FFの恋する小説スレPart10at FF
FFの恋する小説スレPart10 - 暇つぶし2ch221:ラストダンジョン (378)   ◆Lv.1/MrrYw
10/10/25 23:33:28 Z3E9w06r0
前話:>>205-208
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 その言葉を聞いてから、ユフィが反応するまでにはかなりの間があった。
「クラウド……? なに、言って……」
 とても冗談を言っている顔には見えないし、冗談を言ってられる様な状況でない事も分かって
いる。けれど、この時はクラウドの言葉を冗談だと思いたかった。
「おっちゃんがモンスターなワケないじゃん! 下で何があったか知らないけどさ、そんな言い方
あんまりだよ!」
 亡霊の次はモンスター、しかもそれを口にしたのはクラウドだった。冗談はおろか揶揄などする
ような性格ではない彼が、なぜそんな物言いをしたのか? 事情を考えるよりも感情が先に立った
結果、ユフィの言葉は非難めいたものになった。
 ユフィにしてみても、今日ここで出会ったリーブと彼らに聞かされた話はどれも理解しがたい
ものだった。だからといって、敵と割り切れるような存在ではないと―6年前の困難な旅路を
共にした“仲間”だと―その思いだけは揺るがない。仮にリーブの方が割り切っていたのだと
しても関係ない。自分に向けて「平気と言うわけではない」と言ったリーブを最後まで信じたかった。
信じようと決めたばかりだった。
 なのに。
「ケット・シーは仲間だったよね? 確かにあの時おっちゃんは遠くで操作してただけかも知れない
けどさ、仲間に違いないじゃんか!」
 クラウドの言葉を聞いて不安になった。これ以上迷いたくないし信じたい、だけど晴れることの
ない疑いは、まだ確かに心の片隅にあった。だから不安に駆られる。その事をユフィは理解して
いた。
 だからこそ不安を吹き飛ばそうと勢い任せに声を張り上げた。そんなユフィを見上げ、クラウドは
頷いた。
「……分かってる。いつも見えないところから、俺たちを助けてくれた」今度はユフィをしっかりと
見据えて言った「大切な、仲間だ」。
「じゃあ!」尚も問い質そうとしたユフィは、改めて見たクラウドの表情に言葉を失う。ソルジャーの
証たる魔晄色の瞳が、深い悲哀を帯びながら僅かに揺れていた。
「……ごめん」


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