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人生はレストランなのだ。提供されたフルコースだと思い存分に味わえばいい。
今になって俺はそう実感した。
普段の授業中はDQN色丸出しのテニサーやサッカー、野球サークルの奴らが
先輩や友人たちの情報を駆使して要領よく単位を取り
卒業後は優良企業に就職している現実を俺は受け止められない。
同世代の上位5%に入る学歴と公認会計士の合格者である俺なら
必ずや内定がもらえるだろうとそう思っていた。
とある企業へ面接に行ったときの話だ。
「あなたが学生時代最も打ち込んだことを教えてください」
面接官に聞かれる。もちろん勉強に決まっている。
「そう・・・ですか。ではあなたのアピールポイントは?」
きたな。苦心の末合格した会計士試験だ。 おまけにTOEIC900点で鬼に金棒だ。
「・・・それしかないんですか?他には?」
何だと?“それしか”はどういうことだ。十分なアピールになるだろうが。
そう言いたいのをこらえる。
とりあえず真面目さが売りだ。仕事は真面目にやる。
そう答えたが
「普通仕事は誰だって真面目にやりますよ。生活が掛かってるんだから。違う?」
そう言われた。いちいちうるさい面接官だ。
「では大学時代の経験について聞かせてください」
だから会計士の勉強を頑張ったと言っているだろう。何か不満でもあるのか。
第二外国語が中国語だったことも話しておくか。
「そう・・・ですか。では中学、高校時代に何かスポーツはやっていましたか?」
は?勉強で忙しいのに部活、特に疲れるスポーツなんかやるわけがないだろ。
勉強に差支えが出る。そんなものは社会人になってからやればいい。
勉強しないでスポーツに打ち込んでたような馬鹿とは大違いだ。
「・・・分かりました。以上です。」
後日、その企業から激励の知らせを受けた。