09/11/19 01:07:11 nwmt4RWB0
>>197
「マリベルー、しようよー」
マリベルが寝ていると、隣からアルスが抱きついてきた。
伸びた腕がマリベルの顔を寄せようとする。
「うっさいわね、盛ってんじゃないわよ」
ぞんざいな物言いでその腕を振り払うと、
マリベルは寝返りを打ってアルスに背を向けた。
実際その晩、二人は既に十回近くまぐわっていたのである。
二人はまだ若くて体力もあるし、アルスは体力、性欲の有り余る時期でもある。
盛りがつくのはどうしても仕方がない。とはいえ、二人は冒険中の身でもある。
あまりこういうことに現を抜かすのもどうかと、マリベルは思っていた。
それでも。
「ねーえー、しようよー。マリベルのお尻見てたら収まりがつかなくなっちゃったよう」
しつこく迫るアルスの胸板が、マリベルの背中に触れる。
男らしいごつごつした感触の下から、アルスの鼓動が伝わる。
いつの間にか脇の下をくぐった腕がマリベルの胸を包むと、アルスの体温が広がる。
お尻には、硬い感触。既にアルスは回復していたらしい。
耳元にアルスの息。今にも甘がみされてしまいそうなくらいに
アルスの顔が近づいているのが分かる。
「だーめったらだーめ。明日も冒険でしょ、あたしはもう休みたいの」
少しきつめに言って、マリベルはアルスの誘いを蹴ろうとする。
けど。
「でもマリベル、こんなにどきどきしてるじゃない」
さっき誘われたときから興奮していたのは、すっかりばれてしまっていたようだ。
「こ、これは別にッ、あ、明日の冒険が楽しみなだけでっ」
声が上ずる。顔が熱を帯びる。焦るマリベルの様子を楽しむかのように、
アルスの追い討ちが来た。
「でも、マリベルのここはしたいって言ってるよ？」
アルスの手を局部に感じる。そこでアルスの指が動く。くちっという水音。
もはやマリベルに、言い逃れの手段はなかった。
なんのことはない、結局盛っているのは自分も同じではないか。
「……後一回だけよ」
「わーいっ！マリベル大好きー！」
マリベルはこうして、今晩十一回目のまぐわいを許したのであった。
おしまい