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【映画 怪物くん 5点(100点満点中)】
そんなわけで一切の期待をせず見に行ったわけだが、そこで得たものはやはりゼロであった。
その意味では、期待を裏切らない仕上がりである。
漫画やアニメ通りの風貌をもつ怪物くんを大野智が演じる意外性は原作のドラマと同じだが、
大スクリーンでみると改めて尋常ではない違和感である。
その姿はほとんど英国風ちんどん屋とでもいうべきもので、カントリーブーツもショート丈の
パンツも個々のアイテムは決して悪いものではないが、組み合わせでここまで品格を壊せるものか
と感心させられる。
嵐のファンはこんな大野くんを見たがって1800円を支払うのだろうかと、理解困難な疑問の渦が
脳内を駆け巡る。
世界広しといえどこんな映画が季節の目玉として成立するのは日本だけだろう。
映画の内容は、スペシャルなカレー食いたさに王女を救いに行った怪物くんが、色々苦労をして
ちょっとだけ人間的成長を遂げるという、子供向き映画のひな形通り。
手足が伸びるチープなVFXの見せ場もわかりやすく、小学生くらいの子供たちはそれなりに楽しめる
かもしれない。
とはいえ、大人の一見さんにとっては、この作品を見る理由は何もない。
トンデモ映画探しを趣味とする人に対してさえ、さほどの突き抜けがあるわけでもないからすすめはしない。
ただただ不思議な国、ニッポンの現況をよく表しているなと、感心するのみである。