09/12/10 21:43:55 5bQmTaHJ0
IF もしもマリベルが○○○と出くわしていたら…
「まだかしら…、トッロイわねー…」
マリベルがソファに座りながら、ツンとした態度でアルスの姿を見ていた。
隣にはガボが両足を伸ばして座り込んでいる。
ここは、クレージュのせかいじゅのしずく屋。次の冒険に備えての回復アイテム調達のために来ていた。
この店はいつも大行列。商品のしずくは、パーティ全員の傷がほぼ全回復するということで大評判だ。
あまりにも混みぐあいがひどいので、ガボとマリベルは近くのソファで座って待ってもらい、アルスだけが立ち並ばせることにした。
この店の商品は、数量限定である。いつ、品切れが起きるか分からないので、来店客はハラハラしている。列に並んで5分、ようやくアルスがカウンターの
前に立った。だが…
アルス「うわっ!」
アルスの後にいたあらくれ男がアルスを横に退かし、割り込んでカウンター前に立った。
「へっへー! 早いもん勝ち!」
アルスは立ち上がって、あらくれ男に叱咤した。
「だ、だめですよ! 順番を守らなきゃ! 僕が先なんですよ!!」
すると、あらくれはアルスの胸ぐらをつかんだ。
「ああん? 文句あっかよ? この店は早いもん勝ちなんだぜ!!」
と、そのとき…
「こらこら~」
あらくれの後から長い金髪の若い男が近寄り、あらくれの肩をつかんだ。
「そらだめだわよ兄ちゃん。それじゃあひきょうもんになっちゃうじゃないのよ」
あらくれはアルスを離した後、今度は金髪の男の胸ぐらをつかんだ。
「なんだとてめえ! やる気か!?」
そのとき、金髪の男は右手で胸ぐらをつかんでいるあらくれの腕をつかみ、強く握り締めた。
ぎゃあああーーっ、とあらくれの激痛の悲鳴が店中に響く…。
「てめえ…、かよわいお子様に手を出しやがって…」
金髪男は正拳突きを放った。ドカッと拳が顔面に直撃する。
「私は許しませんよーーーっ!!」
拳を伸ばすと、あらくれ男は外へと放り出されてしまった。
アルス「あ、ありがとう…、ございます…」
あらくれに突き飛ばされ、腰を抜かして座りこんでいるアルスに、金髪男は手を差し伸べる。
「ほら、買い物しなよ。」
アルス「は、はい。」
周りの視線がこちらに集中している中、アルスは立ち上がり、その場で一礼した後カウンターに向かい合い、せかいじゅのしずくを購入した。
ガボとマリベルはその様を呆然と見ていた…。