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FFの恋する小説スレPart10 - 暇つぶし2ch269:ヴァン×パンネロ【1】 ◆WzxIUYlVKU
11/01/01 05:06:32 rmAFztS00
※FF12本編終了後に預かったシュトラールで旅をしているヴァンとパンネロのお話です。
※ヴァンとパンネロのカップリング物です。ぬるいですが恋愛要素を含みます。苦手な方はスルーして下さい。
※ヴァンの日本語がところどころおかしいですが仕様です。

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パンネロは夕焼けがあまり好きではない。
明るい日差しの下だと全てが明らかで、悲しいもの、寂しいもの、そんなものはこの世には存在しない、そんな気持ちになる。
辛い過去などとっくに消えてしまって、今この時と明日の事だけ考えていれば良いと思える。
(だけど、夕焼けは嫌い…)
マシントラブルでモスフォーラ山地の窪みに辛うじて不時着したヴァンとパンネロ。
パンネロはコックピットの窓から夕焼けを眺めていた。
理屈ではないのだ。美しすぎる夕焼けは全ての感情を露にする。
パンネロが涙を流し歯を食いしばりながら蓋をした悲しい思い出、居なくなった人達、行方が分からない人達、そして決して居なくなる事はないラバナスタの街の孤児達、そういった者達が蓋を蹴破って飛び出して来るからだ。
油断すると涙が溢れそうになる。パンネロは奥歯を噛み締めた。
「パンネロ!スパナ取ってくれ。」
声に振り返ると、操縦席の下に潜って操縦系統のシステムの不調を調べているヴァンが手だけ出している。
パンネロは景色に背を向けると工具箱からスパナを取ってヴァンに手渡し、そのまま操縦席に膝を抱えて座りこんだ。
ラバナスタに戻るには燃料がギリギリだった。
そんな時にシステムの不調で不時着。
たとえ直ったとしても離陸にどうしても燃料を喰う。果たして今日中に戻れるだろうか。
運悪くガス欠で砂漠に不時着でも、野宿すれば良いだけの事だ。
夜が明けたら近くの村でチョコボを調達して燃料を運んで…
そこまで考えて、パンネロは財布の中身を思い出してため息を吐いた。
バルフレアとフランから預かったシュトラールを、ちゃんとドックまで連れて帰る事が出来るのだろうか。
それよりもあれ以来行方の分からないバルフレアとフランは本当に帰って来るのだろうか。
心細くて泣きたくなって、ヴァンに声を掛けた。
「ねぇ…帰れるのかな、私達。」
本当に聞きたいのは帰られるかどうかじゃないのだけど。
「大丈夫だ。」
「本当?」
「山地は明け方に気温が上がると上昇気流が生まれる。それに乗って出来るだけ高く上るんだ。
後は少しずつ下降しながら帰る。そうすれば余裕さ。」
パンネロは驚いてヴァンを見る。
「いつの間に…」
「そりゃ、俺だって守りたい者があるからな。」
手を休めず答えるヴァンがとても頼もしく思えて、パンネロはうれしくなる。
「うん、そうだね。シュトラールはバルフレアさんとフランとの約束だもんね。」
不意にヴァンの手が止まった。
「どうしたの…?」
ヴァンは縦席の下から顔を出し、驚いて自分を見ているパンネロに気付くと、不機嫌そうにまた操縦席の下に潜ってしまった。
パンネロは驚いた。
自分でも言ったように、シュトラールはパンネロにとってバルフレアとフランが戻ってくるための約束であり、お守りだった。
(ヴァンは違うのかな?)
てっきり自分と同じだと思っていたのに。
(ヴァンの大事な物って…?)


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