勢の人が幸せになる為に小さな幸せを壊していいはずがない!」
アンディはフローラを抱きしめたくなってきた。理性と愛の間で腕が葛藤する。
「もういいのよ。どんな時でも私を愛したアンディに戻って!」
アンディの我慢は限界に達しそうだ。
「愛してるからこそ僕は!こんな世界だから君に長く生きてもらいたい…!」
「優しいアンディ…。あなたはいつもそう、自分より私の事を考えてくれる。でも、誰も、お父様やデボラ姉様さえもあなたを分かろうとしない。」
フローラはすっと立ち上がり、アンディはホッとした。
「あなたがリュカさんより立場が上になればいいのよね。」 「そうなればいいけど今更…、指輪だってもう」
アンディが立ち上がりかけたその時、突如、動けなくなり、視界は遮られた。
「……!!」
一瞬の出来事だった。アンディはフローラに羽交い締めにされ、柔らかい唇が彼の口を塞いでいた。フローラの強い意志の視線と甘く優しい吐息はアンディの理性を砕くには十分であった。
「(フローラ…!リュカさん、すまない。僕は…!)」
アンディの腕はフローラの頭と腰に周り、吐息が彼女の身体に逆流した。
121:まだ起きてた通りすがりの白戦士
11/04/27 04:53:00.77 gD7LEJUpO
~揺れる青髪4~
何年振りのキスだろうか?
アンディは思い出していた。
「昔はよく、こっそりキスしてたね。」
「嬉しかった…。悪い男の子達にいじめられて泣いていた時には最高のプレゼントだった。」
「僕だって。いじめっ子をやっつけた時に受けた傷を治すのに、フローラのキスは良い薬だった。」フローラに笑顔が戻る。
「でも、やっつけられるのが多かったわね~。」
「ははは。僕はケンカは強くな」
再び、フローラの表情が憂いを帯びる。アンディの髪を優しく撫でた。
「いいの。アンディは優しいままでいて。」
「ん?ああ、僕は変わらないよ。それより、今の事は2人だけの秘密だ。最後に良い思い出を有難う。これで」
アンディは窓の外を見つめた。土砂降りと雷は続いていた。 「ワイン飲むわよ。」
「ん、ああ。」
アンディが振り向くや否やフローラは既に一気にグラスを空にしていた。
「美味しいわね…」
フローラは酔いが回ったのか、少しふらつき、グラスを床に落とした。
「フローラがいた修道院のワインだよ。おっと、一気に飲むから。大丈夫?」
アンディはフローラを受け止めてた。身体が熱い。酔いやすい体質のようだ。
「そう。私、お酒って修道院での儀式の時にしか飲まないから知らなかったわ。」
酔いが全身に廻り、唇にワインの残りが着いてるのに気付かない。アンディは拭き取ろうとしたが、腕を掴まれた。
「…身体が渇くのよ…。」
「うん、すぐに水を持ってくるから。」「ダメ。」
「もうワインはダメだよ。お酒弱いの分かったでしょ?氷水を作ってあげ」
フローラはアンディの腕を振り払った。「ダメ。そんなのでは嫌!欲しいのよ!あなたが!身体が渇いて渇いてしょうがないのよ!!」
フローラは髪を振り乱し、再び泣き声で叫んだ。
「落ち着いてフローラ!悪酔いし過ぎなだけだよ!」
アンディはなだめようとしたが、逆に突き飛ばされた。起き上がろとした彼は自分も酔ったかと思った。
「…あなたの愛で私を潤してよ…。」
ドレスが床に落ち、下着姿のフローラが稲光に照らしだされていた。
「止めるんだ、フロ」
アンディの叫びも虚しく、彼の衣服は理性と共に次々に脱がされていった。
「もう後戻りは出来ない。フローラ!」
全ての理性と服を無くしたアンディはフローラを優しく同じ姿にした。
「有難う。アンディ…。愛してる。」
122:そろそろ寝る通りすがりの白戦士
11/04/27 05:44:42.04 gD7LEJUpO
~揺れる青髪エンディング~
その1はエロ過ぎて今は書けん。
その2
―10年後―
「な~んて、シチュエーション考えてみたんだけど、ね?どう?」
「でも本当はあの時、火傷は治ってなかったし…」
「だから、もしもあの時アンディが動けてたら、て事でしょ?」
結局、リュカはビアンカを選んだ。フローラは駆け落ちも考えていたが杞憂に終わった。リュカの結論はこうだ。
「たった1人の純粋な思いに報えないのに、多くの人を救う事なんか出来ない。僕達が幸せになる事で誰かが幸せになるなら、勇者や天空の装備を見つけるより早く平和にする方法だと信じる。根拠?ビアンカとフローラさんとアンディさんの顔を見れば分かるさ。」
リュカもフローラと同じ考えだったのだ。
フローラも今では2児の母だが、ますますアンディと愛しあっている。
「いずれは財閥の総帥にならなきゃいけないし…、こういうシチュエーションで愛し合う機会なんて今のうちだから…、ね。お・ね・が・い(//∀//)」
アンディは苦笑しながらも、変わらない妻の愛に喜んでもいた。
「しょうがない、ラナ系の魔法はまだ覚えたてだから、上手く雷雲を呼べるか分からないけどね(・∀・)」
「ん~あなた愛してるわ~(^^)私、障害のある愛だとますます燃えるのよね~」
フローラは子供達の前だが、アンディに抱きついた。
「リュカさん達はまだ旅を続けてるみたいだね。」
「ねえアンディ、久しぶりに会いたくなったわ。私達もあの人達の力になってあげましょうよ。」
「そうだね。ヘンリー様やマリア様も加わってるし、賑やかで楽しみだね。」
2人はまだまだ落ち着きそうにない…。
123:通りすがりの白戦士
11/04/27 10:25:32.97 gD7LEJUpO
その2のフローラが盛りのついた女性っぽく感じたので(こんなヤリマンじゃない!とか言われそうだな)、その3を用意しました。
~揺れる青髪エンディング~
その3
「な~んて、シチュエーション考えてみたんだけど、ね?どう?」
「でも本当はあの時、火傷は治ってなくて、寝込んだままだったよ。」
「いいのよ。恋愛小説なんだし。その方が話としては面白いでしょ?」
結局、リュカはビアンカを選んだ。フローラは駆け落ちも考えていたが杞憂に終わった。リュカの結論はこうだ。
「たった1人の純粋な思いに報えないのに、多くの人を救う事なんか出来ない。僕達が幸せになる事で誰かが幸せになるなら、勇者や天空の装備を見つけるより早く平和にする方法だと信じる。根拠?ビアンカとフローラさんとアンディさんの顔を見れば分かるさ。」
リュカもフローラと同じ考えだったのだ。
フローラも今では2児の母だが、ますますアンディと愛し合っている。
「いずれは財閥の総帥にならなきゃいけないし…、今のうちに私達の愛の歴史を形にしたいのよね~(//∀//)」
「嵐の夜に~フローレンスとアントニオの愛の奇跡~って…僕達の事だってバレないかな?(・∀・)」
原稿をめくったアンディは苦笑しながらも、変わらない妻の愛に喜んでもいた。
「大丈夫(^^)そこが小説家としての見せ所よ。それに私、秘密の恋愛だとますます燃えるのよね~」
フローラは子供達の前だが、アンディに抱きついた。
「リュカさん達はまだ旅を続けてるみたいだね。」
「ねえアンディ、久しぶりに会いたくなったわ。私達もあの人達の力になってあげましょうよ。」
「そうだね。ヘンリー様やマリア様も加わってるし、賑やかで楽しみだね。」
2人はまだまだ落ち着きそうにない…。
124:プレイ日記
11/04/27 20:25:18.99 EcbNqRp3O
主人公:「ツボの色を見に行くぞ~」
双子:「えーっ!!!!!!!」
サラボナの北西にある封印のほこらへ急行。
ツボの色を確かめる。
赤。
情熱の赤ですよ、お父さん!
主人公:「よーし。それでは、ルドマンおじいちゃんに、それを報告しに参ろう!」
双子(兄):「父さん、無理っ! 石化が解けたばかりの、こんな優しいお母さんに、あの雲をつくような巨大モンスターとの
戦いなんて…っ!」
主人公:「ふ…。おまえは母さんの真の姿を知らんのだ…」
パーティメンバーは、主人公に双子に可憐な妻フローラで決定!
さあ、受け取ってくれ、妻よ。我が心ばかりの贈り物。
太古の魔物、ブオーン。経験値:9500!!!!!!!
フローラ:「きゃああああああぁぁぁぁっ…!」
主人公:「息子。娘。“フローラの”いのちだいじに」
双子(兄):「いいっ。気にするな、妹っ。おまえはまず、自分の身をしっかり守っとけ!」
双子(妹):「でもお母さんが…!」
双子(兄):「大丈夫!」
主人公:「むむっ、ヤバイッ! (フローラに)ベホマ!」
双子(兄):「…な?」
双子(妹):「……うん……(泣)」
ちなみに、主人公と息子は、ともに奇跡の鎧ときせきの剣をW装備。
ターンエンドごとに自動回復+攻撃するたび小回復。
主人公:「わははははっ! 見たか! ずるい。せこい。えげつない、と三拍子揃ったグランバニア王家の戦いぶりを!!!!」
双子(兄):「…そんな国、いらない…(泣)」
主人公:「じゃあ、鎧と剣捨ててもいいんだぞ? 今、この場で」
双子(兄):「さあ、はりきって攻撃しましょうか、父さん♪ 奇跡の剣で!」
そうこうしてるうちに、フローラ(のAI)が覚醒。<
基本的にフローラはAIバトルにしてます。意外な行動してくれると楽しいので。
主人公たちに、バイキルトなどの補助呪文を唱えていたのが、一変。
呪文攻撃にグリンガムの鞭での直接攻撃も駆使。
激しい炎と稲妻荒れ狂うなか、「きょほほほほっ♪」の高笑い。
フローラ:「なんてことでしょう。私、戦いの中で戦いを忘れておりましたわ。お恥ずかしい…。今こそ唱えましょう、心をこめて。ルカナン・マヌーサ…いいえ、メラミ…ベキラゴン!
唸れ、グリンガムの鞭よ! 我が身にみなぎれ、大いなるバイキルト! 更に倍!!!<嘘」
主人公:「それでこそ、我が妻! しのざわ教授にぜんぶだー!!!!!!」
125:プレイ日記
11/04/27 20:27:23.10 EcbNqRp3O
双子(妹):「お母さん…?…お父さん…???」
双子(兄):「若年層にはわからないネタふってるなあ…」
大人の会話がとびかったのち、ブオーン撃破!
経験値、メタルスライム以下じゃないか、こいつ。ムービー入れたくらいなんだから、もっと寄越せ。
主人公:「どうする、フローラ? しばらくどこかで経験値稼ぐか?」
フローラ:「いいえ、あなた。すべての道は魔界へ続く。…ならば、乗り込んで経験をつむほうが得策でしょうに。きけば、あちらのモンスターは経験値がよろしいとか…」
主人公:「よく言った。では、一旦サラボナに戻って、ルドマン夫妻に挨拶して行こう」
フローラ:「ええ」
ということで、塔をおりて町に戻る。
ルドマン婦人は、ここで、フローラがじぶんたちの実の娘ではない…と、いうことを告白しかけて、当のフローラにとめられる。
(と、記憶していましたが、この会話って魔王を倒したあとだったよ…。すみません)
フローラ:「お母様っ。そのことは知っていました。でも、このフローラは、今でも、お父様お母様のことを、本当の親以上に…」
…。
フローラが天空人の血筋であると、妖精の城などで聞いていたものの。
血筋がわかっても、本当の親が誰か、どうしてフローラはルドマン家にひきとられたのか…など。
具体的なところは、わからないままなんだよな…。
それでも、ルドマン氏はご機嫌だ。
『私の孫は、伝説の勇者なんだぞー!』とはしゃぎまくる。
婦人も孫が嬉しいらしく、さんざ可愛がってのち、おこづかいとして5000ゴールドをくれる。
双子(妹):「わーい。お兄ちゃんとはんぶんこー♪ 何買おうかな~」
主人公:「うんうん。何がいいかな。よく考えなさい、娘。それまで父さんが預かっておいてやろう」
双子(兄):「……。」<何かを察しているが、何も言えない。
ついでに、懐かしくてはなれに行ってみると、
ふがいなきフローラへの求婚者、アンディが、肌もあらわな踊り子と居る。
主人公:「なんでいるっ?」
アンディ:「彼女と結婚しました~♪」
主人公:「…ビックリするほど、お似合いだなぁ…」
双子(兄):「父さん。今度、お母さんにも、こういう格好してもらいましょう!」<ホントにこういうようなこと言う。
双子(妹):「うわあんっ。お母さんが怖い顔で睨んでる~っ!」<ホントにこういうようなこと言う言う。
しつこく踊り子ちゃんに話しかけていると
126:プレイ日記
11/04/27 20:28:59.40 EcbNqRp3O
フローラの台詞。
フローラ:「あ・な・た、ちゅっ。よそ見しないでくださいましね。うふふ」
\(◎o◎)/!
ブオーンに鞭でとどめさした直後の台詞でさえなければ、どんなにか…!
タフネス母さんフローラとともに、海の洞窟の奥を抜け、いざ魔界へ!
127:ドラクエ5でフローラを妻にする経緯を妄想する
11/04/27 20:56:24.53 EcbNqRp3O
俺の脳内ではフローラは主人公に尊敬の気持ちや憧れ、コンプレックスを抱くことになる。
それまで大富豪の箱入り娘であったフローラにとって、成長した主人公との出会いはもう凄まじいインパクトを伴うものだったはずだ。
若くして父を失い、一度は奴隷の身に落とされるも自力で脱出するという壮絶な人生。
一国の王とは親友を超えた間柄で、彼の下に留まれば不自由のない一生が保証されるにもかかわらず、偉大な父の意思を継ぎ、世界を救う勇者を見つけてともに戦うべく厳しい旅を続ける。
長い冒険で培われた圧倒的な逞しさと知性、視野の広さ。自分以外の者のために尽くせる優しさ、魔物をも従える懐の広さ。幼馴染のアンディなどとは、男としての格どころか、
人間としてのスケールが違うことを、フローラは理解する。幼い頃に出会ったときは、ただの臆病そうな子どもだった主人公が、いまや自分を遥かに追い越している。
フローラも捨て子なので悲しみを背負ってはいるが、そんな彼女自身が今生きていられるのは全面的に義父母のおかげで、要は幸運によるものなのに対し、
主人公はもう完全に自力で未来を切り拓いている。何から何まで完敗なのだ。そこでフローラは自分のちっぽけさにコンプレックスを抱くようになる。
そして同時に、フローラはそんな男の中の男である主人公に熱烈に恋してしまう。彼に愛されたい、彼の見ている世界を一緒に見てみたい。彼のいるところへ辿り着きたい。
狭いサラボナという世界ではアンディが一番の理解者かもしれないけれど、もしアンディと結婚したらそれは生涯サラボナに留まることを意味し、
もう二度と、主人公が歩む広大な景色を見ることはできなくなると悟る。そういうスケールで世界と関わっていけるチャンスは、この機を逃せば二度とやってこない。
主人公的にも、フローラは(子どもの頃に船で一緒になったときから)自分とは住む世界の違うお嬢様だと思っていたのが、お互いに身の上話の合間に気持ちを打ち明けあっていくうちに、
その健気さに胸を打たれ始める。圧倒的な女性らしさといい、比類ない教養といい、自分が手に入れられなかったものばかりで、当然に憧れを感じる。
そして修道女出身ということで、どことなく惹かれていた(けれども気持ちが固まっていなかったのでヘンリーに譲ってしまった)マリアに近いものさえ感じられる。
128:ドラクエ5でフローラを妻にする経緯を妄想する
11/04/27 21:04:23.07 EcbNqRp3O
まして主人公は半生を共にした仲間と別れてラインハットを発ってから、(魔物がいたとはいえ)ずっと孤独な旅を続けてきたのだ。フローラは当然にそんな主人公の持つ寂しさを癒してあげたいと思うだろう。
主人公にとっても、心優しく、繊細で純粋なフローラは、徐々に守ってあげたい女性になっていく。いつしかフローラと話をする時間が、主人公にとって替えがたいやすらぎをもたらしてくれるようになる。
129:通りすがりの白戦士
11/04/28 13:28:35.85 Y19bo1QSO
大勢の人間が集まれば、それ以上の解釈も現れる。
ただ一つ言えるのはどんな形でもフローラを応援する心は変わらないという事だ。
僕の様に公式カップルを楽しむのも、または主人公フローラを楽しむのもいい。主人公に惚れる理由も一目惚れ、両親への義理、アンディから主人公へのシフト(人間的強さや大きさへの憧れ)等々色々考えられる。
そういった解釈の違いを楽しむのも一興だ。
もっとスレが盛り上がって欲しいな。基本的にビアンカファンだが、フローラやマリアも好きなのだよ。
130:通りすがりの白戦士
11/04/28 17:27:18.21 Y19bo1QSO
~揺れる青髪5~
いつの間にか雨は止み、静寂が2人を支配していた。
「美しい…。さすがに元修道女だ。神々しい。」
アンディは初めて見るフローラの姿に見とれ、ため息を吐いた。
「さあ、アンディ…。」
甘い吐息混じりの声と共にフローラの白く美しい手がアンディの頬から首筋にゆっくりと降りた。
「……駄目だ。」
アンディは動けなかった。
「アンディ…?」
アンディはベッドから出た。
「やっぱり君はリュカさんと結婚すべき人なんだ。」
「どうして!?今更…」
フローラはアンディの背に抱きついた。微かな震えがフローラに伝わる。まるで何かに怯えているかのようだ。
131:通りすがりの白戦士
11/04/28 17:33:38.44 Y19bo1QSO
~揺れる青髪6~
「君はリュカさんと共に勇者を探し、世界を救う為に生まれてきたのかもしれない。その美しさは普通の女性とは違う、…そう、聖女そのものだ。今思えば君が修道女になったのも、単なる偶然でないのかもしれない。勇者を助ける聖女になる為の修行だと考えれば納得がゆく。」
アンディは自分にも納得させるようにゆっくりつぶやいた。
「私が…、聖女?」
「その美しさは神の意志によって形造られて現れたものだ。神に選ばれてない僕には、決して許されない事なんだ。」
アンディの肩は大きく震え、頬に涙が流れた。
「偶然よ、そんなの。美しさならデボラ姉様の方が」
アンディは振り返った。腫れ上がった瞳にフローラは驚く。
「俗世間が決める体型の美しさじゃない。もちろん、見た目の良さもだが、聖なる雰囲気も感じた。多少の魔法を勉強した僕でさえ分かったんだ。君はすでに気づいてたはずだ。」フローラは少し考え、気を取り直した。
132:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/04/28 17:42:53.52 Y19bo1QSO
~揺れる青髪7~
「…確かに最近、他の人達と何か違うとは思っていたわ。聖なる力を感じたりもした。少しだけど時々、デボラ姉様にも感じるの。」
「やはりデボラさんもか…。」
アンディは立ち上がって着替え始めた。
「君も聖なる力を感じたなら本物だ。君は修道院で修行し、勇者を探す者と出会う。勇者も見つかり魔王は倒され、世界は平和になる。」
アンディは着替え終わるとフローラの服を彼女に手渡した。
「全ては神の意志だ。逆らったら罰を受けるだろう。だから、君は幸せになって欲しい。」
「全ては神様の意志…。私は聖女…、世界を救わなければならない…。」
フローラは小さく何度もつぶやきながら、徐々に着替えていった。それはまるで、1人の女性から聖女への変化を現すようだった。
「そうだ…。それでいい。今度こそ、さようならだフローラ。」
133:通りすがりの白戦士
11/04/28 18:29:42.60 Y19bo1QSO
~揺れる青髪8~
アンディはフローラの着替えを見守った。
「僕はどんな罰も受ける覚悟まはある。でも、フローラを巻き込みたくはない。君が少しでも僕を愛していた事で十分だ。僕はその思い出だけで、生きて行ける」
フローラは着替え終えた。
「私は聖女。自分の運命に従います。」
「あなたに髪の祝福があらん事を…。」
アンディはフローラの幸せを祈った。それは恋人に対してではなく、世界を救う聖女に対してだ。
「有難うアンディ。これで安心して旅立てるわ。でも、その前にしなければならない事があるの。」
「何だい?」
「ほんの少しとは言え、私達は神様の意志に背いて愛し合ってしまったわ。私達は穢れを清め、神様に懺悔しなければなりません。」
もうすっかり、フローラは聖女の顔だ。
「分かった。どうやってやればいい?」
「私についてきて。」
フローラとアンディはサラボナで一番大きい教会へ向かった。修道院を出た後はここで聖歌等の儀式に参加しており、夜でも自由に出入り出来た。
教会に入ると、フローラは修道女と修道士の服を用意してもらった。
「どうして僕まで、着替えるの?」
「ごめんなさい。教会の人には私があなたに新しい修道士としての洗礼の儀式を行うって言っておいたのよ。私は修道女だけど、修道院長の代行をした事もあったからね。その方がわかりやすいわ。」
「そうか…。本当の事は神様にしか言えないよね。」
2人は着替え終わると、礼拝室に入っていった。月明かりがステンドグラスを通し、女神像が神々しく輝いていた。
「さあ、始めましょう。」
フローラは聖水の入った容器とグラスを用意した。
134:通りすがりの白戦士
11/04/28 19:36:32.60 Y19bo1QSO
前回の間違い
髪の祝福→神の祝福
~揺れる青髪9~
「何ですって!?教会に!」
ルドマン夫人は慌てて寝間着から着替えた。
フローラが突然、止める間も無く家を飛び出してから、行方が分からなかったのだ。こんな夜更けに若い男を連れて訪れた教会のシスターが不審に思って通報したのだ。
「あの子が男と教会でデート?他に行く所は無かったのかねえ?ま、箱入り娘と純情な文学青年にしては上出来かな。教会なら、変な気は起きないでしょ。」
デボラは冷静に判断していた。
「確かにそうだが、大事な花嫁候補だぞ!大事な日の前に男と出歩くなんて…。お前達、早く馬車に乗り込め!力づくでも連れて帰るぞ!」
ルドマンも急いで部屋に入ってきた。
礼拝室は2人だけだった。夜だから、誰もいなかったし、フローラが儀式の間は誰も入れないようにと当直の人に頼んでおいたからだ。
「主よ、どうか私達の罪を清めて下さいませ。私達はこれより、正しき道を歩みます。」
床にひざまずき、フローラは祈った。
修道女の服も似合ってるな…。と、アンディは見とれてしまった。
「ほら、アンディも。」
促されるままに、アンディも同様に祈った。
「これは女神様の聖なる血。今から、私達は女神様と一体になります。そして女神様の大いなる愛で私達の罪を受け入れて清めてくれるでしょう。」
フローラは祭壇に供えてあったワインを取った。アンディは修道士の服を着ていなかったら、その神々しい雰囲気に圧倒されていただろう。
「さあ、あなたも。」
フローラはワインを口に含み、残りのグラスをアンディに差し向けた。
「うん。」
アンディは手を差し伸べた。
しかし、グラスは渡らなかった。
「(フローラ、また…!!)」
一瞬の隙をつき、またもアンディの唇は奪われた。フローラの口内の残りのワインがアンディの中に入る。アンディは思わず飲み込んだ。
「これで私達は女神様と一体になったわ。」
驚くアンディをよそにフローラはゆっくりとグラスを祭壇に戻した。
135:通りすがりの白戦士
11/04/28 20:22:18.06 Y19bo1QSO
~揺れる青髪10~
「フローラ、神の意志に従うんじゃなかったのか!?」
アンディは慌てて唇を押さえて動揺している。
「従ってるわ。だから、私達は結ばれなきゃならないの。」
フローラは帽子とベールを床に投げ落とした。ウィンプル(顔を包む頭巾)の紐に手をかけると、アンディは慌てて止めた。
「何故なんだ。分からないよ!?」
フローラは構わずウィンプルを外し、束ねていた髪を解いた。美しい青髪が風に舞うように降りた。顔と前髪しか見えなかったギャップと相まってアンディはその光景に見とれていた。
「リュカさんに会うのも神の意志なら、修道院に入る前にアンディを好きになったのも神の意志だわ。」
「そんな事って…。」
「リュカさんとの出会いは女神様が私達に与えた試練なのよ。だから、乗り越えなくてはならない。」
「そんな…、根拠は?」
「強いて挙げるなら、私が選ばれし聖女だからかしら。」
アンディは呆然とした。
「私の考えが間違ってたとしても、私も罰を恐れない!私にとっては、好きな人と一緒になれない方が罰なのよ!」
「フローラ…!」
アンディはフローラを抱き締めた。ワインを少し含んだだけなのに、身体は火照っていた。
「主よ、今から私達は自分の信じた道を歩みます。それが悪というなら、いかなる罰も受け入れます。」
フローラは、アンディの上着をゆっくりと脱がした…。
「抱いて、アンディ。」
「なんて広くて立派な教会なんだ!フローラ!フローラ!!」
教会に着いたルドマンは式場の候補から外そうかとも考えた。
「あなた、こっちです。」
夫人は礼拝室の扉へ手招きした。
ルドマンが扉へ来ると、先に鍵を受け取っていたデボラがそっと開けた。
136:通りすがりの白戦士
11/04/28 22:46:22.04 Y19bo1QSO
~揺れる青髪11~
「あ、こりゃ駄目だわ。」
デボラは扉を閉じた。
「いいから退きなさい!」
しかし、ルドマンはデボラの制止を払った。
「ふぅ…。」
デボラはため息を吐いた。それと同時に扉の向こうの様子を目の当たりにしたルドマン夫妻は立ちすくんでしまった。
「お、恐れていた事が…!」
「フローラ、あなたって娘はそんなにアンディさんと一緒になりたかったのね…!」
ルドマン夫妻は呆然とした。
「アンディ…!好きよ!」
「フローラ、もう離さない!」
女神像の下で2人は愛し合っていた。
辺りには修道女と修道士の服が散乱している。それらの上で、2人は互いの全てを求め合っていた。全身への優しいキス、激しい愛撫。
ルドマンの怒りは頂点に達した。
「許さん!」
扉を大きく開けて中へ入ろうとした。
「やめなよ。」
デボラは体を張って制止した。
「ワシは認めんぞ!こんな馬鹿げた事を!あんな頼り無い男に娘を奪われて」
デボラの腕が光り、ギラの魔法が発動されようとしていた。
「2人の邪魔をするのはお父様でも許さないよ。黙って最後まで見な。」
「デボラ…。」
ルドマンは娘の怒りに圧倒され床に座り込んだ。ルドマン夫人がそっと包み込む。
「…あなた。私もまだ心臓が高鳴ってますわ。夢でも見てるみたいよ。でもね、今まで私達の為に優しくしてくれて、我慢してきた娘が命懸けで愛し合ってるのよ。今度は私達が応援してあげるのが親の役目じゃないかしら。」
2人の愛は佳境に入り、激しく入り乱れる。アンディの吐息とフローラの絶叫が部屋の中に響き渡っていった。
137:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/04/28 23:43:25.14 Y/ZNXzVZO
アハーン
138:通りすがりの白戦士
11/04/29 00:04:38.59 URITdlFPO
~揺れる青髪11~
「おしまいだ…!リュカ君に何て詫びればいいんだ~!」
ルドマンは子供のように泣き出した。
アンディが仰向けになり、フローラはゆっくりと彼の上に乗ると、次第に身体を反らせていった。
窓から差す月明かりに照らされたフローラは女神像に引けを取らない美しさを魅せていた。
「綺麗ね…。自慢出来る体型ではないのにまあ、ここまで見せてくれるわ。」
「本当に。親馬鹿だけど、女神様より綺麗だわ。ううん、あの子が女神よ。背中から翼が生えてるのが見えそうよ。」
「ねえママ、あの娘ったら、あんな顔するんだ。あんな嬉しそうな顔、初めて見たわ。」
デボラとルドマン夫人はすっかり見入ってた。
「そうね。あんな顔は私にも見せた事は無かったわ。ほら、あなたも御覧なさい。」
ルドマンは渋々見上げた。
2人の愛は頂点に達し、今は余韻を楽しんでいた。やがて、聖水で喉を潤すと、互いの修道服のローブで身をくるみ、身体を寄せ合った。2人共、一糸纏わぬ姿なので、急に身体が冷えたのだろう。
「…今頃子供みたいに笑いおって…。」ルドマンはもう怒る気力は失せ、哀愁さえ感じられた。
「パパがフローラを愛してるのは知ってるよ。でも、あの娘はパパを嫌ったわけじゃないからね。」
「知っていたのか…。」
「あたしとフローラが拾われたのも知ってたよ。パパは最初は親としての愛情だったけど、段々男としての愛に変わっていった。」
「もう、いいのよ。」
ルドマン夫人はデボラを制止しようとしたが、振り払われた。
「男としての愛に気づいてたか知らないけど、フローラは言ってたよ。私が結婚したら、お父様はお母様とデボラ姉様を私以上に愛しくれるわ…ってね。」
ルドマンの瞳は涙で濡れた。
「フローラ…すまない。やっぱり、お前は優しい子だ。」
フローラとアンディは着替え始めた。
「ねえアンディ、駆け落ちは最後の手段にしましょう。私、お父様は話せばきっと分かって下さると思うの。デボラ姉様も、あんな風に振る舞ってるけど、本当は優しいのよ。」
「知っている。小さい頃だけど、家に招待されて親切にしてもらったのを覚えてるよ。」
「また…明日ね。」
「うん、また明日。」
2人はそっとキスを交わした。
「ほら、2人に見つからないうちにさっさと帰るよ。」
デボラはルドマン夫妻の背中を押した。
139:通りすがりの白戦士
11/04/29 07:33:51.75 URITdlFPO
~揺れる青髪エンディング~
その1
―10年後―
ルドマン夫妻所有の船上でデボラの結婚式が行われていた。相手はグランバニアの兵士ピピン。リュカがサラボナを訪れた時の従者で、リュカの彼についての話からデボラが興味を持ったらしい。
「全く、勢いで結婚するとはフローラもデボラもしょうのない娘だ。」
「そうですわね。私達が愛し合っているのを思い出して励まれたお父様の娘ですものね。」
「いや、それはだな…」
「フローラ、あまりお父様を責めないでね。あの時、あなたが心配で探してたら偶然見ちゃったのよ。」
「別に責めてませんわ。」
フローラはプイッと横を向いた。
「でもまさか、50代で子供が出来るとは思いませんでしたよ。おいで、クララ。」
クララと呼ばれた少女は、はにかみながら両親の間から出てきた。
「なあに、アンディ兄様?」
「結婚式が終わったら、アイナとレスターと一緒にデボラ姉様とピピン兄様に花束を渡してくれるかい?」
「うん!」
「いい子ね。アイナとレスターも気を付けて持って行くのよ。」
「分かりましたわ。お母様。」
「僕はピピンおじ様に渡したいな。」
子供達はフローラから花束を受け取ると、元気いっぱいに走って行った。
結局、リュカはビアンカを選んだ。フローラは駆け落ちも考えていたが杞憂に終わった。リュカの結論はこうだ。
「たった1人の純粋な思いに報えないのに、多くの人を救う事なんか出来ない。僕達が幸せになる事で誰かが幸せになるなら、勇者や天空の装備を見つけるより早く平和にする方法だと信じる。根拠?ビアンカとフローラさんとアンディさんの顔を見れば分かるさ。」
リュカもフローラと同じ考えだったのだ。
フローラも今では2児の母だが、ますますアンディと愛し合っている。
「ねえアンディ、結婚式が終わったら、リュカさん達の仲間に加わってもいいかしら?」
「僕もそれを考えてたよ。ヘンリー様やマリア様も加わってるみたいだし、魔王を倒す戦力は多い方がいいね。」
「ありがとう、嬉しいわアンディ。」
フローラはアンディに抱きついた。
「まさか、あたし達を置いてかないよね?」
「旅は賑やかなのが楽しいですよ。」
いつの間にか、デボラとピピンが話を聞いていた。
「姉様達…!そうね。みんなで行きましょう。」
フローラ達の旅は始まる。
140: 忍法帖【Lv=3,xxxP】
11/04/29 18:19:05.48 iteTGU390
うん
141:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/04/29 23:38:46.62 7pm7rvBBO
尾田栄一郎
「はい、ビアンカねぇ。選びませんねェ。いらないんですよ。
ちょっと冷たいかもしれませんけど欲しくないんですよねー。
ジャンプの担当さんなど、時々勧めたりしますが、
新しい担当さんに最初に必ず言う事は「僕にフローラを選ばせろ」ですからね。
人も話も全部自分で選んだ!という自信が欲しいんですねー。
フローラを選んだら、主人公の周りだけで小さく話が収まるんじゃなく、あの世界すべてが動き出す展開になるはず。
美人の幼なじみに会ったから喜ぶってね、愛じゃないんじゃないかと思うんですよ。
お葬式に行ったらみんな泣くでしょう。
その気持ちと同じなんですよね。『真実の愛』はそれとは別なんです。
最近のプレイヤーはおかしい、下手糞や妥協ばっかりじゃないですか?
パケ絵のビアンカを気にするプレイヤーにはプライドが無い、基本的に下手糞、レベルを下げた所で偉そうにしてて恥ずかしくないのかな?
とにかくビアンカに会ったくらいではまずホレない。ビアンカが助けてくれる状況が起こってもホレない。
もっともっとビアンカにグッとくることがあってもまだホレない。
耐えて、耐えて、そして優しいフローラが現れた時にやっと出て来る愛っていうのはもうしょうがない!
しょうがないと僕が思えた時にやっとわく愛が『真実の愛』なんです。
その時は僕も泣きながらプレイしてます(笑)。
僕はオタクじゃないです(笑)
オタクっぽい人がフローラを好きだって言ってもうれしく感じないです(笑)
ビアンカとか選んでる人は妥協しすぎ、もっと上にいきたいって気持ちが無い」
142:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/04/30 05:27:28.65 hEYvtJvqO
>>141
他嫁叩きは止めろアホ
嬢なら出ていけ
143:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/04/30 09:35:20.70 m5dkwffDO
尾田っちホントにこう言ったの?
フローラもワンピースも大好きだから尾田っちがフロ派なのはうれしい
144:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/04/30 23:02:40.04 hEYvtJvqO
>>143その話題は荒れるから止めろって
このノータリン
145:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/01 01:10:01.13 2C5qr8Ja0
なんか尾田の台詞で似たような台詞があったような・・・
146:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/01 01:25:26.21 ytEyJXv4O
アリーナと比べたら糞だけどなwwフローラww
147:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/01 01:38:37.85 QAByze5q0
>>143
元ネタ
読者
ふと思ったんですが、尾田っちはいつも読者のいろんなお願いごと聞いてくれてますが、
「新キャラデザイン公募」とか「君の考えた悪魔の実が誌面に登場!」とかはやらないんですか?(以下略)
尾田
─はい、募集ねぇ。しませんねェ。いらないんですよ。
ちょっと冷たいかもしれませんけど人のアイデアが欲しくないんですよねー。
ジャンプの担当さんなど、時々代わったりしますが、
新しい担当さんに最初に必ず言う事は「僕にアイデアを出すな」ですからね。
人も話も全部自分で考えた!という自信が欲しいんですねー。(以下略)
しかしフロオタってこういうバカな2chネタを簡単に信じる上に
他のキャラを叩くものなのを嬉しいって平気で言えちゃう神経の持ち主なんだなw
148:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/01 06:32:58.49 L3t80Bh1O
暫く平和だと想ったがやはりこう言う流れに成ったか…
アンチ野郎wは確信犯的に尾田の話を持ち出して、わざとらしくビアを叩いてやがる。案の定>>147みたいなフロ派憎しの血の気が多いのがレスしてくるし
揉めたいのならν速かネトゲー板で専用スレでも立てたら良いのに、はっきり言ってキャラスレでされると迷惑千万だw
まあ…自分のこのレスもスルーして、また147に反論するようなら、このスレもおしまいだなw
149:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/01 08:26:41.28 USHSd6+xO
>>147
改変ネタかぁ‥
教えてくれてありがとう
言われてみたらSBSで似たようなの読んだ気がするぉ
>>人も話も全部自分で選んだ!という自信が欲しいんですねー。
>>フローラを選んだら、主人公の周りだけで小さく話が収まるんじゃなく、あの世界すべてが動き出す展開になるはず。
>>耐えて、耐えて、そして優しいフローラが現れた時にやっと出て来る愛っていうのはもうしょうがない!
このへん、さすが尾田っちだー‥って共感したのになぁ
別にビア叩いてる内容じゃないし感動したけど尾田っちが言ったんじゃないんだね
ともかくありがとう
150:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/01 12:27:26.10 Hl9RB+8F0
尾田がそんな気違いフロオタみたいなこと言うわけないだろwwww
151:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/01 13:58:20.12 L3t80Bh1O
>>150
こんな所で草はやしてないで自分のスレに帰れよ…(苦笑い)
152:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/01 16:13:08.65 USHSd6+xO
>>141は別にビアンカ叩いてないと思うけど
153:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/01 17:57:39.43 +P59gguiP
別にどの嫁派でもいいが>>147みたいな文に感動し共感するとか言ってる奴の脳内が心配
元の尾田の文は結構頷ける所が多かったけど改編ネタなんてたかがゲームの嫁選びの問題で
自分の選択と反対に言った人を蔑んでそのキャラを好きな人自体を否定しているだけの文だろ
尾田をそんな基地外嫁厨丸出しの低俗な人間扱いするな
154:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/03 09:31:56.05 z4PRqZvMO
だから~、もしもホントにこれが尾田っちの言葉だったとしても別に問題ない内容じゃない?
誰も叩いてないし傷つけてないぉ
フローラを選んだ方が話に広がりが出るとか、
辛い生活に耐えて耐えて、やっと出会えたフローラに真実の愛が生まれるとか、
すっごくいい話じゃないか!
尾田っちが言ったんじゃなくて改変だったのはホント残念だけど
155:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/03 18:07:35.58 VxjQSCXD0
>>141の改変ネタにはビアンカ選んでる人は妥協しすぎ、
上にいきたいって気持ちが無いとか書いてあって、
誰も叩いてないとは言えないだろう
156:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/03 18:45:51.81 WOnz++NlP
5の嫁選びば好みのキャラを選べばいいだけど誰選んでも話変わらないんだから
フローラ選んだら話しが広がるも糞もないと思うが
辛い生活に耐えて耐えて、やっと出会えたという存在が
人によってはフローラだったりビアンカだったりデボラだったりするというのがドラクエ5
中には性能しか興味ない人も結構いるけどな
フローラ以外のキャラに真実の愛を感じてプレイしてた人もいるのにそこを無視して
>美人の幼なじみに会ったから喜ぶってね、愛じゃないんじゃないかと思うんですよ。
>最近のプレイヤーはおかしい、下手糞や妥協ばっかりじゃないですか?
>パケ絵のビアンカを気にするプレイヤーにはプライドが無い、基本的に下手糞、レベルを下げた所で偉そうにしてて恥ずかしくないのかな?
とか全体的にフローラ選んだ奴以外馬鹿にするようなこういう押し付けを尾田はしない
>オタクっぽい人がフローラを好きだって言ってもうれしく感じないです(笑)
とか自分と同じものを好きな人でもオタクだったら馬鹿にするとか、尾田はこんな性格悪くない
まず担当が変わるごとに
>新しい担当さんに最初に必ず言う事は「僕にフローラを選ばせろ」ですからね。
と1番最初に言うようなアホな作家がどこにいるんだよ
5の嫁は誰を選んでもいいが、>>154みたいな馬鹿に尾田やワンピのファンを名乗って欲しくない
157:踊り娘の服
11/05/03 23:13:27.94 zLym5MziO
最初に…個人的にⅤの嫁キャラのスレは微妙な状況なので他嫁を若干でもsageる内容のレスやコメ紹介はするべきではないと思う
冬が間近に迫ったとある晩秋の日、グランバニアの王家は久しぶりの余暇をもらい、その余暇をフローラの故郷であるサラボナで過ごすことになった。
瞬間移動呪文(ルーラ)でそのサラボナに到着したネクストとフローラ、そしてトゥルーとセイルの子供たちは、
自分たちが王家であることを周囲に悟られないよう、冒険した頃の普段着の衣装で一路ルドマン家の方に向かった。
フローラ、そしてネクストや子供たちの愛犬であるリリアンに挨拶をし、玄関にたどり着くとルドマン本人が自らどかどかと大きな足音を立てて出迎えた。
ルドマン本人には事前にそちらへ遊びに行くと手紙で報告していたが、出迎える際のあまりのはしゃぎ様にフローラは言うに及ばず、
ネクストも子供たちも困惑した顔を隠せなかった。
「おお!ネクスト、フローラ、そしてわしのかわいい孫たちよ、待っておったぞ!せっかくの休日であるから、さあ、ゆっくりしていきなされ!」
と相変わらずの陽気で、かつ強引な調子でルドマンがそう告げて一足先に部屋に戻ると、ネクスト達は戸惑いながらも、
「・・・それでは、失礼致します。」
とゆっくりと深くお辞儀をしながら、ルドマンの家に上がった。
「もう、お父様ったら、相変わらず強引で・・・、少しは遠慮気味に接してくださらないと本当に困りますわ!」
フローラは眉を陰らせながら呆れた口調でそう述べた。それもそのはず、昔ネクストとフローラが結婚式を上げる際、ネクストに多くの人と物をひとまとめにして
ルーラでカジノ船に移動させ、その結果ネクストが寝込んで、フローラにシルクのヴェールを被せられなかったことに、今なお彼女自身は相当気にしていた。
その父親の強引さに、さすがのフローラも怒りをあらわにするのは無理もないことであった。
「まあ、いいじゃないか、フローラ。義父上は相変われず元気そうであるから。」
そんなフローラの気を使う姿をよそに、ネクストは笑顔で彼女にそう告げた。
「でも、あなた・・・」
尚も気を使うフローラ、しかしネクストはそんな彼女の不安そうな仕草を見て、とっさに肩を寄せながら耳元で言葉を続けた。
「さあ、義父上の部屋へ行こう。トゥルーやセイルも、おばあちゃんも会いたがっているから。」
158:踊り娘の服
11/05/03 23:15:55.86 zLym5MziO
「そうですわね・・・。」
さすがにフローラも、ネクストのスキンシップの行為の入った言葉には弱いようで、彼女は頬を赤らめ、彼に縋りつくようにそのまま一路ルドマンの待っている部屋に
歩き出した。
そんなのろけた光景をよそに、トゥルーとセイルは、
「わ~い、おばあちゃんからまたお小遣いがもらえる~!」
「もう、お兄ちゃんたら!はしたないことを言わないの!」
などと、相変わらずのボケと突っ込みの入った、仲のいい会話をしながら、軽い足取りで部屋の方に向かった。
「こんにちは~」
ネクストとその家族が一斉に挨拶して部屋に入ると、そこにはルドマン夫妻の他に、なんとあのアンディとスーザンの夫婦がお待ちかねをしていた。
ルドマンは、この日のために、事前に別荘に住んでいた二人を招待するという豪華盛大なパーティを企画していたのである。
目の前のソファーに囲まれたテーブルには、既に豪華なご馳走とお酒・ソフトドリンク等が並べられていた。
「・・・アンディ、お久しぶりね!それにスーザンさんも御一緒で。でも、どうしてこちらに?」
フローラは幼馴染でもあるアンディを見て、驚きながらも親しみを込めてそう尋ねた。
「やあ、フローラ。相変わらず元気そうで安心したよ。いや、何せ、ルドマンさんがネクストさんとその家族がこちらに遊びに来るということで、
わざわざ僕たち夫婦を招待してくれたんだ。正直言って僕も驚いているんだけどさ。」
「そういうことなの、フローラさん。でも、私も正直言ってびっくりしちゃったわ!」
「まあ、お父様って、本当にどこまでも強引で・・・、申し訳ありません。」
アンディはフローラの元気な姿を見て安心したように、軽口で彼女にそう返事を返し、彼の肩にピタッと顔を寄せていたスーザンも続けざまに言葉を返した。
一方フローラは申し訳なさそうに頭を下げたものの、二人の幸せそうな姿を見て安心したように笑顔で迎えた。
「義父上、これはいったい・・・」
ネクストは右手で紫の帽子を掻きむしり、怪訝そうな表情をしながらルドマンに問いかけた。そのルドマンはどっしりとソファーに腰掛けながら、
「わっはっは、まあよいではないか。今日はせっかくのネクストのたまの休日、この日くらい盛大にパーティを開こうではないか?」
と笑顔で接し、隣のソファーに座っていたルドマンの妻であるマリエッタ婦人もまた、
159:踊り娘の服
11/05/03 23:17:43.94 zLym5MziO
「・・・突然のことで本当に申し訳ないと思いますが、今日だけは皆様方ゆっくりと食事をしながら語り合いましょう?」
と続けざまに笑顔で述べた。そしてネクストとフローラの前に立っていたトゥルーとセイルの姿を見て、
「そうそう、トゥルーちゃんもセイルちゃんも前に来たときよりも立派に大きくなったわ。この日の為のプレゼントを用意しておいたから、ちょっと待っててね。」
と言って一旦隣の部屋に入り、すぐ出てくると、マリエッタは2個ワンセットの大きさの異なる熨斗に包まれた箱を、それぞれトゥルーとセイルに差し上げた。
トゥルーとセイルはその場で熨斗を破り、そのまま両方の箱を空けると、中には手編みのマフラーと手袋がそれぞれの箱に入っており、
マフラー・手袋ともに模様は二人の性別に合わせて、トゥルーが青色、セイルが桃色にコーディネートされていた。
「・・・もう冬が近づいていますから、トゥルーちゃんもセイルちゃんには是非風邪をひかないようにと、夜なべをしてまでも編んだのですよ。
だから、大事に使ってちょうだいね。」
自分たちのおばあちゃんでもある、マリエッタのその言葉にトゥルーとセイルは、
「わ~い!おばあちゃん、大好き~!」
「おばあちゃん、ありがとう!これ、大事に使いますから、おばあちゃんも長生きして下さい!」
と感謝いっぱいの気持ちを前面に押し出して、気持ちよくその品を受け取った。
「まあ、こんなものまで頂いて・・・、お母様には本当に申し訳ありませんわ。」
フローラは感無量になりながら母親のマリエッタに深く頭を下げた。
「こらっ。トゥルー、セイル、せっかく義母上が一生懸命編んでくれたものだから、大切に使えよ!」
「はい!お父さん。」
ネクストは当然のように子供たちに一言注意し、子供たちもまた元気に返事をした。王家の子供といえども、年齢的にはやんちゃ盛りである故に、親として頭を抱えたくなるのは無理もないことであった。
「・・・メンバーも揃ったことだし、そろそろ乾杯をしようではないか。それでは、ネクストにその音頭をとってもらおう。」
ルドマンの相変わらずの調子の一言に、ネクストは戸惑い気味ながら部屋の真ん中に出て、少し緊張気味に乾杯の音頭をとった。
「それでは・・・、家族の幸せを願って、乾杯!」
「かんぱ~い!」
160:踊り娘の服
11/05/03 23:22:57.68 zLym5MziO
と盛大に乾杯をし、そのままパーティの幕が上がった。トゥルーはテーブルの上の食べ物をくまなく口にし、セイルもまた、相変わらず自分の苦手な食べ物を可能な限り
避けながら、ゆっくりと食事を進めていった。
ネクストとフローラはルドマンとマリエッタ、そしてアンディやスーザンとともに、互いにお酒を交わしながらフローラと
結婚した頃の話題とか、あるいは巨大モンスターのブオーン退治の話題を、笑い声たからかに盛り上がっていたが、酔いがまわっていたスーザンがネクストの隣にやってきて、
「ネクストさんって、やっぱり凄い人なのねぇ・・・。ねぇ、今夜一晩私とお付き合いしてもいいかしら?」
とネクストの肩に手を回しながら耳元でそう囁いた。スーザンのこの日の衣装は以前別荘で身に着けていたような「踊り娘の服」ではなく、
上は白いTシャツとその上に薄茶色のベスト、下にはそれと同色のミニスカートを身に着けていたが、Tシャツとスカートの間からおヘソがちらちらしていた故に、
お酒の入っていたネクストは、
「おいおい・・・、冗談はよしてくれよ・・・」
と苦笑を浮かべながらも、彼女の風貌と誘惑に、我を忘れて寄り付いた。それを見たフローラは、
「スーザンさん、きつい冗談はよしてください!あなたも・・・、そんなに彼女の腰ばかり見ないで、もっと私の方を見てください!」
と二人の中に割り込んで、檄高しながらネクストに抱きついた。フローラもまた、かなりお酒が入っていたようで、その酔い方にネクストも驚愕していた。
「おいおい、大丈夫か?フローラ・・・」
ネクストは心配そうにフローラを見つめながら尋ねた。
「私は大丈夫ですわ!それよりもあなた・・・、浮気は許しませんからね!」
と言葉をつまらせ気味に返事をしたフローラは、そのままネクストの胸元に寄り添ったまま意識を失った。その表情は少し赤く、足元もおぼつかない状態であり、
フローラがお酒にあまり強くないことを知っていたネクストは、咄嗟に彼女を抱きかかえ、
それを見て同様に心配の表情を浮かべたトゥルーとセイルとともに2階の寝室へ上がっていった。
それを見ていたアンディは厳しい表情でスーザンに叱咤した。
「おい!冗談でもそういうマネだけはやめろ!その場の雰囲気をぶち壊しにしてからに、今度そんなマネをしたら許さないからな!」
「アンディ・・・、ごめんなさい。」
161:踊り娘の服
11/05/03 23:24:49.68 zLym5MziO
アンディの毅然たる態度に、さすがのスーザンも反省し、申し訳なさそうな表情でアンディに謝った。
2階の寝室に入り、泥酔してそのまま寝入ったフローラを横にさせ、額に冷たいタオルを乗せると、ネクストは彼女の具合を確認しながら傍で見守っていた。
一緒に上がってきたトゥルーとセイルが心配そうにフローラを見ながら、
「お母さん、結構お酒の匂いがするけど、大丈夫?」
「もう、お父さんったら!お母さんを怒らせるようなことをしたら許さないからね!」
と、今にもネクストに噛み付きそうな顔つきでそれぞれ口にした。ネクストは、
「フローラ、すまない・・・」
と愕然とした表情でただ一言口にして、しばらくは子供たちとともに横になるフローラに付きっ切りで見守っていた。
そこへ後から上がってきたルドマンとマリエッタの両ご夫妻が入室し、マリエッタが、
「ネクストさん、下でアンディがお話があるということですので、代わりに私たちがフローラの様子を見守ってあげます。だから行ってあげてください。」
と丁重に告げたので、これは只事ではないと感じたネクストは、
「すみません・・・、もしフローラの身に何かありましたら、すぐに僕を呼んでください。」
と彼女に告げた。トゥルーとセイルには、
「ちょっと席をはずすけど、おとなしく待ってくれよ。大丈夫、何かあったとしてもおじいちゃんとおばあちゃんが傍についているから。」
と一言伝えておき、そそくさに下に降りていった。そんな慌てぶりな父親を見てトゥルーは、
「お父さん、本当に大丈夫かなあ・・・」
と心配そうに口にすると、セイルは尚もムッとした表情で、
「もしその間にお母さんの身に何かあっても、それはお父さんの責任だから!」
と言葉を返した。
先程まで盛大にパーティを行っていた下の1階の部屋には、既にスーザンの姿はなく、アンディひとり残っていた。部屋はまだ片付いておらず、殺風景な雰囲気の中、
アンディとネクストが無表情で対面していた。すかさずアンディは、
「ネクストさん、ここでは話をしにくいから、外で話をしよう・・・。」
と一升瓶の酒を片手に切り出してきたので、ネクストもまた、
「・・・望むところだ!」
と切り返し、二人はすかさずに外に出てサラボナの街の中央の噴水のある公園へ向かった。
162:踊り娘の服
11/05/03 23:29:53.81 zLym5MziO
既にかなりの時間が経過していたこともあり、夜は更けて、辺りもかなり寒くなっていたが、それでも二人はそんなことはお構いなしに、既に止まっていた噴水のそばのベンチで向かい酒を堪能した。
突然、アンディが申し訳ないと言わんばかりに、辛そうな表情でこう切り出してきた。
「ネクストさん、今日は本当に済まなかった。我妻スーザンが調子に乗りすぎてフローラを怒らせてしまったことに、僕自身も反省している・・・。」
アンディは先程の件で、せっかくのパーティを台無しにしたことを本当に反省していた。ネクストもその件は別に気にしてないといったように笑顔で応対した。
しかし、アンディは突然手のひらを返したように表情を硬くして、更にこう続けた。
「・・・だけどな、ネクストさんははっきり言って優しすぎる。特に女性に対して!こんなことでフローラを幸せにできるのかどうか、正直不安だ!・・
もし今日みたいにフローラを怒らせたり、泣かせるようなマネを今後も続けたら、僕は絶対許さないからな!スーザンと結婚している現在でも、
フローラは、僕にとってはたったひとりの大事な幼馴染だからな!」
アンディの説得力のあるからみつきに、ネクストは厳しい表情のまま、しばらくの間黙り込んでいた。そんなネクストの態度に業を煮やしたアンディは、
ネクストの服を掴んで更に食ってかかった。アンディもまた、かなりお酒が入っていたようであった。
「ネクスト~!さっきから黙ってないで何か言えよ!コラァ~!」
かなり殺気だった表情でアンディは問い詰めた。ネクストはアンディの服を掴んでいた手を持ち、それを突き放してから冷静でかつ毅然とした態度でこう言葉を返した。
「アンディ、確かにお前の気持ちはよく理解できる。しかし、感情だけでは女性を愛することは出来ないのだ!」
ネクストは両腕を組んで、さらにこう続けた。
「・・・今更ながらこんなことを持ち出すのもどうであるが、昔、この街の南の火山にある、炎のリングを探しに行く際、
お前は一人で出かけては結果的に大火傷を負ってフローラを初め、周囲の方々に心配をかけたこと。
正直言って今でも怒っているのだ!あの時のお前はフローラを見ず知らずの男性に取られてたまるか!というような感情だけでそういう行動に出たのであろうが、
そんなことで女性が振り向いてくれるといったら大間違いだ!
163:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/03 23:32:54.48 zLym5MziO
・・・フローラはあの時のことを今でも悔やんでいる。何故アンディに
「そんな無茶なことはやめて!」とあの時どうして言えなかったのだろうって。
」
ネクストの冷静で、それでなおかつ重みのある言葉に、さすがにアンディも少し感情が収まったようであった。
『フローラが・・・、そんなことを?』
アンディはフローラが今でもその件で後悔していることに、先程までとは正反対の態度で急に落ち込んだ。
アンディはこれまで自分が行ってきたことを「確信犯」的に考えてきたが、それがかえってフローラを傷つけていたことに、後悔の念にさらされていた。
「僕は・・・、あの時フローラのためにと思って頑張ったのに・・・」
下にうつむくアンディの目から無数の涙が零れ落ちた。そんなアンディが少し気の毒になったのか、ネクストは、
「アンディ、お前には既にスーザンという、フローラとはまた違う魅力ある女性がいるではないか?それなら
スーザンにそういう心配をさせないよう頑張れ!でないと、スーザンにも愛想つかされるぞ!」
と彼の肩を軽く叩きながら励ました。その言葉にアンディは涙を拭いて、
「・・・ネクストさん、これだけは言っておきますが、今でも僕はフローラのこと愛しています。ただそれ以上にスーザンを愛しています!
だから余計な心配はしなくても大丈夫です。」
と少し憮然とした表情で言葉を返した。ネクストはアンディのその言葉に安心したのか、あるいは向かい酒で酔いが進行してきたのか、突然笑顔でこんな話題を切り出してきた。
「ところで・・・、スーザンは家ではいつも「踊り娘の服」をきているのか?」
思わぬネクストの質問に、アンディは戸惑いながらも、
「え、ええ・・・、外出する以外はそうなんですが、何故そのようなことを聞くんですか?」
と聞き返した、彼はいったい何を考えているのか理解できないと思いながら。そしたらネクストはすかさずうつむき加減でこう話し始めた。
「いや、一度でいいから、王室の中だけでもその格好で接してみたいと思っていたから。・・・フローラには何度かお願いしてみたが、さすがに彼女は「お断りです。」
の一点張りで・・・、だからどう聞けばフローラがそれに応じれるのか、そのノウハウが聞きたくて・・・。」
ネクストの思わぬ言葉に、アンディは内心「はぁ~っ?」と思いながら、こう返答をした。
164:踊り娘の服
11/05/03 23:34:25.46 zLym5MziO
「そら、押しですよ。押し!ネクストさんって、ひょっとして、いつもフローラの尻に敷かれているんですか?」
アンディは先程とはまたうって変わって、笑顔を浮かべながら言葉を返した。対照的にネクストが先程までの毅然とした態度とは違って、顔を赤らめてながら、
「まあ・・・、そういうことになるな・・・。」
とうつむき加減に恥ずかしそうに返事をすると、アンディは、
「ははは!何だ、しっかりしてくださいよ!あんた、これでも国王なんでしょ!」
とネクストに指をさしながら思いっきり笑い飛ばし、ネクストも、
「ははは!そうだな、もっとビシとせなダメだな!」
と紫の帽子をかきながら相槌をうって、再び二人して向かい酒を進めていった。その時である。
「あなた~!」
後ろを振り返ると、酔いの覚めていたフローラが笑顔に、しかし二日酔いの症状が出ていたのか、頭を右手で軽く抑えながら顔を引きつらせて後ろに立っていた。
そしてトゥルーやセイルも隣でフローラと同様、仁王立ちで立っていた。
「お父さん、お母さんがお父さんのことを心配して、無理してまでも外の二人の様子を見にきたのに・・・、ほんっとうに最低!」
セイルもまた引きつった表情で言葉を発し、辺りは喧騒な雰囲気に包まれていた。いち早くただならぬ雰囲気を感じたアンディは、
「すみません、ネクストさん。僕はこの辺で失礼致します・・・。」
と軽く礼を交わすと、すかさずその場から逃げるようにして別荘のほうへ帰っていった。ネクストは「ちょっと・・・」と声を発しかけようとした瞬間、
咄嗟にフローラに腕を捕まれて、
「ねぇ、あなた・・・。先程の「踊り娘の服」の件、どういうことか家に戻って説明してくれます?」
と引きつった笑顔のままネクストにそう言葉を発すると、無理矢理彼の体をその細い腕で引っぱりながら、子供たちとともにルドマンの家へ戻っていった。
当然ながら、ネクストはその戻った家の、先程までフローラが横になっていた部屋で、彼女からかなり長時間に渡って厳しい説教をされたのは言うまでもなかった。
別荘に戻ったアンディは、先に戻って「踊り娘の服」に着替えていたスーザンに笑顔で出迎えられながら、複雑そうな表情のまま部屋の中に入っていった。
「アンディ、今日は本当にごめんなさい・・・。その分、今日は思いっきり愛しちゃうから!」
165:踊り娘の服
11/05/03 23:35:30.87 zLym5MziO
スーザンの健気な姿に、アンディは複雑な思いを抱えながらも彼女には笑顔で応対し、そのまま寝室へと向かった。
『ああ・・・、もし僕が仮にフローラと結婚していたら、僕もああいう思いをするのか・・・?よかった、スーザンと結婚して・・・。』
(Fin.)
166:通りすがりの白戦士
11/05/04 08:32:38.59 FILsdsNhO
SSお疲れさんです。
僕はアン×フロ好きですが楽しめました。
男同士の会話もなかなか良いですね。
デボラ姉様も絡めた話も期待してます。
167:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/05 04:57:56.79 TxmeBKnsO
通りすがりの白戦士さんのssも期待してまーーす
168:通りすがりの白戦士
11/05/05 08:10:55.04 jMoZ38w6O
有難うございます。
基本的にアン×フロになりますが、宜しいですか?
169:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/05 11:21:33.66 VdoI43CD0
>>143>>149>>154
典型的基地外風呂糞厨
170:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/05 18:36:10.35 TxmeBKnsO
フローラに愛が感じられる作品であれば
大歓迎です
171:通りすがりの白戦士
11/05/05 23:04:14.00 jMoZ38w6O
(修正版)
~揺れる青髪1~
雨は土砂降りになっており、時折雷が遠くから聞こえる。
まるで、アンディの心境を表しているようだ。
彼は眠れないでいた。しかし、火傷のせいではない。傷も痛みもフローラの献身的な看護で治っていた。
「リュカさんがフローラを選んだら…。今更どうなるわけでもないのに僕は何を悩んでるんだ!」
何度寝返りを打ち、起きて水を飲んだか分からない。
「お父さんの望みの為に愛した女性を諦めようとするなんて…。
悔しいが、僕にそんな勇気は無い。リュカさんは器が大きすぎる。
火山で彼に助け
られて分かったはずだ!」
アンディは悩む度に自分に言い聞かせた。
しかし、花嫁選びの時間が近づき、雨が酷くなると、彼の心はかき乱され、呼吸も荒くなる。
「どんな形でもフローラが幸せなら良いじゃないか!!」
いっそ、リュカが悪人ならどんなに楽になれたろう?彼の悪い部分を探しもした。
しかし、無駄どころか、余計にみじめに感じた。
肩を震わせ、アンディは泣いた。
無力な自分、嫉妬にかられた醜い自分に、そしてフローラとの思い出に…。
「サラボナの空も泣いてくれているのかい…?」
ふと、窓を見ると、稲光で人影が走って来るのが見えた。
「ん…?」
そしてそれは、家の中へ入っていった。
「…リュカさんかな?」
起き上がる度に窓から外の様子を眺めていたアンディは、リュカが眠れないで外出したのを見た。
「ルドマン邸、ビアンカさんがいる別荘、僕の家という事は、いよいよか。」
アンディは覚悟を決めた。
「きっと僕に謝りに来たんだね。律儀なリュカさんらしいや。
いいさ、ショックは早い方がいい。」
もう、彼は吹っ切れていた。
そして、徳上のワインとグラスを用意した。
「彼も苦しいんだ。こんな事しか出来ないが、今度は僕が助けてあげよう。」
やがて、足音がゆっくりと部屋に近付いていった。
「おつまみは…お互いの好きな女性の話だけで十分だ」
足音はドアの前で止まり、重苦しい雰囲気が流れた。
「リュカさんだろ?僕も眠れないんだ。朝まで飲み明かそう。」
だが、ドアが開かれるとアンディはグラスを落とした。
「…アンディ…。」びしょ濡れのフローラが、哀しげな瞳でじっと見つめて立っていた。
「フローラ、どうして…!?とにかく、身体を拭いて…」
172:通りすがりの白戦士
11/05/05 23:30:18.66 jMoZ38w6O
~揺れる青髪2~
アンディは急いで灯りを点け、タオルで顔を拭いた。
「懐かしいな…。君が修道院に入る前は、こうやって顔を拭いた事もあったね。僕はこれが最後だけど…、なあにリュカさんなら僕より上手に拭くさ!」
アンディは目の前にフローラがいても、決して動揺しなかった。
いや、その笑顔は清々しささえ感じられる。
「………っ」
フローラはうなだれ、滴が次々と床に音を立てた。
「あ、ごめん。髪も乾かさなきゃね。顔だけ拭いても意味ないよね。」
アンディは自分のミスに苦笑した。その表情さえも清々しい。
だが、フローラはその彼の表情に反して、哀しげに、時折怒りを混ぜながら肩を震わせる。
「本当にごめん。だから、リュカさんに負けるんだね。だからこそ、君はリュカさんと幸せになってくれ。」
今のアンディには最高の誠意ある言葉のつもりだった。
しかし、それに対する返礼は乾いた音が響く平手打ちだった。
「いい!触らないで!!」
フローラはアンディの手を払いのけ、ピンクのリボンを解いた。
滴が次々飛び、灯りに反射されて輝く。
それと同時に後ろで束ねていた前髪が額を覆い、それまでの凛とした雰囲気が変わった。
「フローラ…」
前髪を下ろしたり、ずぶ濡れのフローラをアンディは何度も見た。
しかし…、今のフローラは妖艶にさえ感じられる。
「あなたはまだ、そんな事を言ってるの!?」
アンディは突然の事で不思議そうな表情だ。
「お父様はリュカさんとの結婚が幸せだとは言った。
確かにリュカさんはあなたより強いし、世界を救う旅もしてるから立派よ。
でもね!」
フローラはアンディの赤くなった頬を優しくなでた。
「リュカさんは世界を救えても、私は幸せになれないのよ!
どんなに強くても、魔王を倒せても、
私の中にあるアンディとの思い出は消せないのよ!」
フローラの顔は、髪から流れる滴と涙で濡れていた。
「有難う…。君はまだ昔の思いを美化しているだけだ。
彼は愛する女性を諦めてまで、世界を救おうとしてる。
僕より立派だ。その人の妻になれるなんて、誇らしいじゃないか。」
さすがにアンディも動揺し、平静を保とうと自分にも言い聞かせようとした。
だが、フローラは髪を振り乱し、アンディに抱きつく。
173:通りすがりの白戦士
11/05/06 00:02:27.20 5AAjKQeXO
~揺れる青髪3~
「違う!愛する女性を犠牲にして得る平和なんて本当の平和ではないわ!
大勢の人が幸せになる為に小さな幸せを壊していいはずがない!」
アンディはフローラを抱きしめたくなってきた。
理性と愛の間で腕が葛藤する。
「もういいのよ。どんな時でも私を愛したアンディに戻って!」
アンディの我慢は限界に達しそうだ。
しかし、強く振りほどいた。
「今思えば、君はリュカさんと共に勇者を探し、
世界を救う為に生まれてきたのかもしれない。
その優しさは聖女そのものだ。
今思えば君が修道女になったのも、勇者を助ける為の修行だと考えれば納得がゆく。」
アンディは自分にも納得させるようにゆっくりつぶやいた。
「私が…、聖女?」
「その美しさは神の意志によって形造られて現れたものだ。
神に選ばれてない僕には、決して触れる事さえ許されない。」
アンディの肩は大きく震え、頬に涙が流れた。
「偶然よ、そんなの。美しさならデボラ姉様の方が」
アンディは振り返った。腫れ上がった瞳にフローラは驚く。
「俗世間が決める体型の美しさじゃない。
もちろん、見た目の良さもだが、聖なる雰囲気も感じた。
多少の魔法を勉強した僕でさえ分かったんだ。
君はすでに気づいてたはずだ。」
フローラは少し考え、気を取り直した。
174:通りすがりの白戦士
11/05/06 00:26:57.26 5AAjKQeXO
~揺れる青髪5~
「…確かに最近、他の人達と何か違うとは思っていたわ。
聖なる力を感じたりもした。
少しだけど時々、デボラ姉様にも感じるの。」
「やはりデボラさんもか…。
君も聖なる力を感じたなら本物だ。」
アンディはフローラのリボンを拾い、彼女に手渡した。
「全ては神の意志だ。逆らったら罰を受けるだろう。
だから、君は幸せになって欲しい。」
「全ては神様の意志…。
私は聖女…、世界を救わなければならない…。」
フローラは小さく何度もつぶやきながら、髪を整えていった。
それはまるで、1人の女性から聖女への変化を現すようだった。
「僕はどんな罰も受ける覚悟はある。でも、フローラを巻き込みたくはない。
君が少しでも僕を愛していた事で十分だ。
僕はその思い出だけで生きて行ける。」
フローラは髪を結び終えた。
「私は聖女。自分の運命に従います。」アンディはフローラの幸せを祈った。
「あなたに神の祝福があらん事を…。」
それは恋人に対してではなく、世界を救う聖女に対してだ。
「有難うアンディ。でも、リュカさんとの結婚の前にしなければならない事があるの。」
「何だい?」
「ほんの少しとは言え、私達は神様の意志に背いて愛し合ってしまった。
私達は穢れを清め、神様に懺悔しなければなりません。」
もうすっかり、フローラは聖女の顔だ。
「分かった。どうやってやればいい?」
「私についてきて。」
フローラとアンディはサラボナで一番大きい教会へ向かった。
175:通りすがりの白戦士
11/05/06 00:41:29.65 5AAjKQeXO
~揺れる青髪6~
フローラは修道院を出た後はここで聖歌等の儀式に参加しており、
夜でも自由に出入り出来た。
教会に入ると、フローラは修道女と修道士の服を用意してもらった。
「どうして僕まで、着替えるの?」
「ごめんなさい。
教会の人には私があなたに新しい修道士としての洗礼の儀式を行うって言っておいたのよ。
私は修道女だけど、修道院長の代行をした事もあったからね。
その方がわかりやすいわ。」
「そうか…。本当の事は神様にしか言えないよね。」
2人は着替え終わると、礼拝室に入っていった。
月明かりがステンドグラスを通し、女神像が神々しく輝いていた。
「さあ、始めましょう。」
フローラは聖水の入った容器とグラスを用意した。
「何ですって!?教会に!」
ルドマン夫人のシャルロットは慌てて寝間着から着替えた。
フローラが突然、止める間も無く家を飛び出してから、行方が分からなかったのだ。
こんな夜更けに若い男を連れて訪れた教会のシスターが不審に思って通報したのだ。
「あの子が男と教会でデート?他に行く所は無かったのかねえ?
ま、箱入り娘と純情な文学青年にしては上出来かな。
教会なら、変な気は起きないでしょ。」
デボラは冷静に判断していた。
「確かにそうだが、大事な花嫁候補だぞ!大事な日の前に男と出歩くなんて…。
お前達、早く馬車に乗り込め!力づくでも連れて帰るぞ!」
ルドマンも急いで部屋に入ってきた。
礼拝室は2人だけだった。
フローラが儀式の間は誰も入れないようにと当直の人に頼んでおいたからだ。
「主よ、どうか私達の罪を清めて下さいませ。
私達はこれより、正しき道を歩みます。」
床にひざまずき、フローラは祈った。
修道女の服も似合ってるな…。と、アンディは見とれてしまった。
「ほら、アンディも。」
促されるままに、アンディも同様に祈った。
「これは女神様の聖なる血。今から、私達は女神様と一体になります。
そして女神様の大いなる愛で私達の罪を清めてくれるでしょう。」
フローラは祭壇に供えてあったワインを取った。
アンディは修道士の服を着ていなかったら、
その神々しい雰囲気に圧倒されていただろう。
「さあ、あなたも。」
フローラはワインを口に含み、残りのグラスをアンディに差し向けた。
「うん。」
アンディは手を差し伸べた。
しかし、グラスは渡らなかった。
「(フローラ…!)」
一瞬の隙をつき、アンディの唇は奪われた。
176:通りすがりの白戦士
11/05/06 01:23:28.37 5AAjKQeXO
~揺れる青髪7~
フローラの口内の残りのワインがアンディの中に入る。
アンディは思わず飲み込んだ。
「これで私達は女神様と一体になったわ。」
驚くアンディをよそにフローラはゆっくりとグラスを祭壇に戻した。
何年振りのキスだろうか?
アンディは思い出していた。
「昔はよく、こっそりキスしてたね。」
「嬉しかった…。悪い男の子達にいじめられて泣いていた時には最高のプレゼントだった。」
「僕だって。いじめっ子をやっつけた時に受けた傷を治すのに、
フローラのキスは良い薬だった。」
フローラに笑顔が戻る。
「でも、やっつけられるのが多かったけど」
再び、フローラの表情が憂いを帯びる。アンディの髪を優しく撫でた。
「いいの。アンディは優しいままでいて。」
「ああ、僕は変わらないよ。それより、今の事は2人だけの秘密だ。
最後に良い思い出を有難う。これで」
「身体が渇くのよ…。」
フローラはよろめき、アンディに受け止められた。
酔いが全身に廻り、唇にワインの残りが着いてるのに気付かない。
「うん。すぐに水を持ってくるから。」
アンディは拭き取ろうとしたが、腕を掴まれた。
「ダメ。」
「もうワインはダメだよ。お酒弱いの分かったでしょ?
氷水を作ってあげ」
フローラはアンディの腕を振り払った。
「そんなの嫌!あなたの愛でなきゃ潤わないのよ!!」
「フローラ、神の意志に従うんじゃなかったのか!?」
アンディは慌てて唇を押さえて動揺している。
フローラは帽子とベールを床に投げ落とした。
ウィンプル(顔を包む頭巾)の紐に手をかけると、アンディは慌てて止めた。
「従ってるわ。リュカさんに会うのも神の意志なら、
修道院に入る前にアンディを好きになったのも神の意志だわ。」
フローラは構わずウィンプルを外し、束ねていた髪を解いた。
美しい青髪が風に舞うように降りた。
顔と前髪しか見えなかったギャップと相まってアンディはその光景に見とれていた。
「何故なんだ…?分からないよ。」
「リュカさんとの出会いは女神様が私達に与えた試練なのよ。
だから、乗り越えなくてはならない。」
アンディは呆然とした。
「私も罰を恐れない!私にとっては、好きな人と一緒になれない方が罰なのよ!」
「フローラ…!」
アンディはフローラを抱き締めた。
ワインを少し含んだだけなのに、身体は火照っていた。
177:通りすがりの白戦士
11/05/06 01:40:33.09 5AAjKQeXO
~揺れる青髪8~
「主よ、今から私達は自分の信じた道を歩みます。それが悪というなら、いかなる罰も受け入れます。」
フローラは、アンディの上着をゆっくりと脱がした…。
「抱いて、アンディ…。」
「なんて広くて立派な教会なんだ!フローラ!フローラ!!」
教会に着いたルドマンは一心不乱に走った。
「あなた、こっちです。」
シャルロットは礼拝室の扉へ手招きした。
ルドマンが扉へ来ると、先に鍵を受け取っていたデボラがそっと開けた。
「お、恐れていた事が…!!」
ルドマンは膝を床に着き、
「フローラ、あなたって娘はそんなにアンディさんと一緒になりたかったのね…!」
シャルロットは半ば感動して立ち尽くした。
「アンディ…!好きよ!」
「フローラ、もう離さない!」
女神像の下で2人は愛し合っていた。
辺りには修道女と修道士の服が散乱している。
それらの上で、2人は互いの全てを求め合っていた。
全身への優しいキス、激しい愛撫。
ルドマンの怒りは頂点に達した。
「許さん!ワシは認めんぞ!こんな馬鹿げた事を!あんな頼り無い男に娘を奪われて」
ルドマンは扉を大きく開けて中へ入ろうとした。
だが、デボラの腕が光り、ギラの魔法が発動されようとしていた。
「2人の邪魔をするのはパパでも許さないよ。黙って最後まで見てな!」
デボラは体を張って制止していた。
「デボラ…。」
ルドマンは娘の怒りに圧倒され床に座り込んだ。
シャルロットがそっと包み込む。
「…あなた。私もまだ心臓が高鳴ってますわ。夢でも見てるみたいよ。
でもね、今まで私達の為に優しくしてくれて、
我慢してきた娘が命懸けで愛し合ってるのよ。
今度は私達が応援してあげるのが親の役目じゃないかしら。」
2人の愛は佳境に入り、激しく入り乱れる。アンディの吐息とフローラの絶叫が部屋の中に響き渡っていった。
178:通りすがりの白戦士
11/05/06 01:56:37.32 5AAjKQeXO
~揺れる青髪9~
「おしまいだ…!リュカ君に何て詫びればいいんだ~!」
ルドマンは子供のように泣き出した。
アンディが仰向けになり、フローラはゆっくりと彼の上に乗った。
フローラは次第に身体を反らせていく。
窓から差す月明かりに照らされたフローラは、
女神像に引けを取らない美しさを魅せていた。
「綺麗ね…。自慢出来る体型ではないのに、ここまで見せてくれるわ。」
「本当に。親馬鹿だけど、女神様より綺麗だわ。
ううん、あの子が女神よ。
背中から翼が生えてるのが見えそうよ。」
「ねえママ、あの娘ったら、あんな顔するんだ。
あんな嬉しそうな顔、初めて見たわ。」
デボラとシャルロットはすっかり見入ってた。
「そうね。あんな顔は私にも見せた事は無かったわ。
ほら、あなたも御覧なさい。」
ルドマンは渋々見上げた。
2人の愛は頂点に達し、今は余韻を楽しんでいた。
やがて聖水で喉を潤すと、
互いの修道服のローブで身をくるみ、身体を寄せ合った。
2人共、一糸纏わぬ姿なので、急に身体が冷えたのだろう。
「…今頃子供みたいに笑いおって…。」
ルドマンはもう怒る気力は失せ、哀愁さえ感じられた。
「パパがフローラを愛してるのは知ってるよ。
でも、あの娘はパパを嫌ったわけじゃないからね。」
「知っていたのか…。ワシがフローラの事を…。」
「あたしとフローラが拾われたのも知ってたよ。
パパは最初は親としての愛情だったけど、段々男としての愛に変わっていった。」
「もう、いいのよ。私も知っていたわ。」
シャルロットはデボラを制止しようとしたが、振り払われた。
「男としての愛に気づいてたか知らないけど、フローラは言ってたよ。
私が結婚したら、お父様はお母様とデボラ姉様を私以上に愛しくれるわ。
お父様の愛は家族みんなのものなのよ。
お父様はいつかきっと、お気付きになられるはずだわ…ってね。」
ルドマンの瞳は涙で濡れた。
「フローラ…すまない。やっぱり、お前は優しい子だ。」
フローラとアンディは着替え始めた。
「ねえアンディ、駆け落ちは最後の手段にしましょう。
私、お父様は話せばきっと分かって下さると思うの。」
「知っている。小さい頃、家に招待されて親切にしてもらったのを覚えてるよ。」
「また…明日ね。」
「うん、また明日。」
2人はそっとキスを交わした。
「ほら、2人に見つからないうちにさっさと帰るよ。」
デボラはルドマン夫妻の背中を押した。
179:通りすがりの白戦士
11/05/06 02:08:46.93 5AAjKQeXO
~揺れる青髪10(エンディング)~
―10年後―
ルドマン夫妻所有の船上でデボラの結婚式が行われていた。
相手はグランバニアの兵士ピピン。リュカがサラボナを訪れた時の従者で、デボラが興味を持ったらしい。
「全く、勢いで結婚するとはフローラもデボラもしょうのない娘だ。」
「そうですわね。
私達が愛し合っているのを思い出して励まれたお父様の娘達ですものね。」
「いや、それはだな…」
「フローラ、あまりお父様を責めないでね。
あの時、あなたが心配で探してたら偶然見ちゃったのよ。」シャルロットは少し照れながら、フローラの肩に触れた。
「でもまさか、50代で子供が出来るとは思いませんでしたよ。
おいで、クララ。」
クララと呼ばれた少女は、はにかみながら両親の間から出てきた。
「なあに、アンディ兄様?」
「結婚式が終わったらアイナとレスターと一緒に、
デボラ姉様とピピン兄様に花束を渡してくれるかい?」
「うん!」
「いい子ね。アイナとレスターも気を付けて持って行くのよ。」
「分かりましたわ。お母様。」
「僕はピピンおじ様に渡したいな。」
子供達はフローラから花束を受け取ると、元気いっぱいに走って行った。
結局、リュカはビアンカを選んだ。
フローラは駆け落ちも考えていたが杞憂に終わった。リュカの結論はこうだ。
「たった1人の純粋な思いに報えないのに、多くの人を救う事なんか出来ない。
僕達が幸せになる事で誰かが幸せになるなら、
勇者や天空の装備を見つけるより早く平和にする方法だと信じる。
根拠?ビアンカとフローラさんとアンディさんの顔を見れば分かるさ。」
リュカもフローラと同じ考えだったのだ。
フローラも今では2児の母だが、ますますアンディと愛し合っている。
「ねえアンディ、結婚式が終わったら、
リュカさん達の仲間に加わってもいいかしら?」
「僕もそれを考えてたよ。ヘンリー様やマリア様も加わってるみたいだし、
魔王を倒す戦力は多い方がいいね。」
「ありがとう、嬉しいわアンディ。」
フローラはアンディに抱きついた。
「まさか、あたし達を置いてかないよね?」
「旅は賑やかなのが楽しいですよ。」
いつの間にか、デボラとピピンが話を聞いていた。
「姉様達…!そうね。みんなで行きましょう。」
フローラ達の旅は始まる。
180:通りすがりの白戦士
11/05/06 02:14:34.02 5AAjKQeXO
>>170
とりあえず、揺れる青髪の修正版です。
内容はほぼ同じですが、少し短くなった分、テンポよく進むと思います。
エンディングも1つだけです。
181:通りすがりの白戦士
11/05/06 04:32:56.96 5AAjKQeXO
4が抜けてますが、単なる表記ミスです。気にせず3→5の順で読んで下さい。
修正版と明記しましたが、初心者ゆえまだまだ誤字等で見辛い部分もありますが、ご容赦下さい。
182:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/06 17:27:23.56 EtDdvaGWO
通りすがりの白戦士さんお疲れ様
新作も期待してまーーすッ!
183:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/08 10:53:35.65 2FQ5gqwl0
フローラは女神
ビアンカゴリラはすっこんでろ!
184:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/08 12:28:46.72 0i76UA2WO
皆さん!他嫁を叩く荒らしはスルーですよ
185:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/08 18:56:16.41 O7RQxoOp0
SFC版フローラは、シンプルなだけにいっそう清楚な感じがする
主人公と二人並ぶと、どちらも青と白で見た目的にもよく似合う
186:通りすがりの白戦士
11/05/10 14:52:57.14 7LbSE/o5O
主×フロを書いてみます
~懺悔1~
「あの扉を開くと、ミルドラースとの戦いになる。もう、後戻りは出来ない。」
リュカとフローラは馬車の先頭を歩いていた。
「覚悟は出来ていますわ。あなたと結婚した時から…。」
フローラはリュカの腕に触れた。幾多の戦いを経て、往年のパパス以上に逞しさを現している。
フローラの腕も、お嬢様の細腕がしなやかになっていた。
「覚悟か…。父さんの願い、世界を救う為に僕は君と結婚した。
でも、今は本当に君を愛している。」
リュカは後のメンバーに聞こえない距離を保つのを確認した。
サンチョとプックルが馬車の後方を、ピピンとブラウンが側面を警戒している。
「分かっています。私も、あなたの立派な使命をお手伝いしたい一心で、ここまで来ました。
私もあなたを愛しておりますわ。
だから、この先何があっても、あなたに付いて行きます。」
「君には本当に感謝している。普通のお嬢様なら、逃げ出してもおかしくはない危険な旅にも付いてきてくれた。
しかも、王妃となった今でもだ。」
フローラは馬車内で休んでいる子供達を見て、微笑んだ。
「家族ですから、みんな、あなたが好きだからですわ。」
リュカは空を見上げた。漆黒で何も無いが、気持ちを切り替えたかった。
「僕は…、君の様に強くなれてない。強がっているだけだ。」
「そんな事…」
「フローラ、僕は君を愛している。でも、
今でも僕の中のビアンカが消えない。いや、消せないんだ!」
187:通りすがりの白戦士
11/05/10 15:46:25.07 7LbSE/o5O
~懺悔2~
「あなた…。」
フローラには初めてだった。本気でリュカは彼女に弱い部分を見せたのだ。
「山奥の村へ訪れた時を覚えているかい?」
「ええ…。でも、あの時のあなたは、そんな素振りは見せませんでした。」
「あの時、ピピンがビアンカにアプローチしようかと僕に言った。
僕は応援すべきなのに、彼を叱ってしまった。」
リュカは震え出した。
「勤務中に女性を誘うんじゃない。でしたわね。当然の反応でしたわ。」
「違う!僕は卑怯だ!任務にかこつけただけだ。
本当はビアンカに他の男を近づけたくなかっただけなんだ!
ビアンカは僕が忘れられずに独身でいる。だが、僕はもう君を愛して結婚までしている。
分かっている。分かっているのに、馬鹿な事をした。」
リュカはフローラに向き直った。
「僕は僕を好きになってくれた女性を傷つけてまで、君と結婚し、世界を救おうとした。
だが、ますます誰かを傷つけている。
ビアンカも、ピピンも、そして愛する妻も裏切っている。
僕は最低な男だ。」
フローラは眉一つ動かさず、黙って聞いていた。
しばらく沈黙が続く。
「…分かっていました。あなたと結婚する前から、あなたがビアンカさんを忘れられない事を。」
「フローラ…。」
「実は私も…、あなたと冒険し始めた頃には何度も迷ったんです。
アンディを思い出したりもしました。
彼がスーザンさんと結婚したと聞いた時も、安心以上にちょっと嫉妬したりもしましたのよ。」
フローラはどんな時でも弱音を吐かなかったので、リュカには意外だった。
「そうか…。知らなかった。君は芯の強い女性だと思っていたが、意外だ。」
「あなた…、私達は確かに、お互いの恋人や、色々な人達も傷つけたりもしました。
でも、だから信念を持って進んで行かなければならないと思います。」
「信念…?」
「誰かが私達を悪と罵るなら、それを受け入れましょう。
世界を救う為に誰かを傷つけた報いを受ける覚悟はあります。
そして,世界に見せましょう。
私達のような結婚があってはならないと。平和な世界で誰もが好きな人と結ばれるようにと。」
フローラは覚悟を決めていた。フローラも優しい性格故に、誰かを傷つけた以上に自分を罰するつもりであった。
188:通りすがりの白戦士
11/05/10 16:39:04.57 7LbSE/o5O
~懺悔3~
「そうか。僕達の旅は贖罪でもあるんだな。
大魔王を倒し、僕のような目的で結婚して誰かを傷つける世界を作らない為に。」
「後はあなた次第です。もし、その重荷に耐えられないならば、
子供達が独立した後に私を離縁なさり、ビアンカさんと幸せになられて下さい。」
「フローラ、君は…」
「私はあなたと一緒になれて幸せでした。
今度は私がビアンカさん達の痛みを受け入れましょう。」
フローラの瞳に涙が溢れる。
「君、1人でか…?」
「元々、私と出会わなければ、誰も傷つく事は無かったんですもの。だから今度」
言い終わる前にリュカはフローラを抱き締めた。
「結婚を決めたのは僕だ。僕も同じだ!
僕の罪を受け入れるなら、君の罪も僕が受け入れる!」
フローラの涙は止まらなくなった。
「…辛い道程になりますのよ…。
あなたを愛しているから幸せになって欲しいのに、何故ですの?」
「僕の幸せは君の側にしかない。
辛い道程なのは分かっている。
でも、同じ苦しみを分かち合える君だから、一緒に歩いて行けるんだ!」
リュカもいつの間にか泣いていた。
「あなた…、本当は怖かった。1人で背負わなければいけないのに、
あなたと一緒にいたいと思ってしまう…。」
「いいんだよ。フローラ。人はそんなに強い生き物じゃない。
僕はずっとフローラの側にいるよ。」
リュカはフローラに優しく口づけをした。
「ありがとう。あなた。」
フローラも口づけを返した。
「あ~っ!お父さんとお母さん、チューしてるー!!」
馬車の中から、息子のリカルドが出てきた。
「だから、先に進んでたのね。
な~にが、「みんなを危険に合わせたくないからお父さん達が先に行く。」よ。
2人でイチャイチャしたかっただけじゃないのよ。」
娘のブリジットは不満そうだ。
「ははは。バレてしまったか!」
「ごめんなさいね。この戦いが終わったら、みんなで遊びに行きましょう。」
リュカとフローラは慌てて涙を拭く。
子供達の笑顔をよそに、2人は再び歩き始めた。
「行こう。フローラ。」
「どこまでも、ついて行きますわ。」
もう、2人には何の迷いも無かった。
189:通りすがりの白戦士
11/05/11 00:07:31.64 cncw3m4yO
~懺悔4~
大魔王は倒され、世界は平和になった。
母マーサを救い出せなかったものの、リュカとフローラの長年の目的は果たされたのである。
しかし、リュカとフローラのお互いの心の中にある昔の恋人への愛は消える事はないだろう。
それでも、2人は別れるつもりは無かった。
リュカはアンディを愛するフローラの心ごと、全て受け入れたのである。
そして、フローラもビアンカを愛するリュカの心ごと、全て受け入れた。
世界が平和になった今、新聞や雑誌記者が夫妻の結婚や過去の恋人について報道し始めた。
―金目当てに昔の恋人を振り、貴族の娘と結婚―
―王妃は既にリュカ王の素性を知っていた。だから、結婚を約束した恋人を捨てた―
等々、王室バッシングは絶えない。
もちろん、世界を救う為に結婚した事を信じ、支持する国民もいる。
「陛下!また、このような記事が!」
新聞を手にしたサンチョが息巻いて夫妻の部屋に入ってきた。
リュカはフローラと共に記事を見た。
「…リュカ王は今でも昔の恋人を愛している…か。」
「山奥の村へ行った時の私達の行動が、噂になっていたのでしょう。」
「早速、発売禁止命令を」
リュカは手を振った。
「良い。そのまま書き続けさせてやれ。」
「ですが、王家の名誉に…。」
「あなたとビアンカさんが少し親しげに話したのが、そう見えたのでしょうね。」
「そ、そうですよ。陛下とビアンカちゃんは幼なじみなんだし、それくら」
リュカはフッと微笑んだ。
「だが、事実だ。僕は今でもビアンカを愛している。」
「ぼ、坊ちゃん!?あ、いや、リュカ王!?お妃様の前で何という事を!?」
サンチョは慌てて、昔のクセでリュカを呼んでしまった。
声も裏返っている。
「宜しいのですわよ、サンチョさん。私もまだアンディを愛してますもの。」
「ええっ!?お妃様まで!?」
サンチョはどうしていいか分からなかった。
「そろそろだな。」
「そうですわね。」
リュカとフローラは慌てるサンチョを横目にある決意を固めた。
190:通りすがりの白戦士
11/05/11 01:01:21.73 cncw3m4yO
~懺悔5~
マスコミや多くの国民の要望もあり、リュカとフローラは記者会見を開いた。
記者会見自体は珍しくない。
しかし、この様な事で開くのは王室が始まって以来、初めての事である。
大勢の記者が矢継ぎ早にリュカとフローラに質問を浴びせた。
「今後、離婚はされるんですか?」
「ビアンカさんとの関係を続けられるおつもりですか?」
「お子様達は知っておられるのですか?」
等々、マスコミは容赦なかった。
「静粛に!!」
リュカは毅然とした態度で一括すると、マスコミは静まり返った。
「皆さんが、お書きになられた様に私はビアンカさんを今でも愛しています。
そして、妃もそれを知っております。」
一斉にどよめきが起きる。リュカはそのまま続けた。
「ですが、神に誓って彼女とはやましい関係は一切ありません。
私が一番愛しているのは妃であるフローラです。
ですから、私は妃とは離婚しません。」
「フローラ様はそれをお認めになられるのですか!?」
女性記者の悲鳴に似た質問が飛ぶ。
「はい。私も同じです。
アンディさんを愛してますが、陛下と一生を添い遂げたいと思います。
私達は同じ思いで苦しんでいるからこそ、より深く愛し合えるのかも知れません。」
「別れた方が楽になるのでは?」
「いいえ。私達は一緒にならなければなりません。
魔王を倒す為に、お互いの恋人を犠牲にした私達は世界に示し続けるのです。
私達の酷さや醜い部分を知った皆さんが、本当に好きな相手と愛せるようにと。
もう、私達のような辛い思いをする事が無いようにと。」
リュカの演説で会場は再び静まり返った。
「皆さん、私達の昔の恋人への取材や記事は止めて下さい。
その代わり、私達については批判的な記事を書かれても構いません。
それと私達がお互いの昔の恋人への後悔を忘れずに一緒になる事。
それらが、周りを傷つけた私達に与えられた罰なのですから。」
フローラも毅然とした態度で述べた。
お互いに苦しみながらも愛し合う。
この奇妙とも言える関係だが、国民は好意的に受け止めた。
夫妻を応援する者、賛美する者等、様々であった。
191:通りすがりの白戦士
11/05/11 02:00:07.05 cncw3m4yO
~懺悔6(エンディング)~
「良かった。お父さんもお母さんも離婚するなんて言わなくて…。」
リカルドは涙声になっていた。
「また離れ離れなんて嫌よ。ずっとずっと私達の側にいて下さい!」
ブリジットも泣きながら、フローラにしがみついた。
「ああ、すまない。お父さんとお母さんはこれからもずっと一緒だよ。」
リュカは子供達の頭を撫でた。
「ねえ、あなた。今度の結婚記念日は修道院に行っても宜しいかしら?」
フローラも子供達の頭を撫でた。
「修道院?どうして?」
フローラは少し照れながらリュカを見た。
「今度の事で改めて私達は夫婦になれたと思うのよ。
ですから…、また結婚式を挙げたいと思いましたの。」
「結婚式か…。確かに、国民にはいい宣伝にはなるな。
それなら、同じサラボナの船か城内の礼拝堂で」
フローラは首を振った。
「ううん。そんなつもりではないのですわ。
国を挙げて税金で盛大に挙げるのではなくて、家族だけで慎ましく挙げたいのよ。」
「そうか…。分かった。行こう、修道院へ。」
結婚記念日は2人の再出発を祝福するかの様に快晴だった。
記者会見の記事が発行された後、ビアンカはピピンと交際し、リュカは親身になって後押しした。
もう、迷いは見られない。
アンディとスーザン夫妻にも子供が恵まれ、こちらもフローラが育児に関する協力を惜しまなかった。
更に、それらを見届け安心したかの様に、フローラの姉のデボラも交際していた男性と婚約した。
修道院に着いた夫妻は、幸せになりつつある者達を思い出していた。
「少しは肩の荷が降りたかな。」
リュカの花婿衣装は水色のフロックコートに白スカーフである。
「ええ。でも、まだまだこれからですわ。」
フローラの花嫁衣装は肩と首まで覆うピンクのドレスに、ウィンプルと透けないベールで頭を包む修道女に近い様な感じである。
どちらの衣装も以前の結婚式のと同じ物であった。
「さあ、行こう。」
「はい、あなた。」子供達に連れられて、夫妻は祭壇へと進んだ。
192:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/11 05:42:36.97 YlPyKP2xO
乙です
193:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/13 22:49:29.36 cHNpudp4O
通りすがりの白戦士gj
194:帰ってきた井戸魔神I
11/05/14 02:10:37.71 /8ysly3s0
フローラに「ほえろ」「かみつけ」「ひきさけ」「ぶつかれ」使って欲しい。
195:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/14 16:31:02.82 g0lrK5OBO
お人形さんみたいに可愛いフローラが大好き
196:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/14 23:49:51.80 v5v4IALkO
ビアンカって芋くせえよな
197:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/15 01:29:47.09 Gu1Ma0v4O
>>196
ビア叩きの荒らし発生
皆さんスルーでいきましょう!!!
198:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/15 02:01:59.41 ItW10ai5O
フローラのお尻になりたい。
199:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/15 02:46:12.26 JD/252Wk0
>>199
尻をなでたいとかじゃなく尻になりたいのかw
200:帰ってきた井戸魔神I
11/05/15 03:58:03.93 PJuVM2/60
フローラをいじめてみたい。
201:通りすがりの白戦士
11/05/15 14:53:46.94 tr8s6l0aO
SSを読んで下さった方々、有難うございます。
ちなみに、ビアンカの様子もビアンカ本スレに書いてあります。
宜しければ、そちらも読んでみて下さい。
202:名前が無い@ただの名無しのようだ
11/05/15 20:27:04.41 4YXoA6QZ0
>>197
荒らしつーかそのまんまフロオタだな
198名前が無い@ただの名無しのようだ2011/05/15(日) 02:01:59.41 ID:ItW10ai5O
フローラのお尻になりたい。
597名前が無い@ただの名無しのようだ2011/05/15(日) 01:22:37.34 ID:ItW10ai5O
どうも芋くせえと思ったら、やっぱりビアンカだよ
203:「チロルの、とある独り言」
11/05/15 22:20:34.15 Gu1Ma0v4O
「チロルの、とある独り言」
俺は、キラーパンサーのチロル。御主人様であるネクストの用心棒である。
名づけの親は、その昔ネクストと一緒に「おばけ退治」をした、ビアンカという娘。
しかし、ネクストは山奥の村にてそのビアンカと再会したとき、彼女をそのまま花嫁に迎えるものと確信していた。
論より証拠、俺の耳元には今でも「おばけ退治」が終わった際、彼女が別れ間際に付けてくれたリボンがそのまま残っている。
しかし、ネクストはその時どう思っていたのかは今もって理解できないが、雰囲気もタイプも全く異にする、フローラという娘を自分の嫁に迎えた。
正直ショックであり、俺はビアンカと結婚しなかったネクストを恨んだりもした。
しかし、ネクストは俺のそういう気持ちを察したのか、後日俺に一言こう言葉を発した。
「・・・チロル、すまない!」
土下座をして、涙しながらその言葉を放たれると、流石に俺もネクストが気の毒だと思い、結局は大魔王を倒すまでずっと付いて来た。まぁ、これも運命なのかもしれないな。
そんなわけで現在の俺は次のような感じで一日を過ごしている。
我々モンスター一族の朝は早い。
特にモンスター爺さんに預けられた多くの仲間たちは、いつも一定の時間で起床・3度の食事・調教そして就床というパターンで一日を送っているのであるが、
こちらはと言えば、やはり彼らと同じような一日を過ごしているには変わりがない。ただ、面倒をみるのはネクストやその家族といった、いわゆる「王家」であり、この辺りが少し事情が違うところである。
朝、起きる時はたいていネクストが起こしている。もちろん、その前の晩とかの都合などそういった日ばかりでもないが、起こされたと思ったら即食事、それも短時間で済まさなければいけない。
これには俺がいくら大食漢といってもたまったものではない。
その食事が済んだら、ネクストが選んだ強豪な仲間モンスターと相手に激しい稽古をする。彼に言わせれば
「いつでも体調維持、そしていつでも戦闘体制につけるための修業だ!」
ということであるが、やはりこれが毎日続くと体が持たない。
ましてヘルバトラーや、キラーマシンなどのようなタイプが相手だとこちらも命がけになる。本当にもう少しこちらの立場にもなってほしいものだ。
204:「チロルの、とある独り言」
11/05/15 22:23:15.40 Gu1Ma0v4O
そして朝の激しい稽古が終わると、あまり休憩する暇もないまま今度は王家の使用人(メイド)達の買い物に警護と称して付き合わされる。
まあ、今の世の中、確かに平和にはなったが、人間が中心に廻っている世界はまだまだ物騒なところもあるから仕方がない。
それでも彼女等が買った荷物、特に食料関係が多くなるとその食料を俺の背中に乗せてくる。
もちろん一回だけではなくこれまでにも何度もそんな思いをしているから、先に述べた稽古と同様、こちらもうんざりである。
ただ、たまにお礼と称して、
「はい、これ食べて!」
とにこやかに食事を出されると俺も嬉しくなる。そういう意味ではこの仕事も悪くはないと感じている。
買い物が終わり王宮に戻れば二度目の食事。たいていは朝、そして夜と同様、使用人達が料理を用意している。その食事を済ませばたいていはようやく昼寝にありつけるが、
たまに、国王でもあるネクストの国事の護衛に駆り出されることもある。国事であるから仕方ないが、本当に俺は何かとよく彼にこき使われている感が拭えない。ヘルバトラーを筆頭に、
他にも頼れる仲間モンスターがいるから、少しはそちらを使えよ!と言いたくなることもある。でも、見方を変えれば、それだけ俺は結構人様から信頼されているのかもしれない。
そして日も西に傾けば、今度は子供達との散歩に駆り出される。トゥルーとセイルと名づけられたこの二人の子供は、父親、即ちネクストに比べたらまだましな方である。
ただこの二人も所詮はまだ子供、先日なんかは元気にはしゃぎ過ぎて途中道に迷ったり、あるいはこの間も散歩の途中で二人とも寝てしまったりするなど、
こちらが機転をきかさなければいけないほど辛い思いをしている。何せ、二人の匂いや足跡を頼りに二人背中に乗せて城まで連れて帰ったわけであるから、本当に大変である。
そういえばこの時ばかりのネクストの表情は、今思い返しても笑いたくなるような呆れ果てた表情をしていたなぁ・・・。
そうそう、そのネクストが嫁に迎えたフローラという女性であるが、実は俺も結構好きなタイプの女性である。確かに、ビアンカが彼の妻になって欲しかった気持ちも否定はしないが、
彼女もまた、実際接してみると多少天然な一面もあるが、見た目以上に芯の強い素晴らしい女性で、戦闘の際は俺も彼女に結構助けられた。
205:「チロルの、とある独り言」
11/05/15 22:25:33.86 Gu1Ma0v4O
こう言うと調子のいい奴だと思われるかもしれないが、やはりネクストの女性を見る目もまんざらではないとも思える。
そして何よりもフローラがいい女性(ひと)と思うのは、ネクストが自分の子供に接するのと同様、とにかく厳しいのに対し、彼女は子供達にも優しいが、それ以上に俺を初めとする、
どのようなタイプのモンスターにも優しく接してくれるところである。ここでこんなことを言うのも恥ずかしい限りであるが、たまに彼女の風呂場で俺の体を洗ってくれることもあるから、
この時ばかりは本当にありがたい。彼女自身も風呂の途中である故に、ここでは大声では言えないものの、それはもう絶品の一言に尽きるくらいに美しい。
ああ、俺がもし人間だったら・・・、以下自粛しよう。
先程述べた散歩が終わると、ようやく三度目のゆっくりとした食事が出来て、そしてそのまま就床につくが、俺はフローラが特別の用事がない限りたいてい彼女の部屋、即ち王妃室にて就床についている。
そういう日は当然ながら彼女と二人きりになれるわけではあるが、所詮は人間とモンスター、それ以上の深い関わりあいになれないのが悔しい。
特に、明らかに彼女が王室で寝る日があると余計その虚しさが身によぎる。ああ、俺も人間になりたいよ~~・・・。
「ウオ~~~~ン・・・・・・」
(Fin.)