10/07/23 20:59:41 wE9bayHL0
悩みぬいた末に殺しちゃうのかw
101: ◆IF.bbmnPyU
10/07/23 21:56:06 HwtLUTEcP
短めのSSを投下します。タイトルはドラえもんをリスペクトしています。
102: ◆IF.bbmnPyU
10/07/23 21:59:19 HwtLUTEcP
~ラムザさんのエッチ!~ 1/3
「ラ、ラムザ、まだ昼のさなかだぞ」
「時間なんて関係ありません。僕はアグリアスさんが欲しいんです」
「し、しかし野外でこのようなことを」
「僕が嫌いなんですか?」
「そんなことは無い!断じて無い。しかし、皆も見ているというのに…」
「それがどうしたっていうんですか?」
ある日を境に、ラムザは変わってしまった。女の身体を知ってから。
正確に言うと、初めてアグリアスと結ばれた、その日にだ。
103: ◆IF.bbmnPyU
10/07/23 22:00:19 HwtLUTEcP
~ラムザさんのエッチ!~ 2/3
ラムザ・ベオルブとアグリアス・オークスは、神ならぬ人の前で婚姻の誓いを交わした。
異端者の身では大々的に式を挙げる事など出来るはずも無い。
おままごとのような結婚式だが、隊の皆は祝福してくれた。
そしてその夜、宿屋の2階で二人は契りを交わすのだが…。
それからというもの、ラムザは事あるごとにアグリアスを求めるようになった。
最初はたしなめていたアグリアスだが、惚れた弱みと言うやつか。
熱に浮かされたように自分を慕うラムザを突き放せず、皆の目を盗んで逢瀬を重ねた。
幾度と無く肌をあわせてもラムザの熱は治まらず、やがてはその熱がアグリアスにも飛び火した。
その結果が今の惨状である。除名という最終手段までちらつかせて我を通すラムザに
意見できるものは誰もいない。オルランドゥ伯ですら、だ。
オルランドゥ伯はため息を付き、ムスタディオはうらやましそうに眺め、
ラッドは前かがみになり、クラウドは興味が無いといった風情だ。
アリシアは頬を染め、ラヴィアンは興味津々。メリアドールは嫌悪を表し、
ラファは嫌なことを思い出したような顔をする。そんな妹を守るよう肩に手を回すマラーク。
反応は様々だが、次に取る動作は一致している。皆無言のままその場を離れるのだ。
二人の痴態を覗き見するものは誰もいない。紳士淑女の集まりである。
ベイオウーフとレーゼの姿が見えないが、きっと遠くで見張りをしているのだろう。
ボコと鉄巨人、正体不明の生物であるビブロスだけがその場に残っている。
104: ◆IF.bbmnPyU
10/07/23 22:03:12 HwtLUTEcP
~ラムザさんのエッチ!~ 3/3
色魔に侵されたラムザだが、それ以外はいつもの通りである。
仲間への気遣いと優しさを忘れず、戦闘時はリーダーとして的確な指示を取る。
だから誰も離反できない。ラムザへの信頼が根底にあり、それが見えない鎖となって
心を縛っているのである。
そんなある日、事件は起きた。
マインドブラストにより、ラムザの脳みそが変色してしまったのである。
これ以上おかしくなっては一大事と心配する皆を他所に、ラムザは冷静に敵を屠って戦闘を完了させた。
しかし、マインドブラストの毒は、確実にラムザの脳を蝕んでいたのである。
その日を境に、ラムザは変わってしまった。
今までどおりアグリアスを求めるものの、その回数はめっきり減った。
町について宿に止まった時、しかも夜だけである。アグリアスと同じベッドにいながら
指一本触れずに寝付いてしまうことも珍しくない。
こうなるとたまらないのはアグリアスである。持ち前の精神力で不純な考えを振り払うも、
身体の芯にやどる火は消えてくれない。いきおい、アグリアスの方から誘いをかけることになる。
「大事な話ってこういうことだったんですか」
「し、仕方ないだろう。このところ野営が続いて、同衾することも無いのだから」
「テントは男性用と女性用しかありませんからね。町まで我慢できないんですか?」
「それが出来れば呼び出したりするものか……これ以上恥をかかせるな」
そんな中、他のメンバーは会議を開いていた。軍議ではなく、会議。
議題は、どうしたらアグリアスをもとのお堅い騎士に戻せるか、である。
ラムザと同じ方法を用いるのが最良策だが、必ずしもマインドフレアに出会えるとは限らない。
仮に出くわしたとして、そうそう都合よくマインドブラストを放ってくれるかどうか。
ピスコディーモンを仲間に加えて養殖するという案が出たが、問題が一つ。
パーティーメンバーに空きがない。
「いっそ誰か除名するか」
誰とも無くつぶやいた一言。小さな石がパーティー内に大きな波紋を起こすことになるのだが、
それはまた別のお話。
105: ◆IF.bbmnPyU
10/07/23 22:04:47 HwtLUTEcP
~ラムザさんのエッチ!~ ~ FIN ~
(↑書き忘れた…)
なーんか熱くてだるいと思ったら、熱が38度もありました。
こういうときに限って妄想が浮かぶのは何故だろう。
別のお話については、また熱が出たときにやるかもです。
106:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/23 23:17:36 qVZnCJVP0
乙です!
アグリアスさん…そんなあなたが大好きです
107:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/24 01:05:19 xk1g0gHN0
>>105
乙です!
では、こちらも。第三章はじまり
108:月光 chapter3. 1/13 ◆fhZWInPd1U
10/07/24 01:08:51 xk1g0gHN0
「今日は特に暑いわね」
時刻は昼時を過ぎた頃、市場が開かれている広場は今日一番の賑わいを見せていた。
そんな中で文字通り日蔭者となっているシュガリーとアグリアスは市場を退屈そうに見つめている。
いつの間にか一つ増えた日傘にすっぽりと収まっているアグリアスが額の汗を拭った。
「今はもう春か?それとも夏?」
「そんなの私が知った事じゃないわよ。そもそもこの村にそんな概念は無いしね」
手で生温かい風をおくりながらうんざりとした顔でシュガリーはそう告げた。蒸し風呂状態となっているアグリアスの身体からは
遠目越しに見ても湯気が沸いているのが確認できた。
「鎧ぬがないの?死ぬわよ」
「…」
どこか遠い眼でアグリアスは、向こうの世界たる市場の中心を見つめている。返答がないアグリアスを見かねたのか、
シュガリーは手にした如雨露でアグリアス目がけて水を投げかけた。打ち水がわりだ。
「あぐぅ!騎士たるもの不埒な…」
「あー、はいはい」
シュガリーは説法めいたアグリアスの言葉を受け流した。このやりとりももはや指では数え切れないほど行われたのだ。
ラムザ達がこの村を訪れてから何日、いや何カ月が経過したのか。もはや本人たちも村人も知りようはない。
だが宿屋では相も変わらず毎晩のように宴が催されていた。最近の隊のメンバーは村の中で気の合う者同士で飲みあうようになり、
誰彼かまわず騒いでいた当初の宴の姿勢は、時を経るにつれて微細な変化を見せていた。ある朝、既に日課となりつつある朝食を
摂りに階下へ降りたら、居間でまだ語らいを続けていた者がいたほどだ。アグリアスは隊の者どもをひっ捕らえると、すぐに拳骨をお見舞いした。
隊長、痛いですよー、
と酒臭い飲兵衛が泣きついてきたが、アグリアスは素知らぬ顔をして二人を部屋に帰したのだった。
109:月光 chapter3. 2/13 ◆fhZWInPd1U
10/07/24 01:14:57 xk1g0gHN0
「ラムザとはあれからうまくいっているの?」
シュガリーの言う、あれからとは、いつかシュガリーとマウリドがアグリアスに対し恋の指南を行った時のことである。
アグリアスは急いで首を横に振った。顔に付着していた水が飛沫となりシュガリーに容赦なく襲いかかった。
「それは駄目よ。そうね、今晩デートにでもお誘いなさいな」
「で、デート!」
聞きなれぬ言葉を耳にしたせいか、勢いよくアグリアスが立ちあがった。
アグリアスもシュガリーに対してマズラというアドバンテージを有しており、シュガリーの言葉に応酬することは十分に可能なのだが、
目の前の言葉に翻弄され上手くそのカードを切る事が出来ない。
「教会のてっぺんに登って夜景をプレゼントするの。入口の裏手に確か錆びた階段があったはずよ。私は怖くて上ってないけど」
笑顔でシュガリーは告げた。
「だ、だが…」
「…今のままでいいのかしらね。ラムザの周りには魅力的な女性が多いわよねえ」
アグリアスの脳裏に、小憎たらしい笑顔を浮かべる神殿騎士と、女から見ても可愛げのある天動士の微笑む姿が浮かんでは消えた。
「…その代わり、あなたが誘ったんなら、私も誘うわよ…」
呟かれた言葉に、アグリアスは驚いてシュガリーを見た。
シュガリーは顔を熟れトマトのように赤くして俯いている。暑さのせいではないだろう。
110:月光 chapter3. 3/13 ◆fhZWInPd1U
10/07/24 01:20:58 xk1g0gHN0
そんなシュガリーの姿を見て、アグリアスが思わず頷いてしまおうかと思案する前に、
いつもの通り気前の良い客が訪れた。
「こんにちは」
「あ、あら。いらっしゃいマウリド。さあさあ」
照れ隠しからか、シュガリーは急いで横から椅子を引っ張り出して彼女に勧めた。
マウリドはそんな彼女の様子に気づいているのかいないのか、ニコニコと太陽にも負けない輝かしい笑顔をふりまいている。
そんなシュガリーの横で、アグリアスは静かに微笑んだ。
その時、
ふと傘の切れ間から見えた“何か”に、彼女は思わず日傘の中から飛び出した。
「どうしたのよ。ムスタディオが裸踊りでも始めたの?」
シュガリーは目を合わせることなく、目の前の庭園を慈雨で潤わせながら大した期待を込めずに尋ねた。
「雲が…」
「え?」
「雲が、出ている」
アグリアスの眼前には、果てが見えない程の真っ青な大海原が広がっていた。その中心には、
煌びやかな光を放った巨大なクラーケンが居座り、灼熱を振りまいている。そんな状況下で、まるで命知らずともとれる、
小振りの白いボートがふらふらと、しかし確実に怪物に近づいていくではないか。
「雲ぐらいどうもしないわよ」
期待して損をした、そう言外にこめながらシュガリーは頭を後ろの樽の山に乗せた。
アグリアスは未だに空を眺めつづけている。
「そういえば、最近は雲ひとつない快晴ばかりの天気でしたよね?」
マウリドの言葉に、アグリアスは神妙に頷いた。アグリアスの記憶が正しければ、この村に来てからまだ一度も
快晴以外の天候になっていない。
昼夜ともに雲一つ出ず、昼は太陽が、夜は満月が支配する世界。
そんな光景に慣れかかっていただけに、形は小さいながらも確かに存在する雲に、アグリアスは静かに体を震わせた。
まるで酒の酔いが体全体に回るかのように、アグリアスの体を急速に“現実”という何かが駆け巡って行った。
111:月光 chapter3. 4/13 ◆fhZWInPd1U
10/07/24 01:26:40 xk1g0gHN0
「今日はこの村に伝わる文字を教えてしんぜよう!」
宿屋から比較的近い、開けた農地の上にラムザ、マズラ、ムスタディオ、ラッドそしてマドーシャスは立っていた。
「どうでもいいが、どうして俺がいるんだ」
ポリポリと頬をかきながらムスタディオはラムザに訊ねた。
「ムスタ、暇じゃないか」
「お前な…そうだけどさ。」
その言葉にムスタディオはがっくりと肩を下ろした。二日酔いの抜けきらない体は本人の思っている以上によく弾んだ。
「まあまあいいじゃねえか。二人よりは三人、三人よりは四人さ」
ムスタディオの隣にいたマドーシャスという青年が両手を叩きながら明朗快活にそう述べた。
このマドーシャスという男、機構に精通しているという点でムスタディオと気があった。容姿はまるでムスタディオの兄貴分と言った具合で、
精悍そうな顔つきのマドーシャスと、紙風船のような顔とよく評されているムスタディオとの間には決定的な差がある。
「話がわかるね、流石はマドーだ」
笑顔でマズラはそう感想を述べた。親から無理やり着させられた白の木綿服を窮屈そうに身にまとっている。
「どうでもいいが日蔭とかないのか?この陽じゃ、土と心中しそうだ」
額の汗をぬぐいながら、ラッドはそう告げた。
するとラッドの言葉に呼応したかのように、ラムザ達の視界が瞬間、薄暗くなった。
112:月光 chapter3. 5/13 ◆fhZWInPd1U
10/07/24 01:36:19 xk1g0gHN0
「おー、日陰になったねえ」
頭上を通る分厚い雲の層は一過性に過ぎなかったが、横を見上げると次々と雲の艦隊が陽に押しよせている。
地上の気温もいくらか落ち着きを取り戻すに違いなかった。
ラムザは暫くの間雲を見上げたままでいた。何故か、酷く懐かしい感を覚えたのだ。
「おほん。それでは、これよりマズラ講師による言語講座を始める。こら、そこ。ラムザ君。先生の顔は空にはないぞ」
手に持った木の棒を振り上げながらマズラは熱弁をふるい始めた。
ハミサイダル・ガッドで用いられている文字は、違いはあれど、畏国文字とは根本的な部分で合致していたため、
ラムザたちは比較的簡単に文字を描写し始めることができた。
「このように…そう。僕の名前はこうなる」
書き方は違えど、文字としての全体像は相似している。頭の中でミミズが這うような文字を思い浮かべながら、覚えたてのラムザは、
見よう見まねで自分の名前を地面に刻んだ。書き終えて周りを見ると、他の二人はマドーの指導の元、地面と激しい睨みあいをしていた。
「そろそろ上がろう。このままだと日射病でどうにかなってしまいそうだ」
不意にマドーシャスがそう提案した。田んぼの地面に一心不乱に文字を書き連ねている光景は傍から見たらとても奇妙だ。
全員は久方ぶりにお互いの顔を見やり、初めて相手と自分が汗だくであることに気付いた。
「確かにそうだ。ああ、近くに大木があるんだ。そこで日陰ぼっこをしようや。ああ、宿からキンキンに冷えたミルクを持ってこよう」
発起人であるマズラが夢見心地の表情でそう述べ、本日の講義は終了した。
113:月光 chapter3. 6/13 ◆fhZWInPd1U
10/07/24 01:49:19 xk1g0gHN0
市場にはアグリアスとマウリドがぽつんと取り残されていた。
店主たるシュガリーは現在、教会への礼拝及び自由時間のため外出中だ。他の者に店を任せることなど普通ならば考えもつかないが、
“どうせ誰も来ないし”という言葉一つで三者は三様に納得した。
事実、アグリアスはシュガリーと出会ってからずっと重きをこの店に置いているが、マウリド以外の訪客を見かけた事が無かった。
店主がこのような有りさまなのだ。本人と顔見知りでなければ、よほどこの店に足を運ぶ事はないだろう。
そして、今も珍客は訪れない。
「暇ですね」
マウリドの言葉にアグリアスは苦笑しながらも頷いた。すぐに沈黙が店を包み込む。
アグリアスはこのマウリドという少女があまり得意ではなかった。笑顔を絶やさずにいるが、その実、
何を考えているのかてんで知れないのである。
「アグリアスさんのいた所は、ここと同じ平穏な場所なんですか?」
アグリアスは首を横にふった。
そして、畏国内には領地を統べる貴族の王が存在し、市民とは絶対的な差が存在している状況を説明した。
「へえ。そうなんですか。住みにくい世界なんですねえ」
大よそ他人事のようにマウリドは大げさに驚嘆した。仕方がない、とアグリアスは思った。
マウリドの笑顔はそこでほんの少し、狂気に歪んだ。
「アグリアスさんはそんな世界を変えようとは思わないんですか?」
アグリアスはその質問の内容に少々面食らった。
「暴虐の限りを尽くす貴族の大部分は既に戦争によって死に絶えてしまったんだ。
そんな貴族を扇動し切り捨てた、戦争を蜂起させた奴等がどこかに存在する。私たちはそんな敵を追っている。
詳しくは言えないが、世界を恐怖と混沌に変革しようとする奴等だ」
アグリアスはこれまでの旅路を振り返った。
ドラクロワ枢機卿に始まり、バリンテン大公、ゴルターナ公そしてラーグ公までもが自らの私利私欲のために聖石、争いを欲し、結果死を遂げた。
今、畏国は荒廃している。その機に乗じて教会が畏国全土を、いや全世界を支配しようと画策している。
打ち砕かなければいけない。奴等の思い通りにしてはいけないのだ。
しかし、私たちはこのようなところで一体…
114:月光 chapter3. 7/13 ◆fhZWInPd1U
10/07/24 01:56:31 xk1g0gHN0
「違いますよアグリアスさん」
マウリドの言葉に、アグリアスは深い渦の只中にあった意識を戻した。
「あなた方がどれだけ苦労されたのかは多少なりともわかりました。けど、私が訊きたいのは別のことです」
マウリドはそこで一旦言葉を切り、いつも通りの清楚な笑顔を振りまいた。
「貴族と平民は同じ人間ですよ。貴族の家畜では決してない平民が、どうして貴族から無残にも物品を搾取され、
ただひたすら奪い続ける事が許されるのでしょう。
そんな支配階級が浸透する世界を、あなたは野放にし続けるんですか?」
アグリアスは冷汗三斗の思いをした。それもそのはず、少女はそのような事を笑顔のままで話しているのだ。
無邪気とは何か違う。
「努力はしているんだ。そのような者たちの気持ちは痛いほど…」
アグリアスの言葉を遮り、マウリドは、ぴょん、と椅子から跳んだ。
「アグリアスさん。あなたは“神の奇跡”を信じますか?」
アグリアスは戸惑いを隠せない。
「何を、何を言っているんだお前は」
「“神の奇跡”を信じるのは弱い人間だけ。誰かがそう言っていたわ」
115:月光 chapter3. 8/13 ◆fhZWInPd1U
10/07/24 01:57:33 xk1g0gHN0
突如、鈍い音が広場にこだました。
広場の中心を歩いていた老婆が突然うつ伏せで倒れたのだ。
手にしていたバスケットから、果物があちらこちらに四散していく。
「!!大丈夫ですか!!」
椅子から立ち上がり、アグリアスはすぐに老婆の元へ駆け寄った。日射病ではなさそうだ。
腹部を抑えたままピクリとも動かない。
「おいマウリド!!宿に走って私の仲間に状況を説明してくれ!!隊の中に治癒士がいる!!」
116:月光 chapter3. 9/13 ◆fhZWInPd1U
10/07/24 02:04:34 xk1g0gHN0
はて、マウリドはきょとんとした表情でアグリアスを上から見つめた。
「どうして?どうしてそのお婆さんを助けるんですか?」
アグリアスは驚嘆よりも寧ろ激高した。
「ふざけるな!!御老体が苦しんでおられるんだ!!」
「人の命がかかっているんだぞ!!」
畳みかけるアグリアスの言葉を、しかしマウリドは丁寧に首を横に振った。
「私たちは皆“神の子”です。もちろん、そのお婆さんもです。
つまり私たちは神と近い立場にいることになるのです」
朗々とマウリドは語り始める。何事かと事態を静観していた周りの人々も、
マウリドの言葉にじっと耳を傾けている。
「神は苦しんでいる人を助けてくれますか?神は貧困にあえぐ家庭にパンを恵みますか?
神はお互いが抱く憎悪を等しく取り払ってくれますか?
神は、私たちは、干渉しないんです。そのお婆さんを助けることはできません。
そうして私たちの意義が、神の定義が保たれるのです」
マウリドの演説が終わった途端、静まり返っていた市場はそれを合図にしたかのようにいつもの活気を取り戻した。
中心にいるアグリアスと老婆を抜いて。
通行人は彼女等を避けて通る。見えていないわけではない。姿をその視界に捉えながらも、まるで道端に咲く名もない花を見る要領で、
大した感情を抱かずに通り過ぎていく。
117:月光 chapter3. 10/13 ◆fhZWInPd1U
10/07/24 02:11:16 xk1g0gHN0
「何を言っている!同じ人間だと言ったのはお前自身じゃないか!!」
商人の甲高い売り声が響く中、アグリアスは声を張り上げてそう叫んだ。
市場は一向に静まることを知らない。
「勘違いしてはいけません。そのお婆さんと私たちは同じなのです。勿論、この村にいる時点であなたも同じですが。
第一、いつの日だったか、付き添っていた子供が階段から転落したことがありました。
その時、私たちと同じ立場にいたのはそのお婆さんです。今度は自分の番が来たときっと思っていますよ」
信じられない面持ちでアグリアスは周りを見渡した。商人が、通りすがりの村人が、一度こちらを見て、
そして何事も無かったかのように日常へ戻っていく。
アグリアスは唇を噛んだ。そして、無言で老婆を肩に背負った。
今一度、市場を見渡す。
穏やかな空気がそこには流れていた。
「“神の奇跡”など、おこるはずないんですよ!」
後ろからそう叫ぶ声に続いて笑い声が聞こえたが、
アグリアスはその声を頭の中で振り払うと、一心不乱に来た道を駆けだした。
118:月光 chapter3. 11/13 ◆fhZWInPd1U
10/07/24 02:21:30 xk1g0gHN0
アグリアスが宿屋に着いたのは数刻の後だった。居間に辿り着き、起きぬけの治癒士に老婆を見せたとき、
既に老婆は猫のように丸まったままで、その瞳を決して開けはしなかった。
遺体は宿屋の夫妻が荷台で教会まで運んでいった。
まるでジャガイモを荷台に積む要領で、荷台で運ばれていく死体を、
マズラはやりきれない表情で見つめていた。
そんな彼の表情にアグリアスは気付く余裕は既にかけらも残っていなかった。
彼女の中でのマズラ達は冷酷で狂気にまみれたものへと変貌を遂げていた。
「アグリアス姉ちゃん…」
マズラの言葉に、アグリアスは目を閉じて首を横に振る。そして無言で宿へ戻っていった。
マズラは蜃気楼があがる道に一人残された。
手にしていたミルクから、杯についた雫が途切れることなく地面にしみ込んでいく。
天気は下り坂へ向かう気配を見せていた。
119:月光 chapter3. 12/13 ◆fhZWInPd1U
10/07/24 02:24:37 xk1g0gHN0
「あら、アグリアスは?」
シュガリーが市場に戻った時には既にアグリアスの姿はなく、
そこには朗らかな笑顔を浮かべたマウリドが待ちかまえていた。
「隊の皆と話があるんだって言って、戻って行ったよ」
「あらそう」
暗い表情でシュガリーはアグリアスのすわっていた位置に、どかりと身を下ろした。
「蝋燭が、一本消えていたわ」
ポツリとシュガリーは告げた。
「そうなの」
笑顔でマウリドはそう告げた。シュガリーは言葉を発することなく、目の前の庭園をじっと見つめている。
120:月光 chapter3. 13/13 ◆fhZWInPd1U
10/07/24 02:29:11 xk1g0gHN0
「まだ慣れないのね。人の死に」
マウリドがシュガリーを牽制した。
それに対してシュガリーは反論する。
「だって、おかしいじゃない。人間なのに、同じ人間なのに。マズラもそう言っていた」
「何度も言っているでしょう。この村では、私たちは皆“神の子”なんだよ」
マウリドはその言葉を繰り返し使った。
沈黙が二人の周りを覆う。
マウリドはにわかに立ちあがり、目の前に広がる庭園に足を踏み入れた。
その中、花壇の中ですくすくと育つ一片の花を、マウリドは静かに摘んだ。
「今日はこの花を。押し花にでもしようかな」
「それは…エンドウの花?」
シュガリーが尋ねる。
嬉しそうにマウリドが頷いた。
「うん。
花言葉は、そうね。
“永遠に続く楽しみ”」
121:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/24 02:30:15 xk1g0gHN0
次でラスト バイビー
122:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/24 02:56:33 oLQoGAtu0
>>105 >>121 乙です
もうちょっとだけ続くよ 例によって空気なんか読まない
123:オトメの悩み(1/10) ◆YO1phvHRhQ0i
10/07/24 02:57:31 oLQoGAtu0
「ねぇ、ラヴィアン。最近、私達って……ちょっとヤバいわよね」
「そうね……しかも、ちょっと、って感じじゃないわよね、アリシア……」
ふたりは顔を見合わせて、大きくため息をついた。
この前立ち寄った街でのことである。
長い行軍から解放され、皆がそれぞれに羽を広げられる。
とりわけ、女性陣の楽しみのひとつが、入浴である。
行軍中はなかなかそんな機会はないので、街の宿屋での入浴は大きな楽しみなのである。
宿の浴室はそれなりに広いので、たいてい数人で一緒に入ることになる。
その日は、アグリアス、アリシア、ラヴィアンの3人で入浴することになっていた。
「では、先に入っているぞ」
そう言って、アグリアスは浴室へ入る。
普段は厚い騎士服に隠れてあまり目立たないが、アグリアスは素晴らしいスタイルをしているのである。
女性らしい豊かな胸と、日々の厳しい鍛錬できりりと引き締められた体は、女性から見てもため息が出るほど美しい。
もっとも、本人にその自覚が全くないので、ある意味宝の持ち腐れでもある。
その後姿を見てから、アリシアとラヴィアンは自分の体を見た。
胸の大きさは敵うべくもないが、問題はそのたるんでしまった体であった。
お腹回りはたるんでぷよぷよ。足も太くなってしまった。
それと言うのも、最近アリシアもラヴィアンも、戦闘へ出撃する機会がめっきり少なくなってしまったのだ。
そのせいか鍛錬も最近はさぼり気味である。
決してこの2人の力が劣っているわけではないのだが、アグリアス、メリアドールの女騎士コンビ、銃使いのムスタディオ、
ドラゴン使いのレーゼに元聖騎士ベイオウーフ、さらには剣聖オルランドゥの参戦と、
実力十分の人材が揃っているこの隊にあっては、どうしても見劣りしてしまう。
そのため後方支援や偵察、儲け話への派遣といった任務が主となっていたのだが、やはり前線で戦うのとは訳が違う。
隊の人材が十分でないうちは、アグリアスと共に戦場を駆け回っていたものだ。
あの頃は、やはりそれなりに締まった体だったのであるが、今やこの有様である。
「ハァ……」
2人はため息をついて、アグリアスの後に付いて浴室へ入っていった。
「私、この隊に参加した頃の軽装衣が着れなくなってたわ」
「私も……。足も太くなったから、ブーツが最近キツイのよね」
「……ラヴィアン、このままじゃまずいわ!痩せるのよ!」
「そうね!やりましょ!アリシア!」
「目標は、アグリアス様よ!強くて綺麗な女になるのよ!」
「え~。ちょっと目標が高くない?」
「何言ってるの!目標は高いほどいいってアグリアス様もおっしゃってたわ」
「でも、どうやって痩せようか?」
「うーん、そうね。……アグリアス様の鍛錬に付き合う、っていうのはどうかしら」
「え~……あれに付き合うの~」
「あのくらいやらないとダメよ!頑張りましょ!」
「……そうね。頑張らないと!」
124:オトメの悩み(2/10) ◆YO1phvHRhQ0i
10/07/24 02:58:33 oLQoGAtu0
翌朝。
日が昇らないうちから、アグリアスは起き出して、朝稽古の準備をしていた。
これが彼女の毎朝の日課である。
昔はアリシアとラヴィアンも叩き起こして連れて行ったものだが、
別働隊として行動することも多くなってしまった今は、アグリアスひとりであった。
支度を済ませて、アグリアスが宿から出ると、アリシアとラヴィアンが宿の前で待っていた。
「おはようございますアグリアス様!」
にこやかに挨拶する2人を見て、アグリアスは訝しげに聞いた。
「何だ。アリシアにラヴィアンか。どうしたこんなに朝早くに」
「朝稽古にお付き合いさせて頂けないでしょうか!」
「どういった風の吹き回しだ。前はあんなに嫌がっていたじゃないか」
「最近鍛錬が足りないと思いまして……。ここはひとつ、アグリアス様に付いて鍛えて頂こうと」
「うむ。心意気はよし。最近は稽古も付けてやれなかったからな。よし、付いて来い。ただし、容赦はせんぞ」
アグリアスは笑顔になって言った。久々に部下が付いて来るのが嬉しいのだろう。
アグリアスの朝稽古は相当のものである。
街外れまで駆け足。準備運動の後、鎧を付けて剣の素振りを200回。盾の取り回しを200回。
刃のない模造剣で乱取り。そしてまた街まで駆け足、また戻ってきて素振り―
「ほらどうしたアリシア!もう腕が上がっていないではないか!」
昇り始めた朝日の中、アグリアスの大声が響く。
「うひ~。もう無理です~」
アリシアが剣を放り出してへたり込む。
剣、といってもアグリアスの訓練用模造騎士剣で、普通の剣の倍ほどの重量があるものだ。
アグリアスはこれを軽々と振り回す。今のアリシアには素振り100回が限界であった。
「ラヴィアン!もう1往復だ!」
アグリアスが街から走って帰ってきたラヴィアンの方へ向かって叫ぶ。
もうすでに、歩いて半刻の道程を全力疾走で5往復はしたはずだ。
「ひぃ~。もう勘弁して下さい~」
ぜいぜいと息を切らしてラヴィアンが倒れ込む。
「全く……。普段怠けているからだ。だらしないぞ2人とも」
あきれた顔でアグリアスは言う。
そういう彼女はもう素振りを1000回はこなし、街まで10往復を走ってきたのである。
ふらふらになって宿に戻ると、2人はそのままベッドへ直行である。
「ね、ねぇ……アリシア……。これを……毎日……やるの……?」
息も絶え絶えに、ラヴィアンが聞く。
「が、頑張るのよ……頑張れ……私……」
アリシアはうわごとの様につぶやくのだった。
125:オトメの悩み(3/10) ◆YO1phvHRhQ0i
10/07/24 02:59:53 oLQoGAtu0
「あれ、今日は飲みに行かないのか?」
宿の廊下でムスタディオがラヴィアンに聞いた。
ムスタディオにしろラヴィアンにしろ、酒量はなかなかのものであり、
街へ着くと酒場へ繰り出すのが毎度のことになっていたのだが―
「う、うん。今日はやめとく」
「珍しいな。ラヴィアンが行かないなんて」
「うん、ちょっと、ね。ほらほら、私はいいから、さっさと行きなさいよ」
ラヴィアンはムスタディオを追い払うと、部屋に入ってドアを閉めた。
(もう!私だってっ……飲みに行きたいわよっ!)
部屋の壁には、ラヴィアンの字で大きく「禁酒」と書かれた紙が貼ってあった。
その横には、アリシアの字で「甘いもの禁止」と書かれた紙も貼ってある。
「え~。アリシアは行かないの?」
宿の食堂で、ラファがアリシアに聞いた。
「うん、ごめんねラファ。ちょっと用事があるのよ」
「用事は後にできないのか?この前砂海亭のケーキが食べたいと言っていたじゃないか」
ラファを連れたメリアドールが聞く。
「そうだよ~。美味しいって評判なのに」
「う、うん。ごめん。今日はちょっと、ね。2人で行って来て」
「そうか。では行こうかラファ」
「は~い!」
2人は食堂を出て行く。この2人は相当の甘いもの好きで、よく連れ立ってケーキや菓子を食べに行くのである。
普段はアリシアも一緒なのだが―
(う~!私だって、食べに行きたいわよっ!砂海亭のケーキ……)
宿での夕食は、だいたいどの街の宿屋でも、食堂で好きなものを注文して食べる仕組みとなっている。
外で済ませてくる者もいるため、食事の時間はまちまちである。
アリシアとラヴィアンが早めの夕食を食べていると、アグリアスが食堂にやってきた。
「……なんだ2人とも。それだけしか食べないのか?」
アリシアの夕食を見たアグリアスが聞く。アリシアの夕食は、パン2切れに小皿のサラダにスープ。
隣で食べているラヴィアンの食事も同じものだ。
かたやアグリアスの食事は、パン4切れにチーズ2個、スープ、焼いた鶏肉に付け合せの馬鈴薯、サラダ1皿。
「あ、ええ……。最近ちょっと食べ過ぎてますから」
ラヴィアンが答えた。
「そうか。食べすぎは良くないが、食べないのも良くないぞ。いざという時に力が出ないのでは困るからな」
そう言って、アグリアスはテーブルに着いて食べ始めた。
(アグリアス様って、ホントによく食べるわよね)
(でも、太ったりしないのよね)
2人は顔を見合わせた。
126:オトメの悩み(4/10) ◆YO1phvHRhQ0i
10/07/24 03:01:18 oLQoGAtu0
翌日も、2人はアグリアスと共に朝稽古である。
今日は街を発つ日である。へとへとになって宿に帰ると、休む間もなく出立の支度に追われる。
食料や水を荷車に載せたり、各人の荷物や武具をチョコボ車に積んだりと、結構な重労働なのだ。
「それはそっちの車に乗せるんだ。……そっちはまだ乗るのか?」
食料の入った重い木箱を抱えたまま、アグリアスはてきぱきと指示を出して荷をまとめる。
(あの稽古を軽々とこなして、まだ余裕があるなんて……アグリアス様ってやっぱりすごいわよね)
重たい木箱や樽に悪戦苦闘しながら、改めてアグリアスの力に驚くラヴィアンであった。
「あ、レーゼさん。重いものは俺持ちますよ」
鉄鎧を運んでいたレーゼにムスタディオが言うが、
「大丈夫よこのくらい。あまり楽するとアグリアスに怒られちゃうわ」
涼しい顔でそう言って、レーゼは荷車に鎧を積み上げていく。
横で剣を車に積んでいたアリシアは驚いていた。
アリシアもナイトであるから、鉄鎧の重さは身にしみて知っている。それをレーゼは、いくつも軽々と運ぶのである。
(美人でスタイルいいだけじゃダメよね。レーゼみたいに、強くて綺麗な女になりたいわ)
アリシアは改めて心に誓うのであった。
行軍中でも、アグリアスの稽古は変わらない。さすがに戦闘があった日は休んでいるが、それ以外は毎日だ。
「鍛錬できるときにやれるだけやれ。実戦で鍛錬不足を後悔しても遅い」
それが、彼女の座右の銘である。
厳しい稽古に音を上げながら、アリシアとラヴィアンの鍛錬は続く。
だが、毎日少しずつではあるが、2人はアグリアスの稽古についていけるようになっていた。
そして数日後。
「よし、今日はここまでにしよう!」
アグリアスの声で、今日の稽古は終了となった。
「うへ~。もう動けない~!」
「やっと終わった~!」
2人は倒れこんで大の字になる。その2人を覗き込んで、
「最近やっと私に付いて来れるようになったな。上出来だ」
アグリアスは笑顔でそう言って褒めた。
「えへへ……ありがとうございますアグリアス様~」
「頑張ります~」
この2人にとっても、稽古についていけるようになったのは成長している証だ。
もともとはアグリアスに付いて戦っていた2人である。最近はさぼり気味、とはいえ、
きちんとやれば、まだまだ十分に付いて行けるのである。
何より、普段あまり褒めたりしないアグリアスに褒められたのは、素直に嬉しかった。
「だが、まだまだ、だ。これからはもっと厳しく行くぞ」
「え~!勘弁して下さい~!」
「これ以上やるの~?」
「ははは。この程度ではつまらんだろうからな」
そんな3人の笑い声はいつまでもやまなかった。
127:オトメの悩み(5/10) ◆YO1phvHRhQ0i
10/07/24 03:10:23 oLQoGAtu0
「ラムザ、頼みがある」
部隊の作戦本部でもあるラムザの天幕で、アグリアスはラムザに言った。
ラムザの横ではオルランドゥとベイオウーフが、進行先について議論をしていた。
「何ですか?」
手に持った書類から顔を上げてラムザが聞く。
「アリシアとラヴィアンを、前線での戦闘に参加させて欲しい」
「え?」
ラムザが驚いた顔をする。
たった今、オルランドゥとベイオウーフが検討していたのも、次の進行先の前線へ誰を参加させるか、ということであった。
前線は、敵へ真正面に対峙する、最も危険な戦場である。それなりに実力のある者でないと務まらない。
これまでベイオウーフ、アグリアス、メリアドール、オルランドゥ、そしてラムザが前線での主力として戦ってきた。
皆、一騎当千の強者ばかりだ。
アリシアとラヴィアンは、果たしてこの面々と対等の実力があるのだろうか。
ラムザは総隊長である。部隊を預かる身として、感情に流されることなく、それらを冷静に判断する必要がある。
「毎回、とは言わない。1回だけでもいい。責任はすべて私が持つ。頼む」
そう言って、アグリアスは頭を下げた。
「ちょ、ちょっと……頭を上げてください」
ラムザが慌ててアグリアスを制する。彼女にとって、この行動は決して安いものではない。
それでもアグリアスは、部下のために頭を下げたのだった。
「大丈夫なのかい?彼女らはずいぶん実戦からは遠ざかっていたようだけど」
ベイオウーフが聞く。
「うむ。前線の崩壊は部隊の死活を決めかねん。人選は慎重に行う必要がある」
オルランドゥも意見を述べる。
「あの2人は、以前は私と共に戦場で戦っていたのだ。今でこそ出撃の機会は減ってしまったが、
十分に戦えるだけの実力はまだまだあるはず。
それに、ここ数週間の鍛錬で、彼女らは見違えるように逞しくなった。私はその努力を買いたい。
しかし客観的に見れば、他の面々に劣るのは致し方ないところ。
だが私が出来うる限り2人の補佐をしよう。万が一2人が参加したことで前線が崩壊したならば、
その責任を私がすべて引き受けよう。……あの2人の力なら、やれると私は確信している」
アグリアスには自信があった。アリシアとラヴィアンを1番よく知るのは私だ。必ずやれる。
「……分かりました。希望に添えるかどうかは分かりませんが、明日の出撃から、検討してみます」
ラムザが答えた。
「よろしく頼む。では失礼する」
「確かに、アリシアもラヴィアンも最近鍛錬はよくやっているね。アグリアスに付いて鍛えているようだ」
ベイオウーフが言う。飄々としているが、実は部隊一の事情通である。
「少々不安はあるけれど、大きな戦いでなければ、十分通用するだろう。実戦の勘を取り戻せれば、だけどね」
「鍛錬で培った実力を量るには実戦が一番であろう。もっとも、過信は禁物であるが。
2人がアグリアス嬢と共に戦うならば、さして大きな問題にはなるまい」
これはオルランドゥ伯の意見。どちらの意見もだいたい好印象のようだった。
「……次の出撃先は?」
ラムザが聞いた。
「えーと……スウィージの森あたりか。進軍先に敵の小部隊がいたっていう報告がある。
偵察隊からの報告では10部隊ほど、だそうだ」
地図を見ながらベイオウーフが答えた。
「まずまず、戦えそうだね。ここならば、実力を見るにはうってつけじゃないだろうか」
「よし、ではそこでの戦闘要員を決めよう。まずは……」
128:オトメの悩み(6/10) ◆YO1phvHRhQ0i
10/07/24 03:12:02 oLQoGAtu0
我ながら、らしくないな。
だが、またお前達と戦場へ行くことができるなら、安いものだ。
アリシア、ラヴィアン。また、共に戦おう。
そう思いながら、アグリアスは自分の天幕へ戻って行った。
強く美しく。そんな2人の思いは、予期しない方向へ進み始めたようであった。
翌日。
「では、今日の出撃要員を発表する。呼ばれた者は速やかに出撃準備にかかるように」
ラムザは主だった者を天幕に集めて、その日の出撃要員や作戦の発表をする。
行軍中の朝の定例行事だ。
「今日の出撃要員は、ベイオウーフ、メリアドール、アグリアス、アリシア、ラヴィアン。以上だ。奮闘を期待する」
名前を呼ばれたアリシアとラヴィアンはぽかんとしていた。
(え?え?私が?出撃要員?)
(出撃って……前線への出撃って……ことよね?)
命令を受けて、天幕から全員が出ていく中、まだ状況が飲み込めず、
呆然と立っていた2人に、アグリアスが声をかけた。
「遠慮はいらん。思い切り戦えばいい」
「え、いえ……アグリアス様……その」
「さっさと支度をしろ。半刻後には出撃だ。集合場所は軍門前だぞ。場所は確認しておけ」
そう言い残して、アグリアスは天幕を出て行った。
2人は顔を見合わせた。
「ど、どうしよう……」
「ど、どうしよう、って……どうしよう」
戦闘なんて久々だ。しかも最前線での戦いとなる。
そもそも、なぜ自分達が選ばれたのかが分からない。もっと強い人なんてたくさんいる。
普段は偵察とかが精々なのに……。
「やあ君たち。準備は早めに済ませてくれよ」
そう言いながら天幕に入ってきたのはベイオウーフであった。
「あ、ベイオウーフさん……」
「どうしたんだい?」
「いえ……どうして私達が戦闘要員に選ばれたのかな、って……」
「アグリアスから聞いてないのかい?君たちを推薦したんだよ。戦闘に参加させて欲しい、ってね」
「あ……」
2人はここで自分達の置かれた状況を理解した。
自分達の力を試すため、周囲の人にその実力を示すため、アグリアスは自分達を指名したのだ。
「今回は敵の数も多くはないし、そう激しい戦闘にはならないはずだ。
2人とも本格的な戦闘は久々だろうし、感覚を取り戻すつもりでやればいい。大丈夫だよ」
「はい。頑張ります!」
「及ばずながら、精一杯やります!」
2人は答えた。
「うん、お互いに頑張ろう。それじゃ、集合は軍門前だよ。遅れないように」
そう言ってベイオウーフも天幕を出て行った。
最前線での戦闘など最近では滅多にないことである。
予想していないことではあったものの、アリシアもラヴィアンも、
戦闘、という実感が湧いてくると身が引き締まる思いがした。
この感触、緊張感も久々であった。ともかく、やるしかない。
「……行きましょ、ラヴィアン」
普段は温和なアリシアの表情が、険しいものになる。
「ええ。やりましょ、アリシア」
ラヴィアンの眼光が鋭くなる。
2人は拳を打ちつけあってから、戦闘準備をするため、天幕を出て行った。
129:オトメの悩み(7/10) ◆YO1phvHRhQ0i
10/07/24 03:14:05 oLQoGAtu0
戦闘は前線部隊が敵と接触して始まった。敵の数は偵察隊の報告どおり10部隊。
しかしこの中の1部隊が曲者で、モンスターを引き連れた部隊が参加していたのだ。
偵察部隊の報告にはなかった部隊である。
モンスターには凶悪なミノタウロスやクアール、ジュラエイビスなどがおり、侮れない戦力であった。
ラムザ隊は本隊を中心とし、右翼にメリアドール、左翼にベイオウーフが布陣した。
アグリアスは先鋒、敵部隊の突破を目標とした。
「ラヴィアン!アリシア!私に続け、遅れるなッ!!」
「はいッ!」
「了解ッ!」
アグリアスが剣を構えて突撃する、その後ろをアリシアとラヴィアンが追走する。
3人が揃って戦うのも久々であった。
オヴェリアの護衛をしていた騎士団時代や、ラムザと出会った頃は、まだこうして戦っていたのだ。
始めこそ3人の呼吸が合わず、苦戦する場面もあったのだが、徐々に息が合い、連携も取れるようになってきた。
(こんな風に戦うのは久々ね。思いっきりやるわよ!)
(この感じよね!アグリアス様!)
2人は先頭を走るアグリアスの後ろを護り、お互いに背中を預けあって戦う。
(やはり頼もしい。私の判断は正しかった。私の背中を真に護れるのは、お前達のほかにいない!)
アグリアスも後方へ気を配ることなく、全力で正面の敵に当たることが出来るのである。
「素晴らしい」
戦況を見つめているオルランドゥが呟いた。
日の光を受けて白く輝く鎧を身に着けた3人が、美しい三角形を描いて敵陣に突撃していく―
(ひとりひとりは小さく弱くとも、信じあい、心を通わすことで、人は強くなれる―か)
他の方面の部隊も敵陣を次々と突破してゆく。もともとが小部隊の敵は各個撃破され敗走した。
だが、厄介なのは、敵が連れているモンスターである。
野生種を戦闘用に調教したモンスターだ。戦闘力は野生種をはるかに上回る。
敵陣を突破するアグリアス達3人の前に、最後に立ちはだかったのは、怒りに狂う猛獣ミノタウロスだった。
見上げるほどの巨大な体を怒りに震わせ、人間ほどの大きさもある巨大な石斧を振り回してくる。
受け止めよう、などと考えようものなら、一瞬で叩き潰されてしまう。
さすがの3人もかわすのが精一杯だ。
「これでは埒が明かん!アリシアは左へ!ラヴィアンは右へ!」
足元に炸裂する大斧をかわし、アグリアスが叫ぶ。
「正面は私が引き受ける!左右後方から挟撃しろ!」
「はいッ!」
「ご無事で!」
瞬時にアリシアとラヴィアンは左右へ走る。
瞬間、ミノタウロスの振り抜いた大斧をぎりぎりでアグリアスはかわした。
大斧の風圧で、顔の皮膚がわずかに切れた。さっと血が流れるのが分かる。
「さぁ来い!お前の相手はこの私だッ!!」
流れる血を指で拭い、体勢を立て直して剣を構え、アグリアスはミノタウロスに対峙した。
アリシアとラヴィアンは木立の間をすり抜けるようにして走ってゆく。
後方へ回り込むには、ミノタウロスの視界と大斧の有効範囲から離れ、森の中を大きく迂回しなければならない。
途中、行く手を遮る蔦や枝を剣で切り払い、倒木を盾で払いながら進む。
(ふん、こんなの何よ!)
(ふん、こんなの何さ!)
2人は藪に足を取られ、立ち木の枝で傷つきながらも走った。
((普段の稽古のほうが、よっぽどキツイわよっ!!))
130:オトメの悩み(8/10) ◆YO1phvHRhQ0i
10/07/24 03:15:32 oLQoGAtu0
「大気満たす力震え、我が腕をして、閃光とならん! 無双稲妻突き!」
アグリアスの放つ光り輝く気の柱がミノタウロスを貫く。
だが怯むことなく、ミノタウロスは突進しつつ斧を振り回してくる。
「くっ!」
斧が兜をかすめてガチリと鳴る。後ろへ飛び退いてかわしたが、このままではいずれ追い詰められてしまう。
(あと一歩、あと一歩踏み込めればッ!)
あと一歩踏み込めれば、致命傷を与えることもできる。
しかしミノタウロスの突進と大斧の圧力は凄まじく、その隙はなかなか生まれない。
(まだかッ、アリシア、ラヴィアン!)
そしてほぼ同時に、アリシアとラヴィアンは森を抜け、ミノタウロスの側面やや後方へ出ることに成功した。
「行くわよアリシア!」
「ええ!ラヴィアン!」
2人は同時に、雄たけびを上げてミノタウロスへ突撃する。ミノタウロスが後ろへ気を取られ、大きな隙が生まれた。
(今だッ!!)
「せやぁぁぁーーーッ!!」
アグリアスはミノタウロスの懐に飛び込み、その喉笛に剣を突き立てる。
同時に左右からアリシアとラヴィアンの剣がミノタウロスの体に突き立てられた。
「グワオォォォ!!!!」
壮絶な断末魔の声を上げて、ミノタウロスは倒れた。
「やった……!」
へなへなと座り込むアリシアとラヴィアン。疲労がどっと押し寄せて、立ち上がることすらできない。
「よくやった……!よくやったぞ!2人とも」
息を弾ませて、アグリアスが2人の元へ歩み寄り、手を差し伸べる。
手を握ると、ぐい、と引っ張り上げられた。
「さあ、しっかり立て。戦果の報告をしに行こう」
「え、ええ……でも……腰が抜けて……」
「わ、私も……」
「仕方のない奴らだ。私につかまれ」
アリシアとラヴィアンを両肩で支えて、アグリアスは陣へと戻ってゆく。
「私だけでは、あれに勝つことは難しかっただろう。お前達がいたからこそ勝てた。
この勝利は、たゆまず努力を続けた、お前達の勝利だ」
アグリアスはそう言って、2人を祝福した。
(そんなことないと思う、けど嬉しい!頑張ったかいがあったわ!)
(そう言って貰えると凄く嬉しい!また一緒に戦いましょう、アグリアス様!)
2人は改めて、アグリアスの部下であることを誇りに思ったのだった。
本陣へ帰ると、3人を待っていたのは皆の祝福だった。
「おめでとう!すごいわ!」
「やったな!おめでとう!」
その賞賛と祝福の向こうに、ラムザとオルランドゥが待っていた。
「アグリアス、只今帰陣いたしました」
アグリアスは2人を肩から下ろし、普段どおりに膝を付いて帰陣の報告をする。息すら切れていない。
「アリシア……き、帰陣いたしました」
「ラ……ラヴィアン……帰陣いたしました」
アリシアとラヴィアンは、まだ息を切らしてへとへとの状態だった。
「3人とも、本当によくやってくれました。特にアリシアとラヴィアン。
久々の実戦にも関わらず、ぴったりと息の合った連携は見事でした」
ラムザが褒める。
「素晴らしい戦いぶりであった。これも日々の鍛錬の賜物であろう。以後も精進せよ」
オルランドゥからもお褒めの言葉を頂いた。
「あ、ありがとう……ございます……」
2人はそれだけ言うのがやっとである。
(早く横になりたいっ!)
(水が飲みたいよ~っ!)
131:オトメの悩み(9/10) ◆YO1phvHRhQ0i
10/07/24 04:00:17 oLQoGAtu0
「今、帰還した」
男の声が、アグリアスの天幕の外から聞こえてきた。
「ああ、ご苦労」
外の人影に向かって、天幕の中のアグリアスが声をかけた。
「あまりにも見事な戦いぶりだったんで退屈だったぜ」
「ははは、すまんな。これで、あの2人もまた成長するだろう。前線での活躍も期待できる」
「……万が一の時に備えて伏兵まで用意しておくとはね」
「責任を取るとは言ったが、それは私が斬り死にすれば済むということではないからな。
ともかく、伏兵を使うような事態にならなくて良かった。お前には退屈させてしまったようだがな」
「ふん、たまにはこんな仕事もいいさ」
アグリアスは天幕の入り口まで行き、そこにうずくまる影に言った。
「急な任務だったが、よくやってくれた。感謝するぞ、マラーク」
「お安い御用さ」
「日々の鍛錬、か……。確かに強い女にはなれたわよね」
「綺麗な女にはなったのかな?」
「どうだろうね」
「でも……確かに痩せたわよね、私達!」
「よし、今日はここまで!」
アグリアスの号令で、今日の朝稽古は終了である。
「んーっ!いい汗かいた~」
「あ~お腹すいた~!」
すっかり朝稽古が板に付いたアリシアとラヴィアンがいた。
アグリアスとほぼ同じだけの稽古をこなして、まだ余裕がある。2人は鍛錬を楽しむほどにまで成長したのだった。
2人の出撃の機会はやはり少ないものの、欠員が出たときの補充要員として重要な戦力となっていた。
いざ戦闘となれば、アグリアスとの3人での連携攻撃は凄まじく、敵から恐れられた。
朝稽古が終わって宿に戻り、汗を流しに3人で入浴した。
「では先に入っているぞ」
アグリアスは先に浴室へ入る。アリシアとラヴィアンは、自分の体を姿見に映してみた。
たるんでいたお腹回りや足はキュッと引き締まり、適度に筋肉のついた均整の取れた体がそこにある。
減量は見事に成功した。と言うより、日々の鍛錬が身に付いたおかげで、余計なものが体から取れてしまった、
というのが正しいだろう。
「うーん、我ながら、よくここまでやったと思うわ」
ラヴィアンが姿見の前でポーズをとる。アグリアスほどではないが、なかなかのスタイルである。
「もう少し、胸が大きいといいんだけどなぁ……」
アグリアスやレーゼの大きな胸を思い浮かべて、アリシアはちょっと残念そうに自分の胸を見た。
ちなみに、胸のサイズはラヴィアンのほうがちょっとだけ上だったりするとか。
稽古の後のもうひとつの楽しみが食事だ。朝稽古の後の朝食の味は格別である。
痩せるために食事量を抑えていた2人だが、今や普通の男性並みの食事量となっていた。
それだけ食べないと体の維持ができない。アグリアスがよく食べる理由が分かった2人だった。
(アグリアス様が太らないのって、食べた分運動してるからよね)
(あれだけ稽古してれば、お腹減るの当たり前よね)
(もちろん私達だって同じよね!)
132:オトメの悩み(10/10) ◆YO1phvHRhQ0i
10/07/24 04:01:04 oLQoGAtu0
「ごちそうさま~!」
今日も朝食をぺろりと食べてしまった2人。
「ねーねーアリシア。今日はリジェールのケーキ食べに行くんでしょ?」
ラファがアリシアのところへやってくる。この街で美味しいと評判のケーキ屋へ行く約束をしているのだ。
「うん!どんなお店か楽しみよね~」
「レーゼとメリアドールも行きたいって言ってたから、あとで誘ってみるね」
「そうね。みんなで行きましょ。ラヴィアンも行くでしょ~?」
「うん、行く行く!」
「あれだけ食ってまだ食うのかよ、アリシア」
食堂で朝食を取っていたムスタディオがあきれたように言った。
「甘いものは別腹なのよん」
アリシアは涼しい顔をして食堂を出て行った。
「凄いな……」
隣にいるラッドもあきれ顔である。
「でも、アリシアって最近綺麗になったよな」
ラッドがそんなことを言い出す。
「うん、確かに。ラヴィアンも痩せたし、美人になったよな~」
ムスタディオも同意する。そして、ニヤリと笑ってラッドの方を向いた。
「ラッド~。お前、もしかしてアリシアを~?」
「い、いや違うよ、そういう意味じゃなくて!」
ラッドが真っ赤になって否定する。
「照れるなよ。今度、飲みに誘っといてやるからさ」
「……頼むよ」
その日の夕方。
「ムスタディオ!今日は飲みに行くわよ!」
ラヴィアンが、宿で暇そうに本を読んでいたムスタディオの背中をばしっと叩いて言った。
「おお、ラヴィアンか。いいぜ。どこに行くんだ?」
「ベヒーモスのステーキが食べられるお店があるんだって!今日はそこへ行きましょ!」
「そいつはいいな。行こう行こう!」
「アグリアス様も誘っておいたから、楽しみにしててね~」
「な!……ば、馬鹿!アグ姐は関係ねぇだろ!」
赤面して慌てるムスタディオを見て、ラヴィアンは笑った。
こうして、アリシアとラヴィアンは「強くて綺麗な女」になることができたのであった。
後日。
その日は、レーゼ、アグリアス、アリシア、ラヴィアンの4人で入浴する日だった。
「それじゃ、お先に」
レーゼは、むっちりした体をタオルで覆って浴室へ入ってゆく。
アグリアスのすらりとした体とは対照的な、女性らしい魅力に溢れている。
「……うむむ」
見ると、アグリアスが難しい顔をして、自分の体を姿見に映していた。
「どうかしましたか?」
アリシアが尋ねた。
「いや……。私の体は、どうにも筋肉が目立ってしまっていかん。
……どうやったら、レーゼのように女らしい体つきになれるのだろう、と思ってな」
(……人の悩みって)
(……それぞれなのよね)
2人は顔を見合わせて笑ったのだった。
END
133:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/24 09:26:32 7fWSvNp60
御三方、SS投下乙でありますwww
134:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/24 15:29:29 HnG8HJLj0
少女向けの読み物の主人公という感じのアリシアとラヴィアンが良いね。
奇をてらわない、素直な面白さがあった。
135:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/25 00:45:06 964ZNKg80
SS乙!
月光はがぜん面白くなってきた!次回が楽しみだ
136:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/25 07:33:16 nJeEM0nZ0
月光これにて完結
すさまじく長いですがご容赦のほどを ゆっくりと投下
137:月光 最終章 1/29 ◆fhZWInPd1U
10/07/25 07:36:28 nJeEM0nZ0
ラムザたちが宿屋に戻ってきたのは夕飯時だった。そのまま顔を洗い食事となる。
居間ではやはり、どこかしこから村人が集まり宴が催されていた。
暫くマズラと、市場から帰ってきたシュガリーの三人で食事を取っていたラムザだが、
その場にアグリアスの姿が無いことに気付くのにそう時間はかからなかった。
「そんなに気になるんなら行けばいいのに」
ソーセージを頬張りながらマズラは至極当然のことを述べた。マズラの隣では、
気落ちした表情でシュガリーがミルクをすすっている。
「ラムザ、行ってあげて。…ごめんなさい。今は、私も彼女をいたわる余裕は…」
シュガリーの意を酌んだラムザは階上へ行く決心を固めた。
138:月光 最終章 2/29 ◆fhZWInPd1U
10/07/25 07:46:38 nJeEM0nZ0
「アグリアスさん。もう食事はできていますよ」
扉越しに聞こえてきたその声に、アグリアスは瞼を開けた。
電灯を付けずにそのままベッドに倒れこんだせいか、部屋は薄暗い。窓に映える夕焼けの光が長く部屋の端まで伸びている。
夕焼けを浴びるアグリアスは茫然自失としていた。
「アグリアスさん?入りますよ?」
再び聞こえてきたラムザの声に意識を覚醒させる。
髪はくしゃくしゃ、部屋は若干汚い、まずい。
このままラムザを部屋に通してしまうわけにはいかない。
騎士の、女の意地だ。
「待て、ラムザ!少し待ってくれ」
物がお互いに擦れる音、衣の擦れる音が扉越しに響いたが、暫くしてアグリアスの許可が下りた。
気が気でなかったラムザは扉を開け、中に入った。
139:月光 最終章 3/29 ◆fhZWInPd1U
10/07/25 07:57:48 nJeEM0nZ0
「珍しい。寝ていたんですか」
無礼とも言えるラムザの言葉に、急いで身なりを整えたのか、
ベッドの上で不自然な格好で腰を下ろしているアグリアスは顔を憮然とさせ、反論した。
「うるさい。少し考え事をしていただけだ。
…そんなことより、ラムザ。今日の昼間の話は聞いたか?」
「…マズラから聞きました」
「…そうか」
「彼は、貴方がとてもこの出来事に落胆している、と」
「…ラムザ。私はもう、誰を信じてよいのか…」
アグリアスはそうぽつりと呟き、窓の外を眺めた。
先程現れたばかりの満月と目があう。心なしかアグリアスに向かって笑いかけている。好意的なそれではない。
彼の周りには昼間の名残だろうか、雲の小型艦隊が彼を包囲するようにゆったりと飛行を続けている。
『今晩デートにでもお誘いなさいな』
昼間のシュガリーの言葉がアグリアスの頭の中で反復された。正直、今は誰とも話していたい気分ではないが仕方ない。
「なあラムザ。行きたい場所があるんだ。一緒に付いてきてくれないか?」
この言い方では逢引のそれとは若干異なるが、と心の中で苦笑しながらも
懸命にアグリアスは言葉を絞り出した。
「はい。お好きにどうぞ」
目を丸くしたラムザの表情が可笑しく、アグリアスはほんの少し口元を緩めた。
140:月光 最終章 4/29 ◆fhZWInPd1U
10/07/25 08:06:07 nJeEM0nZ0
「こんなところに階段があったなんて…」
教会の、閉じられた入口の裏手に二人が回ると、そこにはシュガリーが言っていた通り、
古びた階段が教会のてっぺんまで繋がっていた。
この頃にはアグリアスの気分も幾分か晴れ、ラムザとの会話を楽しむ余裕ができてきていた。
ラムザは断片的ではありながらも、大よそアグリアスが今日体験した出来事を理解した。
アグリアスは、マズラとシュガリーがこの出来事にマズラとシュガリーが心を砕いていること、
そしてアグリアスをまるで家族のように心配していることを聞いた。
アグリアスの心をいつの間にか、温かい感情が占めていた。
階段が終わりを迎える。二人は展望室に到達した。塔の最上部は小さな吹き抜けになっていて、村を容易に一望できた。
「うわあ。意外とこの村は広いんですねえ」
アグリアスの隣で、ラムザは子供のようにはしゃいでいる。
来てよかった、心底アグリアスは安堵した。
そして何の気なしに、村の城壁の外を見た。
見てしまった。
141:月光 最終章 5/29 ◆fhZWInPd1U
10/07/25 08:13:23 nJeEM0nZ0
アグリアスの顔が瞬時に、驚きそして恐怖に塗り替えられる。
「!!ラムザ!!見てくれ!!村の外を見るんだ!!」
アグリアスの張りつめたような声に足元の景色を楽しんでいたラムザは、アグリアスの怒声に
一瞬よろめいたがすぐに態勢を立て直した。そしてアグリアスの視線を辿り、城壁の外の景色を眺めた。
「…そんな馬鹿な…!!」
地平線が見える程に果てなく続いていた草原は一切合財姿を消していた。
そこにはただ闇が延々と続いていた。暗闇による視覚の影響も二人は念に入れた。満月の光が
暗闇を多少なりとも取り払っているから草原の片鱗が姿を現していてもおかしくないのだ。
しかし、そこはただ無とも、黒ともいえる、底なしの怖ろしい世界が広がっていた。
「…目の錯覚じゃないのか」
「どういうことだ。ここは冥界か、それともルカヴィの住む…」
そこでアグリアスははっとした。
同じく呆然としているラムザに急いで顔を向ける。
「ラムザ、私たちはどうしてこんなところで毎晩宴会に勤しんでいるんだ。
ルカヴィを倒すという使命は一体どうなったんだ」
アグリアスは半ば自らに問いかけるかのように、ラムザに迫った。
「そういえば…誰も疑問に…」
「どうなっているんだ、一体…」
142:月光 最終章 6/29 ◆fhZWInPd1U
10/07/25 08:22:14 nJeEM0nZ0
沈黙とも、沈痛ともいえる時間が過ぎる。ラムザは暫く思案していたが意を決したのか、アグリアスの肩を掴んだ。
「この村を出ましょう。今すぐにです」
「しかし、外は何もない闇が…」
「それでもこの村にいるよりはマシです。薄々感じていた事ですが、この村は何かおかしい。そして今日のアグリアスさんの
お話を聞いて確信しました。このままここに留まっても恐らく事態は好転しません」
ラムザの力強い言葉を聞き、アグリアスはすぐに同意した。宿屋に向かうべく、二人は急いで階段を駆け下る。
すると。
「ラムザ…雨だ」
アグリアスが空を見上げた。雲の艦隊はついに上空全土を掌握し、歓喜によるものからか、雨を降らせ始めていた。
「急ぎましょう」
二人は同時に走り出した。事態は確実に動いている。
迫る雲を払い満月が、そんな二人を照らし続ける。
143:月光 最終章 7/29 ◆fhZWInPd1U
10/07/25 08:35:01 nJeEM0nZ0
二人が宿屋に到着したときには、初めは小雨ほどだった空模様は既に豪雨へと悪天していた。
「アグリアスさんは皆を集めてください!僕は先に門へ向かいます!」
雨だれのうつ音にかき消されないような大声で、ラムザはアグリアスに叫んだ。
「わかった。門の前で合流しよう!」
二人は同時に頷き、それぞれの役割を遂行するべく行き別れた。
アグリアスは扉を開けた。居間ではいつものように大勢の人数が二人一組で飲みあい語らい、案の定
アグリアスに気付いたのはシュガリーとマズラだけだった。
「アグリアス!どうしたの、そんなずぶ濡れで。風邪ひくわよ」
シュガリーが驚いた表情でそう述べ、マズラにタオルを持ってこさせようとした。対したアグリアスは時間も惜しいのか、
濡れた髪も拭かずにシュガリーとマズラを引きよせると、小声で自身の計画を打ち明けた。村人の中で、唯一この二人が
変人で且つ、自分の考えを理解してくれる者だと、アグリアスはそう信じたのだ。
「話はわかった。けど、どうしてそれを僕等に?僕等も彼等と同じかも知れないよ」
マズラは悪戯小僧の顔を消して、真面目な表情でそう言った。
「シュガリーは傍にいてわかった。
お前は…お前は、まるで私の想い人とそっくりなんだ。人の痛みを分かち合える。
それに、シュガリーが惚れるくらいだ。間違いはないだろう」
アグリアスの言葉に、マズラはポカンとした表情で、対してシュガリーは顔を破裂させるほどに真っ赤にした。
シュガリーがアグリアスをポカポカと殴りつける。
アグリアスは大人の笑顔で対応した。
144:月光 最終章 8/29 ◆fhZWInPd1U
10/07/25 08:47:20 nJeEM0nZ0
かいつまんだ話を聞いた二人はそれぞれ顔を見合わせ、すぐに頷いた。共闘してくれるようだ。
アグリアスは早速手ごろな紙に急いで何かを書き記した。
そして、近くで機械の行く末について熱く熱弁を奮っていたムスタディオの前に何気なくその紙を置いた。
自身の展望する未来を語り終え、一息ついたムスタディオは、懐かしき畏国語で書かれた所在なき紙の存在にいち早く気付いた。
内容はこのようなものだった。
『すぐにここから出立をする。その準備にとりかかるが、周りの村人に気付かれてはいけない
もし、この手紙の内容について言及されたら
“実は、皆の感謝のお礼に秘密の宴を催す準備をしている くれぐれも周りには秘密にしておいてくれ”
と答えろ。
読んだら下に自分の名前を記し、近くにいる仲間に渡せ 合図が出るまで待機
アグリアス・オークス』
内容を一読したムスタディオは別段顔色を変えるわけでもなく自分の名前を記し、横で同じように語り合っているラッドに紙をスライドした。
「どうしたんだいムスタディオ?あの紙は…」
そこでムスタディオは少々思案顔になり、マドーシャスに交頭接耳をした。
「実は、ここだけの話にしてほしいんだが…」
145:月光 最終章 9/29 ◆fhZWInPd1U
10/07/25 08:55:09 nJeEM0nZ0
このようにして、数分も経たないうちにラムザ隊の副隊長の命は各員の知るところとなった。
「全員の名前を確認した。次の段階に移るぞ」
シュガリーとマズラは同時に頷いた。マズラが大きく息を吸う。そして居間に響くような声でこう告げた。
「皆さーん!時間ですよー。お二階へどうぞ!」
その言葉が合図だった。ラムザ隊の各員は、それぞれの相手に用事ができた、と話しかけると、
シュガリー先導の元、平然とした面持ちで続々と階上へ向かっていった。事態を呑みこめない者、したり顔で
事態を静観する者そして“実は秘密なんだが…”と切り出し先程得た話を周りにひけらかす者。
これこそがアグリアスの望んでいた事態だ。階下にいるマズラと目配せをし、アグリアスも階上へ上がった。
146:月光 最終章 10/29 ◆fhZWInPd1U
10/07/25 09:10:26 nJeEM0nZ0
「全員、準備ができたら私の部屋に集まれ。シュガリーが下にロープを引く。それでここから脱出する」
「あのよあ、アグリアスさん…」
「質問は後だ。今は急いでくれ、頼む」
隊員の困惑した質問に申し訳なさそうにアグリアスが答えた。それで十分だった。
三分も経たないうちに、十数名いる戦士の全員が出立の準備を終えていた。狭い部屋に戦士がひしめきあう。
窓に駆け寄ったアグリアスは、先にロープを伝って下りた地上のシュガリーに合図を送る。
「一人ずつ、大きな荷物は下に落として。なに、どうせこの雨だ。ちょっと音を立てても気づきはしない」
慣れたものだ。慌てふためかず、次々と隊員は宿の外へ降りていく。最後にアグリアスがロープを伝って準備完了となった。
147:月光 最終章 11/29 ◆fhZWInPd1U
10/07/25 09:12:14 nJeEM0nZ0
「すまない、シュガリー…突然、このような事に巻き込んでしまって。恩をかえすことはできないが…」
シュガリーは口元を緩ませ、首を横にふった。
そして渾身の笑顔をつくる。
「あんたが来てから素直に楽しかった。まるで姉ができたようで、とても退屈しなかったわ」
偏屈な奴だ、とアグリアスは思った。
その笑顔は彼のためにとっておけ。そんな小言の一つでも飛ばしてやりたかったが生憎時間が無い。
「マズラにも同じように伝えておいてくれ。本当にありがとう」
シュガリーの返事を聞く前に、アグリアスは指示を飛ばした。
「全員、走るぞ!ラムザが門の前で待ち構えている!」
大雨が降り注ぐ中、熟練した戦士たちは音もなく走り始めた。
148:月光 最終章 12/29 ◆fhZWInPd1U
10/07/25 09:47:54 nJeEM0nZ0
隊員より早く行動していたラムザは一足早く看板の前に辿り着いた。記憶が正しければ看板の
すぐ近くに門がそびえ立っていたはずだ。ラムザは急いで門の在りかを探した。
「無い…門が無い…」
いくら城壁の周りを探しても、門の存在など初めからなかったかのように城壁は冷たくラムザをあしらった。
確かにこの辺りにあったはずなのだ、ラムザはもう一度辺りを散策した。しかし、やはり門の姿は確認できなかった。
困り果てたラムザは手掛かりを求め、看板の文字を確認した。初めは正体が知れなかった文字もマズラの指導あってか、
今では完璧とはいえないまでも、ラムザの語学力はある程度の域まで達していた。
ラムザは看板の中央よりやや下に書かれている文字を発見した。最初に発見した文字だ。
「…えーと、この文字があれで、この文字が…」
たどたどしく文字を畏国文字に変換し読み終えた時、ラムザの顔は正しく戦々兢々としていた。
看板には、筆記体でこう書かれていた。
『Welcome to Homicidal Gad』
Homicidal gad 意味は、“殺人者の独り歩き”。
149:月光 最終章 13/29 ◆fhZWInPd1U
10/07/25 09:51:15 nJeEM0nZ0
ラムザは混乱した面持ちで二歩、三歩と後退した。後退した先には田畑が広がっていた。
その田畑は正しく今日、ラムザ達がマズラ達から異国文字を指導してもらった場所だった。下を見ると、雨で
消えかかっているが地面にラムザ達の歴戦の跡が刻まれている。
『mazra』
これはマズラ自身が書いたのだろうか、右肩上がりな筆跡がいかにも自分とそっくりだ。
その隣には自分の名前が見よう見まねで書いた跡がある。
「…ん?」
ラムザはそこである異変に気付いた。近くにあった木の棒を拾い上げ、急いで文字を書く。
『ramza』
自身の名を畏国語で書きおこした。
そして自らのスペルをあれこれ並び替え書いた末、その文字は完成した。
『 ra m z a ⇒ mazra 』
150:月光 最終章 14/29 ◆fhZWInPd1U
10/07/25 10:01:32 nJeEM0nZ0
そんな馬鹿な。
ラムザはそう叫びたかった。偶然に違いない、そうだ、きっとそうだ。ラムザは自己暗示をかけるように
心の中で何度もその言葉を復唱した。
マズラの文字の横には、雨によって消えかかっているが、確かにシュガリーのスペルも書きしるされていた。
『sugari』
信じたくなどなかった、だが全てを疑心暗鬼せずにはいられない今、ラムザが取るべき行動は一つだった。
木の棒を再び手に取る。泥が顔に何度も飛び跳ねた。それでも彼は完成させた。
『 s u g a ri ⇒ agrius 』
大雨がラムザを何度も何度も、繰り返しうちつけた。
151:月光 最終章 15/29 ◆fhZWInPd1U
10/07/25 10:09:21 nJeEM0nZ0
「気付いたのね」
後方から声が聞こえた。ラムザは緊張感を張り巡らせた。
その声にラムザは聞き覚えがあったのだ。
「やはり、あなたか」
ラムザは振り返らずに、後ろにいる女剣士にそう答えた。
「久しぶり、と言いたいところだけど、既に私とあなたは何度か巡り会っているわ。何時とは言わないけれど」
「どうして僕たちをこんな世界に?」
彼女は少し首を傾けて考えていたが、気兼ねなく答えた。
「醜い理由よ。あなたが、あなたがまだ生きているって知ったから」
彼女は自嘲した。
「いつか言ったわよね。
あなたが悪いわけじゃない。でも、現状が変わらない限り、私はあなたを憎む。
あなたがベオルブの名を継ぐ者である限り、あなたの存在そのものが私の敵だと」
忘れるはずもない。ラムザは静かに頷いた。
「別にもう世界に未練なんてない。私という存在が世界から消えたから。ただ、私をうち滅ぼした相手が未だ
ノウノウと生きはぐっている事は、興味が沸いたし同時に憎しみを抱いた」
「弁解をするわけではない。だが聞いてほしい。あなたが憎しみを抱く、醜態をさらし圧政をしいた貴族はことごとく斃れた。
貴方が憎んでいたラーグ公も、そして僕の兄たちも…」
「聞いたわ。その貴族の操り人形師を倒すために旅を続けているんでしょう。傲慢な貴族も死に絶えたと聞く」
「では何故!」
その時だった。
152:月光 最終章 16/29 ◆fhZWInPd1U
10/07/25 10:17:35 nJeEM0nZ0
「ラムザ!!」
通りから雨にも負けずアグリアスの声が響く。アグリアスはラムザの姿を捉えると、すぐに近寄ろうとした。
「止まりなさい」
静かな声で、流れるような動作で腰から剣を抜いた女剣士は、地面に膝をついたままでいる
ラムザの首元に押し当てた。
「これ以上近づくと斬るわ」
女剣士はアグリアスとは対照的に、冷静にそう述べた。
「貴様…!!」
「分かって頂戴アグリアス。私は話がしたいだけなの」
女剣士はうってかわり、悲痛そうな声でそう訴えた。
「何故、私の名を…」
アグリアスは狼狽した。
瞬間。
「アグリアスさん!!後ろから追手が!!」
隊の後方にいた剣士がそう言を発した。見ると、先程の酒場にいた仲間の友人である村人が
アグリアス達を追ってラムザ隊の後方に迫っていた。
「アグリアス!ごめんなさい!」
追手が彼等の後ろで立ちふさがるや否や、更に後ろから追いかけてきたシュガリーとマズラが
息を荒くしながら涙声でそう伝えた。
153:月光 最終章 17/29 ◆fhZWInPd1U
10/07/25 10:27:52 nJeEM0nZ0
「彼等は…一体何者なんだ?」
対峙を続ける追手と隊の仲間を見つめながら、ラムザは静かにそう訊ねた。
「それを説明するには、まずこの世界のならわしを知る必要がある」
女剣士は静かに語り始めた。
「私はあの時、レナリア台地で命を落とした。
知ってる?死ぬ瞬間は、電灯が弾けたように目の前がチカチカする。
“死”はとても恐ろしい。少なくとも私はそうだった。そして、死んでから間もなく私は、何もない暗闇の空間に放り出された。
いつか童話で聞いた、“死んだ人は空から私たちを見守っていてくれる”なんて嘘っぱちよ。
地上の状況はおろか、目の前すら見えなくなった。
それでも必死に歩き続けた。私は諦めたくなかった。
そしてある時、どうやら自分が草原の上に辿り着いた事に気付いた」
そこで一旦言葉を切る。雨は依然として強さを保っている。
「私は涙を流して何度も神を恨んだ。さわやかな風を肌で感じることはできても、目の前に広がる雄大な草原も
晴れ晴れとした空も、何も見えやしない。
神は残酷だ。いつだって人を見捨て、人が窮地の事態に追い込まれても素知らぬふりを繰り返す。
神は創造主であると同時に最悪の殺人鬼だ。
おおよそこのように、毎日毒づいていたわ。それが功を奏したのかはわからないけれど、ある時気づいたら、この
村の中にいた。
視力が戻っていた。村の中に限ってだけど」
154:月光 最終章 18/29 ◆fhZWInPd1U
10/07/25 10:31:46 nJeEM0nZ0
女剣士は目をつむった。
「村に住むようになってから何時か、少年が階段から転落する事件が起こった。少年が負った傷は深かった。
私は気が動転して、すぐに家という家を回って塗り薬やら何やらを調達しようとした。けれど、どの家の住人も
薬という概念も、治療という概念もなかった。
薬がないわけじゃない。村人自身が薬だった。ただ、どんな症状にも効かない薬。
そこで私は初めて気がついた。
ああ、これが“神”なのか、と。
私利私欲のために兵士の手柄を自らの物のようにする横柄な世界より、
なんて明快で簡潔な世界なんだ、と」
「…」
「貴方たちを見つけた時、意地でもこの世界に放り込んでやろうと思った。だけど、ただ放り込んで
苦しむ様を見ても何も楽しくない。
そうか。どうせなら、自分と意気契合する者を登場させて、何も気がつかせないままに、この村に閉じ込めてしまえばいいんだ」
「それが、マズラでありシュガリーなのか」
「彼等は、貴方達の心の底に潜む欲望を具現化した体現者。だから貴方たちは彼等にどこか惹かれ、そして気が合う」
女剣士はマズラとシュガリーを見てせせら笑った。
「ただ、あなたとアグリアスの有形、あの二人の存在は正直予想外だった。まるで自我が存在しているかのように
振る舞うものだから。それとも、よほど貴方達の信念が強かったのか。
事実、彼等のせいでこのような状況になっていると言ってもいい」
155:月光 最終章 19/29 ◆fhZWInPd1U
10/07/25 10:37:40 nJeEM0nZ0
「どうするアグリアス」
激しい雨の中、オルランドゥがアグリアスに訊ねた。緊迫したこの状況ではいつ斬り合いが始まっても
おかしくない。アグリアスは大木の近くにいるラムザに向かって訊いた。
「ラムザ!!門はあったのか!」
ラムザは静かに首を横に振った。その代わりにラムザは大声で指示を飛ばす。
「シュガリー!!」
ラムザの突然の呼び声に、追手の後方で身を縮こまらせていたシュガリーは飛び跳ねた。
「君の所の花を全てもらおう!!代金は後払いだ、荷台でここに運んできてくれ!!
アグリアスさんを始めとする数人はシュガリーたちに同行してください!急いで!!」
156:月光 最終章 20/29 ◆fhZWInPd1U
10/07/25 10:46:01 nJeEM0nZ0
「何をしようというの」
怪訝な声色を覗かせながら女剣士はラムザに訊ねた。
「忘れ物があったから取りに行ってもらっただけだ」
ラムザは静かに眼を閉じた。
「…時として、最良の方法が最善の結果を生むとは限らない」
ラムザはぽつりと呟いた。
「知己がいつか、僕に忠告した。その時の言葉だ」
「それは、つまり私の行ってきた事は全て無駄だと言いたいの?」
彼女の言葉に、ラムザははっきりと否定の意をこめた。
「違う。あなたの行いを否定することなど、僕にはできない。
ただ、あなたは神ではない。これは貴方が目指すべき最善ではない」
「何を言うか。奴等は私たちを人間扱いなどしていなかった。
ならばいっそ奴等の家畜として生まれていた方がマシだったと何度思ったか!!
計画は全て水泡に帰した!これも、そして支配階級が生まれたのも、全ては神の意思よ!
神は私を、兄を見捨…」
「もうやめてくれ!!」
ラムザの悲鳴とも言える怒声に、彼女の剣先が微かに上下した。
157:月光 最終章 20/29 ◆fhZWInPd1U
10/07/25 10:52:35 nJeEM0nZ0
「聞いてくれ。それは、神のせいではない。
君たちを苦しめたのは僕を含む全貴族の責任だ。言い逃れはしない。
この戦争によって大部分の貴族は死に絶えた。この僕も、ベオルブの姓を捨てることで貴族としての僕は死んだ。
畏国を巻き込んだ戦争はいずれ終焉を迎える。耕土は荒れに荒れ、政治も上手く機能しないかもしれない。
市民の暮らしは今以上にきびしくつらいものになる。
だが、支配階級は今以上に氾濫することはない。このラムザ・ルグリアの名のもとに誓う。貴族制度は後世まで
潰えぬかもしれない。だが、近い将来この国を背負う王たる者が市民の手によって勝ち取られることもあるだろう。
それほどまでに畏国は疾風怒濤の人生を歩んでいる」
「確かに、奪った物は全て戻ってはこないかもしれない。ただ、むやみやたらに物を強奪する輩は消えうせた。
人々にはある程度の暮らしが築ける未来が生まれるだろう」
158:月光 最終章 22/29 ◆fhZWInPd1U
10/07/25 11:03:18 nJeEM0nZ0
「その夢を語るにはまず、ルカヴィという邪悪な存在をうち滅ぼさなくてはならない。
…それが、僕にとっての“正義”であり、“大義”だ。
ここでのうのうと過ごしていた自分が本当に恥ずかしい!
僕等は、常に最善の結果を目指しているんだ。
…わかってくれ」
ラムザは背後に立つ女剣士のために頭を地面につけた。雨はいつの間にか止んでいた。
ラムザの声は全員の耳に届いていた。誰しもが彼の声を聞き毒素を抜かれたかのように
剣を突き立てたまま、彼女とラムザを見つめている。
「…つまり、あなたは私の、…兄の夢を叶えようとしているの?」
「そんな大層なものじゃない。でも、僕も一端の人間だ。
…努力なくして夢は語れないじゃないか」
ラムザの首元に突き付けられた剣が静かに下ろされた。追手の者たちも続々と剣を下ろす。
「…兄さんにも聞かせてあげたかった」
瞬時、彼女の身体から眩い光があふれだした。ラムザはそこで初めて後ろを振り返った。
彼女はまるで天女の羽衣を着たかのように、身体から煌びやかな光を放っている。
159:月光 最終章 23/29 ◆fhZWInPd1U
10/07/25 11:12:00 nJeEM0nZ0
「すまない、ラムザ!!遅れた!」
荷台を引きずりながら、アグリアスたちはラムザたちの前に姿を現した。
「これは、いったい…」
驚嘆するアグリアスの横で、マズラとシュガリーはポカンと口を開けている。
大勢の前で、彼女は地面からふわり、と宙に舞い上がった。
同時に、彼女の袖口から一輪の花がこぼれおちた。アグリアスがそれを拾った。
「これは、エンドウの花…」
「“永遠に続く楽しみ”…」
シュガリーは呟く。アグリアスはかぶりを振った。
「いや、花言葉はもう一つある。
…“いつまでも続く悲しみ”
…我々を恨んでここに放ったと言ったな。だが、本当は救ってほしかったんじゃないのか、あの闇から、お前は…」
女剣士は答えずに、静かにアグリアスの言葉に微笑んだ。
「もうその花は必要ないわ。ラムザをよろしくね、アグリアス」
アグリアスはしっかりと頷いた。
160:月光 最終章 24/29 ◆fhZWInPd1U
10/07/25 11:18:46 nJeEM0nZ0
「ラムザ!!」
ラムザの元にマズラが走り寄る。
「花を取りいく途中で話し合ったんだ。
行かせてくれ!僕とシュガリーを、外の世界へ!」
「君がそう望むなら拒むことなどできやしない。
…僕は“君”なんだから」
ラムザはそう微笑んだ。
「…シュガリー!」
ラムザがシュガリーに向かって巾着袋を投げた。
「代金だ!釣りはいらない!二人への祝いの分もこめてある!」
マズラは困ったような顔を浮かべ、シュガリーは再び顔を染め、
怒ったかのように唇を尖らせた。
161:月光 最終章 25/29 ◆fhZWInPd1U
10/07/25 11:20:21 nJeEM0nZ0
彼女を包む光が一段と輝きを増す。風にたなびく金髪はまるで煌びやかな河川のようだ。
満月が一段と、彼女を照らす。
「うわあ、すごい。天使みたい…」
シュガリーが感嘆の声をあげる。
彼女は優しげに首を横にふった。
「私は人間よ…あなたと同じ」
ラムザ達を光が覆う。
瞬時、世界が白色となる。
162:月光 最終章 26/29 ◆fhZWInPd1U
10/07/25 11:27:18 nJeEM0nZ0
「…ん」
ラムザは身をおこした。鳥の囀る音。辺りに、見慣れた畏国の草原が広がっている。
「…わかったからボコ、僕を突くのは程々にしてくれ」
主を心配しているのか、近くでボコが懸命にラムザの顔を優しく突いていた。
ラムザの周りには同じように仲間が仰向けに、さわやかな風を一心にうけている。
近くには呑気に草を食んでいる馬と他のチョコボがいて、その後ろには馬車が置かれている。
辺りには竜巻が通った跡など微塵も感じさせない。
「ボコ。皆を起こしてやってくれ」
ボコの顔を一撫ですると、ボコは嬉しそうに頷き、仲間の元へ駆けていく。
「…おはよう、ラムザ」
「…おはようございます、アグリアスさん」
ラムザは優しげにアグリアスに微笑んだ。
その笑顔が見たかった。
アグリアスは思った。
今度からもう少し素直になってみようか。
草原が微かに揺れる。
163:月光 最終章 27/29 ◆fhZWInPd1U
10/07/25 11:32:09 nJeEM0nZ0
「たいちょーう!この花はいかがいたしましょうか」
ラムザは振り返った。
地面には、まるで綺麗に並べられたように、鮮やかな花畑ができあがっている。
「…そのままでいいよ」
ラムザは空を見上げた。
空は、ここを通った時と同じ晴れ模様だ。今夜あたりは綺麗な満月が見られるかもしれない。
「すぐに出発の準備をしよう」
ラムザの言葉に、隣にいたアグリアスが頷いた。
さわやかな風が辺りに吹き渡る。
地面に並べられた花のいくつかが風に乗った。そのまま風に揺られてラムザたちの元を離れていく。
「…綺麗だ」
ラムザはそう呟いた。
164:月光 最終章 28/29 ◆fhZWInPd1U
10/07/25 11:40:47 nJeEM0nZ0
「…ズラ、起きな…い。 マズラ!」
マズラは目を覚ました。視界には少々機嫌が悪いシュガリーの顔が一杯に広がっている。
マズラは変わらない彼女が可笑しく、顔をほころばせた。
「む。何がおかしいのよ」
シュガリーが眉をひそめる。
「いや、何でもないさ。
…ただいま、シュガリー」
「…おかえりなさい、マズラ」
辺りは草原と低木が生い茂っている。釈然としないながらも、シュガリーは起き上った。
すると近くに控えていたのか、名も知れぬチョコボが駆け寄ってきた。
「好かれているじゃないか、シュガリー」
頬ずりまでされているシュガリーも満更ではなさそうな面持ちだ。
「これも贈り物よ。
…“私”からの、ね」
さわやかな風が吹き渡る。
165:月光 最終章 29/29 ◆fhZWInPd1U
10/07/25 11:43:46 nJeEM0nZ0
「シュガリー!見てごらん!」
マズラとシュガリー、それにチョコボは並んで草原を眺めた。
どこから来たのだろうか、風に乗った色とりどりの花びらが二人の前を通り過ぎていく。
「…なんだ」
シュガリーはため息を吐いた。
「私はあの村が一番美しいと思っていたけれど。そんなことはなかった。
…思っていたよりも綺麗じゃないの、ここは」
マズラは頷いた。
「ああ。…とても綺麗だ」
二人はいつまでも晴れ渡る空を眺めていた。
fin.
166:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/25 12:08:58 jwH+428nP
余計な賛辞などいらない、ただGJをさせてくれ!!
167: ◆fhZWInPd1U
10/07/25 12:34:01 nJeEM0nZ0
遅れましたが、>>132 乙です!
終わりました。一応、参考程度に設定をば。
・作品名は、鬼束ちひろ作詞作曲の『月光』を参考にしています。作品もできる限り、歌詞に沿って進めました
・村に登場する主要人物は、全員がラムザ達のアナグラムを使用しています
・それに伴って、村の名前『homicidal gad』もアナグラムです アナグラムの元は『I am a God child』 歌詞と違いますが設定ミスです すいません
重ねがさね、稚拙な文章力と構成力に反省すべき点も数多ありますが、初めての長編を書き終える事が出来て満足しています
一読してくださった方、本当にありがとうございました
168:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/25 12:37:08 ZfUa0O9L0
>稚拙な文章力と構成力に反省すべき点も数多ありますが
全くだ
169:\_____/
10/07/25 12:48:58 /f5sqim70
○
ο
,. -ー冖'⌒'ー-、
,ノ \
/ ,r‐へへく⌒'¬、 ヽ
{ノ へ.._、 ,,/~` 〉 }
/プ-=・=-¨.-=・=- }j=く
ノ /レ' . . 〈_ュ` リ,イ} |
/ _勺 イ;;∵r;==、、∴'∵; シ
,/ └' ノ \ こ¨` ノ
人__/ー┬ 个-、__,,.. ‐'´ 〃`ァーァー\
. / |/ |::::::|、 〃 /:::::/ ヽ
/ | |::::::|\、_________/' /:::::/〃 |
170:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/25 12:49:36 BLFJcrZ20
GJ!!!イイハナシダナー
171:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/25 13:09:28 ZfUa0O9L0
はいはいGJGJ
172:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/25 13:10:24 /f5sqim70
国へ帰りな
\__ __/
\/
.,r‐--,,,_、
.゙l゙'i、 `゙''-,,,,,,,,,,,,,,,,,_
: ゙l `'i、.,r‐-、,,`'-,、 `''ー、_
゙l ,/゛ `゙''''ミッ、 ゙゙'''-,、
У `!ヽ、 ._,,i、 ,,,,,、
/ ゙r゙l, / ‘i、 { ゙i、
| ゙'i゙l ./ |, ゙l、 ゙l
| _,,,,_ .゙'},. | ,/ ゚i、 ゙l ゙l、
゙l ,r'"` `゙゙''',゙',lri、,,/ .゙l ゙l ヽ
│ .| .彳 ゚|″ | .| │
│ .ヽ_ _,,-° `i、 .| .,,゙l, .゙ケ'=ッ、
゙l, ,,,,,,、  ̄ ̄ .゙l,-'シ'',!.゙l ,/゜ ゙'i、 .}i、`.゙'i、
`'| `'i、 ,,,rン・'゙,,,-'i| .| .l、,,」 ゙= |
.゙ヽ, .゙!, i″ ゙''i, .l │ /" .゚┓ .|
‘'''l" ゙'-,,、゙l、 .,,「 | ゙l、 ゜ .|
゙l'-,、 `゙''゙‐'" ./ .ヽ .|
| ゙'ヽ,、 / '゙l .,ノ
′ .~'―--―ー?''" ヽ-, |、
" .l゙
173:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/25 19:27:53 JOTj+BeOO
>>167
GJ!
確か鬼束ちひろの月光は、TRICKの主題歌になってたよな。
それで双方ともヒットした感じだよな
174:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/25 21:52:02 PL6TTmUl0
スレにSS投稿されただけで反射的にGJ書き込む趣味の無い俺にしたら、
ここ数日は長雨で一般道が水浸しになって歩きにくいあの感覚だったな。
ともあれ皆さんお疲れ様した。
175:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/25 22:18:45 x8tqdCW7O
なんか賛否両論?あるみたいだけど、
よく練られてて面白かったと思うよ
176:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/26 01:45:36 zaU3poJZ0
>>167
お疲れ様
よいSSでした
構成はよくあるパターンだが、良いものだから黄金パターンと言われるのであってそれは問題ではない
文章力は確かにあるが、がんばり過ぎだと思う。この長さでは味が濃すぎる
しかし今後何よりも求めたいのは国語力
それは誤字ではなくて、今まで聞いた事の無い変な言い回しが多いということだ
自分では中々分からないものだから国語力で信頼できる人に校正してもらおう
以上、ラノベ品質管理員より
177:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/26 03:38:59 DnjHC7ys0
また聞くだけでキモそうな管理局があったものだなw
でも「聞いた事の無い変な言い回し」なんて、
それこそラノベ書きたがってるオタク兄ちゃん達が好んで使いたがるもんなんじゃないかな。
でもだからこそそういうの削るのって大変かつ大事よね。
178:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/26 10:16:55 oq/R4AV00
SS豊富で幸先いいなぁ~
179:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/26 20:41:47 c2POGnuU0
この流れは皆も気軽にSS放り込もうぜ、ってことか?
180:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/26 21:44:07 YhSG5/FA0
もともとそうじゃないの?
181:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/26 22:24:10 KFN8pYPH0
気軽に放り込め
しかし必ずしもGJをもらえるわけではない
182:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/27 00:10:49 tdTJa/VY0
GJ貰えるSSを投下しようとすると難しいよね
183:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/27 00:12:22 YlEnt21l0
何も考えず好き勝手書いて何も言わずに消えていく人こそ至高
184:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/27 06:06:09 zZObSIbX0
面接官「特技は聖光爆裂破とありますが?」
アグ 「はい。聖光爆裂破です。」
面接官「聖光爆裂破とは何のことですか?」
アグ 「聖剣技です。」
面接官「え、聖剣技?」
アグ 「はい。聖剣技です。直線上の敵に大ダメージを与えます。」
面接官「・・・で、その聖光爆裂破は当バード商会において働くうえで何のメリットがあるとお考えですか?」
アグ 「はい。ルカヴィが襲って来ても守れます。」
面接官「いや、当社には襲ってくるような輩はいま・・・せん。それに人に危害を加えるのは犯罪ですよね。」
アグ 「でも、異端審問官にも勝てますよ。」
面接官「いや、勝つとかそういう問題じゃなくてですね・・・」
アグ 「相手に100以上与えるんですよ。」
面接官「ふざけないでください。それに100って何ですか。だいたい・・・」
アグ 「100ヒットポイントです。HPとも書きます。ヒットポイントというのは・・・」
面接官「聞いてません。帰って下さい。」
アグ 「あれあれ?怒らせていいんですか?刻みますよ。天の願い。」
面接官「いいですよ。使って下さい。聖光爆裂破とやらを。それで満足したら帰って下さい。」
アグ 「運がよかったな。ハイトが違うみたいだ。」
面接官「帰れよ。」
185:再就職組
10/07/27 07:38:28 4IAnvDHl0
面接官「特技は闇の剣とありますが?」
186:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/27 08:18:46 rCQxfWk+0
>>184
秀逸
元ネタ懐かしい
187:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/27 10:57:13 Jaz05LyA0
>>184
このスレで前に見たネタだよね。
これに元ネタってあるの?
188:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/27 13:17:55 /2jH/+Tx0
面接官「特技は闇の剣とありますが?」
ガフ 「ああ、ばっちり吸えるンだよ。」
面接官「闇の剣とは何のことですか?」
ガフ 「暗黒剣だ。知ってンだろ?ごちゃごちゃぬかすな」
面接官「え、暗黒剣?」
ガフ 「…体験してみるか?」
アグ 「追い返されるだけでいいッ!」
ガフ 「そんな器用なマネができるもンかッ!」
189:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/27 14:00:02 S6Y9Cm0W0
面接官「特技は闇の剣とありますが?」
シド 「ああ。闇の剣だ。」
面接官「闇の剣とは何のことですか?」
シド 「全剣技だ。」
面接官「え、全剣技?」
シド 「そうだ。全剣技だ。射程内にいる敵に大ダメージを与える。」
面接官「・・・で、その闇の剣はオーボンヌ修道院において働くうえで何のメリットがあるとお考えですか?」
シド 「ああ。敵が襲って来たら守ってやろう。」
面接官「いや、当院には襲ってくるような輩はいません。それに人に危害を加えるのは罪ですよね。」
シド 「でも、神殿騎士にも勝てるのだぞ。」
面接官「いや、勝つとかそういう問題じゃなくてですね・・・」
シド 「相手から100以上奪うのだぞ。」
面接官「ふざけないでください。それに100って何ですか。だいたい・・・」
シド 「100ヒットポイントだ。HPとも書く。ヒットポイントというのは・・・」
面接官「聞いてません。帰って下さい。」
シド 「あれあれ?怒らせていいのか?襲うぞ。背後から。」
面接官「いいですよ。使って下さい。闇の剣とやらを。それで満足したら帰って下さい。」
シド 「運がよかったな。いまアイテム士みたいだ。」
面接官「帰れよ。」
アグ 「さすがは伯だ・・・」
ラム 「何やってるんですか皆して・・・」
190:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/28 10:39:06 PdWq63pI0
おはようアグリアス
191:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/28 16:59:25 BjDqLf2p0
いや、むしろおはグリアス
192:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/28 17:07:42 PdWq63pI0
一文字多くないか?語呂が悪い気がする。
ここはハグリアスでどうだろう
193:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/28 18:58:16 eCb+CJs40
さに略して
アグ「ラムザ、ハグ!」
ラム「朝っぱらから抱き締めろってんですか…」
194:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/28 22:35:05 tl1wOPtz0
NPCアグリアスさんは装備をブレイクされる率が高いような気がする
195:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/28 22:40:34 S+O8Ol6m0
>>193
ラムザ「毒蛇の?」
アグリアス「それはハブだ」
ラムザ「燻製肉ですか」
アグリアス「それはハムだろう」
ラムザ「桜が綺麗」
アグリアス「それは春!」
ラムザ「水に浮く花」
アグリアス「それはハス!」
ラムザ「発と中と」
アグリアス「白!いいかげんにしろこのバカラムザ!」
ラムザ「じゃあこれは?」ぎゅ
アグリアス「は…!? …は、ハグだ。 全く、するんなら素直に最初からすれば好いものを」
196:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/29 02:09:41 gwmg+mTw0
アグさんは免疫ないだろうし、
狙った通りに真っ赤になってくれるのもいいけど
真っ直ぐとか、譲らない信念ゆえの、
定型句じゃない意外な台詞とか見たい
誰を彼をも弾き飛ばして輝くような、一途な叫びを見たいな
そらーラム公も、
そろそろ陽の落ちる忍び寄る闇の中で
なお光を失わないアグさんの瞳から視線を離せないでしょうよ
197:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/29 06:34:52 EIyIOxH/0
アグリアス「わ、私だって恋人の一人や二人いたさ!処女かけたって構わない!」
ラムザ「……」
198:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/29 09:26:41 IbbGMlal0
恋人=非処女じゃないだろう?
199:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/29 15:57:22 AgJo7Uu00
そういうネタでござる
200:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/30 00:23:07 yuKIj+G10
200なら仲夏のアグたんの脱ぎたてゲルミナスパンティくんかくんか
(*`Д´)ムッハァーーッ!!これがアグたんの香りかーーっ!!
201:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/30 00:36:24 96dLWuCu0
「チョコボは靴だ」
「ええ、まあ確かにmoveを補う方法としては下手なアビリティより優秀ですね。
けど出撃人数にも限りがあるので……」
「そんな理屈は聞きたくない! 理想に燃える貴公はどこへ行ったというのだッ!」
「お気持ちは察するに余りありますけど世の中できることと出来ない事があります。
今はテレポで我慢してください。運が良ければ+3くらいの効果はありますから」
「でも今週の巨蟹宮は運勢が最悪だと……」
「そういう変な所で乙女なんですね……」
202:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/30 05:07:44 GxM6Az8Z0
>>200
ラム「ちょ、>>200さんッ!?そのRってイニシャルの付いてる方、僕のですからッ!」
203:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/30 09:45:02 UpNtR5WC0
おぉ…ラムザよ。お前はパンティーはいてるんかwwww
204:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/30 20:05:24 lZagzViD0
シド「レース付きの物は痒くなるからな。綿か毛糸のパンティにしておくのだぞラムザ」
205:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/31 04:49:44 DgtE3EF+0
アグさんとお揃いのゲルパンですか
206:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/31 14:15:44 1HFyg4eq0
アグ「ラムザの使用済みゲルミナスブリーフくんかくんか」
207:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/31 18:42:12 fsdTThLj0
ゲルパンww
その略称は新しいなw
208:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/01 14:43:10 QpruKsx60
そもそもゲルミナスパンティーだかショーツだかの効果ってなんぞや
209:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/01 14:48:19 oczwzMlk0
ナニのMoveとJumpが向上
210:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/01 16:42:03 ND3qU/4a0
アグ「はじめてゲルミナスブーツとゲルミナスパンティとゲルミナスブラを合わせて着用したときの感動を私は絶対に忘れない」
211:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/01 20:00:53 3yNjym8L0
ニア ブレイク
212:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/02 09:51:00 04krHe0h0
どのブレイクしますか?
・ブラブレイク
・パンティブレイク
・ブーツブレイク
・ゲルナミスブレイク
213:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/02 16:13:49 Ksv6ms2x0
ヴァージンブレイクで
214:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/02 17:41:55 04krHe0h0
>213
む…
ラム(ヴァージンブレイク…ってそんな選択しあったのか。
…素敵だ。素敵過ぎる。なんで今まで気が付かなかったのだろう。
風呂を覗いてニヨニヨしたり、ブーツをクンカクンカしたって結局は良い時の夢。
儚い…そう。何も履かないで行こう。アグリアスさんはこの扉の向こう…) カチャ カチャ ヌギ ヌギ
ラム (さぁ、行こう。僕の全てを持って貫通するんだ!) バッ!!
バタンッ!
ラム「さぁ、覚悟して下さい!もう我慢の限界です」 キリ!
アグ「!?」
ラヴィ「あ…」
アリ「ZZZ…」
ラファ「――」
メリ「あら…」
ラム「あれー?」
GAME OVER
215:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/02 18:04:54 dGTH3IZw0
非常に低確率だが「パンティを盗む」でアグリアスさんからゲルミナスパンティをGETしたい
216:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/02 18:24:03 EDrmUid+0
0.1%の確率だって書かれてたな
217:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/02 19:11:30 04krHe0h0
ならば0.1%にかけるしかないな。
黒本を紐解いてみれば、源氏シリーズ0.0%すら盗めると云う。それに比べればまだ希望がwww
218:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/02 20:03:06 g0xfs+dX0
俺はゲルパンの紐を解くよ
219:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/02 20:19:39 EWrLBPJb0
ムスタディオ「念願のアグタンパンティー(オリモノのシミ付)を手に入れたぞッ!!!」
でも…実は、それは…、
ガフガリオンにオケツ穴掘られてキレぢになってたラッドのケツ穴出血付パンティーなのだった。
同じガフ傭兵部隊のラムザが捨てようとしたのを、
ラッドが見かねてオフルパンティーとして愛用していた事実は、ムスタは、知る由もなかった…。
股布部分を丹念にベロデナメールしていたムスタは毒状態になり、
ドンドンHPが消耗していくことに気づいていない訳ではなかったけども、
「アグタンのパンティーならばよしッ!!!!」
とばかりに、その暴挙をやめようとせず、ひたすら必死で吸い尽くさんと一心不乱なのだった…。
毒消しとポーションを飲んではまたアグタン(実はラッドの)パンティーにムシャブリつく…、
ムスタディオはそうやって時間が経つのも忘れ、ビンビンに独り悦に入っていた…。
ラムザ「あ、ムスタディ…ん?、そッ!そのパンティーはぁッ!??!」
ムスタ「しーーーーーッ!!!大声出すな!ラムザぁ…お前にも匂いを愉しませてやっから♪ムッハー♪」
ラムザ「ラッドがパンティーないないって騒いで探しまわってたけども…、
君がそっち方面のアッー!でラッドのパンティー泥棒だったのかァーーーーーー!?」
ムスタ「なッ!なんだとおおオオォォーーーーッ!!!ブーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!
ゲホッゲフォッツおえーーーーッ!!!げろげろーーッ!!
げぇえぇぇーーーーッッ!!!!ゲヴォーーーーッ!!('A`)モホだめぽorz」
…ラッドのいる部屋…。
傷心のラッド「あ!!オイラのパンティー見つけ出してくれたんか!ムスタァーーッ!!」
ムスタ「や…やめろー!!抱きついて喜ぶんじゃねぇーッ!(コノヤロー!頃してぇー)」
ラムザ「ムスタがアグリアスさんの愛用パンティーと思い込んでぬす…ングング」
ムスタ「な!なんでもないぞッ!!見つかってよかったな!ラッド!!」
この一件以来ムスタディオは機工士でなく奇行士のジョブになってしまい、
ラッドと怪しい友情が芽生えることを忌避しつつも、アグタンへの思いを募らせたのだった…。
220:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/02 20:20:35 EWrLBPJb0
…一方、ラムザ隊には…、実は…、闇の部分=暗部(陰部ではない)があった…。
その名もッ!!〔女子限定乙女塾!!〕
そして、いつも…、あの日のイラダチやオリモノ匂いや処理について…、
ラムザから戦略的ジョブチェンジを迫られた際のきわどい衣装におけるムダ毛わっさぁーの手入れ…など、
とても大事でマジメで高度な闇の話題に議論を熱く燃やしていた…。
そして今宵も…、例の会合が開かれていた…。
アグリアス「正直…、私はオリモノくっさいかどうか、心配になってしまって物悲しいワ!
自ら処女幕ブレイクしてまで大切な蜜壷弄るだなんて…怖くて躊躇してしまうものだワ…」
アリシア「上からも下からも愛撫されちゃったら腰が抜けちゃうから注意してねー♪」
ラヴィアン「イケメンシーフにハート盗まれちゃったらマジバカグッチョリに注意してね♪」
マルガリタ「うちの親父のムスコ、デカいのよね。あれじゃあ皆寝ちゃう(性的な意味で)ワ♪」
「疑うものかッ!!信じることこそ愛だワ!!」
「接近戦には避妊具=今度産むを忘れンことヨ♪」
「雷神てウデは立つけどナニ勃つのかなー?暑い日はローブの下すっぽんぽんなんだってー」」
「あーわかるー♪だよねー♪みたーいなー♪えー!ホントにー?…てゆーかー…、そぉなのー!」
ザワザワ…、ワイワイ…、ガヤガヤ…。
コンコン!コンコン!
扉越しのラムザの声「たのまれてたセーリ用品を町でまとめ買いしときましたよー!」
女子一同「サイドギャザーで多い夜も安心だワ(はぁと)」
fin
ベタなやっつけSS正直スマンカッタ
221:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/03 09:42:26 SHJAuRt30
乙
222:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/03 19:33:49 cuo9dhxt0
これはひどいwww
ひどいが個人的には好き
223:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/03 22:20:12 Ill8c5sg0
謝るぐらいなら、書き込まない勇気が欲しかった
224:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/03 23:19:30 Eho2GBMCP
自分が書きたいと思えば書けばいいのさ。プロじゃないんだし。
何がウケて何がウケないかなんて分からん。
少なくとも、>>223のような馬鹿に気を使って書き手が萎縮するのは嫌だね。俺は。
225:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/03 23:25:59 +8LEEVqIP
まぁここは歴代の職人さんのレヴェルが高かったから
目が肥えてしまっているところもあるからね
でも、一読み手としてはSSが来たら楽しいから臆せず投下して欲しい
226:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/03 23:30:27 Ill8c5sg0
>>224
さすが末尾Pは言うことが違うねw
カッコいい!
227:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/03 23:52:18 2+xt7dun0
一桁~10代の頃とか凄かったな
なんであんな職人が大勢集まったんだろ
228:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/04 10:04:53 HxN+vFFz0
最近、ペンを持つ手が重いのだ…。
なぜだろう…?
229:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/04 11:12:21 br75UMfI0
妄想力の暗黒面を鍛えるのじゃ
230:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/04 15:02:48 HxN+vFFz0
暗黒…エロ?
231:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/04 23:24:58 OBakkcjH0
ぬるぽ
232:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/04 23:49:14 zMqJKONH0
ガッ
233:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/05 00:54:03 gKsM+XzT0
結局夏コミはまた杏仁だけか
234:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/05 06:45:45 O4lDinBK0
ぬるぽ
235:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/05 09:03:42 kHWQXTBJ0
杏仁…だと!?
236:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/05 09:05:49 kHWQXTBJ0
FFT関係なら俺はこっちを期待する。
URLリンク(ivafes.web.fc2.com)
夏コミも期待するがね
237:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/05 20:06:43 e62/b3Wy0
保守
238:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/05 23:36:27 Cc5WvGPg0
>>236
なんかショップに並ぶレベルの商品からゼニ出して欲しいモノを買う「客」という立場に慣れきった身としては、
もうその手のジャンルオンリーには物足りなさしか感じなくなってしまった。
我ながら本末転倒ぎみだなあとは承知してはいるけど。
239:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/06 02:04:23 K+Z/MVh10
今やとらのあなやメロン、メッセ等の店が全国にポコポコできるご時勢だもんな
240:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/07 00:09:34 8dz86qXD0
末オソロシイ
241:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/07 01:03:25 CVwSMf4c0
タクティクスオウガがpspでリメイクされるんだって
FFTも正統な続編作ってくんねーかなぁ
あとそれに出てくるラヴィニスってのが世慣れしたアグさんぽくてなんかいい
もうすぐ盆休みだし獅子戦争でも探してくるかな
242:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/07 01:08:39 Q8JrTtTb0
この連日の猛暑だが、
アグさんもおっぱいの谷間や下乳に汗をたっぷりかきながらも頑張ってるのかと思うと、胸が熱くなるな。
胸が熱くなる。
243:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/07 09:38:28 emJa97200
アグ姐さんが鎧脱いだときにムワァって漂う素の体臭くんかくんかムッハァー
244:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/07 19:27:55 8dz86qXD0
俺は胸というより銃が熱くなるぜ。ヒャッハー!
245:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/07 19:30:34 vMacqFz+0
豆鉄砲乙。
俺はロマンダ銃だけどな。
246:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/07 19:36:18 8dz86qXD0
残念だがブラストガンだ。
チョコボキャノンくらいの見た時はショックだよね
247:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/07 19:38:31 vMacqFz+0
俺・・・アイテム士のアグタンにぶっ放してもらうのが夢なんだ・・・
248:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/07 21:37:24 Q8JrTtTb0
ラム太「うわーん、アグえもん~、またウィーグラフに負けちゃったよ~、なにか道具出して~」
アグえもん「道具に頼るな」
249:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/07 22:42:19 ZMgzvDhH0
ラヴィ「セッティエムソンやエクスカリバーに頼ってる隊長の言葉とは思えませんねぇ」
アリ「アカデミー時代から『アイテム貯蓄』なさってましたしねぇ」
250:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/07 23:19:50 vMacqFz+0
アグタンと流れるプールに行きたい・・・
フロートに乗ってるアグタンにちょっかい出したい・・・
251:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/08 00:10:53 /zVwaVUU0
アルガスネ夫「僕のお爺様が大貴族でさあ、今度ジークデン砦を買い取って別荘に改築したんだ。
ラヴィアンにアリシ香ちゃんも遊びにおいでよ。おっとラム太、お前は誘ってないからね」
使用BGM:スネ夫が自慢話をするときに流れている曲(フル)
URLリンク(www.youtube.com)
252:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/08 10:39:48 HvmGGIv90
>>250
じゃあ俺こっそり近づいてフロートひっくり返してみる
253:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/08 11:34:54 brEBZQ7w0
侍になって水面移動を習得することにした。
254:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/08 11:55:11 EbhuHEmM0
俺はテレポ頑張るわ
255:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/08 15:25:15 znI0WvbA0
水中移動だろ常考
256:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/08 21:12:58 1pFXeLgG0
ここの人って本当にアグリアスがラムザに惚れてるとか妄想しちゃってんの?
マジレスすると「今さら疑うものか」の部分は仲間としての信頼度についていってるじゃん
俺はラムザもアグリアスも好きなゲームキャラだけど
この2人はくっつかねえよ
戦友だろ
257:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/08 21:14:57 brEBZQ7w0
何言ってんだお前?
アグタンはみんなの嫁だぞ。
258:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/08 23:55:03 /zVwaVUU0
俺たちの脳みそ変色妄想トレインが爆走し続けなければ50スレも続かなかったであろう
259:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/09 03:40:42 fU9ytpK3P
>>256
恋愛関係あって欲しいとは思うが
アグ様に萌えることが出来れば、実際のところ関係にこだわりはない
何でもウェルカムな懐の深さが50スレも続いた要因さね
260:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/09 11:18:49 ezdKkRmY0
タクティクスオウガのPSPリメイク版にラヴィニスという年上キャラが登場することが判明。
23歳。有能な騎士隊長。曲がったことが大嫌い。
アグリアスにそっくりじゃね?
公式サイト(キャラクターページに載ってる)
URLリンク(www.square-enix.co.jp)
261:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/08/09 11:59:07 rlW8T7z10
>>241なんかも書いてるがいい加減オウガしつけえよ
しかも上げてまで