10/12/29 02:00:02 OBY5H/Ne0
※DDdFFの最新トレーラーのフリオとライト義姉さんのシーンを見たら色々滾ってきて勢いで書きました。
※フリオニールとライトニングのカップリング物です。ぬるいですが恋愛要素を含みます。苦手な方はスルーして下さい。
※内容はほとんどが投稿人の勝手な妄想です。完全なるフライング小話です。ゲーム本作の内容とは異なります。(当たり前ですが)
フリオニールはものすごく困っていた。
仲間四人で野営をしていたら、その内の二人が急に見張りに行くと言い出して。
残ったのはライトニングと名乗る女戦士だけだ。
男だろうが女だろうが、仲間である事に変わりはない。だが、少し前に彼女と言葉を交わした。彼女が自分の大切にしている夢に関心を持ってくれてそれ以来、彼女の事が気になって仕方がないのだ。
席を外した二人を恨めしく思いながら、隣に座る変わった服装の女性を横目でそっと盗み見た。
たき火の炎に照らされた横顔が美しく、柔らかそうな髪は彼の好きな花を思わせる甘い色をしている。すっと通った鼻筋、伏せられた眼を縁取る長いまつ毛が落とす影、思わず見とれてしまう。
さすがに不躾だろうと慌てて目を反らしたが、その仕草が逆に隣に座る女戦士に気取られる結果となってしまう。
「なんだ?」
どうしてこの女性は男の様な話し方をするのだろう。
男勝りな女性は仲間にも居たが、それでも、そのまんま男の様な話し方をしたりしなかった。
「ライトニングは、その…どうしてそんな話し方をするんだ?」
ライトニングは怪訝な表情でフリオニールをじっと見つめる。フリオニールの顔が瞬く間に赤くなる。よく日焼けした彼の顔がたき火の炎に照らされていても、それでも分かるくらいに。
ライトニングにも男女の機微には疎い方だが、彼が少なからず自分に好意を持っていることくらいは分かる。
以前の自分はそんな感情を疎ましく思っていたのだろう。でも、この男だけは何故か違った。
何故だろう、この男と一緒に居ると心が安らいだ。良く言えば何を言っても受け入れてくれる、悪く言えば何を言っても許してくれるような、そんな感じだ。
博物館から抜け出て来た様な鎧姿に武器、堂々たる体躯にも関わらず口をついて出てくる言葉は少年の様にあどけない。今だって、ライトニングの男勝りの言動を咎めているのではないのが分かる。
「おまえは何故そんな格好をしているのだ?」
フリオニールはライトニングが言っている意味が良く分からず、首を傾げる。
「俺の…この、格好の事か?」
フリオニールは落ち着きなく、自分の鎧に触れ、
「どこか…変…か?」
「いや…そうじゃない…」
慌てる初心な反応がなんだか可愛い。
「お前の居た世界ではそれが当たり前なんだろう?」
「そうだな…兵士は大体こんな感じだ。もっとも、俺みたいに歩く武器屋みたいな奴は居ないけどな。」
ライトニングに怒っている様子はない。お互いの話が出来るのがうれしくて、フリオニールは勇気を出して言葉を続けた。
「俺の仲間にも女の戦士が居た…と思う。でも、ライトニングの様な喋り方はしなかった。だから不思議に思ったんだ。」
こんなに美しい人が、と言いかけてフリオニールは慌てて口を噤んだ。
「ライトで良い。」
相変わらず男の様な言い方だが、声が優しい。